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陰と先輩3
しおりを挟む「間接ちゅうだ」
「ぶっ!」
先輩がおかしなことを言うから口に含んだばかりのカフェオレを噴出してしまった。ぼたぼたと口から汚く零れてしまっている。手の甲でそれを拭って、先輩を睨んだ。
まただ、俺の大嫌いな胡散臭い笑顔。
意地の悪そうな、先輩の笑顔。
「変なこと言わないで下さいっ」
「間接ちゅうだって言っただけで噴出すほうが悪い」
「いまさら間接ちゅうとか言わなくてもいいでしょう! 俺に散々なことしたくせに!」
「あ、そうだね。ちゅうなんて3回? くらいしたしね」
「2回でしょ!」
俺は少し興奮していた。
だからこんな先輩と冷静になってかわすことも出来ずに言い合いして。
顔を真っ赤にして睨む俺を、先輩はきょとんとして、それこそ今まで見た中で一番“かわいい”という形容詞が似合う表情。
「2回だっけ?」
「保健室と、昨日の2回!」
俺の記憶に間違いはない。
フン、と鼻を鳴らして前に向きなおす。そしたら横で先輩特有の大爆笑が起こった。
「すげー濃いのしたのに! 忘れられてるー!」
腹を抱えてゲラゲラと俺を笑い飛ばす。
俺は事態が飲み込めず、それよりこんなときの先輩はすごく意地悪そうな顔をしているから、上半身を引いて先輩を訝しげに見た。
「エッチんときしたじゃん! スゲー濃いヤツ! お前なんて溶けそうな顔してたのに!」
「脳みそも溶けてたのかよ!」と付け加えられる、忘れていた事実。
カフェオレを持つ手を下ろし、下を向いた。キョロキョロと目だけを動かして頭の中で整理する。
犯された日、犯された日…。
思い出したくなくて、忘れたくて、でも今なんだか恥ずかしくて必死で記憶をたどった。
「?」
「あーおかし。思い出したかー?」
「? え?」
行為が終った後、先輩に顔中を舐められて、んで、……。
されてた。俺、すげー濃いのされてた。そうだ、ベロベロに舌を入れられて、口ん中掻き回されて。あれはすごい優しい時間で…。
俺もちょっとぼーっとしてしまって、…。先輩の言うとおり溶けていたかもしれない。
「うわわわわああ! 恥ずかしいっ!」
恥ずかしい! 恥ずかしい! 思い出したら一気に体の熱が噴出す。
恥ずかしさのあまり、先輩と反対の方向を向いて首を横に振り続けた。
「あはっ! お前すげーばか!」
きっと先輩よりも頭はいいと思うけど、今は何も言えない。言い返せない。
先輩なんてちゃらちゃらしてるくせになんでそんな細かく覚えてるんだよっ。
つか、俺もこんな悪魔相手になんでこんなに打ち解けて馬鹿話してんだよっ。
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