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43 故人の足跡
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「司さんと火宮翔二郎が出会ったのは、中学1年生の時。具体的には、その年の6月に実施された都内のオープンハイスクール。体験授業の時、偶然隣の席に座ったことが始まりだよ」
「それ、どうやって調べたんだよ?」
拓司は呆れ笑いを浮かべて尋ねた。彼らは、翔一郎と一路のやり取りを特に追求することなく、故人2人の過去を辿ると言って話を続けていた。
「当時の高校のホームページに写真があった。これ」
悠がキーボードを叩くと、スクリーンに写真が映し出された。幼き日の司と翔二郎が、仲睦まじく言葉を交わしながら、黒板に書かれた数式の答えを探していた。
「火宮には黙ってたけど、以前、蒼一さんはキミの両親に会いに行ったんだ。司さんと火宮翔二郎が、どうして友人になったかを聞くためにね。」
翔一郎はギョッとして蒼一を見た。彼は頷くだけで、謝罪はしない。悠が続ける。
「両親によると、中学1年生の6月くらいに、司さんと友人になったと明かされたらしい。時期が一致するから、この日に仲良くなったのは確実。互いの名前を聞いただけで分かっただろうし、家の話でもして、打ち解けたのかもね。詳細は分からないけど」
写真で笑い合う2人は、長年来の友人のように見えた。将来違う道が進むことは確定していたが、それでも仲良くなった訳は、依然不明だった。
「この時に連絡先も交換してる。これは、出会った日から1週間後くらいのメッセージのやり取り」
次に現れた写真には、遊ぶ約束を交わすメッセージがあった。随分と仲良くなるのが早いと翔一郎は思うが、どちらも人見知りをしない性格だったため、不思議では無かった。
「メッセージのやり取りも、会って遊ぶことも、この先ずっと続いてる。高校も大学も別だったけど、都内の図書館で待ち合わせして一緒に勉強したことも多々あったみたい」
次々と映される写真には、会う約束を交わしては楽しかったと言い合うメッセージばかりが並んだ。彼らのやり取りは、友人を通り越し、親友と呼べるものだった。
「ちなみにさ、拓司と火宮って、10年前の裁判の時まで、会ったことなかったんだよね?」
「ああ」 「うん。どうして?」
「いや、この2人、自分に兄弟がいることを初対面の時に明かしたみたいで、4人で会う日を設けないかって話が、何度も出てるんだよね。ほら」
悠の言葉通り、その話は何度も、いや、何十回も繰り返されていた。
しかし、その度に交わされている言葉ーーーー『親に駄目って言われた』『こっちも同じだよ』
「2人が出会った当時、拓司は3歳、火宮は16歳。6月だから、拓司は蒼一さん・春海さんと出会った時期で、火宮は両親と絶縁して家を出て少し経った時期だ。タイミングとしては、正直良くない」
悠の言葉に蒼一が答えた。
「そうだな。6月の初めにこっちの前当主が死んで葬式があって、正式に次の当主が司だと遺言された。この時から、司と拓司は距離ができた。次期当主として、より勉学に励むためだとか何とか、馬鹿みたいな理由だったか」
蒼一は吐き捨てた。拓司も当時を思い出し、苦い顔をする。
翔一郎もまた、当時を思い出し、重々しく頷いた。
「・・・私は親戚の家での暮らしに慣れてきた頃で、翔二郎と連絡は取っていたけど、両親とは絶縁に等しい状態だった。すなわち、両親から翔二郎への束縛が強くなっている時期だ。翔二郎からしたら、ありとあらゆることに、両親の許可を得る必要があったはず」
「水守家の前当主の死去を、火宮家が知らないはずはない。対立していた家同士の次期当主同士が仲良くしてるだけでも腹立たしいのに、当主になることがない拓司と家を飛び出した火宮を会わせるなんて以ての外。許可が降りる可能性はゼロに等しい」
春海と一路が溜息をついた。馬鹿らしい、とばかりの長く深い溜息だった。
「続けるね。2人は兄弟揃って会いたかったけど、そのうち諦めて時間を置くことにしたみたい。その結論が出たのが、高校1年生の夏休み直前。お互いが当主になってからなら、好きなだけ会えるだろって感じだね」
そのメッセージのやり取りが映し出された。文字だけなら軽い口調だが、恐らく2人とも、暗澹たる気持ちだったことは言うまでもない。
「このやり取りを見てると、2人はただ兄弟揃って仲良くなりたいだけじゃなく、家同士の対立なんて、くだらない状況を打破したかったんじゃないかな。出会ったのは偶然だけど、初対面で話した時から、互いに通じるものがあったはずだ。だからこそ、兄弟揃って仲良くなれると考えた。筋は通るよ」
その後も、メッセージのやり取りは続いていた。しかし、ある時、奇妙なメッセージがあった。それは10年前の事件当日の2週間前。すなわち、翔二郎の誕生日である。そのやり取りを見た拓司たちは、揃って目を丸くした。
翔二郎
『ごめん。もう会えない』
司
『えっ?ちょっと待って、どういうこと?何で?』
翔二郎
『とにかく会えないんだ。勝手なこと言ってごめんな。でも、司のためにも、会わない方がいいと思う』
司
『待ってよ。意味が分からない。僕、何かした?誕生日の今日は遊べないから、今度遊ぼうって話だったよね?予定がダメになったなら仕方ないし、別の日を探したらいいんじゃないの?合わせるよ』
翔二郎
『ありがとう。確かに予定の日には行けない。でも、別の日が作れない。本当にごめん。とにかくもう会えないってことだけ伝えたかった』
司
『それだけ伝えられても全然分からないよ。僕は理由が知りたいんだ。どんな理由でもいいから教えてよ。親友でしょ?』
翔二郎
『そう言ってくれて本当に嬉しい。でも、ダメなんだ。全部俺g』
メッセージは不自然に途切れていた。それ以降、司からの一方的な心配と理由を知りたい旨のメッセージが送られるだけで、翔二郎は1度も返信を送っていなかった。司の最期のメッセージは、彼が亡くなる日の朝7時半丁度。
司
『夕方、そっちの大学前で待ってる。これを見てたら来て。話をしよう』
しかし、2人に夕方は訪れなかった。翔二郎が司を殺害して自殺したのは、この連絡から30分後のことだったから。
全てのメッセージに目を通した拓司たちは言葉を失った。司は、翔二郎から一方的に告げられた会えない理由を知らぬまま、殺害されたのだ。しかし、2人の間には怨恨など微塵もなく、親友として互いに寄り添う姿だけがあった。だからこそ、殺害と自殺に至る理由が分からなかった。
「会えない理由が、兄貴殺害の理由と結びつくのか? でも、スクランブル交差点で会ったのは偶然だろ?」
「確かに偶然だろうけど、互いに大学は知っているし、通学路も知ってるでしょ。いや、そもそも、8月15日ってお盆だよね? 大学ないんじゃ?」
悠は見落としていた、とばかりに呟き、目を見開いた。すぐさまキーボードを叩いて2人の大学の過去の日程表を調べ、大学自体が空いていない事実を確認する。
「あれ? でも当時、ニュースでは2人とも通学途中で報道されてたよね? 何で? おかしくない?」
悠の疑問には蒼一が答えた。
「乗換案内のアプリだ。2人とも、そのアプリで大学までのルートを検索していたから、通学途中ってことになった。だが、当時2人は大学2年。行き方くらい把握してるはず。
当時の捜査官にもこの矛盾に気がついた奴が1人いて、本当は別の場所に行こうとしていたんじゃないかと、上に話したが無視された。実際、司が火宮翔二郎の大学で待っているとのメッセージを残しているから、一応の理屈は通るが、不自然さは拭えない」
「当時の捜査官って誰です?」
「今のお前の相棒」
「土壁警部補が?」
翔一郎は困惑した。次の瞬間、一路が手を叩いて場を鎮める。
「先走り過ぎると失敗するぜ? 現時点で分かっていることは何だ? 拓司」
「えっと・・・兄貴と火宮翔二郎は間違いなく親友で、やり取りから怨恨は見出せないから、殺害理由として消去していい」
「そうだな。他には? 2人は何を考えていた?」
「俺と火宮を含めた4人で会うことだ。でも互いの両親が反対したから、互いが当主になってから会うことにした」
「ああ。いい結論だと思うよ。じゃあ、2人の間が不自然になった理由は?」
「火宮翔二郎が、兄貴に会えないって連絡をしたからだ。でも理由を語らなくて、その後は兄貴からの一方的な連絡だった。結局、理由は分からずじまいだ」
「その通り。司からの最期の連絡、8月15日の夕方に、火宮翔二郎の通う大学前で待ち合わせをする連絡にも、返事はなかった。ここから出る疑問は?」
「お盆だから大学は開いていない。でも、ニュースは2人とも通学途中だと言った。根拠となったのが兄貴からの連絡と乗換案内のアプリの検索履歴。2人とも自分の大学までの行き方を検索していた」
「一応の筋は通るよな。でも既に2人は大学2年だ。調べる理由がない。
で、当時の捜査官の1人も、この点を疑問に感じて上に話したが、さっきあげた理由が元で受け入れられなかった。疑問を口にした捜査官は?」
「今の火宮の相棒で上司、土壁翠」
「その通り。じゃあ最後だ。次に俺たちがやるべきことは?」
一瞬の沈黙の後、拓司は答えた。
「土壁翠に話を聞くことと、2人が会えなくなった理由を探ること」
一路は頷いた。同時に、前者は翔一郎にしかできなかった。一路は蒼一に視線を移し、笑って続けた。
「次の段階に移るか、蒼」
「ああ。火宮、この疑問を含め、土壁から当時の捜査状況を聞き出せ。資料だけじゃ分からないこともあるはずだ」
「はい」
「悠、10年前の8月1日、火宮翔二郎の誕生日に何があったのかを徹底的に調べろ。ここに必ず何かがある」
「分かった。拓司にも手伝ってもらうよ。蒼一さんたちはどうするの?」
「行く所がある。詳しいことは落ち着いたら話すから、それぞれ行動を始めてくれ」
「それ、どうやって調べたんだよ?」
拓司は呆れ笑いを浮かべて尋ねた。彼らは、翔一郎と一路のやり取りを特に追求することなく、故人2人の過去を辿ると言って話を続けていた。
「当時の高校のホームページに写真があった。これ」
悠がキーボードを叩くと、スクリーンに写真が映し出された。幼き日の司と翔二郎が、仲睦まじく言葉を交わしながら、黒板に書かれた数式の答えを探していた。
「火宮には黙ってたけど、以前、蒼一さんはキミの両親に会いに行ったんだ。司さんと火宮翔二郎が、どうして友人になったかを聞くためにね。」
翔一郎はギョッとして蒼一を見た。彼は頷くだけで、謝罪はしない。悠が続ける。
「両親によると、中学1年生の6月くらいに、司さんと友人になったと明かされたらしい。時期が一致するから、この日に仲良くなったのは確実。互いの名前を聞いただけで分かっただろうし、家の話でもして、打ち解けたのかもね。詳細は分からないけど」
写真で笑い合う2人は、長年来の友人のように見えた。将来違う道が進むことは確定していたが、それでも仲良くなった訳は、依然不明だった。
「この時に連絡先も交換してる。これは、出会った日から1週間後くらいのメッセージのやり取り」
次に現れた写真には、遊ぶ約束を交わすメッセージがあった。随分と仲良くなるのが早いと翔一郎は思うが、どちらも人見知りをしない性格だったため、不思議では無かった。
「メッセージのやり取りも、会って遊ぶことも、この先ずっと続いてる。高校も大学も別だったけど、都内の図書館で待ち合わせして一緒に勉強したことも多々あったみたい」
次々と映される写真には、会う約束を交わしては楽しかったと言い合うメッセージばかりが並んだ。彼らのやり取りは、友人を通り越し、親友と呼べるものだった。
「ちなみにさ、拓司と火宮って、10年前の裁判の時まで、会ったことなかったんだよね?」
「ああ」 「うん。どうして?」
「いや、この2人、自分に兄弟がいることを初対面の時に明かしたみたいで、4人で会う日を設けないかって話が、何度も出てるんだよね。ほら」
悠の言葉通り、その話は何度も、いや、何十回も繰り返されていた。
しかし、その度に交わされている言葉ーーーー『親に駄目って言われた』『こっちも同じだよ』
「2人が出会った当時、拓司は3歳、火宮は16歳。6月だから、拓司は蒼一さん・春海さんと出会った時期で、火宮は両親と絶縁して家を出て少し経った時期だ。タイミングとしては、正直良くない」
悠の言葉に蒼一が答えた。
「そうだな。6月の初めにこっちの前当主が死んで葬式があって、正式に次の当主が司だと遺言された。この時から、司と拓司は距離ができた。次期当主として、より勉学に励むためだとか何とか、馬鹿みたいな理由だったか」
蒼一は吐き捨てた。拓司も当時を思い出し、苦い顔をする。
翔一郎もまた、当時を思い出し、重々しく頷いた。
「・・・私は親戚の家での暮らしに慣れてきた頃で、翔二郎と連絡は取っていたけど、両親とは絶縁に等しい状態だった。すなわち、両親から翔二郎への束縛が強くなっている時期だ。翔二郎からしたら、ありとあらゆることに、両親の許可を得る必要があったはず」
「水守家の前当主の死去を、火宮家が知らないはずはない。対立していた家同士の次期当主同士が仲良くしてるだけでも腹立たしいのに、当主になることがない拓司と家を飛び出した火宮を会わせるなんて以ての外。許可が降りる可能性はゼロに等しい」
春海と一路が溜息をついた。馬鹿らしい、とばかりの長く深い溜息だった。
「続けるね。2人は兄弟揃って会いたかったけど、そのうち諦めて時間を置くことにしたみたい。その結論が出たのが、高校1年生の夏休み直前。お互いが当主になってからなら、好きなだけ会えるだろって感じだね」
そのメッセージのやり取りが映し出された。文字だけなら軽い口調だが、恐らく2人とも、暗澹たる気持ちだったことは言うまでもない。
「このやり取りを見てると、2人はただ兄弟揃って仲良くなりたいだけじゃなく、家同士の対立なんて、くだらない状況を打破したかったんじゃないかな。出会ったのは偶然だけど、初対面で話した時から、互いに通じるものがあったはずだ。だからこそ、兄弟揃って仲良くなれると考えた。筋は通るよ」
その後も、メッセージのやり取りは続いていた。しかし、ある時、奇妙なメッセージがあった。それは10年前の事件当日の2週間前。すなわち、翔二郎の誕生日である。そのやり取りを見た拓司たちは、揃って目を丸くした。
翔二郎
『ごめん。もう会えない』
司
『えっ?ちょっと待って、どういうこと?何で?』
翔二郎
『とにかく会えないんだ。勝手なこと言ってごめんな。でも、司のためにも、会わない方がいいと思う』
司
『待ってよ。意味が分からない。僕、何かした?誕生日の今日は遊べないから、今度遊ぼうって話だったよね?予定がダメになったなら仕方ないし、別の日を探したらいいんじゃないの?合わせるよ』
翔二郎
『ありがとう。確かに予定の日には行けない。でも、別の日が作れない。本当にごめん。とにかくもう会えないってことだけ伝えたかった』
司
『それだけ伝えられても全然分からないよ。僕は理由が知りたいんだ。どんな理由でもいいから教えてよ。親友でしょ?』
翔二郎
『そう言ってくれて本当に嬉しい。でも、ダメなんだ。全部俺g』
メッセージは不自然に途切れていた。それ以降、司からの一方的な心配と理由を知りたい旨のメッセージが送られるだけで、翔二郎は1度も返信を送っていなかった。司の最期のメッセージは、彼が亡くなる日の朝7時半丁度。
司
『夕方、そっちの大学前で待ってる。これを見てたら来て。話をしよう』
しかし、2人に夕方は訪れなかった。翔二郎が司を殺害して自殺したのは、この連絡から30分後のことだったから。
全てのメッセージに目を通した拓司たちは言葉を失った。司は、翔二郎から一方的に告げられた会えない理由を知らぬまま、殺害されたのだ。しかし、2人の間には怨恨など微塵もなく、親友として互いに寄り添う姿だけがあった。だからこそ、殺害と自殺に至る理由が分からなかった。
「会えない理由が、兄貴殺害の理由と結びつくのか? でも、スクランブル交差点で会ったのは偶然だろ?」
「確かに偶然だろうけど、互いに大学は知っているし、通学路も知ってるでしょ。いや、そもそも、8月15日ってお盆だよね? 大学ないんじゃ?」
悠は見落としていた、とばかりに呟き、目を見開いた。すぐさまキーボードを叩いて2人の大学の過去の日程表を調べ、大学自体が空いていない事実を確認する。
「あれ? でも当時、ニュースでは2人とも通学途中で報道されてたよね? 何で? おかしくない?」
悠の疑問には蒼一が答えた。
「乗換案内のアプリだ。2人とも、そのアプリで大学までのルートを検索していたから、通学途中ってことになった。だが、当時2人は大学2年。行き方くらい把握してるはず。
当時の捜査官にもこの矛盾に気がついた奴が1人いて、本当は別の場所に行こうとしていたんじゃないかと、上に話したが無視された。実際、司が火宮翔二郎の大学で待っているとのメッセージを残しているから、一応の理屈は通るが、不自然さは拭えない」
「当時の捜査官って誰です?」
「今のお前の相棒」
「土壁警部補が?」
翔一郎は困惑した。次の瞬間、一路が手を叩いて場を鎮める。
「先走り過ぎると失敗するぜ? 現時点で分かっていることは何だ? 拓司」
「えっと・・・兄貴と火宮翔二郎は間違いなく親友で、やり取りから怨恨は見出せないから、殺害理由として消去していい」
「そうだな。他には? 2人は何を考えていた?」
「俺と火宮を含めた4人で会うことだ。でも互いの両親が反対したから、互いが当主になってから会うことにした」
「ああ。いい結論だと思うよ。じゃあ、2人の間が不自然になった理由は?」
「火宮翔二郎が、兄貴に会えないって連絡をしたからだ。でも理由を語らなくて、その後は兄貴からの一方的な連絡だった。結局、理由は分からずじまいだ」
「その通り。司からの最期の連絡、8月15日の夕方に、火宮翔二郎の通う大学前で待ち合わせをする連絡にも、返事はなかった。ここから出る疑問は?」
「お盆だから大学は開いていない。でも、ニュースは2人とも通学途中だと言った。根拠となったのが兄貴からの連絡と乗換案内のアプリの検索履歴。2人とも自分の大学までの行き方を検索していた」
「一応の筋は通るよな。でも既に2人は大学2年だ。調べる理由がない。
で、当時の捜査官の1人も、この点を疑問に感じて上に話したが、さっきあげた理由が元で受け入れられなかった。疑問を口にした捜査官は?」
「今の火宮の相棒で上司、土壁翠」
「その通り。じゃあ最後だ。次に俺たちがやるべきことは?」
一瞬の沈黙の後、拓司は答えた。
「土壁翠に話を聞くことと、2人が会えなくなった理由を探ること」
一路は頷いた。同時に、前者は翔一郎にしかできなかった。一路は蒼一に視線を移し、笑って続けた。
「次の段階に移るか、蒼」
「ああ。火宮、この疑問を含め、土壁から当時の捜査状況を聞き出せ。資料だけじゃ分からないこともあるはずだ」
「はい」
「悠、10年前の8月1日、火宮翔二郎の誕生日に何があったのかを徹底的に調べろ。ここに必ず何かがある」
「分かった。拓司にも手伝ってもらうよ。蒼一さんたちはどうするの?」
「行く所がある。詳しいことは落ち着いたら話すから、それぞれ行動を始めてくれ」
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