「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
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第2章
ドーガ視点「ゴブリン退治ぃ!?」
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-ドーガパーティ-
-ドーガ視点-
「クソ! なんでだよ!」
飲み干したエールのコップを、俺は叩きつけるように机に置いた。
ガンと大きい音に合わせ、ミーシャの奴がビクっと小さく反応した。
店員が何か言いたげな顔をしているが、睨みつけるとそそくさと足早に厨房に消えていった。
「マジ最悪なんだけど」
「困ったわね」
机に両肘をついて、毛先をいじりながらカテジナがぶつくさと呟いている。
シャルロットは口調こそ穏やかだが、鋭い目つきでミーシャを見ていた。
俺達はあの役立たずと別れた後、Bランクからステップアップするために町を出た。
あの町周辺には大した魔物が居ないため、大型の依頼が受けられず、頑張ってもBランクより上には上がれないからだ。
役立たずを追放し、盗賊のミーシャを入れた事により、Aランクまでは楽に行けるだろうと思っていた。だが結果はどうだ?
俺達は依頼の失敗を繰り返し、Cランクに降格された。
それというのも、全てミーシャが悪い。役立たずのアンリよりも役に立たないからだ。
「ミーシャ。お前さっきの依頼も何をやっていたんだ?」
「それはドーガが一緒に前に来いって言うから、前衛で一緒に戦って……」
「口答えするな!」
「……」
「何をやっていたか聞いてるのに黙るんじゃねぇよ!」
「だって、今」
「だから口答えするな!」
クソッ。口を開けば言い訳をして、何をしていたか聞けば口をつぐむ。
「あんたが私の護衛をサボるから、ケガしたんですけど?」
そう言って、カテジナは腕にある小指程度の傷口を指さした。
体長1mくらいのカマキリ。キラーマンティスと戦った時の傷だ。
前衛で戦っているミーシャが、警戒を怠ったせいで、背後から来たキラーマンティスに後衛が襲われたのだ。
今は小指程度の傷口になっているが、それはシャルロットが回復魔法で治療してくれたおかげだ。
しかし、そこでシャルロットの魔力が切れたので、仕方なく撤退し、依頼が失敗する事になった。
「だから、魔物が来てるから気を付けてって」
「気を付けるのはお前の役目だろ!」
「でも、でも……」
「あーあ。泣かしちゃった」
「チッ」
クソッ。ここはパーティにちゃんと謝罪をして、対策を考える所だろ。
泣けば済むと思ってやがる。
「もう良いわ。ミーシャ、悪いと思うなら今から冒険者ギルドに行って何か依頼を持ってこい」
「……はい」
ミーシャは立ち上がると、とぼとぼと店を出ていった。
「ねぇ、そろそろあの役立たずクビにしない?」
「そうですね。正直、足を引っ張られて迷惑です」
「まぁそう言ってやるな。あいつだって一生懸命なんだ。もう少しだけ見ててやってくれよ」
俺が両手を合わせて頼むが、2人は「えー」といった感じで嫌な顔をする。
ミーシャもあれで良い所があるんだよ。主に夜の相手だけどな。
店で女を抱くには金がかかるし、こいつらは絶対にやらせてくれない。だから今ミーシャが居なくなるのは困る。
せめて次の相手を見つけるまでは残って貰わないとな。
「うっわ。ドーガキモイ顔してる」
「バッカ。あいつの成長を楽しみにしてるだけだっつうの」
ヘラヘラ笑うカテジナとシャルロット。
今に見てやがれ。俺は戦士としてこれからも駆け上がるんだ。そうすれば引く手あまたの存在になる。
その時は、こいつらもミーシャ同様に犯した上で、アンリのように捨ててやる。
その時まで、せいぜい調子に乗ってろ。
★ ★ ★
「依頼、取ってきた」
「ほう。どんな依頼だ?」
半刻ほど経ってから、ミーシャが依頼書を片手に戻ってきた。
依頼書を受け取る。
「ゴブリン退治ぃ!?」
この役立たずは、依頼すらまともに受けられないのか!?
「ち、違う。ゴブリン退治だけどCランクの依頼で報酬も高いんだ」
「あぁ?」
依頼書を読もうとしたが、俺は文字が読めない。
読めるのは辛うじてゴブリン退治と書かれている部分だけだ。
「すまん。シャルロット読んでくれ」
「はいはい」
依頼書をシャルロットに手渡す。
「近くの森で洞窟が発見された。どうやらゴブリンの巣のようだ。Dランク冒険者のパーティを送ったが帰ってこないので、巣穴の駆除と冒険者パーティの生死の確認をお願いしたい。と書いてあります」
「洞窟の中なら、背後から襲われる心配もないし、宝箱があればアタシが開けられる」
「ほう。お前にしては考えたな」
報酬も普通に依頼より割高だ。ここ最近失敗続きで資金も底が見えて来た所だ。
しかも洞窟ならわらわらと出て来る事もないだろうから、前衛も俺だけで事足りるだろう。これなら楽にこなせる。
「それじゃあ、明日行くとしようか。今日は飯を食ったら寝るぞ」
「そう言えば宿は?」
「それならもう取ってあるんだが、すまない、実は2人用の部屋が2つしか取れなかったんだ」
「それじゃあ今日も私はシャルロットとだね」
「あぁ。それならミーシャは俺と一緒の部屋になるが、良いか?」
「……はい」
「それじゃあお前ら、さっさと飯を食って宿に戻るぞ」
依頼の前に、たっぷりと楽しみたいからな。
-ドーガ視点-
「クソ! なんでだよ!」
飲み干したエールのコップを、俺は叩きつけるように机に置いた。
ガンと大きい音に合わせ、ミーシャの奴がビクっと小さく反応した。
店員が何か言いたげな顔をしているが、睨みつけるとそそくさと足早に厨房に消えていった。
「マジ最悪なんだけど」
「困ったわね」
机に両肘をついて、毛先をいじりながらカテジナがぶつくさと呟いている。
シャルロットは口調こそ穏やかだが、鋭い目つきでミーシャを見ていた。
俺達はあの役立たずと別れた後、Bランクからステップアップするために町を出た。
あの町周辺には大した魔物が居ないため、大型の依頼が受けられず、頑張ってもBランクより上には上がれないからだ。
役立たずを追放し、盗賊のミーシャを入れた事により、Aランクまでは楽に行けるだろうと思っていた。だが結果はどうだ?
俺達は依頼の失敗を繰り返し、Cランクに降格された。
それというのも、全てミーシャが悪い。役立たずのアンリよりも役に立たないからだ。
「ミーシャ。お前さっきの依頼も何をやっていたんだ?」
「それはドーガが一緒に前に来いって言うから、前衛で一緒に戦って……」
「口答えするな!」
「……」
「何をやっていたか聞いてるのに黙るんじゃねぇよ!」
「だって、今」
「だから口答えするな!」
クソッ。口を開けば言い訳をして、何をしていたか聞けば口をつぐむ。
「あんたが私の護衛をサボるから、ケガしたんですけど?」
そう言って、カテジナは腕にある小指程度の傷口を指さした。
体長1mくらいのカマキリ。キラーマンティスと戦った時の傷だ。
前衛で戦っているミーシャが、警戒を怠ったせいで、背後から来たキラーマンティスに後衛が襲われたのだ。
今は小指程度の傷口になっているが、それはシャルロットが回復魔法で治療してくれたおかげだ。
しかし、そこでシャルロットの魔力が切れたので、仕方なく撤退し、依頼が失敗する事になった。
「だから、魔物が来てるから気を付けてって」
「気を付けるのはお前の役目だろ!」
「でも、でも……」
「あーあ。泣かしちゃった」
「チッ」
クソッ。ここはパーティにちゃんと謝罪をして、対策を考える所だろ。
泣けば済むと思ってやがる。
「もう良いわ。ミーシャ、悪いと思うなら今から冒険者ギルドに行って何か依頼を持ってこい」
「……はい」
ミーシャは立ち上がると、とぼとぼと店を出ていった。
「ねぇ、そろそろあの役立たずクビにしない?」
「そうですね。正直、足を引っ張られて迷惑です」
「まぁそう言ってやるな。あいつだって一生懸命なんだ。もう少しだけ見ててやってくれよ」
俺が両手を合わせて頼むが、2人は「えー」といった感じで嫌な顔をする。
ミーシャもあれで良い所があるんだよ。主に夜の相手だけどな。
店で女を抱くには金がかかるし、こいつらは絶対にやらせてくれない。だから今ミーシャが居なくなるのは困る。
せめて次の相手を見つけるまでは残って貰わないとな。
「うっわ。ドーガキモイ顔してる」
「バッカ。あいつの成長を楽しみにしてるだけだっつうの」
ヘラヘラ笑うカテジナとシャルロット。
今に見てやがれ。俺は戦士としてこれからも駆け上がるんだ。そうすれば引く手あまたの存在になる。
その時は、こいつらもミーシャ同様に犯した上で、アンリのように捨ててやる。
その時まで、せいぜい調子に乗ってろ。
★ ★ ★
「依頼、取ってきた」
「ほう。どんな依頼だ?」
半刻ほど経ってから、ミーシャが依頼書を片手に戻ってきた。
依頼書を受け取る。
「ゴブリン退治ぃ!?」
この役立たずは、依頼すらまともに受けられないのか!?
「ち、違う。ゴブリン退治だけどCランクの依頼で報酬も高いんだ」
「あぁ?」
依頼書を読もうとしたが、俺は文字が読めない。
読めるのは辛うじてゴブリン退治と書かれている部分だけだ。
「すまん。シャルロット読んでくれ」
「はいはい」
依頼書をシャルロットに手渡す。
「近くの森で洞窟が発見された。どうやらゴブリンの巣のようだ。Dランク冒険者のパーティを送ったが帰ってこないので、巣穴の駆除と冒険者パーティの生死の確認をお願いしたい。と書いてあります」
「洞窟の中なら、背後から襲われる心配もないし、宝箱があればアタシが開けられる」
「ほう。お前にしては考えたな」
報酬も普通に依頼より割高だ。ここ最近失敗続きで資金も底が見えて来た所だ。
しかも洞窟ならわらわらと出て来る事もないだろうから、前衛も俺だけで事足りるだろう。これなら楽にこなせる。
「それじゃあ、明日行くとしようか。今日は飯を食ったら寝るぞ」
「そう言えば宿は?」
「それならもう取ってあるんだが、すまない、実は2人用の部屋が2つしか取れなかったんだ」
「それじゃあ今日も私はシャルロットとだね」
「あぁ。それならミーシャは俺と一緒の部屋になるが、良いか?」
「……はい」
「それじゃあお前ら、さっさと飯を食って宿に戻るぞ」
依頼の前に、たっぷりと楽しみたいからな。
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