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四章 待ち焦がれた彗星
湖の中心へ
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利玖は千堂に続いて柏名湖畔に降りて行った。
木陰にはまだ雪が残っていて、そのぼんやりとした白さのせいで地形が判然としない。何度も足元を確かめながら、藪をかき分けて最短距離で岸に近づいた。
命綱を結ぶ場所を探して湖岸を歩いていると、千堂がふと思い出したように、
「かなり水温が低いと思いますよ」
と声をかけてきた。
気温の低い屋外に長くとどまる事に対しての備えか、彼は空気をたっぷりと蓄えられそうなダウン・ジャケットを着て、黒い手袋も嵌めている。一度は利玖と共に店の外に出たのだが、開口一番に、
「うわ、寒いですね」
と言って防寒具を取りに店に戻っていた。
「下にドライスーツを着てきました」乾いた砂の地面に膝をついて、木々の根元をつぶさに見ながら利玖は言う。「他にも、防水対策を色々と。即座にショック死するような事はないはずです」
そう答えて立ち上がり、ズボンについた土を払ったが、正直な所、自信はなかった。何しろ、必要最低限の装備を、史岐に気づかれないように揃えるだけで精一杯だったのだ。厳冬期の湖に潜った経験なんて、勿論ないし、練習も出来なかった。ぶっつけ本番、一発勝負である。
それでも、ここで蹴りをつけなければならない。史岐がこれ以上、事態に深入りする前にやり遂げなければいけない。ひりつくようなその思いが、今の利玖を突き動かしていた。
もう猶予は残されていない、そう考えているせいで、焦っている自分を自覚もする。しかし、幸いな事に、たった一人で進めている事ではない。その気持ちが、わずかでもバランスを崩したら容易く折れてしまいそうなほど不安に浸食された利玖の心を、毛糸の靴下みたいにささやかに包んで温めていた。
三メートルほど右に移動した所で、一際頑健な針葉樹を見つけた。枝もたわわに葉が茂り、幹の直径は、利玖が両腕を回しても抱えきれないほど太い。
その針葉樹に命綱を結ぶ事に決めて、利玖はホームセンターで買ってきたロープをリュックサックから取り出した。船を港に係留する時の結び方を参考にして根元に結わえ付け、もう片方の端は、腰に巻いた安全帯に通して固定する。
千堂は、ロープを結んだ針葉樹の背後、結び目が見える位置に移動してきて、動かなくなった。
「そこで良いんですか?」ロープの張りを確かめながら、利玖は訊ねる。「駐車帯か、橋からご覧になられた方が良く見えると思いますよ」
「利玖さんが湖に入られるまでは、近くで見届けるつもりです」
つまりは、土壇場で自分が逃げ出さないように見張っているというわけか、と利玖は納得した。
利玖は再びリュックに手を入れて、銀箭の体組織を採取する為の針をケースから取り出す。今日、この時の為に美蕗が用意してくれた特注の道具で、市場には流通していないが、見た目と機能から言えば生検針と呼ぶのが近い。
すぐに使えるように、針を前方にして腕と脇腹の間に挟んだが、カバーは填めたままにしておいた。千堂とはまだ十分に距離が離れていない。万が一、後ろから襲われて奪い取られたら、逆に自分を脅す為の武器として使われてしまう。
生検針を挟んで固定しているのは、左手。右手はロープを握って、ゆっくりと湖に近づいていく。
危険なものは湖の中に潜んでいるとわかっているのに、なぜか、途中で空が見たくなって、利玖は視線を上げた。
夜空は抜群に澄んでいる。元々、潟杜市自体、六百メートル以上の標高がある。雲がなければ、月も星もよく見えるのだ。冬場は特に、空気が冷たく透きとおって、こうして街明かりを避けて高い所にやってくると、星の瞬きがきりきりと音を立てて肌を刺すように銀河の遙か彼方の光が間近に感じられる。
銀箭に喰われるという事は、たぶん、普通の死とはだいぶ違うのだろう。
利玖はまだ、彼にまつわる伝承のほんの一部しか知らないが、そこから想起されるものは、雨、閉塞感、息がつまるような冷たい泥、そういった要素の数々で、こんな風に遍く生きものに開かれた眩しい星空とは無縁の世界であるような気がした。
(これが見納めだとでも考えているのでしょうか)
存外にセンチメンタルじゃないか、と苦笑して、利玖は再び湖に目を戻し、ゴーグルを装着した。
蛉籃石は最低保証だ、と美蕗は言った。
だが、《とほつみの道》に入る手段を持たない自分が、ヌシと直に交渉して報酬を上乗せしてもらうなど、どう考えても無理な話だ。
千堂の絵も、見る者が見れば──あるいは、それが描かれた背景に物語性を見いだし、感銘を受ける観客が大勢いるのなら──値がつくのかもしれないが、真実を知る美蕗に捧げる礼としては、適当ではない。
だから、利玖は、銀箭の体組織を採取する事を思いついた。
銀箭によって被害がもたらされる場所は、おそらく、柏名山だけでは済まない。
潟杜市には、潮蕊湖のように際立った湖はないが、古くから使われてきた湧水地が点在しており、それを利用した水路や堀も現存している。銀箭が自在に水の中を行き来出来るとするならば、これから先も同じ事が、比較的近い地域で繰り返される可能性が高い。
ヒトの理とかけ離れた異形の一部を採取し、分析器にかける事など、大学の研究施設では不可能だが、美蕗のように妖と深い関わりを持つ旧家の主であれば、そういう事が出来る機関に伝手があるかもしれない。
調査を進める中で、部分的にでも銀箭を無力化出来る方法が見つかれば、それは今後、銀箭によって被害がもたらされるかもしれない土地に棲むモノ達と対峙した時に、大きなアドバンテージになる。利玖が持っていても役に立たないものだが、美蕗なら最大限有効に活用し、彼女の絶対的な権力を保持し続ける為の礎として使いこなすだろう。
しかし、最たる理由は、利玖自身が自分の心と記憶を蝕むモノの正体を知りたい、と強く願っている為だった。
昔話や伝説だけで満足してしまうのではなく、兄のような研究者として、銀箭に向き合い、秘されてきたものを解き明かしたい。
超常とされる存在にも、ヒトの理が適用される法則があり、生きものとしての厳粛な秩序がある。その事を証明したかった。
そういった、執着とも呼べる強い思いがあったからこそ、史岐を欺き、身一つで湖に飛び込むなどという無謀な賭けに打って出る事が出来たのだ。
寝息を立てているみたいに寄せては返す水の音が、聞き取れる距離までやって来た。
息を整える為に、利玖はそこで立ち止まる。
生検針のカバーを外して足元に置き、しゃがんだ姿勢のまま、じっと湖面を見つめた。
利玖も千堂も、誰も、何も口をきかない時間が、月がわずかに横へ動いたかもしれない、と思えるくらいのじれったさで流れた。
生検針を握っている手の内側に汗がにじむのを利玖は感じた。そして、ふいに、千堂が銀箭を呼び出す合図のようなものはあるのだろうか、と思いついた。
自分にも銀箭にも過剰な肩入れをしないでほしいと頼んだ手前、格好がつかない気もするが、試しに聞いてみるくらいなら許されるのではないだろうか。
そう思って振り返ろうとした瞬間、湖の中から太い髭のようなものが飛び出し、利玖が叫ぶ間もなく彼女の足首を絡め取った。
木陰にはまだ雪が残っていて、そのぼんやりとした白さのせいで地形が判然としない。何度も足元を確かめながら、藪をかき分けて最短距離で岸に近づいた。
命綱を結ぶ場所を探して湖岸を歩いていると、千堂がふと思い出したように、
「かなり水温が低いと思いますよ」
と声をかけてきた。
気温の低い屋外に長くとどまる事に対しての備えか、彼は空気をたっぷりと蓄えられそうなダウン・ジャケットを着て、黒い手袋も嵌めている。一度は利玖と共に店の外に出たのだが、開口一番に、
「うわ、寒いですね」
と言って防寒具を取りに店に戻っていた。
「下にドライスーツを着てきました」乾いた砂の地面に膝をついて、木々の根元をつぶさに見ながら利玖は言う。「他にも、防水対策を色々と。即座にショック死するような事はないはずです」
そう答えて立ち上がり、ズボンについた土を払ったが、正直な所、自信はなかった。何しろ、必要最低限の装備を、史岐に気づかれないように揃えるだけで精一杯だったのだ。厳冬期の湖に潜った経験なんて、勿論ないし、練習も出来なかった。ぶっつけ本番、一発勝負である。
それでも、ここで蹴りをつけなければならない。史岐がこれ以上、事態に深入りする前にやり遂げなければいけない。ひりつくようなその思いが、今の利玖を突き動かしていた。
もう猶予は残されていない、そう考えているせいで、焦っている自分を自覚もする。しかし、幸いな事に、たった一人で進めている事ではない。その気持ちが、わずかでもバランスを崩したら容易く折れてしまいそうなほど不安に浸食された利玖の心を、毛糸の靴下みたいにささやかに包んで温めていた。
三メートルほど右に移動した所で、一際頑健な針葉樹を見つけた。枝もたわわに葉が茂り、幹の直径は、利玖が両腕を回しても抱えきれないほど太い。
その針葉樹に命綱を結ぶ事に決めて、利玖はホームセンターで買ってきたロープをリュックサックから取り出した。船を港に係留する時の結び方を参考にして根元に結わえ付け、もう片方の端は、腰に巻いた安全帯に通して固定する。
千堂は、ロープを結んだ針葉樹の背後、結び目が見える位置に移動してきて、動かなくなった。
「そこで良いんですか?」ロープの張りを確かめながら、利玖は訊ねる。「駐車帯か、橋からご覧になられた方が良く見えると思いますよ」
「利玖さんが湖に入られるまでは、近くで見届けるつもりです」
つまりは、土壇場で自分が逃げ出さないように見張っているというわけか、と利玖は納得した。
利玖は再びリュックに手を入れて、銀箭の体組織を採取する為の針をケースから取り出す。今日、この時の為に美蕗が用意してくれた特注の道具で、市場には流通していないが、見た目と機能から言えば生検針と呼ぶのが近い。
すぐに使えるように、針を前方にして腕と脇腹の間に挟んだが、カバーは填めたままにしておいた。千堂とはまだ十分に距離が離れていない。万が一、後ろから襲われて奪い取られたら、逆に自分を脅す為の武器として使われてしまう。
生検針を挟んで固定しているのは、左手。右手はロープを握って、ゆっくりと湖に近づいていく。
危険なものは湖の中に潜んでいるとわかっているのに、なぜか、途中で空が見たくなって、利玖は視線を上げた。
夜空は抜群に澄んでいる。元々、潟杜市自体、六百メートル以上の標高がある。雲がなければ、月も星もよく見えるのだ。冬場は特に、空気が冷たく透きとおって、こうして街明かりを避けて高い所にやってくると、星の瞬きがきりきりと音を立てて肌を刺すように銀河の遙か彼方の光が間近に感じられる。
銀箭に喰われるという事は、たぶん、普通の死とはだいぶ違うのだろう。
利玖はまだ、彼にまつわる伝承のほんの一部しか知らないが、そこから想起されるものは、雨、閉塞感、息がつまるような冷たい泥、そういった要素の数々で、こんな風に遍く生きものに開かれた眩しい星空とは無縁の世界であるような気がした。
(これが見納めだとでも考えているのでしょうか)
存外にセンチメンタルじゃないか、と苦笑して、利玖は再び湖に目を戻し、ゴーグルを装着した。
蛉籃石は最低保証だ、と美蕗は言った。
だが、《とほつみの道》に入る手段を持たない自分が、ヌシと直に交渉して報酬を上乗せしてもらうなど、どう考えても無理な話だ。
千堂の絵も、見る者が見れば──あるいは、それが描かれた背景に物語性を見いだし、感銘を受ける観客が大勢いるのなら──値がつくのかもしれないが、真実を知る美蕗に捧げる礼としては、適当ではない。
だから、利玖は、銀箭の体組織を採取する事を思いついた。
銀箭によって被害がもたらされる場所は、おそらく、柏名山だけでは済まない。
潟杜市には、潮蕊湖のように際立った湖はないが、古くから使われてきた湧水地が点在しており、それを利用した水路や堀も現存している。銀箭が自在に水の中を行き来出来るとするならば、これから先も同じ事が、比較的近い地域で繰り返される可能性が高い。
ヒトの理とかけ離れた異形の一部を採取し、分析器にかける事など、大学の研究施設では不可能だが、美蕗のように妖と深い関わりを持つ旧家の主であれば、そういう事が出来る機関に伝手があるかもしれない。
調査を進める中で、部分的にでも銀箭を無力化出来る方法が見つかれば、それは今後、銀箭によって被害がもたらされるかもしれない土地に棲むモノ達と対峙した時に、大きなアドバンテージになる。利玖が持っていても役に立たないものだが、美蕗なら最大限有効に活用し、彼女の絶対的な権力を保持し続ける為の礎として使いこなすだろう。
しかし、最たる理由は、利玖自身が自分の心と記憶を蝕むモノの正体を知りたい、と強く願っている為だった。
昔話や伝説だけで満足してしまうのではなく、兄のような研究者として、銀箭に向き合い、秘されてきたものを解き明かしたい。
超常とされる存在にも、ヒトの理が適用される法則があり、生きものとしての厳粛な秩序がある。その事を証明したかった。
そういった、執着とも呼べる強い思いがあったからこそ、史岐を欺き、身一つで湖に飛び込むなどという無謀な賭けに打って出る事が出来たのだ。
寝息を立てているみたいに寄せては返す水の音が、聞き取れる距離までやって来た。
息を整える為に、利玖はそこで立ち止まる。
生検針のカバーを外して足元に置き、しゃがんだ姿勢のまま、じっと湖面を見つめた。
利玖も千堂も、誰も、何も口をきかない時間が、月がわずかに横へ動いたかもしれない、と思えるくらいのじれったさで流れた。
生検針を握っている手の内側に汗がにじむのを利玖は感じた。そして、ふいに、千堂が銀箭を呼び出す合図のようなものはあるのだろうか、と思いついた。
自分にも銀箭にも過剰な肩入れをしないでほしいと頼んだ手前、格好がつかない気もするが、試しに聞いてみるくらいなら許されるのではないだろうか。
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