Blissful Kiss

雪原歌乃

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Chapter.6 好きだから

Act.4-02☆

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 そっとベッドに降ろされた私は、高遠さんに深く口付けられた。私と高遠さんの舌が絡み合い、静まり返った部屋の中にお互いの吐息と水音が響き渡る。
 高遠さんの手が私のセーターの中へと入ってくる。ブラジャー越しに胸の膨らみに触れられ、私は小さく身体を跳ね上げた。
「嫌だった?」
 キスをやめ、高遠さんが不安げに訊ねてくる。
 そんな高遠さんに、私は、「いいえ」と首を横に振って見せた。
「ちょっと、ビックリしただけで……。もっと、触ってほしいです……」
 私もこの状況に酔い痴れているのだろうか。いつもの私なら絶対言えない台詞を平然と言っている。
 高遠さんも驚いたと思う。けれど、先ほどの不安そうな表情を消し去り、今度は嬉しそうに口元を小さく緩めた。
「じゃあ、今度こそ遠慮はしない」
 そう言うと、高遠さんは素早く私のセーターを脱がせ、スカートも下ろしてしまった。
 ブラとショーツだけにさせられてしまった。自分で言ったとはいえ、さすがに恥ずかしくなって両手で自分の身体を抱き締める。
「ダメだよ。遠慮しない、って言っただろ?」
 高遠さんはそっと、けれども半ば強引に私の両手を離してゆく。背中に高遠さんの手を回し、ホックを外すと、決して大きいとは言い難い私の胸が晒された。
「恥ずかしい……」
 思わず口から出てしまった。
 高遠さんは怪訝そうに私を見下ろしている。
「どうして?」
「だって……、こんなちっちゃい胸……」
「そんなこと気にしてるの?」
 高遠さんからクツクツと忍び笑いが漏れた。
「大丈夫だよ、俺はそんなの気にしない。可愛いよ、絢のおっぱい」
「――馬鹿にしてませんか……?」
 さすがに少しムッとした。小さく唇を尖らせながら高遠さんを睨むと、高遠さんは、「悪い悪い」と微苦笑を浮かべながら肩を竦めて見せた。
「馬鹿にしたつもりはなかった。絢のおっぱいだから大きさ関係なく可愛い、って意味で言ったんだ。他意は決してない」
「――そう言われるのも恥ずかしいんですけど……」
「やれやれ……。気難しいな、君は」
 そう言いながらも、私の反応を面白がっているように映るのは気のせいだろうか。でも、いちいちムキになって高遠さんをさらに楽しませてしまうのも癪な気がしたから、今度はあえて黙っていた。
 そのうち、高遠さんも自らの着衣を脱ぎ始めた。どこまで脱ぐのだろうかと横たわったままぼんやりと眺めていたら、あっという間に全裸になった。
 ほとんど無意識に、高遠さんの身体の中心部に視線が釘付けとなる。異性の裸はお父さんや侑大のを見る機会はあったものの、本当に幼い頃の話だ。成人してから男性の裸体を見る機会なんて当然なかった。もちろん、好きな人の身体じゃなければ全く興味は湧かないし、むしろ見せ付けられても気持ち悪いとさえ思う。
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