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秘密の話
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一人が良かったけど、結局カノンもユリウスにまた連れていかれるからと付いて来た。
確かにユリウスも同じ寮内にいると、またなにかされるかもしれない。
さすがに中まで一緒はカノンも遠慮して、誰もいない事を確認してから俺だけ中に入った。
こそこそ入るのは可笑しいと思ったのか、カノンは「大丈夫か?」と聞いてきたから頷いた。
ユリウスがいないか確認しているだけと言えばそう聞こえるが、誰にもトイレに入って来てほしくない。
そのために、あまり利用が少ない三階の奥のトイレまで来たんだ。
一番奥の個室に入り、便座に座って小さな声でミッシェルを呼んだ。
トイレをしに来たのではなく、ミッシェルと話すために来た。
気分屋で無視をする事が多いが、今は俺の一大事だからお願いだ。
「ミッシェル、おーいミッシェル」
『何?そんなに慌てて』
しつこく名前を呼べば、ミッシェルは出てきてくれると考えた。
何度目かでやっとミッシェルに繋がって、ミッシェルに俺とユリウスの過去を見せてほしいとお願いした。
俺は無理だけど、神様のミッシェルならなんだって出来る。
カノンの時は未来だったけど、未来が見えるなら過去なんて簡単だろ。
カノン達に見せるのは無理かもしれないが、そこで真相が分かれば証拠も見つけやすい。
俺に追体験させたんだから、これはダメとか言わないよな。
期待に満ちた俺の声はミッシェルの『無理』という声に打ち砕かれた。
そんなはっきりと…試してみないと分からないだろ。
ミッシェルは追い討ちをかけるように『無理なものは無理』とはっきり言っていた。
ミッシェルが見せる事が出来るのはゲームのシーンだ。
だからゲームの回想に出てきたスピカもいる幼少期の記憶も見れると思っていた。
ゲームの中では、フォルテが悪くないという真相はなかった。
当然だ、ユリウスとフォルテが敵対したきっかけだから。
それでも、回想シーンを映像で追体験出来れば良かったけど、ミッシェルがその気じゃないならどうする事も出来ない。
『見せる事が出来るのは結末だけだよ、ゲームで確認してね』
「こんなところで出来るか!!」
つい大きな声を出すと、トイレの中で慌てて走る音が聞こえた。
「大丈夫か!?フォルテ!」とカノンが声を掛けてきて、個室から出た。
ビックリさせてしまって、謝って一緒にトイレを出た。
もうミッシェルは何も出来ないと思おう、自分で何とかしてやる。
確か、入学早々に明日は学院生活初めての休日だった。
腹が痛いと思っていて心配してくれるカノンの方をジッと見つめていた。
カノンと目が合って、すぐに逸らされてしまった。
あれ…?
「カノン、明日用事ある?」
「…特にないけど」
「俺に付き合ってくれる?」
俺の考えが分からないみたいだけど、頷いてくれた。
そろそろ大部屋に行こうと、カノンと一緒に向かった。
同級生だけではなく、上級生も一緒にいる大部屋で驚いた。
それぞれ、自分のスペースである二段ベッドの周りで過ごしていた。
俺達が来た事で、周りの視線は俺達に集まってきた。
俺の顔を見て、嫌そうな顔をする同級生達とカノンを見て嬉しそうに近付いてくる上級生達に注目される。
馴れ馴れしくカノンの肩に触れていて、びっくりした。
カノンの顔も無表情だけど、何処か不機嫌に見えた。
「こんな美人が同室なんて驚いたなぁ」
「新入生だよね、名前はなんて言うの?」
「カノン・セイレーンです、それでこっちが…」
「カノンくんかぁ、もっと仲良くなりたいな」
カノンの言葉を遮るように上級生達が言葉を被せた。
俺も自己紹介をしてみたけど「あー、はいはい」とあしらわれた。
上級生達には俺の存在すらいないもののようにしている。
カノンを三人の上級生で囲んでいて、心配になる。
確かにカノンは美人だけど、初対面でこれはどうかと思う。
後輩に敬語を使えとは言わないけど、流石に初対面の相手に対して失礼だろ。
上級生達の間から見えるカノンの顔は、嫌悪感で眉間に皺を寄せている。
カノンがこんな顔をするなんて、相当嫌なんだろう。
普段は誰にでも優しくて、あまり感情を表に出さない。
俺も、だんだん胸の奥がもやもやとした気持ちになってきた。
上級生の一人がカノンの髪に触れようとして、カノンの限界は爆発した。
「申し訳ございませんが…」
「俺、フォルテって言います!よろしく!俺達のベッドってあっちかな?」
俺は無理矢理上級生とカノンの前に割り込んで、カノンの腕を引いた。
そのまま上級生を掻き分けて、自分達のベッドのスペースに向かった。
カノンに上と下どっちがいいか聞くと、驚いたまま下を指差した。
じゃあ俺は上だね、寝相悪かったらごめんねと笑った。
さっきまでカノンの曇っていた表情が和らいで俺もホッとした。
俺もすっかり存在を忘れていた上級生達が俺の肩を掴んで振り向かせた。
「おい待てよ!俺達はそっちの子と話してるんだよ!」
「そうですか」
確かにユリウスも同じ寮内にいると、またなにかされるかもしれない。
さすがに中まで一緒はカノンも遠慮して、誰もいない事を確認してから俺だけ中に入った。
こそこそ入るのは可笑しいと思ったのか、カノンは「大丈夫か?」と聞いてきたから頷いた。
ユリウスがいないか確認しているだけと言えばそう聞こえるが、誰にもトイレに入って来てほしくない。
そのために、あまり利用が少ない三階の奥のトイレまで来たんだ。
一番奥の個室に入り、便座に座って小さな声でミッシェルを呼んだ。
トイレをしに来たのではなく、ミッシェルと話すために来た。
気分屋で無視をする事が多いが、今は俺の一大事だからお願いだ。
「ミッシェル、おーいミッシェル」
『何?そんなに慌てて』
しつこく名前を呼べば、ミッシェルは出てきてくれると考えた。
何度目かでやっとミッシェルに繋がって、ミッシェルに俺とユリウスの過去を見せてほしいとお願いした。
俺は無理だけど、神様のミッシェルならなんだって出来る。
カノンの時は未来だったけど、未来が見えるなら過去なんて簡単だろ。
カノン達に見せるのは無理かもしれないが、そこで真相が分かれば証拠も見つけやすい。
俺に追体験させたんだから、これはダメとか言わないよな。
期待に満ちた俺の声はミッシェルの『無理』という声に打ち砕かれた。
そんなはっきりと…試してみないと分からないだろ。
ミッシェルは追い討ちをかけるように『無理なものは無理』とはっきり言っていた。
ミッシェルが見せる事が出来るのはゲームのシーンだ。
だからゲームの回想に出てきたスピカもいる幼少期の記憶も見れると思っていた。
ゲームの中では、フォルテが悪くないという真相はなかった。
当然だ、ユリウスとフォルテが敵対したきっかけだから。
それでも、回想シーンを映像で追体験出来れば良かったけど、ミッシェルがその気じゃないならどうする事も出来ない。
『見せる事が出来るのは結末だけだよ、ゲームで確認してね』
「こんなところで出来るか!!」
つい大きな声を出すと、トイレの中で慌てて走る音が聞こえた。
「大丈夫か!?フォルテ!」とカノンが声を掛けてきて、個室から出た。
ビックリさせてしまって、謝って一緒にトイレを出た。
もうミッシェルは何も出来ないと思おう、自分で何とかしてやる。
確か、入学早々に明日は学院生活初めての休日だった。
腹が痛いと思っていて心配してくれるカノンの方をジッと見つめていた。
カノンと目が合って、すぐに逸らされてしまった。
あれ…?
「カノン、明日用事ある?」
「…特にないけど」
「俺に付き合ってくれる?」
俺の考えが分からないみたいだけど、頷いてくれた。
そろそろ大部屋に行こうと、カノンと一緒に向かった。
同級生だけではなく、上級生も一緒にいる大部屋で驚いた。
それぞれ、自分のスペースである二段ベッドの周りで過ごしていた。
俺達が来た事で、周りの視線は俺達に集まってきた。
俺の顔を見て、嫌そうな顔をする同級生達とカノンを見て嬉しそうに近付いてくる上級生達に注目される。
馴れ馴れしくカノンの肩に触れていて、びっくりした。
カノンの顔も無表情だけど、何処か不機嫌に見えた。
「こんな美人が同室なんて驚いたなぁ」
「新入生だよね、名前はなんて言うの?」
「カノン・セイレーンです、それでこっちが…」
「カノンくんかぁ、もっと仲良くなりたいな」
カノンの言葉を遮るように上級生達が言葉を被せた。
俺も自己紹介をしてみたけど「あー、はいはい」とあしらわれた。
上級生達には俺の存在すらいないもののようにしている。
カノンを三人の上級生で囲んでいて、心配になる。
確かにカノンは美人だけど、初対面でこれはどうかと思う。
後輩に敬語を使えとは言わないけど、流石に初対面の相手に対して失礼だろ。
上級生達の間から見えるカノンの顔は、嫌悪感で眉間に皺を寄せている。
カノンがこんな顔をするなんて、相当嫌なんだろう。
普段は誰にでも優しくて、あまり感情を表に出さない。
俺も、だんだん胸の奥がもやもやとした気持ちになってきた。
上級生の一人がカノンの髪に触れようとして、カノンの限界は爆発した。
「申し訳ございませんが…」
「俺、フォルテって言います!よろしく!俺達のベッドってあっちかな?」
俺は無理矢理上級生とカノンの前に割り込んで、カノンの腕を引いた。
そのまま上級生を掻き分けて、自分達のベッドのスペースに向かった。
カノンに上と下どっちがいいか聞くと、驚いたまま下を指差した。
じゃあ俺は上だね、寝相悪かったらごめんねと笑った。
さっきまでカノンの曇っていた表情が和らいで俺もホッとした。
俺もすっかり存在を忘れていた上級生達が俺の肩を掴んで振り向かせた。
「おい待てよ!俺達はそっちの子と話してるんだよ!」
「そうですか」
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