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後編
68.城に侵入するため『劇場車』に乗らせてもらったエラ。しかし、それには条件があった(1)
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現在、『劇場車』がこの国の中央区に止まっている。
劇場車とは、劇場を乗せた巨大な車である。今は車輪にストッパーがついていて、劇場の準備が整っている。観客席には下級貴族がそろい、平民たちも席に座ったり、立ち見する者もいた。今まさに劇場は幕を開けようとしていた。
その劇場の裏にエラ達はいた。
「本当に良かったのか?劇場車に乗らせてもらって。」
聞いたのは弟ドラだ。今現在、ある物を待っており、エラと、弟ドラ、白銀と翡翠は劇団団長と共に劇場裏のテントで待機していた。
「何を言ってるんだよ、今更。」
団長はライオン頭の獣人だったが、穏やかそうな雰囲気の人だった。弟ドラの問いかけに笑った。
「虎である俺たちはもう『白い教会』として動いてる訳じゃない。女王を殺りに行くんだぜ。それが成功すれば、この国がどうなっていくか、わかったもんじゃない。」
「…この国は南の国ヒートンととうとう全面戦争が始まってしまった。君達もこの民達の荒みようを見たでしょ。どの道、このままではこの国は地獄。なら、少しはましになると信じて君達を行かせてみようと、ライオンである僕は思った。それだけだよ。団員の皆も同じ気持ちだってさ。」
「…悪ぃ。ありがとな。」
団長は微笑んで弟ドラの肩にぽんっと手をおいた。団長は『白い教会』に縁のある人間だと聞いていたが、弟ドラは知り合いのようだった。
「それに、王政府からの急な命令だったから正直困ってたんだよ。演劇自体はできるけど、戦争のせいで男の役者が不足していたんだ。」
そう言って団長が目配せする。視線の先を見ると、テントに丁度神父と蜘蛛が入ってきた。二人ともなんと貴族の格好をしている。
「…どうしてもこれやらなきゃだめですか?」
神父は心底居心地が悪そうだった。
「それが君達を劇場車に乗せる条件だよ。君らには仮面舞踏会の後ろで踊るモブ役をやってもらう。さっき通しでやってもらった通り、女性と手をとって揺れてるだけでいいから。」
「まあ、確かに役自体はさっき通しでやった感じ、本当にただの背景役のようで安心しましたが…。うぅ…まさか、30半ばにしてこんな事をする羽目になるとは…。」
「悪いねえ。戦争で人手がないのに、女王陛下に命令を受けてしまったんだ。こちらとしても手段を選べなくてねえ。」
すまなそうに言うライオン顔の団長は目だけは笑っていた。明らかに面白がっているようだ。
「俺は少しだけセリフあるがな。」
蜘蛛が相変わらず冷静に言った。
貴族はノドム族が多いので、演劇で貴族の配役をする時はやはりノドム族を選ぶ。劇場車に乗せてもらう代償として、蜘蛛達が代役を務める事になったのだ。そして__
「__なかなか様になってるじゃなねえか。」
弟ドラが笑って鋭い牙が光る。
__針鼠もまた、煌びやかな貴族の服を身に纏ってテントに入ってきた。金髪碧眼に整った顔、金の装飾が施された豪勢な紺色のマントを羽織った彼は、まさに本物の貴族のようだった。
「流石に本物の王子様は違いますね。」
「蜘蛛や神父と比べて服に着られてる感がねえ。」
「ガハハハ!!普段小汚ねえ分ちゃんとした格好すると案外男前なんだな!」
男達は口々に貴族姿の針鼠を褒め称えた。
エラもまた針鼠を見る。
エラは今直接目では見られず、魔法で世界を見ている。最初はどこに何があるのかがわかる程度だった魔法の目も、魔力が強まっている今では、なんとなく色や明暗まで見えるようになっていた。
エラは貴族の姿をした針鼠を見た時、はっとして固まった。
__針鼠が、レナードによく似ていたからだ。
金髪を後ろで縛っている訳ではないが、顔つきや体格、服装はあの時のレナードに似ている気がした。似ていないのはもはや瞳の色だけのようにすら感じる。それすらも今は仮面をつけていて違いが分かりにくくなっている。
一瞬、針鼠がわざとレナードを意識してその格好にしたのかと思った。が、彼はレナードとは面識がないはずだし、わざわざそうする意味もない。
(…王家とフィンドレイ家は密接な関係にあるわ。顔つきや雰囲気が似るのは必然かもしれない。)
エラが妙な感慨に耽っていると、針鼠がまた不機嫌そうに目を細めて長い耳が垂れ下がった。
「おい、言いたい事があんなら言えよ。」
エラがあまりにも何も言わずにじっと見ているので針鼠が落ち着かない様子だった。こういう所は全然レナードに似ていない。レナードは今のエラからしても大人だったなと思った。
「いえ、ちょっと…」
エラはそう言って左手を平にして垂直に針鼠のおでこにつけた。
「身長、伸びたね。」
針鼠は目を大きく広げる。
初めて会った時はエラと同じくらいと思っていた身長が、数cm上になっていた。細身だった体もなんとなく前よりガッチリしたような気がする。一瞬、レナードと重ね合わせたのはひとえに針鼠の体格が彼に近づいたからかもしれない。
「伸びたって…。お前と出会ってまだ1ヶ月も経ってねえだろ。そんな短期間で変わるかよ。」
「…1ヶ月…?…そう、そうね…。なんだかあなたの事もうずっと前から知っているような気がしていたけど、実際はまだそんな程度しか経ってないのね。不思議だわ…。でも、やっぱり伸びたように見えるのよね。」
エラはなんだか嬉しくてたまらなくなり、自然とカゴの中で笑顔を作る。
針鼠は子供扱いされたのが気に食わなかったようで更に不機嫌そうに眉をひそめた。
劇場車とは、劇場を乗せた巨大な車である。今は車輪にストッパーがついていて、劇場の準備が整っている。観客席には下級貴族がそろい、平民たちも席に座ったり、立ち見する者もいた。今まさに劇場は幕を開けようとしていた。
その劇場の裏にエラ達はいた。
「本当に良かったのか?劇場車に乗らせてもらって。」
聞いたのは弟ドラだ。今現在、ある物を待っており、エラと、弟ドラ、白銀と翡翠は劇団団長と共に劇場裏のテントで待機していた。
「何を言ってるんだよ、今更。」
団長はライオン頭の獣人だったが、穏やかそうな雰囲気の人だった。弟ドラの問いかけに笑った。
「虎である俺たちはもう『白い教会』として動いてる訳じゃない。女王を殺りに行くんだぜ。それが成功すれば、この国がどうなっていくか、わかったもんじゃない。」
「…この国は南の国ヒートンととうとう全面戦争が始まってしまった。君達もこの民達の荒みようを見たでしょ。どの道、このままではこの国は地獄。なら、少しはましになると信じて君達を行かせてみようと、ライオンである僕は思った。それだけだよ。団員の皆も同じ気持ちだってさ。」
「…悪ぃ。ありがとな。」
団長は微笑んで弟ドラの肩にぽんっと手をおいた。団長は『白い教会』に縁のある人間だと聞いていたが、弟ドラは知り合いのようだった。
「それに、王政府からの急な命令だったから正直困ってたんだよ。演劇自体はできるけど、戦争のせいで男の役者が不足していたんだ。」
そう言って団長が目配せする。視線の先を見ると、テントに丁度神父と蜘蛛が入ってきた。二人ともなんと貴族の格好をしている。
「…どうしてもこれやらなきゃだめですか?」
神父は心底居心地が悪そうだった。
「それが君達を劇場車に乗せる条件だよ。君らには仮面舞踏会の後ろで踊るモブ役をやってもらう。さっき通しでやってもらった通り、女性と手をとって揺れてるだけでいいから。」
「まあ、確かに役自体はさっき通しでやった感じ、本当にただの背景役のようで安心しましたが…。うぅ…まさか、30半ばにしてこんな事をする羽目になるとは…。」
「悪いねえ。戦争で人手がないのに、女王陛下に命令を受けてしまったんだ。こちらとしても手段を選べなくてねえ。」
すまなそうに言うライオン顔の団長は目だけは笑っていた。明らかに面白がっているようだ。
「俺は少しだけセリフあるがな。」
蜘蛛が相変わらず冷静に言った。
貴族はノドム族が多いので、演劇で貴族の配役をする時はやはりノドム族を選ぶ。劇場車に乗せてもらう代償として、蜘蛛達が代役を務める事になったのだ。そして__
「__なかなか様になってるじゃなねえか。」
弟ドラが笑って鋭い牙が光る。
__針鼠もまた、煌びやかな貴族の服を身に纏ってテントに入ってきた。金髪碧眼に整った顔、金の装飾が施された豪勢な紺色のマントを羽織った彼は、まさに本物の貴族のようだった。
「流石に本物の王子様は違いますね。」
「蜘蛛や神父と比べて服に着られてる感がねえ。」
「ガハハハ!!普段小汚ねえ分ちゃんとした格好すると案外男前なんだな!」
男達は口々に貴族姿の針鼠を褒め称えた。
エラもまた針鼠を見る。
エラは今直接目では見られず、魔法で世界を見ている。最初はどこに何があるのかがわかる程度だった魔法の目も、魔力が強まっている今では、なんとなく色や明暗まで見えるようになっていた。
エラは貴族の姿をした針鼠を見た時、はっとして固まった。
__針鼠が、レナードによく似ていたからだ。
金髪を後ろで縛っている訳ではないが、顔つきや体格、服装はあの時のレナードに似ている気がした。似ていないのはもはや瞳の色だけのようにすら感じる。それすらも今は仮面をつけていて違いが分かりにくくなっている。
一瞬、針鼠がわざとレナードを意識してその格好にしたのかと思った。が、彼はレナードとは面識がないはずだし、わざわざそうする意味もない。
(…王家とフィンドレイ家は密接な関係にあるわ。顔つきや雰囲気が似るのは必然かもしれない。)
エラが妙な感慨に耽っていると、針鼠がまた不機嫌そうに目を細めて長い耳が垂れ下がった。
「おい、言いたい事があんなら言えよ。」
エラがあまりにも何も言わずにじっと見ているので針鼠が落ち着かない様子だった。こういう所は全然レナードに似ていない。レナードは今のエラからしても大人だったなと思った。
「いえ、ちょっと…」
エラはそう言って左手を平にして垂直に針鼠のおでこにつけた。
「身長、伸びたね。」
針鼠は目を大きく広げる。
初めて会った時はエラと同じくらいと思っていた身長が、数cm上になっていた。細身だった体もなんとなく前よりガッチリしたような気がする。一瞬、レナードと重ね合わせたのはひとえに針鼠の体格が彼に近づいたからかもしれない。
「伸びたって…。お前と出会ってまだ1ヶ月も経ってねえだろ。そんな短期間で変わるかよ。」
「…1ヶ月…?…そう、そうね…。なんだかあなたの事もうずっと前から知っているような気がしていたけど、実際はまだそんな程度しか経ってないのね。不思議だわ…。でも、やっぱり伸びたように見えるのよね。」
エラはなんだか嬉しくてたまらなくなり、自然とカゴの中で笑顔を作る。
針鼠は子供扱いされたのが気に食わなかったようで更に不機嫌そうに眉をひそめた。
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