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対峙②
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「やめろ!!」
鋭い声とともに、彼の剣が振り上げられる。
けれど……。
愛麗へと構えた剣先は震えている。
柄を握る彼の手は白くなるほど強く握られるだけで、愁陽には彼女を斬ることは出来なかった。
愁陽は眉根をきつく寄せ苦しそうに顔を歪ませ葛藤していたが、眼を強く閉じると顔を背けてしまった。
やがてゆっくりと、剣を持つ手が力なく下ろされた。
「…………行けよ。俺には、お前を、斬ることはできない……」
顔を背け俯く彼を見て、勝ち誇って狂喜するかのように女は高らかに嗤った。
「愚かな男!これで、すべてが完成する!もう、誰にもワタシを抑えることはできない!ワタシは自由になるんだわ!」
「……そう、私は自由だわ。お別れね」
そう答えた彼女の声に、はっとした愁陽が顔をあげる。
そこに見えたのは、紛れもなくふわりと微笑んだ愛麗だった。
「っ、愛麗っ!?」
「愁陽!」
優しく包み込むような微笑みを浮かべて、愛麗は両手を広げて愁陽に歩み寄る。
彼が知っている愛麗だ。
そして彼女は、会いたかった、もう苦しまなくていい、というように、強く、強く彼を両腕で抱き締めた。彼の剣先とともに……
「っ!!!」
愁陽は、一瞬何が起きたのか、わからなかった。
ただ剣を握る掌に伝わる、忘れたくても忘れられない肉を貫く嫌な感覚。
頭の中で警鐘を鳴らし身体の中を戦慄が走った。
肩に寄せられた愛麗の唇から、深く息が漏れ、苦しそうに耐えているのがわかる。
愛麗の身体から弾き出された女の影が、ぼうっと離れたところに浮かんでいた。
「何故なの!?」
女は激しく怒り叫んだ。目と口を剥きだしている。
愁陽は力が抜け崩れそうになる愛麗の身体を抱き締めたまま、剣を抜くことができない。抜けば傷口から血が噴き出すだろう。そんなことをすれば、彼女を救うことができなくなる。しかしこのままでは……どうすればいいのか、
まともに冷静になど判断が出来ない。
「…あい、れ…い……」
やっと絞り出した彼の声は掠れて震えていた。
愛麗は心の中で、何度も愁陽に謝った。こんな役目を彼にさせてしまったことは、本当に申し訳なく思っている。
これ以上はもう、なるべく彼を苦しめたくはない。
腹部に刺さった剣を抜くために、愁陽を突き飛ばした。
焼けつくような鋭い痛みに気が遠くなりそうだ。
叫びたくなるのを必死で堪える。
霞む視界に、信じられない光景を見るようにただ呆然と、泣きそうに顔を歪めて立つ愁陽が見えた。
ああ……ごめんね、そんな顔させて。
話すことが出来ないから、心の中でもう一度詫びる。
せめて大丈夫だと笑っていよう。
脚から力が抜けそうになるのを、ふらつきながらも何とか踏ん張る。
まだ最後のやるべきことが残っている。
「……これ、で……、いいの……。これで……」
愁陽と、もう一人の彼女にと、そして自分に言う。
精一杯の力を振り絞り、もう一人の自分という影と対峙する。
「……自分で作り上げた偶像は、自分で壊さなければいけない。だって……、私は、自分でいたいからっ……」
もう表情もなくぼやけるように立っていた影は、何も言うこともなく、静かにスーッと消えていった。
愛麗は最後の賭けに勝った。
日に日に強くなるもう一人の自分に支配され、自我が完全に消えてしまうことを恐れた。もう一人の彼女になったとき、いったい自分は何をしてしまうのか怖かった。結局、火を放ってしまったのだが。
姉の死の告白のあの夜、すべてを手放すふりをして、一度身体とココロをもう一人の自分に明け渡した。今度は自分が彼女の中で眠り、もろとも葬ることができる機会を待つために。
大きな賭けだった。もしかして、彼女の中でそのまま目覚めることができず、外に出てくることができなくなるかも知れない。
けれど、愁陽がきっとそばにいてくれる。それだけだった。
きっと大丈夫。そう信じて、機会を待っていた。
そのために彼にもずいぶん辛い役をさせてしまった。酷いことも言ったし、たくさん傷つけた。
けれど、きっと自分が消えて彼女が残ってしまっていたら、もっと愁陽を傷つけ続けたことだろう。
でも、これでもう、もう一人の自分に怯えることもなく、本来の愛麗としていられる。
彼にも、このまま愛麗として別れができる。
愛麗は、まだ炎で赤く染まる夜空のほうを見た。けれど彼女の瞳には、青く懐かしいあの空が見えた。
空に向かって、血に赤く染まった手を伸ばす。
「……愁陽、見て、青くて、ほんとキレイな空……、いつも、こんなふうに、なりたいと、思って…」
最後まで言い終わらないまま、愛麗の身体が崩れ落ちようとしたのを、愁陽が抱きとめる。
「愛麗っ!愛麗……っ、しっかりしろっ」
床に崩れ落ち、ぐったりとした身体を抱き締める。ゆっくりと愛麗が閉じていた瞼を上げた。
「……もう少しで、手が届きそうなのに……、届かないのね……」
口元に弱々しく笑みを浮かべて言うと、また震える手を伸ばそうとする。
愁陽がその手を握りしめ彼女の身体ごと抱き締める。
「……動くな」
愛麗の白い衣装を、真っ赤な鮮血が染めあげている。
止血をしなければ……っ、そう思うのに、傷口に手をやるもどくどくと流れ出る血を止めることが出来ない。
戦場で多くの者の死を見届けてきた彼には、彼女の傷の状態がどうであるか、一目瞭然だった。死ぬな、愛麗、まだ言いたいことがいっぱいあるんだ。
ともにやりたいことだって、たくさんある。
どうすればいい。考えろ!愁陽は自分を叱咤する。
外套や自分の衣装から使えそうな布で止血しようと傷口に当てるが、みるみるうちに赤く染まっていく。
血に染まった手で愁陽の腕に触れた愛麗が笑みを浮かべる。
「……震えて、る、の?」
「大丈夫……、傷は、そんなにひどくないからっ」
彼女に生きて欲しくて嘘をついた。
「ふふ…、おかしいね。一国の将でも震えるなんて……」
「喋るな」
「……でも、そんな、あなたでいてね、ずっと……」
「頼むから……、喋らないで、くれ」
彼女の身体を抱き締め、愁陽の声が震える。
「愁陽なら、きっとあの空になれるわ、ほんとよ……っ……」
愛麗が血を吐いた。
「愛麗!」
彼女は今にも消えそうな声なのに、彼の懇願を無視して明るく続ける。
「……そうだわ、……あなたが、空なら、私は風に、なるわ。風になって……、大好きな人たちの傍にいるの……困ったときは、助けてあげる」
彼が大好きな幼馴染の笑顔だ。少し元気はないがあの頃と重なる笑顔のままだ。
「やさしくて…、あたたかい、風……、愁陽…」
「ん?」
「…………眠く、なってきちゃった……少し、眠って、いい……?」
「っ……だめ、だよ、…愛麗……」
愁陽はもっと愛麗の笑顔をしっかりと見たいのに、涙が邪魔をする。
彼はいつの間にか泣いていた。
彼の眼から涙が溢れ落ちて、彼女の頬を濡らしていく。
愛麗はさっきから愁陽を優しくつつむように笑みを浮かべている。
けれど、その黒い瞳は閉じようとしている。もう何も見えていないのだろう。
青い空……、光に満ちて……
愛麗が消え入りそうな声で歌う。
吹く…風は…………、
や…さ…………、し……く…………
彼女の細い腕が力なく床に落ちた。
「っ!!愛麗……、愛麗っ!!」
彼女の表情はとても幸せそうに微笑んでいた。
鋭い声とともに、彼の剣が振り上げられる。
けれど……。
愛麗へと構えた剣先は震えている。
柄を握る彼の手は白くなるほど強く握られるだけで、愁陽には彼女を斬ることは出来なかった。
愁陽は眉根をきつく寄せ苦しそうに顔を歪ませ葛藤していたが、眼を強く閉じると顔を背けてしまった。
やがてゆっくりと、剣を持つ手が力なく下ろされた。
「…………行けよ。俺には、お前を、斬ることはできない……」
顔を背け俯く彼を見て、勝ち誇って狂喜するかのように女は高らかに嗤った。
「愚かな男!これで、すべてが完成する!もう、誰にもワタシを抑えることはできない!ワタシは自由になるんだわ!」
「……そう、私は自由だわ。お別れね」
そう答えた彼女の声に、はっとした愁陽が顔をあげる。
そこに見えたのは、紛れもなくふわりと微笑んだ愛麗だった。
「っ、愛麗っ!?」
「愁陽!」
優しく包み込むような微笑みを浮かべて、愛麗は両手を広げて愁陽に歩み寄る。
彼が知っている愛麗だ。
そして彼女は、会いたかった、もう苦しまなくていい、というように、強く、強く彼を両腕で抱き締めた。彼の剣先とともに……
「っ!!!」
愁陽は、一瞬何が起きたのか、わからなかった。
ただ剣を握る掌に伝わる、忘れたくても忘れられない肉を貫く嫌な感覚。
頭の中で警鐘を鳴らし身体の中を戦慄が走った。
肩に寄せられた愛麗の唇から、深く息が漏れ、苦しそうに耐えているのがわかる。
愛麗の身体から弾き出された女の影が、ぼうっと離れたところに浮かんでいた。
「何故なの!?」
女は激しく怒り叫んだ。目と口を剥きだしている。
愁陽は力が抜け崩れそうになる愛麗の身体を抱き締めたまま、剣を抜くことができない。抜けば傷口から血が噴き出すだろう。そんなことをすれば、彼女を救うことができなくなる。しかしこのままでは……どうすればいいのか、
まともに冷静になど判断が出来ない。
「…あい、れ…い……」
やっと絞り出した彼の声は掠れて震えていた。
愛麗は心の中で、何度も愁陽に謝った。こんな役目を彼にさせてしまったことは、本当に申し訳なく思っている。
これ以上はもう、なるべく彼を苦しめたくはない。
腹部に刺さった剣を抜くために、愁陽を突き飛ばした。
焼けつくような鋭い痛みに気が遠くなりそうだ。
叫びたくなるのを必死で堪える。
霞む視界に、信じられない光景を見るようにただ呆然と、泣きそうに顔を歪めて立つ愁陽が見えた。
ああ……ごめんね、そんな顔させて。
話すことが出来ないから、心の中でもう一度詫びる。
せめて大丈夫だと笑っていよう。
脚から力が抜けそうになるのを、ふらつきながらも何とか踏ん張る。
まだ最後のやるべきことが残っている。
「……これ、で……、いいの……。これで……」
愁陽と、もう一人の彼女にと、そして自分に言う。
精一杯の力を振り絞り、もう一人の自分という影と対峙する。
「……自分で作り上げた偶像は、自分で壊さなければいけない。だって……、私は、自分でいたいからっ……」
もう表情もなくぼやけるように立っていた影は、何も言うこともなく、静かにスーッと消えていった。
愛麗は最後の賭けに勝った。
日に日に強くなるもう一人の自分に支配され、自我が完全に消えてしまうことを恐れた。もう一人の彼女になったとき、いったい自分は何をしてしまうのか怖かった。結局、火を放ってしまったのだが。
姉の死の告白のあの夜、すべてを手放すふりをして、一度身体とココロをもう一人の自分に明け渡した。今度は自分が彼女の中で眠り、もろとも葬ることができる機会を待つために。
大きな賭けだった。もしかして、彼女の中でそのまま目覚めることができず、外に出てくることができなくなるかも知れない。
けれど、愁陽がきっとそばにいてくれる。それだけだった。
きっと大丈夫。そう信じて、機会を待っていた。
そのために彼にもずいぶん辛い役をさせてしまった。酷いことも言ったし、たくさん傷つけた。
けれど、きっと自分が消えて彼女が残ってしまっていたら、もっと愁陽を傷つけ続けたことだろう。
でも、これでもう、もう一人の自分に怯えることもなく、本来の愛麗としていられる。
彼にも、このまま愛麗として別れができる。
愛麗は、まだ炎で赤く染まる夜空のほうを見た。けれど彼女の瞳には、青く懐かしいあの空が見えた。
空に向かって、血に赤く染まった手を伸ばす。
「……愁陽、見て、青くて、ほんとキレイな空……、いつも、こんなふうに、なりたいと、思って…」
最後まで言い終わらないまま、愛麗の身体が崩れ落ちようとしたのを、愁陽が抱きとめる。
「愛麗っ!愛麗……っ、しっかりしろっ」
床に崩れ落ち、ぐったりとした身体を抱き締める。ゆっくりと愛麗が閉じていた瞼を上げた。
「……もう少しで、手が届きそうなのに……、届かないのね……」
口元に弱々しく笑みを浮かべて言うと、また震える手を伸ばそうとする。
愁陽がその手を握りしめ彼女の身体ごと抱き締める。
「……動くな」
愛麗の白い衣装を、真っ赤な鮮血が染めあげている。
止血をしなければ……っ、そう思うのに、傷口に手をやるもどくどくと流れ出る血を止めることが出来ない。
戦場で多くの者の死を見届けてきた彼には、彼女の傷の状態がどうであるか、一目瞭然だった。死ぬな、愛麗、まだ言いたいことがいっぱいあるんだ。
ともにやりたいことだって、たくさんある。
どうすればいい。考えろ!愁陽は自分を叱咤する。
外套や自分の衣装から使えそうな布で止血しようと傷口に当てるが、みるみるうちに赤く染まっていく。
血に染まった手で愁陽の腕に触れた愛麗が笑みを浮かべる。
「……震えて、る、の?」
「大丈夫……、傷は、そんなにひどくないからっ」
彼女に生きて欲しくて嘘をついた。
「ふふ…、おかしいね。一国の将でも震えるなんて……」
「喋るな」
「……でも、そんな、あなたでいてね、ずっと……」
「頼むから……、喋らないで、くれ」
彼女の身体を抱き締め、愁陽の声が震える。
「愁陽なら、きっとあの空になれるわ、ほんとよ……っ……」
愛麗が血を吐いた。
「愛麗!」
彼女は今にも消えそうな声なのに、彼の懇願を無視して明るく続ける。
「……そうだわ、……あなたが、空なら、私は風に、なるわ。風になって……、大好きな人たちの傍にいるの……困ったときは、助けてあげる」
彼が大好きな幼馴染の笑顔だ。少し元気はないがあの頃と重なる笑顔のままだ。
「やさしくて…、あたたかい、風……、愁陽…」
「ん?」
「…………眠く、なってきちゃった……少し、眠って、いい……?」
「っ……だめ、だよ、…愛麗……」
愁陽はもっと愛麗の笑顔をしっかりと見たいのに、涙が邪魔をする。
彼はいつの間にか泣いていた。
彼の眼から涙が溢れ落ちて、彼女の頬を濡らしていく。
愛麗はさっきから愁陽を優しくつつむように笑みを浮かべている。
けれど、その黒い瞳は閉じようとしている。もう何も見えていないのだろう。
青い空……、光に満ちて……
愛麗が消え入りそうな声で歌う。
吹く…風は…………、
や…さ…………、し……く…………
彼女の細い腕が力なく床に落ちた。
「っ!!愛麗……、愛麗っ!!」
彼女の表情はとても幸せそうに微笑んでいた。
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