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魔物達は覚悟する青年の上で昂ぶった男根を露出させる

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憎き裏切り者共が別れ際に見せた嘲りと優越感をたっぷりと込めた下品な笑みを思い出しながら、青年が装備を剥ぎ取られ代わりに縄の拘束を着せられた裸体をひたすらに暴れさせ続けている。不意打ちで嗅がされたしびれ薬の効果がようやく抜けた事実にわずかな安堵を募らせながら、青年は白布を用いた猿轡によって言葉と共に縄との格闘を禁じられた口からくぐもった唸りを漏らしつつ自由を取り戻す為の試行錯誤を一生懸命に重ね続けている。
しかし、状況は変わらない。裸体に加えられた縄の縛めは、肌に食い込むばかりで緩む気配すら見せない。二の腕と胸部を繋ぎ、胴体の真後ろで左右の手首を交差させた形に固定している上半身の縄は腕に幾ら力を込めても解けず、麻袋を被せられ指の使用を不可能にされた手をどんなに頑張らせても振り払えはしない。右足首を左の膝の上に縫い付け、左の足首を右の膝の下側に括り付ける縄によってあぐらのような形を強要された足をもがかせても身動きを大きく制限された現実は覆せず、左右のすねを一まとめにする形でもたらされた追い打ちの縄を首へと繋げられた状態からも逃れられない。
何をしても、ありとあらゆる身動きを没収された姿からは離れられない。じっとしていても全身の関節がギシギシと軋む不自然な体勢から脱したくても、青年の足掻きはその努力を嘲笑うかのような縄の音を立てるだけに終わってしまう。
だが、青年は諦めること無く縄を解こうと裸体をよじらせる。口内に詰め込まれた布とその布を吐き出せないようにさせている鼻と口を緩み無く覆う白布のせいで呪文の詠唱を却下され、指を使えなくさせる麻袋のせいで盗賊として生きる上で培った技の行使も叶わない立場に追いやられた絶望を感じながらも、青年は息を乱し汗で全身を濡らしつつ危機の打破を求め続けている。
それも当然だろう。盗賊である青年が罠に嵌められ裏切りに遭い、所持品を取り上げられた上で放置されているこの空間は、魔物達の巣窟である迷宮の最深部なのだから、焦りと恐怖を剥き出しにしたなりふり構わぬ縄との戦いを繰り広げるのは至極当たり前の展開だ。

「んぐっ……ふうぅ、ぶうぅっ」

早くしなければ、魔物がこの場に現れてしまう。武器が無くとも倒せる下級魔物相手ですら抵抗一つ行えない今の自分では、為す術無く命を刈り取られてしまう。
そんな情報を常に抱きながら、青年は石の床に腰掛けさせられた縄塗れの裸体をじたばたと動かし続ける。死よりは遥かにマシだと自らに言い聞かせながら、青年は食い込む縄の痛みと乱れきった呼吸が味わわせてくる息苦しさを意識しないよう努めつつ、呻きを抑えて自由の奪還を欲し続けている。
けれど、やはり縄は解けない。青年は事態の好転に繋がる変化を一切手に入れられぬまま体力のみを消耗し、とうとう恐れていたその時を迎えてしまった。

「アギ? グギャァッ?」
「ルギウオ、ガギアァ!」

冒険者の間で自らの実力を試す最初の相手として推奨されているゴブリン達が、手も足も出せぬ青年を見付けあっという間に取り囲む。
自分を見下ろす緑の肌をした最低級の魔物達を打ちひしがれた表情で見上げた青年は、胸で燃えさかっていた復讐心の炎を一気に萎ませつつうなだれ、もうすぐやって来るであろう終わりを覚悟する。
死を受け入れ、己の油断を最期に悔やんでいる青年を包囲したゴブリン達は初めて手に入れた無抵抗な冒険者という思わぬ収穫に悦びの声を上げながら腰を覆っていた薄汚い布を剥ぎ取り、青年が覚悟していた物とは大きくかけ離れた末路を、食料としてではなく労働力兼娯楽として青年を捕らえ二重の意味で扱き使う淫猥な隷属の末路を作り出す凌辱に向けた準備を、まだ視線を床に向けている青年の真上で昂ぶった男根を露出させることで整えていくのだった。
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