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創立パレード

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大きな花吹雪が青空に舞っていて、街の人達はうっとりと眺めていた。
子供達は元気よく走り回って、花吹雪の花びらを掴もうと腕を伸ばしていた。

今日は国民達が待ちに待った創立パレードの日。

いろんな店や木が装飾されていて綺麗だった。
夜だったら、きっともっと綺麗な夜景になるんだろうな。

まるで某テーマパークのパレードのように、行進する場所を囲うように人が大勢いた。
これじゃあ今年もパレードは見えない。

ラウルは俺とユリウスの腕を引っ張って、案内された。
何処かの家に入っていき、ユリウスにラウルの家かと聞いたら首を横に振った。

ラウルの家じゃないなら、勝手に入って大丈夫なのかな。
家からラウルが顔を覗かせていた。

「どうしたの?」

「えっと、ここは?」

「部活の先輩の家だよ、今日はロボットの調整でパレード行けないんだって」

「だからなんでお前が入ってるんだよ」

「僕と友達がパレード見た事ないって話したら家の二階で見ていいって言われてね!」

ラウルに手招きされて、俺とユリウスは中に入った。
ラウルの先輩のお母さんが出てきて「お邪魔します」と頭を下げた。

二階に案内されると、ラウルの先輩らしくていろんなロボットが置いてあった。
窓を開けると、パレードのすぐ近くの景色が見えて穴場だ。

ファンファーレが鳴り響き、創立パレードの開始を知らせていた。
城の方から来るから、目を細めて遠くを見ていた。

最初に騎士が数人居て、綺麗に行進している。
黒い正装を着ていて、リアルでは初めて見た。

「あれが騎士団かぁ、カッコいいなぁ」

「そうか?」

「ユリウスは興味ないよね、フォルテは?」

「やっぱりカッコいい騎士は男のロマンだよ!」

「でしょでしょ!!」

ラウルと一緒に少し身を乗り出したら、ユリウスに「危ないだろ」と怒られて元の位置に戻った。
この国の騎士は緋色騎士団と呼ばれている。

騎士の後ろに、数人の騎士が黒馬に乗っていた。

赤い髪が腰まで長い青年と、隣にいるクリーム色の髪の青年がよく目立っていた。

ラウルは赤い髪の青年を騎士団長、クリーム色の青年を副騎士団長と説明してくれた。
硬派で凛とした姿をしていて、美しさも男らしさもある人だ。

副騎士団長は中性的な顔立ちで、華奢に見えるが剣術の達人だ。

この二人が共闘すれば、この国は安泰だと言われている。

「なんで騎士団は緋色騎士団って呼ばれてるか分かる?」

「えっと、髪色?」

「確かに騎士団長の髪は赤いけど、違うって」

「フォルテと同じ、騎士団長は炎の特級魔術使いだからだろ」

「なーんだ、ユリウス知ってるの?つまらない!」

ラウルがブーブー文句を言っていて、俺は苦笑いした。
ゲームで見たから俺も知っているけど、あまりに詳しかったら変に思われそうだから知らないフリをした。
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