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1.平凡令嬢、婚約破棄をされる。
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「パオラ。悪いが君との婚約は破棄させて貰いたい」
唐突の出来事でした。
皇太子であり、私の婚約者であるジュリアン様に一方的に婚約破棄を突き付けられ、頭が真っ白になりました。
「えっ……?」
どうして?
その一言が、上手く言えません。私の何がいけなかったのでしょうか?
いえ、違いますね。
皇太子さまの婚約者が平凡な時点で、良いわけがありません。
「君は確かに素敵な女性だ。しかし私の婚約者になるには平凡過ぎるのだ。勝手な申し出だというのは十分承知している。だが分かって欲しい」
「いくらなんでも、そんなの勝手すぎます……」
頭ではジュリアン様の言うことが正しい事は分かっています。
それでも口から出る未練の言葉が止められませんでした。
止めどなく流れる涙が、私の化粧を落としていきますが、そんな事を気にする余裕などありません。
「全く。無様ね」
「お、お姉さま。どうしてここに……?」
カチュアお姉さまが、サラサラとした美しい髪をなびかせ、私の横をすり抜けジュリアン様の元まで歩いていきます。
ジュリアン様は、近づいてきたカチュアお姉さまの手を取り、そして手の甲へ軽く口づけをしたのです。
「こういう事よ」
それで全て理解しました。私は姉に婚約者を取られた事に。
そして姉に微笑みかけるジュリアン様の、透き通るような青い瞳には、もう私を映す余地など無いのだと理解しました。
「平凡な貴女か非凡な私。どちらがジュリアン様に相応しいか。それ位わかっていらっしゃるのでしょう?」
「……ッ!」
何も言い返す言葉がありません。
何も言わず。いえ、何も言えず私はその場から逃げ出しました。
唐突の出来事でした。
皇太子であり、私の婚約者であるジュリアン様に一方的に婚約破棄を突き付けられ、頭が真っ白になりました。
「えっ……?」
どうして?
その一言が、上手く言えません。私の何がいけなかったのでしょうか?
いえ、違いますね。
皇太子さまの婚約者が平凡な時点で、良いわけがありません。
「君は確かに素敵な女性だ。しかし私の婚約者になるには平凡過ぎるのだ。勝手な申し出だというのは十分承知している。だが分かって欲しい」
「いくらなんでも、そんなの勝手すぎます……」
頭ではジュリアン様の言うことが正しい事は分かっています。
それでも口から出る未練の言葉が止められませんでした。
止めどなく流れる涙が、私の化粧を落としていきますが、そんな事を気にする余裕などありません。
「全く。無様ね」
「お、お姉さま。どうしてここに……?」
カチュアお姉さまが、サラサラとした美しい髪をなびかせ、私の横をすり抜けジュリアン様の元まで歩いていきます。
ジュリアン様は、近づいてきたカチュアお姉さまの手を取り、そして手の甲へ軽く口づけをしたのです。
「こういう事よ」
それで全て理解しました。私は姉に婚約者を取られた事に。
そして姉に微笑みかけるジュリアン様の、透き通るような青い瞳には、もう私を映す余地など無いのだと理解しました。
「平凡な貴女か非凡な私。どちらがジュリアン様に相応しいか。それ位わかっていらっしゃるのでしょう?」
「……ッ!」
何も言い返す言葉がありません。
何も言わず。いえ、何も言えず私はその場から逃げ出しました。
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