「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
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第3章
第6話「生存者の確認をする」
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「邪魔だ!」
「グギャー!」
部屋の中に突入すると、ゴブリンと鉢合わせた。
慌てて後ずさるゴブリンに踏み込む。体制の崩れたゴブリンは、成すすべなくざっくりと斬られてその場に倒れた。
まずは一匹だ。
部屋の中にはゴブリンの上位種である大人位の大きさのホブゴブリンが2匹と、人間の大男よりも大きなゴブリンウォーリアが2匹。
そして、奥で卑下た笑いでこちらを見ているのはゴブリンジェネラルか。その傍らには、捨てられるように全裸の女2人居るのが見えた。
多分攫われた村娘と、元ドーガパーティのミーシャだろう。
平地ならまだしも、こんな狭い所で戦うのは骨が折れそうだ。
遠距離から攻撃してくるゴブリンマジシャンや、補助や回復をさせてくるゴブリンシスターが居ないだけマシだな。
ジェネラルが動こうとしないは好機だ。
多分、こちらの戦力を相当甘く見てくれている。
もしくは、地中に隠れているゴブリンが居るから安心しきっているのかもしれないな。
ジリジリとホブゴブリンが舌なめずりをして、こちらに近づいてくる。
だが、すぐに襲って来ようとはしない。こいつらの頭で考えている事なんて大体わかる。
罠があるのだろう。
「た、助けて!!!」
俺に気づいた女が、叫びながら助けをこう。
こうやって叫ばせて、冷静さを失い突撃したところで罠を発動させるつもりなのだろう。
悪いが、それを逆に利用させてもらうぞ。
「ベル、モルガン。少しで良いホブの足止めを頼む。その間に俺とクーでウォーリアをどうにかする」
「分かりました」
「そんなに持たないと思うから、早くしてね」
「あぁ。よし、やるぞ。クー」
「うん!」
俺とクーが走り出すと、予想通り罠が発動した。
罠は矢が降ってくる簡単な物だ。
「グギッ!?」
だが、矢は全て俺達を”避けるよう”に飛んでいく。
こんな事だろうと思って、突入前に補助をかける際、矢避けの加護の補助もかけておいたのだ。
俺達がまっすぐ突っ切って来るのに、矢が当たらない様子に驚くホブを無視して、俺とクーはウォーリアの元へ駆け出した。
あまり近接戦闘をしたくない相手だが、こんな狭い場所で『投刃』スキルを使おうものなら、壁で反射してどこに飛ぶか分からない。
大振りに斧を振り下ろしたタイミングに合わせ、腕を斬りつける。
流石に力を入れてるから、腕を切断するには至らないな。とはいえ、動きを鈍らせることは出来た。
「クー。獲物を交換するぞ。利き腕をやっておいたから、お前の炸裂魔法をお見舞いしてやってくれ」
「分かった!」
俺はクーと戦闘中のウォーリアに向かい合う。
あのまま戦い続ければ勝つのは容易だが、それでも時間がかかる。
それならクーのワンパン火力に任せて、俺はもう1体を弱らせた方が効率的だ。
ベル達の事を考えていると、長々と戦っているわけにはいかない。
程なくして、爆発音が聞こえた。クーがウォーリアをやったのだろう。
「アンちゃん、手伝う!」
「いや、俺は良いからベル達の応援に、っておい。大丈夫か?」
「クー大丈夫だ! ベルちゃん達の所に行ってくる!」
クーの額からは血が流れていた。
一瞬ふらりとしたクーが心配だが、他人の心配をしてる余裕はない。
ウォーリアを1匹倒した事で、ジェネラルが動き始めた。
ウォーリアよりサイズはやや小さいが、体を覆う筋肉が鎧のようになっている。ゴブリンジェネラル。
見た目に反し、動きは素早く、それでいてパワーがウォーリアよりも上なのだからかなり厳しい。
少々危険だが、ウォーリアを早めに始末するか。
俺は自己補助のレアスキル『魔力撃』を発動させた。
全身に無理やり魔力を循環させ、一時的に身体能力を大幅にアップさせるレアスキルだ。
ただし、少し動くだけでも大幅に上がった身体能力に振り回されるため、普段は滅多に使わない。
俺の切り札だ。
ブンと思い切り剣を振ると、受け止めようとしたウォーリアを斧ごとバッサリと両断。
だが、勢い余って剣が地面に突き刺さった。
「力を入れすぎたか!」
慌てて抜こうとするが、ゴブリンジェネラルは目の前まで迫ってきていた。
あぁ、やらかしたな。そんな風に思った俺の横を、ジェネラルは走り抜け。そのまま部屋から逃亡していった。
「へっ?」
ジェネラルが走り去った方向を見ると、ベル達がホブを倒した後のようで、四散したホブの死体が転がっている。
クーのスキルが未知すぎて、恐れをなして逃げてくれたのだろう。正直助かった。
地面に刺さった剣を引き抜こうとして、ポキリと刃が折れてしまった。
もうこいつは使えないな。
「生存者の確認をする。モルガン、ベルとクーがケガしていたら治してやってくれ」
「分かりました」
「根性じゃなく、回復魔法でちゃんと治すんだぞ?」
「……分かってます」
一瞬間があった。
まぁいい。ベルとクーはモルガンに任せ。俺は生存者の確認をするか。
「グギャー!」
部屋の中に突入すると、ゴブリンと鉢合わせた。
慌てて後ずさるゴブリンに踏み込む。体制の崩れたゴブリンは、成すすべなくざっくりと斬られてその場に倒れた。
まずは一匹だ。
部屋の中にはゴブリンの上位種である大人位の大きさのホブゴブリンが2匹と、人間の大男よりも大きなゴブリンウォーリアが2匹。
そして、奥で卑下た笑いでこちらを見ているのはゴブリンジェネラルか。その傍らには、捨てられるように全裸の女2人居るのが見えた。
多分攫われた村娘と、元ドーガパーティのミーシャだろう。
平地ならまだしも、こんな狭い所で戦うのは骨が折れそうだ。
遠距離から攻撃してくるゴブリンマジシャンや、補助や回復をさせてくるゴブリンシスターが居ないだけマシだな。
ジェネラルが動こうとしないは好機だ。
多分、こちらの戦力を相当甘く見てくれている。
もしくは、地中に隠れているゴブリンが居るから安心しきっているのかもしれないな。
ジリジリとホブゴブリンが舌なめずりをして、こちらに近づいてくる。
だが、すぐに襲って来ようとはしない。こいつらの頭で考えている事なんて大体わかる。
罠があるのだろう。
「た、助けて!!!」
俺に気づいた女が、叫びながら助けをこう。
こうやって叫ばせて、冷静さを失い突撃したところで罠を発動させるつもりなのだろう。
悪いが、それを逆に利用させてもらうぞ。
「ベル、モルガン。少しで良いホブの足止めを頼む。その間に俺とクーでウォーリアをどうにかする」
「分かりました」
「そんなに持たないと思うから、早くしてね」
「あぁ。よし、やるぞ。クー」
「うん!」
俺とクーが走り出すと、予想通り罠が発動した。
罠は矢が降ってくる簡単な物だ。
「グギッ!?」
だが、矢は全て俺達を”避けるよう”に飛んでいく。
こんな事だろうと思って、突入前に補助をかける際、矢避けの加護の補助もかけておいたのだ。
俺達がまっすぐ突っ切って来るのに、矢が当たらない様子に驚くホブを無視して、俺とクーはウォーリアの元へ駆け出した。
あまり近接戦闘をしたくない相手だが、こんな狭い場所で『投刃』スキルを使おうものなら、壁で反射してどこに飛ぶか分からない。
大振りに斧を振り下ろしたタイミングに合わせ、腕を斬りつける。
流石に力を入れてるから、腕を切断するには至らないな。とはいえ、動きを鈍らせることは出来た。
「クー。獲物を交換するぞ。利き腕をやっておいたから、お前の炸裂魔法をお見舞いしてやってくれ」
「分かった!」
俺はクーと戦闘中のウォーリアに向かい合う。
あのまま戦い続ければ勝つのは容易だが、それでも時間がかかる。
それならクーのワンパン火力に任せて、俺はもう1体を弱らせた方が効率的だ。
ベル達の事を考えていると、長々と戦っているわけにはいかない。
程なくして、爆発音が聞こえた。クーがウォーリアをやったのだろう。
「アンちゃん、手伝う!」
「いや、俺は良いからベル達の応援に、っておい。大丈夫か?」
「クー大丈夫だ! ベルちゃん達の所に行ってくる!」
クーの額からは血が流れていた。
一瞬ふらりとしたクーが心配だが、他人の心配をしてる余裕はない。
ウォーリアを1匹倒した事で、ジェネラルが動き始めた。
ウォーリアよりサイズはやや小さいが、体を覆う筋肉が鎧のようになっている。ゴブリンジェネラル。
見た目に反し、動きは素早く、それでいてパワーがウォーリアよりも上なのだからかなり厳しい。
少々危険だが、ウォーリアを早めに始末するか。
俺は自己補助のレアスキル『魔力撃』を発動させた。
全身に無理やり魔力を循環させ、一時的に身体能力を大幅にアップさせるレアスキルだ。
ただし、少し動くだけでも大幅に上がった身体能力に振り回されるため、普段は滅多に使わない。
俺の切り札だ。
ブンと思い切り剣を振ると、受け止めようとしたウォーリアを斧ごとバッサリと両断。
だが、勢い余って剣が地面に突き刺さった。
「力を入れすぎたか!」
慌てて抜こうとするが、ゴブリンジェネラルは目の前まで迫ってきていた。
あぁ、やらかしたな。そんな風に思った俺の横を、ジェネラルは走り抜け。そのまま部屋から逃亡していった。
「へっ?」
ジェネラルが走り去った方向を見ると、ベル達がホブを倒した後のようで、四散したホブの死体が転がっている。
クーのスキルが未知すぎて、恐れをなして逃げてくれたのだろう。正直助かった。
地面に刺さった剣を引き抜こうとして、ポキリと刃が折れてしまった。
もうこいつは使えないな。
「生存者の確認をする。モルガン、ベルとクーがケガしていたら治してやってくれ」
「分かりました」
「根性じゃなく、回復魔法でちゃんと治すんだぞ?」
「……分かってます」
一瞬間があった。
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