「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
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第4章
第8話「ここにドーガ達が隠れている」
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冒険者ギルドは、少しピリついた空気になっていた。
新顔である俺達を、冒険者達はじろじろと無遠慮に見て来る。
その中で、見かけた顔があった。
こちらに気づいたようだが、チラチラと見て、声をかけるべきか悩んでいる様子だ。
「また会ったな。確かドランのパーティだったか」
なので、こちらから声をかける事にした。
ずっとチラチラされては、他の冒険者から変な誤解を受けかねないしな。
「はい。お久しぶりです」
やや戸惑いながら、魔法使い風の男が答えた。
「ドランの事は、サイドから聞いた」
「そう、ですか」
「残念だったな」
「残念……そんなもので、納得できるわけないだろ!」
男の語気が荒くなる。
本気で怒っているのだろう。眉をひそめ睨んできた。
「ひぃ!」
後ろからベルの小さな悲鳴が聞こえた。
その声で、魔法使い風の男は冷静さを取り戻したのだろう。
「すまない。軽率だった」
「いえ、こちらこそすみません」
そう言って、お互いに頭を下げた。
「僕らは、ドランを含めて全員幼馴染だったんですよ。冒険者をやって覚悟をしているつもりだったのですが……ダメですね」
男はそう言うと、はははと力なく笑った。
他のメンバーも、困ったように一緒に笑っている。
「もし困った事があったら言ってくれ。力になる」
「ありがとうございます。そちらも何か困ったことがあれば、気軽に声をかけてくださいね」
「あぁ、その時は是非頼らせてもらう。今日はギルドに顔を出しに来ただけだから、またな」
ベル達も軽く挨拶をすまし、ギルドを後にした。
彼らの様子を、とても見ていられなかったからだ。
本当は何か依頼が無いか見る予定だったのだが、ベル達は何も言わない。
彼女達も同じ気持ちなのだろうな。
★ ★ ★
無言のまま宿に戻ってきた。
備え付けてあるテーブルに座ると同時に、軽いため息が出た。
……これは。
「悪い。ちょっと出かけてくる」
「どこに行くのですか?」
立ち上がった俺に、モルガンが問いかけて来た。
「あー……エッチな店だ」
「聞いた私がバカだったわ。さっさと行ってきなさい」
頭を軽くはたかれた。
顔を真っ赤にしたベルが何か言いたげな顔をしているが、あえてスルーだ。
「じゃあちょっと行って来る。遅くなるから先に寝ててくれ」
俺は部屋を出て、扉を閉めた。
★ ★ ★
「ここか」
到着したのは、街を出て街道に沿って数時間の所にある森だ。
わざわざこんな所まで来たのは、別にエッチな店が目的ではない。
一枚の紙を取り出した。宿のテーブルに置かれていた紙だ。
紙には大雑把な手書きの地図に、一言だけ添えられていた。
『ここにドーガ達が隠れている』
何かの罠かと思ったが、捨て置く気にはなれなかった。
危険を考えると俺一人で行くべきだ。ベル達は置いていこう。そう思いエッチな店に行くと適当な嘘をついて置いてきた。
「隠れてるのはバレバレだぞ」
というのに、全員付いて来た。
途中から気づいてはいたが、もしかしたら諦めるかもと思い声をかけなかった。
結局諦める事無く、ここまで付いてきてしまった。
「へっへっへ、バレちまったか」
おまけにサイドまでいる始末だ。
「俺の後を付けて、何の用だ?」
「アンリのエッチが見てみたいので、付いてきちゃいました」
「クーも見てみたいぞ!」
モルガンが張り付けた笑顔でそんな事を言う。はぁ、これは相当怒っているな。
クーはよく分からず適当に答えているのだろう。モルガンに頭をはたかれて「なんで?」って顔をしている。
ったく、仕方がない。
俺はテーブルで見つけた紙を見せた。
「もし本当にドーガが居るなら、捕まえてドランのパーティに謝らせたい」
「お前は、本当にお人好しだな」
「一応、ドーガとは元パーティだからな」
サイドが真剣な表情をした。
「俺も連れてけ」
「嫌だと言ってもどうせ付いてくるつもりだろ? それなら一緒に行った方が良い。精々頼りにさせてもらう」
「おう」
サイドがいつものニヤニヤ顔に戻った。
俺よりも、アンタの方がよっぽどお人好しだよ。
「ほら、お前達も付いてくるんだろ? 行くぞ」
「あっ……うん」
俺達は森へ足を踏み入れた。
新顔である俺達を、冒険者達はじろじろと無遠慮に見て来る。
その中で、見かけた顔があった。
こちらに気づいたようだが、チラチラと見て、声をかけるべきか悩んでいる様子だ。
「また会ったな。確かドランのパーティだったか」
なので、こちらから声をかける事にした。
ずっとチラチラされては、他の冒険者から変な誤解を受けかねないしな。
「はい。お久しぶりです」
やや戸惑いながら、魔法使い風の男が答えた。
「ドランの事は、サイドから聞いた」
「そう、ですか」
「残念だったな」
「残念……そんなもので、納得できるわけないだろ!」
男の語気が荒くなる。
本気で怒っているのだろう。眉をひそめ睨んできた。
「ひぃ!」
後ろからベルの小さな悲鳴が聞こえた。
その声で、魔法使い風の男は冷静さを取り戻したのだろう。
「すまない。軽率だった」
「いえ、こちらこそすみません」
そう言って、お互いに頭を下げた。
「僕らは、ドランを含めて全員幼馴染だったんですよ。冒険者をやって覚悟をしているつもりだったのですが……ダメですね」
男はそう言うと、はははと力なく笑った。
他のメンバーも、困ったように一緒に笑っている。
「もし困った事があったら言ってくれ。力になる」
「ありがとうございます。そちらも何か困ったことがあれば、気軽に声をかけてくださいね」
「あぁ、その時は是非頼らせてもらう。今日はギルドに顔を出しに来ただけだから、またな」
ベル達も軽く挨拶をすまし、ギルドを後にした。
彼らの様子を、とても見ていられなかったからだ。
本当は何か依頼が無いか見る予定だったのだが、ベル達は何も言わない。
彼女達も同じ気持ちなのだろうな。
★ ★ ★
無言のまま宿に戻ってきた。
備え付けてあるテーブルに座ると同時に、軽いため息が出た。
……これは。
「悪い。ちょっと出かけてくる」
「どこに行くのですか?」
立ち上がった俺に、モルガンが問いかけて来た。
「あー……エッチな店だ」
「聞いた私がバカだったわ。さっさと行ってきなさい」
頭を軽くはたかれた。
顔を真っ赤にしたベルが何か言いたげな顔をしているが、あえてスルーだ。
「じゃあちょっと行って来る。遅くなるから先に寝ててくれ」
俺は部屋を出て、扉を閉めた。
★ ★ ★
「ここか」
到着したのは、街を出て街道に沿って数時間の所にある森だ。
わざわざこんな所まで来たのは、別にエッチな店が目的ではない。
一枚の紙を取り出した。宿のテーブルに置かれていた紙だ。
紙には大雑把な手書きの地図に、一言だけ添えられていた。
『ここにドーガ達が隠れている』
何かの罠かと思ったが、捨て置く気にはなれなかった。
危険を考えると俺一人で行くべきだ。ベル達は置いていこう。そう思いエッチな店に行くと適当な嘘をついて置いてきた。
「隠れてるのはバレバレだぞ」
というのに、全員付いて来た。
途中から気づいてはいたが、もしかしたら諦めるかもと思い声をかけなかった。
結局諦める事無く、ここまで付いてきてしまった。
「へっへっへ、バレちまったか」
おまけにサイドまでいる始末だ。
「俺の後を付けて、何の用だ?」
「アンリのエッチが見てみたいので、付いてきちゃいました」
「クーも見てみたいぞ!」
モルガンが張り付けた笑顔でそんな事を言う。はぁ、これは相当怒っているな。
クーはよく分からず適当に答えているのだろう。モルガンに頭をはたかれて「なんで?」って顔をしている。
ったく、仕方がない。
俺はテーブルで見つけた紙を見せた。
「もし本当にドーガが居るなら、捕まえてドランのパーティに謝らせたい」
「お前は、本当にお人好しだな」
「一応、ドーガとは元パーティだからな」
サイドが真剣な表情をした。
「俺も連れてけ」
「嫌だと言ってもどうせ付いてくるつもりだろ? それなら一緒に行った方が良い。精々頼りにさせてもらう」
「おう」
サイドがいつものニヤニヤ顔に戻った。
俺よりも、アンタの方がよっぽどお人好しだよ。
「ほら、お前達も付いてくるんだろ? 行くぞ」
「あっ……うん」
俺達は森へ足を踏み入れた。
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