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男は朦朧とした頭で雄臭い水分を悦ぶ
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通気性が無く、エアコンはおろか扇風機も設置されておらず、それでいて天窓から陽光が差し込んでくる。その三つだけでも、倉庫の中は熱気に満たされている。ただそこに置き去りにされただけでも男は大量の汗を流しながら、暑さによる苦悶で絶えず追い詰められていただろう。
しかし、残酷な男達は捕らえた男にただの暑さによる責めなど施しはしなかった。男達は余計に暑さを加速させる拘束を何の躊躇いも無く男に与え、言葉と同時に熱の逃げ場を少しでも奪うためにと口にも栓を施した上で男を熱された倉庫に残しその場を去ったのだ。
当然、男はじりじりと肉体を蝕み心を憔悴させる暑さから逃れようと、一人きりの倉庫で必死にもがいた。だが、どんなにもがき、床の上でのたうち回ろうと男達が衣服の上から加えた拘束はビクともしない。幾重にも巻き付けられたラップと、ラップに重ねて巻き付けられた黒のガムテープによって気を付けの姿勢で固められた肉体をなりふり構わずに身悶えてさせても、拘束はぎちぎちと軋むのみで全く緩まない。
哀れな男がテープを貼り付けられた口で唸りながら半狂乱で暴れ、自由を奪い熱を封じ込める無慈悲な拘束から抜け出そうと試行錯誤を繰り返してもそれは無駄で。男は何一つとして状況を変えられぬまま、募る一方の熱と自らの足掻きがもたらした消耗によって疲弊させられ、意識を朦朧とさせながら倉庫の床にぐったりと横たわるだけの無様な姿となってしまった。
「んぅ……ふぐ、むうぅ……」
もう男は、無意味に汗塗れの肉体をよじらせラップとガムテープを鳴らすことさえ出来ない。人気の無い山奥の倉庫に男達以外の誰かが近寄るという奇跡に掛けて塞がれた口からくぐもった叫びを放つ気力さえ無い。それどころか、このままほったらかしにされ続けたらいずれは死に至ってしまうという事実に恐怖する思考能力すら、今の男には無い。
逃げ場の無い暑さに追い詰められ、心と身体をすり減らされた惨めな男。そんな男が放置されていた倉庫の扉が、突然に開く。
それは、非道な男達の帰還を示す音で。男達は山の麓の定食屋で膨らませた腹をさすり予想以上の熱気に驚きながら、予想を遥かに超える情けない衰弱姿を晒している男へと残酷に微笑みながら歩み寄った。
「刑事さん、ただいま。良い子にして待ってたかい?」
「ここを離れる前の反抗的な態度が嘘みたいにぐったりしてくれて……特製サウナを随分と堪能してくれたみたいだねぇ」
言いながら、男達は汗に濡れた刑事の頭部を押さえつつ刑事の口を閉ざしているテープを剥がしてやった。
「ぷぁっ、はぁ、く、はぁっ……」
自由を取り戻した口から、溜まっていた唾液と共に吐き出せずにいた苦悶の吐息が漏れる。けれど、言葉は一向に紡がれない。暑さを用いた拷問以外の何物でもない責め苦に打ちのめされた刑事は、怒りの言葉を発する以前に自分を苦しみの中に閉じ込めていった男達が帰ってきたことの認識すら叶わぬまま、霞む視界で男達を見つめつつ荒く乱れた呼吸を繰り返している。
その様子に笑みの黒さを深め、目を冷酷に細めた男達は、すでにボロボロとなっている刑事に淫らなとどめを刺すための準備を始めた。
男達は、あらかじめ倉庫に用意しておいた犬用の器を取り出し、全員で麓に向かう際に使用した車に搭載されている小さな冷蔵庫で冷やしておいた十数人分の、ペットボトル入りの精液を取り出した器に並々と注ぎ、冷やした精液で満たされた淫猥な器を刑事の眼前に置いたのだ。
「ほーら、刑事さん。喉渇いたでしょ、飲みなよ」
「ちょっとえぐみがあるだろうけど、よく冷えてて美味しいよー? さ、飲みなさい」
「うぅ、あぅっ……」
目の前に犬用の器が置かれていることも、その器が精液でいっぱいになっていることも、うつ伏せにさせた肉体をテープの上から押さえ髪を掴んで持ち上げさせた顔面の下に器を押して移動させる男達の表情が悪魔のように歪んでいることも、何もかも分からぬまま精液を飲めと要求された刑事は頭皮に走る痛みに呻きながら、引き結ぶ力も失った口からだらりと垂れた舌先をよく冷えた精液に付着させた。
その瞬間、刑事の目が輝きをわずかに取り戻す。希求していた水分が舌に触れている事実のみを把握した肉体は舌を夢中で動かして水分を口に運び、男達の目論見通りに精液の摂取を開始する。
「あっ、あぁ、あむっ、んむぁっ」
口に広がるえぐみと雄臭さも気にならない。与えられた水分をただただ本能で悦び、刑事は一心不乱に精液を飲んでいく。
夢中で舌を動かし、嬉しそうに精液を嚥下する刑事を愉しんでいる男達は、愉悦に満ちた表情をより残忍に歪ませながら、口の周りを白く汚している刑事に穏やかな口調を作って言った。
「うんうん、美味しいね。良かったね、刑事さん」
「このペットボトルが空になっても、まだまだおかわりは用意してあるからな? 好きなだけ飲んで、精液の味をしっかり覚えるんだぞー?」
「んむっ、あぁ、んぐっ、んちゅ……っ」
自分達の声も聞こえないくらいに精液を飲むことに集中している刑事を眺める男達は、何度味わっても飽きない捕らえた男を淫らに壊し常識を塗り替えていく快感が生み出す幸福に打ち震えながらその幸福が誘発する興奮の感情で肉体を火照らせ、倉庫に漂う熱で噴き出した汗の分泌量を更に引き上げていた。
しかし、残酷な男達は捕らえた男にただの暑さによる責めなど施しはしなかった。男達は余計に暑さを加速させる拘束を何の躊躇いも無く男に与え、言葉と同時に熱の逃げ場を少しでも奪うためにと口にも栓を施した上で男を熱された倉庫に残しその場を去ったのだ。
当然、男はじりじりと肉体を蝕み心を憔悴させる暑さから逃れようと、一人きりの倉庫で必死にもがいた。だが、どんなにもがき、床の上でのたうち回ろうと男達が衣服の上から加えた拘束はビクともしない。幾重にも巻き付けられたラップと、ラップに重ねて巻き付けられた黒のガムテープによって気を付けの姿勢で固められた肉体をなりふり構わずに身悶えてさせても、拘束はぎちぎちと軋むのみで全く緩まない。
哀れな男がテープを貼り付けられた口で唸りながら半狂乱で暴れ、自由を奪い熱を封じ込める無慈悲な拘束から抜け出そうと試行錯誤を繰り返してもそれは無駄で。男は何一つとして状況を変えられぬまま、募る一方の熱と自らの足掻きがもたらした消耗によって疲弊させられ、意識を朦朧とさせながら倉庫の床にぐったりと横たわるだけの無様な姿となってしまった。
「んぅ……ふぐ、むうぅ……」
もう男は、無意味に汗塗れの肉体をよじらせラップとガムテープを鳴らすことさえ出来ない。人気の無い山奥の倉庫に男達以外の誰かが近寄るという奇跡に掛けて塞がれた口からくぐもった叫びを放つ気力さえ無い。それどころか、このままほったらかしにされ続けたらいずれは死に至ってしまうという事実に恐怖する思考能力すら、今の男には無い。
逃げ場の無い暑さに追い詰められ、心と身体をすり減らされた惨めな男。そんな男が放置されていた倉庫の扉が、突然に開く。
それは、非道な男達の帰還を示す音で。男達は山の麓の定食屋で膨らませた腹をさすり予想以上の熱気に驚きながら、予想を遥かに超える情けない衰弱姿を晒している男へと残酷に微笑みながら歩み寄った。
「刑事さん、ただいま。良い子にして待ってたかい?」
「ここを離れる前の反抗的な態度が嘘みたいにぐったりしてくれて……特製サウナを随分と堪能してくれたみたいだねぇ」
言いながら、男達は汗に濡れた刑事の頭部を押さえつつ刑事の口を閉ざしているテープを剥がしてやった。
「ぷぁっ、はぁ、く、はぁっ……」
自由を取り戻した口から、溜まっていた唾液と共に吐き出せずにいた苦悶の吐息が漏れる。けれど、言葉は一向に紡がれない。暑さを用いた拷問以外の何物でもない責め苦に打ちのめされた刑事は、怒りの言葉を発する以前に自分を苦しみの中に閉じ込めていった男達が帰ってきたことの認識すら叶わぬまま、霞む視界で男達を見つめつつ荒く乱れた呼吸を繰り返している。
その様子に笑みの黒さを深め、目を冷酷に細めた男達は、すでにボロボロとなっている刑事に淫らなとどめを刺すための準備を始めた。
男達は、あらかじめ倉庫に用意しておいた犬用の器を取り出し、全員で麓に向かう際に使用した車に搭載されている小さな冷蔵庫で冷やしておいた十数人分の、ペットボトル入りの精液を取り出した器に並々と注ぎ、冷やした精液で満たされた淫猥な器を刑事の眼前に置いたのだ。
「ほーら、刑事さん。喉渇いたでしょ、飲みなよ」
「ちょっとえぐみがあるだろうけど、よく冷えてて美味しいよー? さ、飲みなさい」
「うぅ、あぅっ……」
目の前に犬用の器が置かれていることも、その器が精液でいっぱいになっていることも、うつ伏せにさせた肉体をテープの上から押さえ髪を掴んで持ち上げさせた顔面の下に器を押して移動させる男達の表情が悪魔のように歪んでいることも、何もかも分からぬまま精液を飲めと要求された刑事は頭皮に走る痛みに呻きながら、引き結ぶ力も失った口からだらりと垂れた舌先をよく冷えた精液に付着させた。
その瞬間、刑事の目が輝きをわずかに取り戻す。希求していた水分が舌に触れている事実のみを把握した肉体は舌を夢中で動かして水分を口に運び、男達の目論見通りに精液の摂取を開始する。
「あっ、あぁ、あむっ、んむぁっ」
口に広がるえぐみと雄臭さも気にならない。与えられた水分をただただ本能で悦び、刑事は一心不乱に精液を飲んでいく。
夢中で舌を動かし、嬉しそうに精液を嚥下する刑事を愉しんでいる男達は、愉悦に満ちた表情をより残忍に歪ませながら、口の周りを白く汚している刑事に穏やかな口調を作って言った。
「うんうん、美味しいね。良かったね、刑事さん」
「このペットボトルが空になっても、まだまだおかわりは用意してあるからな? 好きなだけ飲んで、精液の味をしっかり覚えるんだぞー?」
「んむっ、あぁ、んぐっ、んちゅ……っ」
自分達の声も聞こえないくらいに精液を飲むことに集中している刑事を眺める男達は、何度味わっても飽きない捕らえた男を淫らに壊し常識を塗り替えていく快感が生み出す幸福に打ち震えながらその幸福が誘発する興奮の感情で肉体を火照らせ、倉庫に漂う熱で噴き出した汗の分泌量を更に引き上げていた。
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