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自分なりの償い方
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家から引っ張り出した庭用の掃除道具を抱えて広場に向かった。
周りの人の不審そうな目を向けられながら、街の広場の前に立った。
何をするのか注目を集める中、落ち葉を掻き集める。
飛んでいってしまわないように、ゆっくりとかき集める。
少し大きな陰口は、俺の耳にもしっかりと届いた。
わざとだから元々聞かせるつもりなんだろうなと分かる。
また悪い事に使おうとしてると周りに言われても、俺は掃除を止めない。
どう思われたって構わない、俺はただ…心を入れ替えたと行動で示しているだけだ。
わざと俺の前にゴミを散らかす人が居ても、何も言わずに掃除をする。
ぶつかってくる人も居たけど、俺は深呼吸をして心を落ち着かせた。
俺が怒るのを期待しているんだろうけど、期待通りの事をしてはいけない。
「お怪我はありませんか?」と相手を気遣う言葉を言うと、気味の悪い奴を見たような顔をして去っていった。
そんな変な事を言ったつもりなんてないんだけどな。
気にせず掃除を再会して、ぶつかってくる人が何人もいたけど同じ対応をしていたら、ぶつかる人はいなくなっていた。
これもきっと、教会の聖母様に祈りを捧げているおかげかもしれない。
すっと嫌な言葉が気持ちから抜けていくのが分かる。
重い荷物を持って歩く人には積極的に手伝った。
力持ちではないけど、両手で抱えれば何とか持てた。
全部持てる重さでなくても、半分持てば相手も運ぶのが楽になる。
俺がイタズラをすると思っている人は近付くなと突き飛ばされたけど、おばあさんとかは俺にお礼を言ってくれた。
俺にとってはその一言で、泣きそうなほど嬉しかった。
でも、こんなところで泣いたら相手を困らせてしまう。
涙を必死に我慢して、笑顔で俺もお礼を言って頭を下げた。
お礼に対してお礼を言うのは変かもしれないが、嬉しかったんだから仕方ない。
掃除や人助けも今日だけではない、毎日のようにやっていた。
そして、何日も続けていると変わってきている事があった。
俺を見る目が少しだけ和らいだように思った。
陰口も明らかに減ってきて、俺の邪魔をする人がいなくなった。
手伝いを断られる事も少なくなり、俺に頼む人もいた。
子供だし、体力がないから大した事は出来ないけど一生懸命頑張った。
「フォルテ」
「あ、カノン!」
いつもの日課になっている広場の掃除をしていたら、カノンに声を掛けられた。
ちゃんと終わらせて、カノンのところに駆け寄った。
当然、教会のお祈りも毎日のようにしてるからカノンとは会っている。
でも掃除の時間もあるから、あまり話す時間がない。
カノンも教会の仕事があるから、掃除をしてから外で会ったのは初めてだった。
カノンは両手いっぱいに果物を抱えていた。
「貰い物だけど、いつも頑張ってるフォルテにお裾分け」と言って、半分分けてくれた。
美味しそうな果物を見ていたら、お腹がぐぅと恥ずかしげもなく鳴った。
俺の顔は羞恥心で真っ赤になった。
そういえば、朝ごはんを家で食べてから掃除に夢中で空腹に気付かなかった。
いつもだから、身体がもうそういうのに慣れてしまっている。
カノンに小さく笑われて、俺も笑って誤魔化した。
俺の行動で変わったのは広場にいる人達だけではない。
カノンもよく笑うようになった。
毎日の会話は短いけど、カノンの事を知る事が出来た。
周りの人の不審そうな目を向けられながら、街の広場の前に立った。
何をするのか注目を集める中、落ち葉を掻き集める。
飛んでいってしまわないように、ゆっくりとかき集める。
少し大きな陰口は、俺の耳にもしっかりと届いた。
わざとだから元々聞かせるつもりなんだろうなと分かる。
また悪い事に使おうとしてると周りに言われても、俺は掃除を止めない。
どう思われたって構わない、俺はただ…心を入れ替えたと行動で示しているだけだ。
わざと俺の前にゴミを散らかす人が居ても、何も言わずに掃除をする。
ぶつかってくる人も居たけど、俺は深呼吸をして心を落ち着かせた。
俺が怒るのを期待しているんだろうけど、期待通りの事をしてはいけない。
「お怪我はありませんか?」と相手を気遣う言葉を言うと、気味の悪い奴を見たような顔をして去っていった。
そんな変な事を言ったつもりなんてないんだけどな。
気にせず掃除を再会して、ぶつかってくる人が何人もいたけど同じ対応をしていたら、ぶつかる人はいなくなっていた。
これもきっと、教会の聖母様に祈りを捧げているおかげかもしれない。
すっと嫌な言葉が気持ちから抜けていくのが分かる。
重い荷物を持って歩く人には積極的に手伝った。
力持ちではないけど、両手で抱えれば何とか持てた。
全部持てる重さでなくても、半分持てば相手も運ぶのが楽になる。
俺がイタズラをすると思っている人は近付くなと突き飛ばされたけど、おばあさんとかは俺にお礼を言ってくれた。
俺にとってはその一言で、泣きそうなほど嬉しかった。
でも、こんなところで泣いたら相手を困らせてしまう。
涙を必死に我慢して、笑顔で俺もお礼を言って頭を下げた。
お礼に対してお礼を言うのは変かもしれないが、嬉しかったんだから仕方ない。
掃除や人助けも今日だけではない、毎日のようにやっていた。
そして、何日も続けていると変わってきている事があった。
俺を見る目が少しだけ和らいだように思った。
陰口も明らかに減ってきて、俺の邪魔をする人がいなくなった。
手伝いを断られる事も少なくなり、俺に頼む人もいた。
子供だし、体力がないから大した事は出来ないけど一生懸命頑張った。
「フォルテ」
「あ、カノン!」
いつもの日課になっている広場の掃除をしていたら、カノンに声を掛けられた。
ちゃんと終わらせて、カノンのところに駆け寄った。
当然、教会のお祈りも毎日のようにしてるからカノンとは会っている。
でも掃除の時間もあるから、あまり話す時間がない。
カノンも教会の仕事があるから、掃除をしてから外で会ったのは初めてだった。
カノンは両手いっぱいに果物を抱えていた。
「貰い物だけど、いつも頑張ってるフォルテにお裾分け」と言って、半分分けてくれた。
美味しそうな果物を見ていたら、お腹がぐぅと恥ずかしげもなく鳴った。
俺の顔は羞恥心で真っ赤になった。
そういえば、朝ごはんを家で食べてから掃除に夢中で空腹に気付かなかった。
いつもだから、身体がもうそういうのに慣れてしまっている。
カノンに小さく笑われて、俺も笑って誤魔化した。
俺の行動で変わったのは広場にいる人達だけではない。
カノンもよく笑うようになった。
毎日の会話は短いけど、カノンの事を知る事が出来た。
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