悲しい青年は異世界で幸せになる

27 神様に出会う日3＊獣人目線＊

これからどうするか…


どこに行くか考えていると天使…精霊達が近くに寄ってきた
それは初めて見るほどの数だった
こんなにいる所は見た事が無い


「ツレテイッテアゲル～ツレテイッテアゲル～」

「アノコノトコロ～アノコノトコロ～」

「あの子？連れて行くって…」


俺が聞き終わる前に精霊達は進んでしまう


「あっ、ちょっと待って!!」

「コッチ～コッチ～」

「オイデ～オイデ～」


俺は精霊達が行く道を進む



歩いて



歩いて



歩いて



何日歩き続けたのか分からない
一体どこに行くのか…
流石に体力的にま精神的にも疲れてしまった
するとどこかの街についたのか建物が増えてきた
暗い路地裏を歩いて行く


「ミツケタ～ミツケタ～」

「ココニイタ～ココニイタ～」

「見つけたって何っ…」


精霊達に何を見つけたか聞こうとしたら眩しい光で言葉が止まってしまった
そして暗い路地裏から見えたものは…


黒い髪に翡翠色の瞳
太陽の光を一身に浴びてこちらを見ている
精霊達が、その人を守るように飛んでいて


色鮮やかな


夢でも見ているかのような光景
するとその人が話しかけてきた


「君、大丈夫？」


俺を心配する声


その声は透明感があって
けれどしっかり聴こえた声



俺をまっすぐ見るその人



その時、俺のモノクロな世界が色づいた気がした



なぁ、いるかいないか分からない神
今だけはあんたに願って良かったと思うよ



俺は今日



世界でたった一人だけの




神様を見つけた