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無理矢理で…

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「ラウル、ちょっと待って…いきなりどうしたんだよ!」

「どうもしないよ、ただフォルテが眩しく見えて…歪ませたくなっただけだよ」

「ちょっ…そこはっ」

「一応逃げないように腕を縛ったけど、フォルテは優しいから火の魔術なんて僕に使わないよね」

「…っ」

確かにラウルが操られているなら、手荒な真似はしたくない。
俺と身長が似てるから、ラウルくらいなら押し退けると思っていた。
押さえつけられた腕がびくともしない。

あんな重い機械を持つほど力があるなら、腕力で勝てるわけがない。

ラウルの指が俺の足をなぞっていて、ビクッと反応する。
内腿を掴まれて、びっくりして間にいたラウルを足で挟んだ。

ラウルは冷めた瞳で俺の足を見ていて、軽く叩かれた。
口で言っていないのに、どうしたらいいのかは分かった。

ラウルにもう一度、今度は少し強く足を叩かれて少し開いた。

「フォルテ、無駄な抵抗はしないでよ…痛いのが好きなら暴れてもいいけど」

「ラウル、正気に戻ってくれ!ラウルはそんな奴じゃない」

「……そんな奴じゃない?フォルテは僕の何を知ってるの?」

ラウルは下を向いて、声がだんだん低くなっていく。
「何も知らないくせに」と、吐き捨てるように言った。

ゴーグルを強く掴んで、乱暴に外して床に落とした。

ラウルの赤みがあるオッドアイを、転生してから初めて見た。

ラウルをゲームで知っているが、ラウルの言う通り知らない面もあるのかもしれない。
ヒロインのスピカに対しても、友達のように親しく接していた。
機械弄りが大好きで、明るくてリアルでも元気をもらった。

そして、ラウルに触れても俺の死亡フラグは見えなかった。
ゲームでのラウルは、俺を殺す事はなかったからだ。
ラウルルートの死亡フラグは、ラウルとスピカを守ったユリウスに殺された。

もし、この一面がラウルの心の一部だとしたら…俺は否定してしまった。

「見せてあげる、僕の心の全て…」

「いっつ!!」

ラウルに服越しに、また乳首を摘ままれて軽く引っ張られた。
ぴりつく痛みとは別に、変な感覚も混じってきた。

手を離して解放されたと思ったら、グリグリと押された。
ラウルの手を掴みたいのに、まだラウルに押さえられて動かない。

俺の反応を見て笑っていて、「もしかして感じてる?」と耳元で囁かれた。
俺のに一度も触れていないし、痛みを与えられる事しかされていないのに感じるわけない。

膨れている下半身に目を背けて、小さく首を横に振る。

俺の態度はラウルにとって逆効果のようで、意地悪な顔になった。

「いいね、そういうの…僕は大好きだよ」

「あぐっ!!」

押したり引っ張ったりしていた乳首をいきなり吸われた。
それも強くて、軽く歯を立てられて快楽というより痛みが走る。

服越しだから、布も擦れて痛くて涙が滲んできた。

ラウルが少し動くと、下半身が擦れて顔が熱くなる。
こんな事で反応してるなんて、俺はMだったのか?

腰を軽く動かしていると、ラウルが気付いたのか膝を当てられた。
優しいものではなく、ガツンと衝撃が全身に伝わった。

一瞬息が出来なくなって、口を開きっぱなしになった。

「あ…う…」

「なんで一人で気持ちよくなってんの?僕はまだまだなんだけど」

「も、もう…やめっ」

「あーあ、泣いちゃった?そんなに痛かった?ごめんね」

ラウルがさっきの態度とは違い、優しい手つきで俺の頭を撫でて抱きしめた。
泣きたくなんかないのに、自然と涙が溢れてくる。

涙を丁寧に舐められて、そのまま口を抉じ開けられて舌を入れられた。
舌を絡められて、さっき舐められた俺の涙でしょっぱい味がする。

指で俺のをズボン越しで触れられて、さっきまで痛みで苦しかったのに頭が可笑しくなる。
それだけで、イってしまいそうになると突然掴まれた。

乱暴な手で、また痛みが蘇ってきて身体をびくつかせた。
ラウルの冷たい瞳が俺を見ていて、軽く俺の下半身を弾いた。

「んぅっ!!」

「許可なくイかないでよ、甘やかしたらすぐに気持ちよくなろうとして」

「そっ…なこと…」

「いっぱい我慢できたら、いっぱい気持ちよくしてあげる」

そう言ったラウルは、俺のズボンと下着を膝下までずらした。

あんな痛い事をされたのに、全く萎える様子はない。
俺のを軽く握られて、擦られたら我慢出来る自信がない。

俺の両手が縛られたままだが解放されて、ラウルの肩を押した。
それだけで、ラウルは不機嫌そうな顔で俺を見つめた。

胸を強く摘ままれて、痛みの中…俺のを優しく撫でた。
痛みと快感が混ざり合って、首を横に振る事しか出来ない。

ヤバい、これは本当に頭がグルグル回って戻れなくなる…怖い。

「気持ちいいね、でもイったらさっきよりもキツいお仕置きだからね」

「……うっ、んんっ」

さっきの痛いだけとは違い、快楽を我慢しないといけないのは拷問だ。
ラウルは、ただのドSどころの問題ではなかった。

先走りで濡れたラウルの手は、俺の快楽の手助けになっていた。

俺のから手を離して、閉じた尻の奥に指を這わせた。
ゆっくりゆっくり中に指が入ってきて、擦られた。
何かを探るように指を動かしていて、ある場所をかすめた。

その快楽は俺を絶頂させるには十分で、とっさに自分で下半身を押さえた。
出る事はなかったけど、イったような快感が襲う。

「いい子だね、フォルテにご褒美あげる」

「あっ、あぁっ!!」

頭がボーッとして、ラウルが何を言っているのか分からなかった。
指を抜いたと思ったら、ズボンと下着をずらしてラウルのが俺の中に入った。
それと同時に俺の手を掴んで、手を離して絶頂を迎えた。

ずっと我慢した分、気持ちいいのがずっと続いている。
ラウルが腰を打ち付けてきて、またイってしまった。
動かす度にイっている気がする、俺の身体はバカになったのか?

ラウルは息を荒げて、俺の名前をずっと呼んでいた。
その声は微かに震えているように感じて、頬に触れる。

「め…ごめ…ごめん、フォルテ…」

「んっ、ラウ…ル」

「とまんないっ、なんで…傷付けたくないのに……僕の醜い顔見ないでっ」

俺を攻め続ける身体とは違い、ラウルの本音の悲痛な声が俺の心に響いた。
俺の頬にラウルの涙が落ちて、俺よりもラウルの方が苦しそうだ。

ラウルの涙を拭うと、ラウルのが奥の奥まで入ってきた。
ずっとイきっぱなしだった俺は何度目かの絶頂を迎えた。
それを追いかけるように、ラウルも俺の中で絶頂した。

動きも止まってくれて、やっと普通に会話が出来る。
まだ中に入ったままだけど、抜く暇ももったいない。
両手で顔を隠して、ラウルの身体が小さく震えている。

もう、身体もラウルに戻ったのかな…なら良かった。
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