38 / 157
第2章「魔法都市ヴェル」
第18話「仲直りに」
しおりを挟む
学園に通って一週間が経った。
最初の頃は冒険者を受け入れたと言う事で学園内の話題になり、時間があれば色んな学年の生徒がチラチラ見に来ていたが、3日目辺りからは野次馬しにくる生徒がめっきり減った。
だけど、別の意味で教室に来る人は増えたけど。
「アリアお姉さま、これ調理実習で作ったお菓子です。良ければ食べてください」
「うん、美味しい」
「お姉さま、私のも食べてください」
「うん、こっちも美味しい」
アリアの周りには、下級生の女の子たちが群がっている。
キラーファングを想定した戦闘訓練を学園の敷地内で行った際に、一部の男子生徒がふざけて彼女を驚かそうとファイヤボルトを打ったのだが、『瞬歩』でキラーファング役をやっていた僕を抱きかかえながら全てのファイヤボルトを打ち落とし、見ていた女生徒たちのハートを見事に射抜いたのだ。
それからは戦闘訓練を行うたびに彼女のファンが増えていった。あまりの人気に一部の女生徒からは「騎士の君」と囁かれているとか。
ちなみに更に一部からは僕が「姫の君」とか言われてるそうだ……いや、立場逆でしょ。
しかしそのおかげでちゃんと前衛とコンビネーションが出来る生徒が増えたんだけど、一方で、彼女にあこがれ「騎士になりたい」と言う生徒が増えてしまったらしい。
☆ ☆ ☆
「あぁもう、リンちゃん可愛い」
「ちょっと、私にも撫でさせてよ」
「じゃあ私はリンちゃんを膝の上に乗せる」
「チッ」
「「「キャー、可愛い!!!」」」
リンはリンで年上の女の子達から可愛がられていた。どっちかと言うお人形扱いのような気もしないけど。
最初の頃は、獣人と言う事で奇異の目で見る人も少なくは無かったが、それも最初の内だ。
慣れてくるにつれ、獣人と言う事は誰も気にならなくなり、マスコットのように扱われるようになった。
リンの舌打ちに最初は場の空気が凍ったが、舌打ちは照れ隠ししてるだけだと教えたら「恥ずかしがって舌打ちしてる姿がたまらない」とウケていた。
☆ ☆ ☆
隣のクラスではシオンさん達も人気らしく、どちらの剣士が好きかでアリア派とシオン派の派閥が出来ているとか。
それが原因で争いにならなければ良いけど。
フルフルさんは無詠唱で特級魔法が使えるので、生徒からも教師からも相当注目を受けている。
何よりも彼女の大きな胸が魔法を打つたびに揺れる事から、彼女を見て「おっぱいフルフルさん」と呟く男子生徒が居るとか居ないとか。
この一週間だけで、冒険者や他種族に対する学生の態度は大分変わったと思う。
結局のところ、冒険者と言うモノをよくわかっていなかったから、学生がどう接すればいいか分からなかった。そこが問題だった気がする。
こうやって学園で触れ合い、話を聞いて理解するのが大事なんだ。
そういう意味では、今回学園が冒険者を受け入れたのは、大きな進歩に繋がると僕は思う。
☆ ☆ ☆
ちなみに、エルヴァンとリリアだが、二人は学園を去っていった。
お漏らしの件で同級生からも下級生からもからかわれ、その後3日間寮に引き籠り、退学届けを出したそうだ。
「エルク君は1年もイジメに耐えたのに、イジメた本人は3日も耐えられないとか。ざまぁないね」
「後は卒業試験だけだったんでしょ? 辞めるのは勿体なくない?」
「卒業試験を受けようにも『お漏らしエルヴァン』で有名になっちゃって受け入れてくれる班が無かったみたいだよ。そのまま卒業出来なければ、この学園でもう1年『お漏らしエルヴァン』と呼ばれながらやり直さないといけないしね」
エルヴァン達が引き籠っている間に、ローズさん達は卒業試験を合格したのでエルヴァンとリリアは別の班に入れてもらい卒業試験を受けるという話になった。
しかし今回の件で彼らはグループの人間から見放され、リンに対する発言で色んな学生からもヘイトを集めている。もはや学園に彼らの味方が居ないと言っても過言でないほどに。
☆ ☆ ☆
「ところでスクール君、そんな事よりも相談があるんだ」
昼休憩に入った。相変わらず人気の彼女たちを置いて僕とスクール君は屋上でお昼を取っている。
彼女たちの人気が落ち着いたらスクール君やシオンさん達もお昼を一緒にしたいな、なんて思っていながら。
しかしそれには一つ大きな問題があった。
サラだ。最近サラと上手くいっていない。
前にスクール君と謝りに行って以来、サラが僕にそっけないのだ。
―――
「サラ、料理を作るから一緒に作らない?」
「いい」
―――
「サラ、魔法で教えてほしい所があるんだ」
「先生に聞いてきなさいよ」
―――
「サラ、もしかして怒ってる?」
「別に」
―――
取りつくしまもなく、これじゃあ会話にもならない。
「そんな感じで、サラにどう接すれば良いかわからないんだ」
「なるほど、それは大変だ」
大変だという割には、幸せそうにお昼ご飯を食べている。こうなった原因が誰にあるか追及しようか?
「エルク君。キミは女の子の扱いは上手いのに、アプローチは下手なんだね」
色々ツッコミを入れたいけど、スクール君には何か手があるようだ。
とりあえず話を聞いてから彼をどうするか決めるとするか。
「良いかい? サラちゃんはリンちゃんの為を思って泣いちゃうくらい、心が優しい女の子なんだ」
「そうだね、僕もそう思うよ」
「そして今はリンちゃんの事で、キミに対して色々思う事があるわけだ」
「ふむふむ」
「ここまで言えば、どうすればいいかわかるよね?」
なるほどね、つまり。
「リンをダシにすれば良いって事?」
「エルク君。キミ女の子に対して、ダシとかはちょっと……」
なんでや!? お前は普段からそんな事ばかりしてるやんけ!?
っといかん、ちょっと心が乱れた。
「正解は『今回色々あったから、謝罪も込めてリンちゃんに服をサプライズで買ってあげたいんだ。だから服を選ぶの手伝ってほしい』と情けない顔をして頼めばいいのさ」
「一緒じゃん……」
「ダシに使うという言い方がダメだね。実際リンちゃんへのご機嫌取りにもなるし一石二鳥だろ?」
一石二鳥と言う言い方もどうかと思うけど。
「でも、それって情けない顔する必要はあるの?」
「そりゃあ、サラちゃんは別にお前の事嫌いじゃない。むしろ好きに近い、LOVEだよLOVE」
「は、はぁ」
「まぁLIKEの可能性も有るけどね。でも好きだからエルク君にアレコレちゃんと考えるように言ってるんだよ。じゃなきゃリンちゃんをあれだけ傷つけた上に、原因となった俺を許すように言ったキミといまだに一緒に居るわけがないだろ?」
そうなのか? あまりそこは信憑性が無い。
もしかしたら学園生活が終わると同時に解雇を言い渡される可能性も有るわけだし。
ただ何もしなければその可能性が上がっていくだけだ。断られたら次の作戦を考えればいいんだし、とりあえずでもやっておくに越したことはないか。
「はいこれ、獣人用の服が売ってるお勧めのお店だ。こんな事もあろうかと女の子から色々教えてもらっておいたよ」
そう言ってスクール君は獣人用の服が売っているお店を地図で書いてくれた。
「明日は休校日だし、サラを誘ってみるよ」
「あぁ、頑張れよ」
☆ ☆ ☆
今日の授業は全て終わった。
授業が終わると同時にアリアは「前衛が2人の場合のフォーメーションの訓練がしたい」とシオンさんに誘われ、フルフルさん達を連れて一緒に教室から出ていった。
リンには「今日は治療院が予約いっぱいになったので、学園が終わったらすぐに来てほしいと連絡があった」とスクール君が伝えていた。
僕がサラと二人っきりになるように色々と手を回してくれたようだ。
アリアもリンは僕をチラチラ見ていたから、スクール君の意図を多分わかってて乗ってくれたんだと思う。
「サラ。二人を待ってても遅くなりそうだし、一緒に帰ろうか」
「そう」
そっけない返事だが、拒否はされなかったからまずは第一の関門が突破だ。
もし拒否された場合のプランとして、キズが痛むふりをして同情を誘い一緒にリンの治療院まで行こうという作戦もあった。
もしそれでも拒否されていたら? その時は作戦失敗でスクール君と朝までヤケ酒コースだ。
☆ ☆ ☆
帰り道。行きかう人々は多く、道の隅にはシートを広げ露店商が所狭しと並んでいる。
お祭りムードの街は騒がしく、あちこちで試合が繰り広げられていたりする。
盛り上がってる周りとは裏腹に、僕らの温度は冷えている。
「あのさ」
「なによ」
「今回色々あったからさ、リンにもちゃんと謝りたいんだけど。でもリンは優しいから、きっと『気にしてないです』って言うじゃん?」
「ん、そうね」
おや? リンの名前が出た瞬間ちょっとだけ反応が違った気がするぞ。これは本当にいけるのか?
「だから謝罪も込めて、リンに似合う可愛い服をプレゼントしようかなと思ってるんだけど。僕じゃ女の子のセンス分からなくてさ」
「ふぅん」
「だから、良かったら明日一緒にリンの服選ぶの手伝ってもらえないかな?」
「別に……良いけど」
「じゃあ明日の朝、朝食を食べたら行こうか」
僕の誘いに、彼女は腕を組み、どうするかを考えている。
「朝食を食べたら、ちょっとだけ待っててもらっても良い?」
「うん、良いよ」
「わかった」
おお、本当にいけた!
これで第2関門も突破だ。
明日は二人でリンの服を選びに買い物、今から楽しみだ。
あれ? もしかしてこれって『デート』って言わない?
最初の頃は冒険者を受け入れたと言う事で学園内の話題になり、時間があれば色んな学年の生徒がチラチラ見に来ていたが、3日目辺りからは野次馬しにくる生徒がめっきり減った。
だけど、別の意味で教室に来る人は増えたけど。
「アリアお姉さま、これ調理実習で作ったお菓子です。良ければ食べてください」
「うん、美味しい」
「お姉さま、私のも食べてください」
「うん、こっちも美味しい」
アリアの周りには、下級生の女の子たちが群がっている。
キラーファングを想定した戦闘訓練を学園の敷地内で行った際に、一部の男子生徒がふざけて彼女を驚かそうとファイヤボルトを打ったのだが、『瞬歩』でキラーファング役をやっていた僕を抱きかかえながら全てのファイヤボルトを打ち落とし、見ていた女生徒たちのハートを見事に射抜いたのだ。
それからは戦闘訓練を行うたびに彼女のファンが増えていった。あまりの人気に一部の女生徒からは「騎士の君」と囁かれているとか。
ちなみに更に一部からは僕が「姫の君」とか言われてるそうだ……いや、立場逆でしょ。
しかしそのおかげでちゃんと前衛とコンビネーションが出来る生徒が増えたんだけど、一方で、彼女にあこがれ「騎士になりたい」と言う生徒が増えてしまったらしい。
☆ ☆ ☆
「あぁもう、リンちゃん可愛い」
「ちょっと、私にも撫でさせてよ」
「じゃあ私はリンちゃんを膝の上に乗せる」
「チッ」
「「「キャー、可愛い!!!」」」
リンはリンで年上の女の子達から可愛がられていた。どっちかと言うお人形扱いのような気もしないけど。
最初の頃は、獣人と言う事で奇異の目で見る人も少なくは無かったが、それも最初の内だ。
慣れてくるにつれ、獣人と言う事は誰も気にならなくなり、マスコットのように扱われるようになった。
リンの舌打ちに最初は場の空気が凍ったが、舌打ちは照れ隠ししてるだけだと教えたら「恥ずかしがって舌打ちしてる姿がたまらない」とウケていた。
☆ ☆ ☆
隣のクラスではシオンさん達も人気らしく、どちらの剣士が好きかでアリア派とシオン派の派閥が出来ているとか。
それが原因で争いにならなければ良いけど。
フルフルさんは無詠唱で特級魔法が使えるので、生徒からも教師からも相当注目を受けている。
何よりも彼女の大きな胸が魔法を打つたびに揺れる事から、彼女を見て「おっぱいフルフルさん」と呟く男子生徒が居るとか居ないとか。
この一週間だけで、冒険者や他種族に対する学生の態度は大分変わったと思う。
結局のところ、冒険者と言うモノをよくわかっていなかったから、学生がどう接すればいいか分からなかった。そこが問題だった気がする。
こうやって学園で触れ合い、話を聞いて理解するのが大事なんだ。
そういう意味では、今回学園が冒険者を受け入れたのは、大きな進歩に繋がると僕は思う。
☆ ☆ ☆
ちなみに、エルヴァンとリリアだが、二人は学園を去っていった。
お漏らしの件で同級生からも下級生からもからかわれ、その後3日間寮に引き籠り、退学届けを出したそうだ。
「エルク君は1年もイジメに耐えたのに、イジメた本人は3日も耐えられないとか。ざまぁないね」
「後は卒業試験だけだったんでしょ? 辞めるのは勿体なくない?」
「卒業試験を受けようにも『お漏らしエルヴァン』で有名になっちゃって受け入れてくれる班が無かったみたいだよ。そのまま卒業出来なければ、この学園でもう1年『お漏らしエルヴァン』と呼ばれながらやり直さないといけないしね」
エルヴァン達が引き籠っている間に、ローズさん達は卒業試験を合格したのでエルヴァンとリリアは別の班に入れてもらい卒業試験を受けるという話になった。
しかし今回の件で彼らはグループの人間から見放され、リンに対する発言で色んな学生からもヘイトを集めている。もはや学園に彼らの味方が居ないと言っても過言でないほどに。
☆ ☆ ☆
「ところでスクール君、そんな事よりも相談があるんだ」
昼休憩に入った。相変わらず人気の彼女たちを置いて僕とスクール君は屋上でお昼を取っている。
彼女たちの人気が落ち着いたらスクール君やシオンさん達もお昼を一緒にしたいな、なんて思っていながら。
しかしそれには一つ大きな問題があった。
サラだ。最近サラと上手くいっていない。
前にスクール君と謝りに行って以来、サラが僕にそっけないのだ。
―――
「サラ、料理を作るから一緒に作らない?」
「いい」
―――
「サラ、魔法で教えてほしい所があるんだ」
「先生に聞いてきなさいよ」
―――
「サラ、もしかして怒ってる?」
「別に」
―――
取りつくしまもなく、これじゃあ会話にもならない。
「そんな感じで、サラにどう接すれば良いかわからないんだ」
「なるほど、それは大変だ」
大変だという割には、幸せそうにお昼ご飯を食べている。こうなった原因が誰にあるか追及しようか?
「エルク君。キミは女の子の扱いは上手いのに、アプローチは下手なんだね」
色々ツッコミを入れたいけど、スクール君には何か手があるようだ。
とりあえず話を聞いてから彼をどうするか決めるとするか。
「良いかい? サラちゃんはリンちゃんの為を思って泣いちゃうくらい、心が優しい女の子なんだ」
「そうだね、僕もそう思うよ」
「そして今はリンちゃんの事で、キミに対して色々思う事があるわけだ」
「ふむふむ」
「ここまで言えば、どうすればいいかわかるよね?」
なるほどね、つまり。
「リンをダシにすれば良いって事?」
「エルク君。キミ女の子に対して、ダシとかはちょっと……」
なんでや!? お前は普段からそんな事ばかりしてるやんけ!?
っといかん、ちょっと心が乱れた。
「正解は『今回色々あったから、謝罪も込めてリンちゃんに服をサプライズで買ってあげたいんだ。だから服を選ぶの手伝ってほしい』と情けない顔をして頼めばいいのさ」
「一緒じゃん……」
「ダシに使うという言い方がダメだね。実際リンちゃんへのご機嫌取りにもなるし一石二鳥だろ?」
一石二鳥と言う言い方もどうかと思うけど。
「でも、それって情けない顔する必要はあるの?」
「そりゃあ、サラちゃんは別にお前の事嫌いじゃない。むしろ好きに近い、LOVEだよLOVE」
「は、はぁ」
「まぁLIKEの可能性も有るけどね。でも好きだからエルク君にアレコレちゃんと考えるように言ってるんだよ。じゃなきゃリンちゃんをあれだけ傷つけた上に、原因となった俺を許すように言ったキミといまだに一緒に居るわけがないだろ?」
そうなのか? あまりそこは信憑性が無い。
もしかしたら学園生活が終わると同時に解雇を言い渡される可能性も有るわけだし。
ただ何もしなければその可能性が上がっていくだけだ。断られたら次の作戦を考えればいいんだし、とりあえずでもやっておくに越したことはないか。
「はいこれ、獣人用の服が売ってるお勧めのお店だ。こんな事もあろうかと女の子から色々教えてもらっておいたよ」
そう言ってスクール君は獣人用の服が売っているお店を地図で書いてくれた。
「明日は休校日だし、サラを誘ってみるよ」
「あぁ、頑張れよ」
☆ ☆ ☆
今日の授業は全て終わった。
授業が終わると同時にアリアは「前衛が2人の場合のフォーメーションの訓練がしたい」とシオンさんに誘われ、フルフルさん達を連れて一緒に教室から出ていった。
リンには「今日は治療院が予約いっぱいになったので、学園が終わったらすぐに来てほしいと連絡があった」とスクール君が伝えていた。
僕がサラと二人っきりになるように色々と手を回してくれたようだ。
アリアもリンは僕をチラチラ見ていたから、スクール君の意図を多分わかってて乗ってくれたんだと思う。
「サラ。二人を待ってても遅くなりそうだし、一緒に帰ろうか」
「そう」
そっけない返事だが、拒否はされなかったからまずは第一の関門が突破だ。
もし拒否された場合のプランとして、キズが痛むふりをして同情を誘い一緒にリンの治療院まで行こうという作戦もあった。
もしそれでも拒否されていたら? その時は作戦失敗でスクール君と朝までヤケ酒コースだ。
☆ ☆ ☆
帰り道。行きかう人々は多く、道の隅にはシートを広げ露店商が所狭しと並んでいる。
お祭りムードの街は騒がしく、あちこちで試合が繰り広げられていたりする。
盛り上がってる周りとは裏腹に、僕らの温度は冷えている。
「あのさ」
「なによ」
「今回色々あったからさ、リンにもちゃんと謝りたいんだけど。でもリンは優しいから、きっと『気にしてないです』って言うじゃん?」
「ん、そうね」
おや? リンの名前が出た瞬間ちょっとだけ反応が違った気がするぞ。これは本当にいけるのか?
「だから謝罪も込めて、リンに似合う可愛い服をプレゼントしようかなと思ってるんだけど。僕じゃ女の子のセンス分からなくてさ」
「ふぅん」
「だから、良かったら明日一緒にリンの服選ぶの手伝ってもらえないかな?」
「別に……良いけど」
「じゃあ明日の朝、朝食を食べたら行こうか」
僕の誘いに、彼女は腕を組み、どうするかを考えている。
「朝食を食べたら、ちょっとだけ待っててもらっても良い?」
「うん、良いよ」
「わかった」
おお、本当にいけた!
これで第2関門も突破だ。
明日は二人でリンの服を選びに買い物、今から楽しみだ。
あれ? もしかしてこれって『デート』って言わない?
0
お気に入りに追加
530
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
落ちこぼれの無能だと貴族家から追放された俺が、外れスキル【キメラ作成】を極めて英雄になるまで
狐火いりす@商業作家
ファンタジー
「貴様のような落ちこぼれの無能は必要ない」
神からスキルを授かる『祝福の儀』。ハイリッヒ侯爵家の長男であるクロムが授かったのは、【キメラ作成】のスキルただ一つだけだった。
弟がエキストラスキルの【剣聖】を授かったことで、無能の烙印を捺されたクロムは家から追い出される。
失意の中、偶然立ち寄った村では盗賊に襲われてしまう。
しかし、それをきっかけにクロムは知ることとなった。
外れスキルだと思っていた【キメラ作成】に、規格外の力が秘められていることを。
もう一度強くなると決意したクロムは、【キメラ作成】を使って仲間を生み出していく……のだが。
狼っ娘にドラゴン少女、悪魔メイド、未来兵器少女。出来上がったのはなぜかみんな美少女で──。
これは、落ちこぼれの無能だと蔑まれて追放されたクロムが、頼れる仲間と共に誰もが認める英雄にまで登り詰めるお話。
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる