8 / 21
祝祭の王都
民の歓迎
しおりを挟む
クィヤラート王国最大の街である王都には、すべての政治の中枢を担う国王と、その一族が住まう王宮がある。
王都全体を見下ろすように、王宮は、王都の南側にある小高い丘の上に築かれており、そこから北の大門まで続く幅の広い一本道が、王都で最も賑わう目抜き通りとなっていた。
今、その目抜き通りの幅すれすれの巨大な体を持つ赤竜が、王宮に向かってゆっくりと歩みを進めている。通り沿いには〈赤竜を駆る姫〉の帰還を祝う赤い花飾りを持った民衆が押し寄せ、彼らの視線は、赤竜の背に作られた見張り台の上で手を振る、赤髪の少女に向けられていた。
ユージンが席をとっている料理店の軒先で、集まった群衆の一人が、ルィヒ様! と叫ぶと、それを見ていた二人組の男の客が眉をひそめた。
「……どうも、聞いた話と違えや。この国は長いこと流行り病で苦しんでいるんじゃなかったのか」
「そりゃ、田舎の方じゃ、今もそうだろうさ。王都に住めるような金持ちや貴族様は、ちゃんと良い医者をつけて、薬も買えるから、大ごとにならないんだろうよ。国王様のお膝元じゃ、飯だってたらふく食えるだろうしな」
最初に話しかけた男は納得したように眉を開いたが、窓越しに群衆を眺める顔には、複雑な色が浮かんでいた。
彼らの浅黒い肌と愛嬌のある団子鼻は、ユージンの黒髪と同様、クィヤラート王国では見かけない特徴だ。
おそらく、異国からやって来た商人なのだろう。流行り病で多くの民が死んだ国だと聞かされて、現地で目にしたのがこの光景であれば、困惑するのも仕方があるまい。
クィヤラート王国の隅々まで旅をする〈赤竜を駆る姫〉は、数年に一度しか王都に帰ってこない。
だから、彼女が帰還し、短い滞在をする数日間は、王都の民たちにとって、クィヤル熱を鎮めるために一生を捧げる〈赤竜を駆る姫〉に感謝の思いを伝えられる貴重な機会であり、こうして盛大な祭りも開かれるのだった。
〈赤竜を駆る姫〉の象徴である赤い花が添えられた果実酒を飲み干したユージンが、会計を済ませて外へ出ると、ちょうど、赤竜が目の前までやって来ていた。
秋の終わりの澄んだ日射しが、ルィヒの姿を浮かび上がらせている。
目抜き通りには、飾りに使われている花が放つ甘い香り、ひしめき合う屋台から漂ってくる食べ物や酒のにおいが入り混じって、この上なく雑然としていたが、不思議とルィヒの周りにだけには、そういった澱みがなく、まるで、天から贈られた特別な光に包まれているように見えた。
ルィヒは民衆の歓声に応え、手を振っている。後ろには、カルヴァートも背筋を伸ばして立っていた。
ルィヒの微笑みは美しく、王族の血を感じさせる気品があった。だが、数日間、行動を共にしていたユージンの目には、それはどこか寂しく、虚ろなものに映った。
つむじ風にさらわれた薄紅色の花びらがはらはらと舞う寒空の下を、赤竜は一歩ずつ、厳かに王宮に向かって進んでいった。
ユージンが部屋を取った下町の宿は、古びた木造で、目抜き通りからは離れた区画にあるのに、様々な品物を扱う商人が引っ切りなしに出入りしていた。
あの手、この手で品物を売りつけようとしてくる商人達をかわして自室に辿り着いた時には、どっと肩が沈むような疲れが体を押し包んでいて、ユージンは上着を脱いで椅子に放ると、すぐに寝台に倒れ込んだ。
寝具もかけずに、疲れに任せて目をつむったが、眠りにおちる直前で、ユージンは、はっと目を見開いた。
(そうだ。あれを手入れしておかないと)
体を起こし、シャツのボタンを上から順に外していく。
ラク砂漠で拾われた時からずっと、ルィヒにもカルヴァートにもその存在を明かさずに、肌身離さず身につけていたもの──拳銃を収めたホルスターが、そこにあった。
ユージンはホルスターを外し、拳銃と並べて机に置くと、戸口に行って部屋の鍵が掛かっている事を確かめた。さらに、つっかえ棒代わりに箒を填め込んで、万が一、外から鍵を開けられても、すぐに部屋の中に入ってこられないように細工をした。
それから、ユージンは机の前に戻り、拳銃の点検に取りかかった。
護身用としてよく用いられる量産型のリボルバーだ。全部で六発の弾を込められるが、今は四発しか残っていない。
減った二発については心当たりがあったが、ユージンはその事を考えずに、とにかく手を動かす事だけに集中した。
工具がないので簡単な点検しか出来なかったが、濡れた形跡もなく、目立った損傷もなかった。試し撃ちをするわけにはいかないが、問題なく動きそうだ。
サネゼルで単独行動をしていた時、ごろつきが出入りしそうな店にあたりをつけて探りを入れてみたのだが、拳銃どころか、そもそも銃火器自体が出回っていないようだった。
その時は、辺境の街ならそういう事もあるかもしれない、と考えていたが、王都でも、火薬や弾や、銃を売っている店はなかった。
ユージンの疑念は、その時、確信に変わった。──クィヤラート王国には、銃という概念自体が存在しないのだ。
拳銃を再び組み立て終えると、ユージンは寝台の上で仰向けになって、呆然と天井を見つめた。
(……いったい、何世紀前の話なんだ)
赤竜の体内で目を覚ました時、ホルスターは馴染んだ位置についたままだった。
聡いルィヒが、自分を拾った時にホルスターに気づかなかったとは考えにくい。専用の装具まで使って、ぴったりと体にくっつけているくらいだから、よほど大切な物なのだろうと、触れずにそのままにしておいたのだろうか。これが人を殺すための道具だと知らなかったのなら、そうだとしてもおかしくはない。
ずっと、心の奥底に閉じ込めて、見ないふりをしていた感情が、爆ぜるように喉元へつき上げてきて、ユージンは呻いた。
知れば知るほど、このクィヤラートという国は、自分の知っているどんな国とも違いすぎる。銃を持たない文明も、体の中に人間を住まわせて旅をする巨大な竜も、狼の頭を持ちながら人語を解する戦士も……。
ルィヒの、燃えるような真紅の髪と瞳を、初めて間近で見た時の驚きが蘇り、それが、さらに過去の記憶を呼び起こした。
執拗に殴られ、内出血を起こして赤黒く腫れ上がった顔で、自分を睨み付けていた青年の顔が脳裏に浮かび、ユージンは、両手で顔を覆った。
(……どうして、俺が生きているんだ)
壁を伝ってかすかに聞こえてくる、騒々しい商人達の声を、聞くともなしに聞きながら、ユージンは指の内側に冷たい汗が浮き上がるのを感じていた。
王都全体を見下ろすように、王宮は、王都の南側にある小高い丘の上に築かれており、そこから北の大門まで続く幅の広い一本道が、王都で最も賑わう目抜き通りとなっていた。
今、その目抜き通りの幅すれすれの巨大な体を持つ赤竜が、王宮に向かってゆっくりと歩みを進めている。通り沿いには〈赤竜を駆る姫〉の帰還を祝う赤い花飾りを持った民衆が押し寄せ、彼らの視線は、赤竜の背に作られた見張り台の上で手を振る、赤髪の少女に向けられていた。
ユージンが席をとっている料理店の軒先で、集まった群衆の一人が、ルィヒ様! と叫ぶと、それを見ていた二人組の男の客が眉をひそめた。
「……どうも、聞いた話と違えや。この国は長いこと流行り病で苦しんでいるんじゃなかったのか」
「そりゃ、田舎の方じゃ、今もそうだろうさ。王都に住めるような金持ちや貴族様は、ちゃんと良い医者をつけて、薬も買えるから、大ごとにならないんだろうよ。国王様のお膝元じゃ、飯だってたらふく食えるだろうしな」
最初に話しかけた男は納得したように眉を開いたが、窓越しに群衆を眺める顔には、複雑な色が浮かんでいた。
彼らの浅黒い肌と愛嬌のある団子鼻は、ユージンの黒髪と同様、クィヤラート王国では見かけない特徴だ。
おそらく、異国からやって来た商人なのだろう。流行り病で多くの民が死んだ国だと聞かされて、現地で目にしたのがこの光景であれば、困惑するのも仕方があるまい。
クィヤラート王国の隅々まで旅をする〈赤竜を駆る姫〉は、数年に一度しか王都に帰ってこない。
だから、彼女が帰還し、短い滞在をする数日間は、王都の民たちにとって、クィヤル熱を鎮めるために一生を捧げる〈赤竜を駆る姫〉に感謝の思いを伝えられる貴重な機会であり、こうして盛大な祭りも開かれるのだった。
〈赤竜を駆る姫〉の象徴である赤い花が添えられた果実酒を飲み干したユージンが、会計を済ませて外へ出ると、ちょうど、赤竜が目の前までやって来ていた。
秋の終わりの澄んだ日射しが、ルィヒの姿を浮かび上がらせている。
目抜き通りには、飾りに使われている花が放つ甘い香り、ひしめき合う屋台から漂ってくる食べ物や酒のにおいが入り混じって、この上なく雑然としていたが、不思議とルィヒの周りにだけには、そういった澱みがなく、まるで、天から贈られた特別な光に包まれているように見えた。
ルィヒは民衆の歓声に応え、手を振っている。後ろには、カルヴァートも背筋を伸ばして立っていた。
ルィヒの微笑みは美しく、王族の血を感じさせる気品があった。だが、数日間、行動を共にしていたユージンの目には、それはどこか寂しく、虚ろなものに映った。
つむじ風にさらわれた薄紅色の花びらがはらはらと舞う寒空の下を、赤竜は一歩ずつ、厳かに王宮に向かって進んでいった。
ユージンが部屋を取った下町の宿は、古びた木造で、目抜き通りからは離れた区画にあるのに、様々な品物を扱う商人が引っ切りなしに出入りしていた。
あの手、この手で品物を売りつけようとしてくる商人達をかわして自室に辿り着いた時には、どっと肩が沈むような疲れが体を押し包んでいて、ユージンは上着を脱いで椅子に放ると、すぐに寝台に倒れ込んだ。
寝具もかけずに、疲れに任せて目をつむったが、眠りにおちる直前で、ユージンは、はっと目を見開いた。
(そうだ。あれを手入れしておかないと)
体を起こし、シャツのボタンを上から順に外していく。
ラク砂漠で拾われた時からずっと、ルィヒにもカルヴァートにもその存在を明かさずに、肌身離さず身につけていたもの──拳銃を収めたホルスターが、そこにあった。
ユージンはホルスターを外し、拳銃と並べて机に置くと、戸口に行って部屋の鍵が掛かっている事を確かめた。さらに、つっかえ棒代わりに箒を填め込んで、万が一、外から鍵を開けられても、すぐに部屋の中に入ってこられないように細工をした。
それから、ユージンは机の前に戻り、拳銃の点検に取りかかった。
護身用としてよく用いられる量産型のリボルバーだ。全部で六発の弾を込められるが、今は四発しか残っていない。
減った二発については心当たりがあったが、ユージンはその事を考えずに、とにかく手を動かす事だけに集中した。
工具がないので簡単な点検しか出来なかったが、濡れた形跡もなく、目立った損傷もなかった。試し撃ちをするわけにはいかないが、問題なく動きそうだ。
サネゼルで単独行動をしていた時、ごろつきが出入りしそうな店にあたりをつけて探りを入れてみたのだが、拳銃どころか、そもそも銃火器自体が出回っていないようだった。
その時は、辺境の街ならそういう事もあるかもしれない、と考えていたが、王都でも、火薬や弾や、銃を売っている店はなかった。
ユージンの疑念は、その時、確信に変わった。──クィヤラート王国には、銃という概念自体が存在しないのだ。
拳銃を再び組み立て終えると、ユージンは寝台の上で仰向けになって、呆然と天井を見つめた。
(……いったい、何世紀前の話なんだ)
赤竜の体内で目を覚ました時、ホルスターは馴染んだ位置についたままだった。
聡いルィヒが、自分を拾った時にホルスターに気づかなかったとは考えにくい。専用の装具まで使って、ぴったりと体にくっつけているくらいだから、よほど大切な物なのだろうと、触れずにそのままにしておいたのだろうか。これが人を殺すための道具だと知らなかったのなら、そうだとしてもおかしくはない。
ずっと、心の奥底に閉じ込めて、見ないふりをしていた感情が、爆ぜるように喉元へつき上げてきて、ユージンは呻いた。
知れば知るほど、このクィヤラートという国は、自分の知っているどんな国とも違いすぎる。銃を持たない文明も、体の中に人間を住まわせて旅をする巨大な竜も、狼の頭を持ちながら人語を解する戦士も……。
ルィヒの、燃えるような真紅の髪と瞳を、初めて間近で見た時の驚きが蘇り、それが、さらに過去の記憶を呼び起こした。
執拗に殴られ、内出血を起こして赤黒く腫れ上がった顔で、自分を睨み付けていた青年の顔が脳裏に浮かび、ユージンは、両手で顔を覆った。
(……どうして、俺が生きているんだ)
壁を伝ってかすかに聞こえてくる、騒々しい商人達の声を、聞くともなしに聞きながら、ユージンは指の内側に冷たい汗が浮き上がるのを感じていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売しています!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
追い出された万能職に新しい人生が始まりました
東堂大稀(旧:To-do)
ファンタジー
「お前、クビな」
その一言で『万能職』の青年ロアは勇者パーティーから追い出された。
『万能職』は冒険者の最底辺職だ。
冒険者ギルドの区分では『万能職』と耳触りのいい呼び方をされているが、めったにそんな呼び方をしてもらえない職業だった。
『雑用係』『運び屋』『なんでも屋』『小間使い』『見習い』。
口汚い者たちなど『寄生虫」と呼んだり、あえて『万能様』と皮肉を効かせて呼んでいた。
要するにパーティーの戦闘以外の仕事をなんでもこなす、雑用専門の最下級職だった。
その底辺職を7年も勤めた彼は、追い出されたことによって新しい人生を始める……。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる