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最終話
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薊彌と芦月は、それから二日間、佐倉川邸に留まった。
蛉籃石の加工は、芦月が出来るようだ。別の技術者が呼ばれる事はなかった。
彼らには、客間の他に、作業場として古いガレージが与えられ、利玖と同じ蛉籃石の片割れを持つ史岐も、万が一の事態に備えて客殿に滞在する事になった。
二日目の朝に利玖がやって来た。
ふきのとうがいっぱい入った笊を持っていて、
「天麩羅にしましょう」
と言った。
佐倉川家の客殿には厨房が備え付けられている。母屋がある山の麓から、さらに離れた所に建っていて、母屋で作った料理を温かいうちに運ぶのが困難な為だ。史岐は一日目の午前中に車を借りてスーパへ買い出しに行き、それ以降は自分で簡単な食事を作って食べていた。
「さすがに、泊めてもらっている家の油で揚げものをする勇気はないよ」
「お歳暮でたくさんもらって余っているんですよ」
利玖と二人で厨房に立ち、分担して下ごしらえをする。
「潟杜に戻ったら揚げものなんて、気軽に出来ませんから」
「天麩羅くらい、いつでも作ってあげるけど」史岐は衣をつけたふきのとうを菜箸で持って、揚げ油に近づける。「危ないから、あっちで待ってたら?」
利玖は「はい」と言って出て行ったが、ふきのとうを揚げ終えて部屋を見に行くと誰もいなかった。どうやら、客殿自体から出て行ったらしい。
大皿に天麩羅を盛りつけながら待っていると、やがて、母屋の方角から足音が近づいてきた。
「お米を忘れていました」利玖は、黒い炊飯器を抱えていて、それを部屋の隅に置く。ケーブルを伸ばしてコンセントにプラグを挿し、保温モードをオンにした。
「いいのかなあ、何から何まで……」
「お母さん、もう一台の方でも炊いていましたよ。お客様が三人もいらしては、五合炊き一台じゃ足りませんから、わたしと史岐さんはこれでまかないましょう」
「じゃ、次は布団?」
「加工は、今日の夕方には終わるそうです」
「あ、そう……」
白米を茶碗によそい、天麩羅に箸をつけた。
さっくりした歯ごたえとともに、柔らかなほろ苦さが口の中に広がる。しばらく、二人とも無言で揚げ立てのふきのとうを味わった。
三つほど食べた所で、史岐は湯呑みに手を伸ばす。
熱い茶を一口飲み、
「サルを手放した事、迷っているのかと思った」
と呟いた。
利玖は目をぱちくりとさせて史岐を見る。一旦、前を向き、箸で掴んでいた天麩羅をさくさくと最後まで食べ終えてから、史岐と同じように湯呑みを手に取った。
「ふきのとうの笊を持ってきた時は、少し……」湯呑みを手に持ったまま、利玖は首を振る。「だけど、やっぱりわたしには重すぎると思います」
史岐は笑った。
「え、何ですか?」
「前にも、同じ事を言ったから。喉に憑いた『五十六番』の半身を剥がす為に、薬を飲んでもらった時」
「はあ」利玖はどこか、ぼんやりとした様子で頷く。「えっと、そうでしたっけ……」
「あれを飲むと、直前の記憶をなくす事がある」史岐は目を細めて、茶をもう一口飲んだ。「僕の家への貸しにしておくのもおすすめするよって言ったら、そんな重い物、持って歩けません、って返された。あの時は、本心から言ったけれど、今となってはそんな形で利玖ちゃんをうちと繋がらせなくて良かったと思う」
利玖は、史岐の顔から目を逸らし、ゆっくりと湯呑みを机に置いた。
「史岐さんは、卒業したら、県外に出られるおつもりですか」
「選択肢としては、当然、あるよ」史岐も湯呑みを置き、座り方を変えて利玖と正対する。「そういえば、まだ、その辺りをちゃんと話した事がなかったね。利玖ちゃんはどうしてほしい? 東京とかには、行ってほしくない?」
「え?」利玖は目を丸くする。「そんなの、わたしが決めて良い事では……」
しかし、彼女は途中で口をつぐむ。
両手で包むように湯呑みに触れ、小さな声で「すみません」と言った。
「今の言い方は、ちょっとずるいですね」
利玖は目線を上げ、欄間の辺りを見つめる。渦巻く雲海の間から、翼を広げた鳳凰が今しもその姿を現そうとする場面が、緻密な透かし彫りで表現されている。
「遠くに行ってほしくない気持ちもありますし、誰も史岐さんの事を知らない土地で、心機一転、新しい暮らしを始めてほしい気持ちもあります。正直……、今の親御さんとは、離れてほしい」利玖はうつむき、親指で湯呑みの表面をこする。「でも、わたしだっていつか、残りの人生を懸ける価値があると思えるものに出会ったら、まっしぐらにそれを追っていくかもしれません」
「君の学科は時々、とんでもない所に調査に行く人がいるよね」
「ええ……」利玖は頷く。「だから、史岐さんにも、その時々で大切にしたい事を優先して、自然に決めてほしいと思うのです」
「君の為に潟杜に残るよって言う心積もりも、あったんだけど」
「わたしが新種の昆虫を探して、東南アジアとか南米に行ってしまうかもしれません」
「それは、ないような気がするけど」史岐は苦笑して、再び箸を手に取る。「実習でワームみたいな虫が出て来た時、どうしてるの?」
「そんなにやたらめったら、色んな生き物に手を出さないんですよ」利玖は指を振る。「虫ばかり扱う訳でもありませんし、もっとミクロな分野、例えば生理学や遺伝子工学も、きっちり修めなければいけません」
「まだ、ワームの問題には直面していないんだ」
「過去数年分のシラバスから、ある程度、実習の内容は予想がつきます。研究室への配属が決まる三年生の後期まで、ワームがわたしの前に立ちふさがる確率は、ほぼゼロと言って良いでしょう」
さも得意げな顔で言い終えた後、利玖は、ふっとくつろいだ表情になって縁側の外を見た。
「でも、四月になって、年度が変わって、他の大学からワーム専門の教授がやって来て、講座を持つ可能性だってあるかもしれません。わたし達の将来は、それくらい無秩序な可能性に満ちていて、あらかじめ一つに決めてしまうにはあまりに危うい。それを持て余しているうちは……」利玖は、史岐の方に目を戻した。「毎年、ここで採れるふきのとうで天麩羅を作って、一緒に食べる。わたしと史岐さんの二人で。そのくらいの約束が、ちょうど良いんじゃないでしょうか」
そう言った後で、利玖は「あ」と口に手をやる。
「でも、母はまだ良いとして、父や兄がいたら、史岐さんは気になりますよね。場所は変えましょうか」
「いや」史岐は首を振った。「僕も、またここに来たい。ここに……、受け入れてもらえたら、嬉しい。だから、その為の努力は、自分でするよ」
利玖は、史岐の顔を見つめて瞬きをした後、くすぐったさを堪えるように躰を揺らして「はい」と微笑んだ。
「お待ちしています」
蛉籃石の加工は、芦月が出来るようだ。別の技術者が呼ばれる事はなかった。
彼らには、客間の他に、作業場として古いガレージが与えられ、利玖と同じ蛉籃石の片割れを持つ史岐も、万が一の事態に備えて客殿に滞在する事になった。
二日目の朝に利玖がやって来た。
ふきのとうがいっぱい入った笊を持っていて、
「天麩羅にしましょう」
と言った。
佐倉川家の客殿には厨房が備え付けられている。母屋がある山の麓から、さらに離れた所に建っていて、母屋で作った料理を温かいうちに運ぶのが困難な為だ。史岐は一日目の午前中に車を借りてスーパへ買い出しに行き、それ以降は自分で簡単な食事を作って食べていた。
「さすがに、泊めてもらっている家の油で揚げものをする勇気はないよ」
「お歳暮でたくさんもらって余っているんですよ」
利玖と二人で厨房に立ち、分担して下ごしらえをする。
「潟杜に戻ったら揚げものなんて、気軽に出来ませんから」
「天麩羅くらい、いつでも作ってあげるけど」史岐は衣をつけたふきのとうを菜箸で持って、揚げ油に近づける。「危ないから、あっちで待ってたら?」
利玖は「はい」と言って出て行ったが、ふきのとうを揚げ終えて部屋を見に行くと誰もいなかった。どうやら、客殿自体から出て行ったらしい。
大皿に天麩羅を盛りつけながら待っていると、やがて、母屋の方角から足音が近づいてきた。
「お米を忘れていました」利玖は、黒い炊飯器を抱えていて、それを部屋の隅に置く。ケーブルを伸ばしてコンセントにプラグを挿し、保温モードをオンにした。
「いいのかなあ、何から何まで……」
「お母さん、もう一台の方でも炊いていましたよ。お客様が三人もいらしては、五合炊き一台じゃ足りませんから、わたしと史岐さんはこれでまかないましょう」
「じゃ、次は布団?」
「加工は、今日の夕方には終わるそうです」
「あ、そう……」
白米を茶碗によそい、天麩羅に箸をつけた。
さっくりした歯ごたえとともに、柔らかなほろ苦さが口の中に広がる。しばらく、二人とも無言で揚げ立てのふきのとうを味わった。
三つほど食べた所で、史岐は湯呑みに手を伸ばす。
熱い茶を一口飲み、
「サルを手放した事、迷っているのかと思った」
と呟いた。
利玖は目をぱちくりとさせて史岐を見る。一旦、前を向き、箸で掴んでいた天麩羅をさくさくと最後まで食べ終えてから、史岐と同じように湯呑みを手に取った。
「ふきのとうの笊を持ってきた時は、少し……」湯呑みを手に持ったまま、利玖は首を振る。「だけど、やっぱりわたしには重すぎると思います」
史岐は笑った。
「え、何ですか?」
「前にも、同じ事を言ったから。喉に憑いた『五十六番』の半身を剥がす為に、薬を飲んでもらった時」
「はあ」利玖はどこか、ぼんやりとした様子で頷く。「えっと、そうでしたっけ……」
「あれを飲むと、直前の記憶をなくす事がある」史岐は目を細めて、茶をもう一口飲んだ。「僕の家への貸しにしておくのもおすすめするよって言ったら、そんな重い物、持って歩けません、って返された。あの時は、本心から言ったけれど、今となってはそんな形で利玖ちゃんをうちと繋がらせなくて良かったと思う」
利玖は、史岐の顔から目を逸らし、ゆっくりと湯呑みを机に置いた。
「史岐さんは、卒業したら、県外に出られるおつもりですか」
「選択肢としては、当然、あるよ」史岐も湯呑みを置き、座り方を変えて利玖と正対する。「そういえば、まだ、その辺りをちゃんと話した事がなかったね。利玖ちゃんはどうしてほしい? 東京とかには、行ってほしくない?」
「え?」利玖は目を丸くする。「そんなの、わたしが決めて良い事では……」
しかし、彼女は途中で口をつぐむ。
両手で包むように湯呑みに触れ、小さな声で「すみません」と言った。
「今の言い方は、ちょっとずるいですね」
利玖は目線を上げ、欄間の辺りを見つめる。渦巻く雲海の間から、翼を広げた鳳凰が今しもその姿を現そうとする場面が、緻密な透かし彫りで表現されている。
「遠くに行ってほしくない気持ちもありますし、誰も史岐さんの事を知らない土地で、心機一転、新しい暮らしを始めてほしい気持ちもあります。正直……、今の親御さんとは、離れてほしい」利玖はうつむき、親指で湯呑みの表面をこする。「でも、わたしだっていつか、残りの人生を懸ける価値があると思えるものに出会ったら、まっしぐらにそれを追っていくかもしれません」
「君の学科は時々、とんでもない所に調査に行く人がいるよね」
「ええ……」利玖は頷く。「だから、史岐さんにも、その時々で大切にしたい事を優先して、自然に決めてほしいと思うのです」
「君の為に潟杜に残るよって言う心積もりも、あったんだけど」
「わたしが新種の昆虫を探して、東南アジアとか南米に行ってしまうかもしれません」
「それは、ないような気がするけど」史岐は苦笑して、再び箸を手に取る。「実習でワームみたいな虫が出て来た時、どうしてるの?」
「そんなにやたらめったら、色んな生き物に手を出さないんですよ」利玖は指を振る。「虫ばかり扱う訳でもありませんし、もっとミクロな分野、例えば生理学や遺伝子工学も、きっちり修めなければいけません」
「まだ、ワームの問題には直面していないんだ」
「過去数年分のシラバスから、ある程度、実習の内容は予想がつきます。研究室への配属が決まる三年生の後期まで、ワームがわたしの前に立ちふさがる確率は、ほぼゼロと言って良いでしょう」
さも得意げな顔で言い終えた後、利玖は、ふっとくつろいだ表情になって縁側の外を見た。
「でも、四月になって、年度が変わって、他の大学からワーム専門の教授がやって来て、講座を持つ可能性だってあるかもしれません。わたし達の将来は、それくらい無秩序な可能性に満ちていて、あらかじめ一つに決めてしまうにはあまりに危うい。それを持て余しているうちは……」利玖は、史岐の方に目を戻した。「毎年、ここで採れるふきのとうで天麩羅を作って、一緒に食べる。わたしと史岐さんの二人で。そのくらいの約束が、ちょうど良いんじゃないでしょうか」
そう言った後で、利玖は「あ」と口に手をやる。
「でも、母はまだ良いとして、父や兄がいたら、史岐さんは気になりますよね。場所は変えましょうか」
「いや」史岐は首を振った。「僕も、またここに来たい。ここに……、受け入れてもらえたら、嬉しい。だから、その為の努力は、自分でするよ」
利玖は、史岐の顔を見つめて瞬きをした後、くすぐったさを堪えるように躰を揺らして「はい」と微笑んだ。
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