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19.平凡令嬢、英雄に祀り上げられる。
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会議は滞りなく進んでいきます。
最初に波乱があったものの、それ以降は揉める事無く、見事に協力関係を結ぶ事が出来ました。
「すまない。一つ質問があるのだが宜しいだろうか?」
ゴードン様が軽く挙手をしています。
「その、ローレンス殿らを低く見るわけではないのだが、国に協力を要請は出来ないのだろうか?」
確かにそれは間違いではないですが、難しいでしょうね。
「ええ質問や。確かに決定権のある国の中枢、それこそ国王や法王に協力を要請できれば確実やな」
頷きながら、ローレンス様が話を続けます。
「せやけどヴェラ相手に表立って敵対するわけにいかへん、それこそ即戦争になりかねんからな。せやからワイらのような影響力があって組織に属していない人間の方が都合がええんや。それでこちらが有利になれば国もこちら側に着く。そういう寸法や」
ゴードン様は「そうでしたか」と恥ずかしそうに手を下げましたが、行動としては素晴らしい事です。
私もリカルド様も、更に言えばレジスタンスのリーダーであるマルク様もローレンス様と同じ考えでしょう。なので全員がそう思っていると思ってしまっていました。
これは危険です。そんなのは分かっているだろうと高を括って、何も知らないメンバーが失敗を犯したら全てが水の泡です。
「変な事を聞いてしまってすまない」
「いえ。ゴードン様の今の意見は素晴らしいと思います。私達は知っているだろうと思いこんでいました。ですが、今ので言い忘れていることがあるかもしれない事に気づかせてくださったのですから」
「せやな。もう一度最初から全部説明をし直したほうがええかもしれへん。当たり前や思ってたら伝わっとらん可能性がある。ゴードン殿、気になったことがあったらドンドン言ってもらえます?」
実際にもう一度話してみると、共通の認識と思い込んでいて伝わっていないことがいくつも出てきました。
もしこのまま話が進んでいたら、大変な事になっていたかもしれません。
さて、会議の本題に入ります。
今後どうするかという内容です。
現状としては、イーリス王国からは直接的な援助を得られないものの、状況がこちらに傾けばいつでもこちらの味方に付いてくれる。というのが各会頭の意見です。
宗教国家テミスはウェンディ様が呼びかければ国全体に働きかけることも可能だとか。法王が居るものの、実質の権力を握っているのはウェンディ様や司祭の方々だそうです。
となるとヴェラ王国の民を引き入れるか、周辺諸国の外堀を埋めて行く事になります。
「ちなみにパオラはんは、どう考えてます?」
ローレンス様の問いに、私は人差し指を唇に当て考えこみます。
「今のヴェラは商業都市が無くなり、国内外の流通が非常に厳しい状態になっています。その為にイーリスやテミスに来たと思います」
「せやね」
「しかし失敗に終わったとなると、次は他の周辺諸国へ協力を求めるでしょう。なので先回りしてヴェラの状況を触れ込み、足元を見させとにかく交渉しづらくするというのはいかがでしょうか?」
「確かにええ策や。せやけどそれをやるのは難しいで」
「そうですね。パオラの策では、この機会にヴェラ王国へ取り入ろうとする国が出てきて、逆にこちらへの向かい風になってしまう可能性がある」
ローレンス様とリカルド様の言う通りです。
私達の力では、いまだ国を揺さぶるほどではありません。
というのに、ローレンス様は難色を示しておらず、ニヤニヤと言った感じで私とリカルド様を見ております。
「せやから、自分ら2人には英雄になってもらうのはどうやろか?」
「英雄に?」
リカルド様と同時に声を上げました。
「”本当の”英雄として、魔王殺しパオラと皇帝竜殺しリカルドの名前を広めるんや」
「私、魔王殺しですか……」
その……あまりに物騒な名前ですので……。
出来れば、もうちょっと可愛らしい方が嬉しいです。
「じゃあ聖女はどうや?」
ローレンス様がそう言うと、ウェンディ様を見ました。
「私は賛成です。先ほどの件、聖女と言っても過言ではないと思います」
「よっしゃ。司祭の言も取ったし、まずは太子連中の評価を下げつつ、こちらの評価を上げる作戦や!」
「ちょっと待て!」
ここで、それまで大人しく聞いていたロウルズ様が声を上げました。
彼は正義を見極めるためにと私達についてきたのですから、この作戦に思う事があるのでしょう。
「ロウルズ様。先に一つ、宜しいでしょうか?」
「なんだ?」
「私もリカルド様も、魔王や皇帝竜を倒したというのは決して嘘をついているわけではありません」
「……どういうことだ?」
「私達が倒した事を、ジュリアン様やカチュアお姉さまが名誉を横取りにしたに過ぎないのです」
「しかし、なら何故誰もあなた方が倒したと言わないのだ!?」
「その事実を知っている者は、国の兵士の手によって殺されたからです」
私はキッと睨みつけると、ロウルズ様は「いや、そんな、まさか」と狼狽えた様子です。
信じられないというよりは、信じたくないと言った感じでしょうか。
「レジスタンスメンバーのトーマス様が、その時の生き残りです。何があったか彼に聞いてみてください」
「……分かった。荒立ててしまい、すまない……」
そう言って、ロウルズ様は部屋から出てきました。
彼がトーマス様の話を聞いて、どう思うか分かりません。
敵となるか味方となるかは、彼の正義に任せましょう。
「と、とりあえず、まずは、名誉奪還作戦開始や」
私とリカルド様が英雄ですか。凡人な自分に務まるとは思いませんが……。
いえ、弱気になってはだめです。私を信じてくださった皆様のために、例えハリボテの名誉でも構いません。
求められるのでしたら、聖女パオラとして全うするまでです。
カチュアお姉さま。私は今から、全身全霊をかけて、全てを奪い返しにいかせて頂きます。
最初に波乱があったものの、それ以降は揉める事無く、見事に協力関係を結ぶ事が出来ました。
「すまない。一つ質問があるのだが宜しいだろうか?」
ゴードン様が軽く挙手をしています。
「その、ローレンス殿らを低く見るわけではないのだが、国に協力を要請は出来ないのだろうか?」
確かにそれは間違いではないですが、難しいでしょうね。
「ええ質問や。確かに決定権のある国の中枢、それこそ国王や法王に協力を要請できれば確実やな」
頷きながら、ローレンス様が話を続けます。
「せやけどヴェラ相手に表立って敵対するわけにいかへん、それこそ即戦争になりかねんからな。せやからワイらのような影響力があって組織に属していない人間の方が都合がええんや。それでこちらが有利になれば国もこちら側に着く。そういう寸法や」
ゴードン様は「そうでしたか」と恥ずかしそうに手を下げましたが、行動としては素晴らしい事です。
私もリカルド様も、更に言えばレジスタンスのリーダーであるマルク様もローレンス様と同じ考えでしょう。なので全員がそう思っていると思ってしまっていました。
これは危険です。そんなのは分かっているだろうと高を括って、何も知らないメンバーが失敗を犯したら全てが水の泡です。
「変な事を聞いてしまってすまない」
「いえ。ゴードン様の今の意見は素晴らしいと思います。私達は知っているだろうと思いこんでいました。ですが、今ので言い忘れていることがあるかもしれない事に気づかせてくださったのですから」
「せやな。もう一度最初から全部説明をし直したほうがええかもしれへん。当たり前や思ってたら伝わっとらん可能性がある。ゴードン殿、気になったことがあったらドンドン言ってもらえます?」
実際にもう一度話してみると、共通の認識と思い込んでいて伝わっていないことがいくつも出てきました。
もしこのまま話が進んでいたら、大変な事になっていたかもしれません。
さて、会議の本題に入ります。
今後どうするかという内容です。
現状としては、イーリス王国からは直接的な援助を得られないものの、状況がこちらに傾けばいつでもこちらの味方に付いてくれる。というのが各会頭の意見です。
宗教国家テミスはウェンディ様が呼びかければ国全体に働きかけることも可能だとか。法王が居るものの、実質の権力を握っているのはウェンディ様や司祭の方々だそうです。
となるとヴェラ王国の民を引き入れるか、周辺諸国の外堀を埋めて行く事になります。
「ちなみにパオラはんは、どう考えてます?」
ローレンス様の問いに、私は人差し指を唇に当て考えこみます。
「今のヴェラは商業都市が無くなり、国内外の流通が非常に厳しい状態になっています。その為にイーリスやテミスに来たと思います」
「せやね」
「しかし失敗に終わったとなると、次は他の周辺諸国へ協力を求めるでしょう。なので先回りしてヴェラの状況を触れ込み、足元を見させとにかく交渉しづらくするというのはいかがでしょうか?」
「確かにええ策や。せやけどそれをやるのは難しいで」
「そうですね。パオラの策では、この機会にヴェラ王国へ取り入ろうとする国が出てきて、逆にこちらへの向かい風になってしまう可能性がある」
ローレンス様とリカルド様の言う通りです。
私達の力では、いまだ国を揺さぶるほどではありません。
というのに、ローレンス様は難色を示しておらず、ニヤニヤと言った感じで私とリカルド様を見ております。
「せやから、自分ら2人には英雄になってもらうのはどうやろか?」
「英雄に?」
リカルド様と同時に声を上げました。
「”本当の”英雄として、魔王殺しパオラと皇帝竜殺しリカルドの名前を広めるんや」
「私、魔王殺しですか……」
その……あまりに物騒な名前ですので……。
出来れば、もうちょっと可愛らしい方が嬉しいです。
「じゃあ聖女はどうや?」
ローレンス様がそう言うと、ウェンディ様を見ました。
「私は賛成です。先ほどの件、聖女と言っても過言ではないと思います」
「よっしゃ。司祭の言も取ったし、まずは太子連中の評価を下げつつ、こちらの評価を上げる作戦や!」
「ちょっと待て!」
ここで、それまで大人しく聞いていたロウルズ様が声を上げました。
彼は正義を見極めるためにと私達についてきたのですから、この作戦に思う事があるのでしょう。
「ロウルズ様。先に一つ、宜しいでしょうか?」
「なんだ?」
「私もリカルド様も、魔王や皇帝竜を倒したというのは決して嘘をついているわけではありません」
「……どういうことだ?」
「私達が倒した事を、ジュリアン様やカチュアお姉さまが名誉を横取りにしたに過ぎないのです」
「しかし、なら何故誰もあなた方が倒したと言わないのだ!?」
「その事実を知っている者は、国の兵士の手によって殺されたからです」
私はキッと睨みつけると、ロウルズ様は「いや、そんな、まさか」と狼狽えた様子です。
信じられないというよりは、信じたくないと言った感じでしょうか。
「レジスタンスメンバーのトーマス様が、その時の生き残りです。何があったか彼に聞いてみてください」
「……分かった。荒立ててしまい、すまない……」
そう言って、ロウルズ様は部屋から出てきました。
彼がトーマス様の話を聞いて、どう思うか分かりません。
敵となるか味方となるかは、彼の正義に任せましょう。
「と、とりあえず、まずは、名誉奪還作戦開始や」
私とリカルド様が英雄ですか。凡人な自分に務まるとは思いませんが……。
いえ、弱気になってはだめです。私を信じてくださった皆様のために、例えハリボテの名誉でも構いません。
求められるのでしたら、聖女パオラとして全うするまでです。
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