「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
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第1章
第4話「ふむ。職は盾戦士か」
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ラビットの肉を次々と焼いていく。
朝から何も食っていなかったから、余計に美味く感じる。
「あの、ボクも手伝いましょうか?」
ベルは申し訳なさそうな顔で俺を見ている。
俺は手を前に出し、気にするなのポーズを取る。
「俺は『調理スキル』も持ってるから、俺が料理した方が美味く出来るからやってるだけだ。気にするな」
「調理スキル……ですか?」
ふむ。そうだな。
何も知らないようだし、飯を食いながら軽く説明するか。
「簡単に説明するから、食いながらで良いから聞いてくれ」
「ふぁい」
肉を頬張りながら返事をするベル。
「ギルドでは、各自の潜在能力を見抜き、その人の適性職を教えてくれるんだ。冒険者はギルドに教えてもらった適性の職につく奴が殆どだな」
冒険者になる人間は金が目的だ。だから職に拘る人間はそうそう居ない。
冒険譚の英雄に憧れて剣士系の職に就きたかったのに、適性は魔法職だったとか言うのはたまに聞くが。
「そして職について鍛錬を重ねると、その職特有のスキルが覚えられる」
「それじゃあ、ボクも頑張れば、さっきのアンリさんみたいな事が出来るようになるのかな?」
「あぁ、勿論だ」
「が、頑張ります!」
良い心意気だ。
とりあえず、彼女の適性を見るとするか。
「それじゃあ失礼して」
俺は料理の手を止め、両手の親指と人差し指の先端をくっつけ、丸を二つ作る。
そう。手メガネだ!
「えっ……いやぁ!」
軽い拒絶のような悲鳴を上げられた。必死にスカートを抑えるベル。
手メガネで見ただけなのに、そこまで嫌がるものなのか。
「ボク、パンツ見えてましたか?」
パンツ? 何を言ってるんだ?
意味が分からず目をぱちくりさせる。
そんな俺の様子を見て、ベルが顔を赤らめた。
「近所の子供たちが、パンツが見えていると手を二回叩きながらそのポーズを取っていたので」
手を二回叩きながら?
試しに手を叩いてみる。パンッパンッ。
パンッが2回。あぁ、パン、ツーって事か。
すると、手のこれはメガネじゃなくて、そのまま丸って意味だな。
要約すると「パンツ丸見え」か……くっだらねぇ。
「先に説明しなかった俺が悪いな。これは『鑑定』スキルを使う動作だ」
スキルの発動条件はメガネで相手を見る事。『鑑定』スキルは人間に向けて使う事で職とスキルを簡易的に調べる事が出来る。
手メガネでも発動するので、俺は鑑定するときはいつも手メガネでやっている。
その手メガネでベルの職とスキルを調べようとしていたのだが、いらぬ誤解を受けてしまったようだ。
ベル以外にも教官を受け持つ可能性もある。次回以降は説明してからやる事にしよう。
「ふむ。職は盾戦士か。スキルはプロヴォークに物理軽減ね」
やはり盾戦士か。
わざわざデカい盾を持たせて武器を持たせてないのだから、職については何となく予想がついていたが。
正直、こんなに気の弱い少女が、パーティの前に出て壁になるタンクが務まるのか疑問ではある。
「あ、それならギルド職員さんに教えられたよ。他にも」
「待て。それだが、もし他の冒険者に聞かれても言わない方が良い」
「えっ?」
ベルの言葉をピシャリと止めた。
今の様子なら、俺の『鑑定』では見えなかったスキルがあるのだろう。多分レアスキルだと思うが。
「上位スキルのレアスキルや、ユニークスキルを持つ者は希少だ。所持していると公言すると妬まれて余計なトラブルを招くハメになる」
実際に俺は、全てのスキルが使えるようになるユニークスキル『オールラウンダー』を持っているせいで、散々な目にあったばかりだ。
そこまで説明する必要はないが、とにかく手の内はばらさないようにした方が良いとだけ伝えておいた。
他にも教える事は色々あるが、まずはこれ位で良いだろう。
いっぺんにあれこれ教えても、混乱するだけだ。
食事を再開し、ベルと他愛のない世間話をした。
ベルが冒険者になった理由は、思った通りロクでもない理由だった。
食い扶持に困り、彼女に与えられた選択は、娼婦になるか冒険者になるか。
「だからボク、もし冒険者がダメだったら……」
そう言って俯くベル。
よく見ると少し震えている。
ずっと不安や恐怖で一杯だったのだろうな。
俺はそっと頭に手をやった。
「安心しろ。お前が一人前になるまでは、俺が教官でいてやる」
頭を軽く撫でると、嗚咽交じりの返事が返って来た。
彼女が落ち着くのを待つために、飯は少しだけ長めに時間を取った。
朝から何も食っていなかったから、余計に美味く感じる。
「あの、ボクも手伝いましょうか?」
ベルは申し訳なさそうな顔で俺を見ている。
俺は手を前に出し、気にするなのポーズを取る。
「俺は『調理スキル』も持ってるから、俺が料理した方が美味く出来るからやってるだけだ。気にするな」
「調理スキル……ですか?」
ふむ。そうだな。
何も知らないようだし、飯を食いながら軽く説明するか。
「簡単に説明するから、食いながらで良いから聞いてくれ」
「ふぁい」
肉を頬張りながら返事をするベル。
「ギルドでは、各自の潜在能力を見抜き、その人の適性職を教えてくれるんだ。冒険者はギルドに教えてもらった適性の職につく奴が殆どだな」
冒険者になる人間は金が目的だ。だから職に拘る人間はそうそう居ない。
冒険譚の英雄に憧れて剣士系の職に就きたかったのに、適性は魔法職だったとか言うのはたまに聞くが。
「そして職について鍛錬を重ねると、その職特有のスキルが覚えられる」
「それじゃあ、ボクも頑張れば、さっきのアンリさんみたいな事が出来るようになるのかな?」
「あぁ、勿論だ」
「が、頑張ります!」
良い心意気だ。
とりあえず、彼女の適性を見るとするか。
「それじゃあ失礼して」
俺は料理の手を止め、両手の親指と人差し指の先端をくっつけ、丸を二つ作る。
そう。手メガネだ!
「えっ……いやぁ!」
軽い拒絶のような悲鳴を上げられた。必死にスカートを抑えるベル。
手メガネで見ただけなのに、そこまで嫌がるものなのか。
「ボク、パンツ見えてましたか?」
パンツ? 何を言ってるんだ?
意味が分からず目をぱちくりさせる。
そんな俺の様子を見て、ベルが顔を赤らめた。
「近所の子供たちが、パンツが見えていると手を二回叩きながらそのポーズを取っていたので」
手を二回叩きながら?
試しに手を叩いてみる。パンッパンッ。
パンッが2回。あぁ、パン、ツーって事か。
すると、手のこれはメガネじゃなくて、そのまま丸って意味だな。
要約すると「パンツ丸見え」か……くっだらねぇ。
「先に説明しなかった俺が悪いな。これは『鑑定』スキルを使う動作だ」
スキルの発動条件はメガネで相手を見る事。『鑑定』スキルは人間に向けて使う事で職とスキルを簡易的に調べる事が出来る。
手メガネでも発動するので、俺は鑑定するときはいつも手メガネでやっている。
その手メガネでベルの職とスキルを調べようとしていたのだが、いらぬ誤解を受けてしまったようだ。
ベル以外にも教官を受け持つ可能性もある。次回以降は説明してからやる事にしよう。
「ふむ。職は盾戦士か。スキルはプロヴォークに物理軽減ね」
やはり盾戦士か。
わざわざデカい盾を持たせて武器を持たせてないのだから、職については何となく予想がついていたが。
正直、こんなに気の弱い少女が、パーティの前に出て壁になるタンクが務まるのか疑問ではある。
「あ、それならギルド職員さんに教えられたよ。他にも」
「待て。それだが、もし他の冒険者に聞かれても言わない方が良い」
「えっ?」
ベルの言葉をピシャリと止めた。
今の様子なら、俺の『鑑定』では見えなかったスキルがあるのだろう。多分レアスキルだと思うが。
「上位スキルのレアスキルや、ユニークスキルを持つ者は希少だ。所持していると公言すると妬まれて余計なトラブルを招くハメになる」
実際に俺は、全てのスキルが使えるようになるユニークスキル『オールラウンダー』を持っているせいで、散々な目にあったばかりだ。
そこまで説明する必要はないが、とにかく手の内はばらさないようにした方が良いとだけ伝えておいた。
他にも教える事は色々あるが、まずはこれ位で良いだろう。
いっぺんにあれこれ教えても、混乱するだけだ。
食事を再開し、ベルと他愛のない世間話をした。
ベルが冒険者になった理由は、思った通りロクでもない理由だった。
食い扶持に困り、彼女に与えられた選択は、娼婦になるか冒険者になるか。
「だからボク、もし冒険者がダメだったら……」
そう言って俯くベル。
よく見ると少し震えている。
ずっと不安や恐怖で一杯だったのだろうな。
俺はそっと頭に手をやった。
「安心しろ。お前が一人前になるまでは、俺が教官でいてやる」
頭を軽く撫でると、嗚咽交じりの返事が返って来た。
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