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第五章
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上だけを脱いだ吉岡が俺に覆いかぶさって俺は自然とベッドへ倒された。お互いが好きだと分かった日からほとんど毎日のようにキスだったり抱き合ったり、盛り上がった日はカキ合いしたりしていても恥ずかしいものは恥ずかしいんだ。
「責任とるんでいいですか?」
真っ直ぐ見つめられ、言われた言葉に何のことだと頭にハテナが。
「何の責任だよ」
「副会長の言っていたことです」
「あー、なんか言ってたな。俺を抜け者にして」
「佐野さんをオンナにするからには責任取れよってことです。もう戻れないかもしれないという。副会長は結構真面目なんだなと思い直しました」
「や、俺男だし」
「まぁそうですけど。ただ童貞のまま抱かれる側に行ってしまったらもう抱く側にはいけないかもしれないということです」
「ふーん、よく分かんないけど」
「だから、それを俺に言ってきたんです」
若さのせいだろうか。
将来なんてもよく分からないし起きていないこともあまり想像できない。俺はまだ17年しか生きてないし。今がよければ何でもいい、ということではないのだろう。
いまいちよく分かっていない俺の反応に苦笑した吉岡は顔を寄せながら「責任とって俺が佐野さんのお嫁さんになるんで」とこれまたおかしなことを言う。
男のお前が嫁とはなんだと聞きたかったが唇を塞がれてしまって先を聞くことは出来なかった。けれどなんとなく南と吉岡が話をしていたことが分かった気がする。生産性も何もない男同士の恋愛だ。この先明るいものだけがあるわけじゃないのだろう。
そして今、確かに若さゆえの恋愛ごっこにのめり込んでいるだけかもしれないけど、でも俺は吉岡から離れる気もないしこれからも吉岡と共にありたいと思う。そう。それだけは確実。
もんもんと考え事をしてなすがままだった俺の脚に吉岡が割って入る。膝裏をつかまれてぐいっと膝を胸にまでつけられてあられもない姿を晒された。恥部がすべて吉岡に見える格好は羞恥心が半端ない。手で隠そうとすればギロリと鋭い視線を向けられて思わず手を引っ込めてしまう。
「膝、支えててください」
「やだ」
ただでも恥ずかし格好をさせられているというのにこのバカは何を言うんだと睨んでみるが鼻で笑われ、今度は強引に体をひっくり返された。
膝立ちになった吉岡は無理やり尻だけを持ち上げ、吉岡に突き出すような格好を取らされる。
「……これもイヤなんですけどぉ」
ちょっと文句を言ってみたけどやっぱり無視された。
なんとなくは分かっているけど、今日は最後までヤっちゃう感じか。
吉岡の言う責任とやらもヤる前提の話だもの、今日はいよいよなんだろうか。でも毎度『今日こそヤられちゃうんだろうか』と考えている気がする。
「あのー、俺が入れられるんだよな?」
覚悟はある。散々弄られてきたわけだし。照れ隠しにしゃべってみた。
「だから、責任とるんで」
「うん。いや、それもなんかヤなんだけどさ」
「俺をどんだけ我慢させたら気がすむんですか」
「だってもともと入れるアナじゃないし」
「そうですけど。……佐野さんが俺のものだという実感がもっと欲しいので我慢してください」
嬉しいようなそうでないようなセリフ、それを面倒くさそうに言う吉岡は俺の尻を目の前に盛大な息を吐く。わざとなのかなんなのか、俺の見えない場所に掛かって背中がぞくっとした。
「温めますけど、冷たかったらすみません」
後ろでごそごそと何かをしてる音がするが見えないから何をしているのか分からない。しかし少しの間があって尻にぬるりとしたものが触れる。はじめ少しひやりとしたがそれほど冷たさは感じられず、窪みを中心に丁寧に塗りたくっていった。時々指先がぬるりと少しだけ入り込んでは出て行って、そのたび体をビクつかせた。
「責任とるんでいいですか?」
真っ直ぐ見つめられ、言われた言葉に何のことだと頭にハテナが。
「何の責任だよ」
「副会長の言っていたことです」
「あー、なんか言ってたな。俺を抜け者にして」
「佐野さんをオンナにするからには責任取れよってことです。もう戻れないかもしれないという。副会長は結構真面目なんだなと思い直しました」
「や、俺男だし」
「まぁそうですけど。ただ童貞のまま抱かれる側に行ってしまったらもう抱く側にはいけないかもしれないということです」
「ふーん、よく分かんないけど」
「だから、それを俺に言ってきたんです」
若さのせいだろうか。
将来なんてもよく分からないし起きていないこともあまり想像できない。俺はまだ17年しか生きてないし。今がよければ何でもいい、ということではないのだろう。
いまいちよく分かっていない俺の反応に苦笑した吉岡は顔を寄せながら「責任とって俺が佐野さんのお嫁さんになるんで」とこれまたおかしなことを言う。
男のお前が嫁とはなんだと聞きたかったが唇を塞がれてしまって先を聞くことは出来なかった。けれどなんとなく南と吉岡が話をしていたことが分かった気がする。生産性も何もない男同士の恋愛だ。この先明るいものだけがあるわけじゃないのだろう。
そして今、確かに若さゆえの恋愛ごっこにのめり込んでいるだけかもしれないけど、でも俺は吉岡から離れる気もないしこれからも吉岡と共にありたいと思う。そう。それだけは確実。
もんもんと考え事をしてなすがままだった俺の脚に吉岡が割って入る。膝裏をつかまれてぐいっと膝を胸にまでつけられてあられもない姿を晒された。恥部がすべて吉岡に見える格好は羞恥心が半端ない。手で隠そうとすればギロリと鋭い視線を向けられて思わず手を引っ込めてしまう。
「膝、支えててください」
「やだ」
ただでも恥ずかし格好をさせられているというのにこのバカは何を言うんだと睨んでみるが鼻で笑われ、今度は強引に体をひっくり返された。
膝立ちになった吉岡は無理やり尻だけを持ち上げ、吉岡に突き出すような格好を取らされる。
「……これもイヤなんですけどぉ」
ちょっと文句を言ってみたけどやっぱり無視された。
なんとなくは分かっているけど、今日は最後までヤっちゃう感じか。
吉岡の言う責任とやらもヤる前提の話だもの、今日はいよいよなんだろうか。でも毎度『今日こそヤられちゃうんだろうか』と考えている気がする。
「あのー、俺が入れられるんだよな?」
覚悟はある。散々弄られてきたわけだし。照れ隠しにしゃべってみた。
「だから、責任とるんで」
「うん。いや、それもなんかヤなんだけどさ」
「俺をどんだけ我慢させたら気がすむんですか」
「だってもともと入れるアナじゃないし」
「そうですけど。……佐野さんが俺のものだという実感がもっと欲しいので我慢してください」
嬉しいようなそうでないようなセリフ、それを面倒くさそうに言う吉岡は俺の尻を目の前に盛大な息を吐く。わざとなのかなんなのか、俺の見えない場所に掛かって背中がぞくっとした。
「温めますけど、冷たかったらすみません」
後ろでごそごそと何かをしてる音がするが見えないから何をしているのか分からない。しかし少しの間があって尻にぬるりとしたものが触れる。はじめ少しひやりとしたがそれほど冷たさは感じられず、窪みを中心に丁寧に塗りたくっていった。時々指先がぬるりと少しだけ入り込んでは出て行って、そのたび体をビクつかせた。
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