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第四章 奪還編
小さな魔法使い①
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私は生まれた時から体が小さかった。
早産だった私は、ギリギリ未熟児にならない範囲ではあったものの、かなり小さいサイズだったらしい。
ほとんど家にいないお父さんは大学教授。
そんなお父さんの教え子だったらしいお母さんは、所謂教育ママというやつだった。
幼稚園に入るまでに、私は平仮名の読み書きを教えられ、幼稚園生の頃から、英語と算数を教わっていた。
私も周りの普通の子供たちと同じように遊びたかったが、お母さんを喜ばせるため、勉強に没頭した。
物心ついた頃には、お父さんが仕事ではなく、教え子の女子大生と遊んでいるために、家に寄り付かないようだ、ということが分かってきた。
お母さんは、そんな鬱憤を晴らすかのように、ますます厳しく私の勉強を指導した。
ーー勉強は嫌いじゃないけど、少しは遊んでハメを外したい。
そんな私の思いを口に出すことなんてできなかったが、厳しいお母さんに対して不満を持つこともゼロではなかった。
ーー世間体を気にせず、別れればいいのに。
不満が募るとそう思わないこともない。
大学教授の妻というポジションが譲れないのか、若い女に負けることが嫌なのか、何が理由なのかは分からないが、離婚の決断ができない母。
父と母に、お互い気持ちがないのは明らか。
それなら一緒にいなければいいと思うのは、私が子供だからだろうか。
そんな両親を見て育った私は誓う。
私は両親のような冷え切った夫婦生活を送らないよう、お互いこの人しかいない、と思えるような人と結婚する。
ただ、学校では部活にも入らず、遊びもせず、ひたすら勉強だけをする私。
友達もほとんどできず、結婚どころか、恋の気配すら感じなかった。
そんな生活に不満を持っていたが、普通の暮らしを送れていただけで贅沢だったということを、高校で思い知らされる。
勉強だけをバカみたいにしてきたおかげで、私は全国でも有数の名門高校に、特待生扱いで入学することができた。
この学校に入るには、飛び抜けて勉強か運動ができるか、家柄かお金に恵まれた家庭に生まれるかのどちからが必要だった。
ただ、家柄もしくはお金に恵まれて育った人間は、そうでない人間を見下していた。
医者の息子。
政治家の息子。
どこかの会社の社長の息子。
そういった人たちは、特待生で入ってきた普通の家の生まれの生徒たちをターゲットに、集団でいじめを繰り返していた。
能力が劣っていることに対する、僻みもあったのかもしれない。
……そんなこと、口が裂けても言えないが。
地味なガリ勉女。
それが小学生の頃からの私に対する周囲の評価だ。
私自身、それ以上でもそれ以下でもないと思っている。
通常ならイジメのターゲットになっていてもおかしくないステータスだが、幸い、中学までは特にイジメらしいイジメは受けなかった。
後から聞いたところだと、無口で近寄りがたい雰囲気が、私にはあったらしい。
別段、意識していたつもりはないが、その評価には感謝すべきだったのだろう。
おかげでイジメとは無縁の生活が送れたのだから。
高校に入学してすぐに、これまで私を守ってくれていた近寄りがたい雰囲気という名のバリアが、意味をなさない相手と遭遇する。
「ねえ、お金かしてくれない?」
今まで話したこともない、クラスのリーダー格の女子からそう言われた。
どこかの大手企業の創始者の家系で、お金は私なんかより遥かに持っているはずだった。
男子二人、女子二人の計四人を従えながら迫ってきたリーダー格の女子を前に、私は返答に困った。
私のお母さんは勉強だけでなく、生活習慣にも厳しい。
お金を持つと遊ぶから、ということで、小遣いは一円もなく、緊急時のために最低限のお金を持たされているだけだからだ。
そもそも、私のような一般人からわざわざ巻き上げなくても困らないだけのお金を、この女子は持っているはずだ。
「貸せるようなお金を持っていません」
事実をそのまま伝えたところ、癇に障ったようだった。
「ああっ?」
普通の女子なら絶対使わないような言葉で疑問の声を上げた後、リーダー格の女子は、私の胸ぐらを掴む。
暴力沙汰とは無縁だった私は、恐怖で震え上がる。
「いいから寄越せ!」
リーダー格の女子から怒鳴りつけられた私は、恐ろしさのあまり、「反抗しよう」だとか「逃げよう」という発想すらなく、言われるがままに財布を出す。
私の手からふんだくるように財布を奪い取ったリーダー格の女子は、財布の中身を見て驚きの表情を見せる。
「マジか、お前。今時小学生でももっと持ってるじゃん」
そう言った後、リーダー格の女子は、なぜか私の全身を、上から下まで凝視する。
お金は持ってないのだから、さっさと諦めてよ、という私の思いは、その後の発言で踏みにじられた。
「胸はないけど、顔は悪くないし、小さくて細いっていうのは需要もあるし」
リーダー格の女子は、私の顎に手を当ててこう言った。
「身体売って金稼げよ」
「え?」
リーダー格の女子の言っている意味が分からず、私は思わず聞き返してしまう。
身体を売る?
なぜそんなことをしなければならないのか。
私は今、お金なんか必要ない。
この人たちのことなんて全く知らない。
知らない人たちにお金を提供するために、なぜ私が身体なんて売らなければならないのか。
あまりにも理不尽な要求に、臆病者の私も流石に反論する。
「い、いやです!」
私の言葉を聞いたリーダー格の女子の顔が歪む。
先ほどより強い力で、再度胸ぐらが掴まれる。
ーーパシッーー
音が鳴り響いてからしばらく時間を置いて、左頬がヒリヒリとするのを感じる。
その痛みで、自分の頬が打たれたことを知った。
今まで経験したことのない、暴力。
その衝撃で私の思考は停止する。
「痛い目見たくなかったらいうことを聞けよ」
胸ぐらを掴みながら、私を睨みつけ、そう脅すリーダー格の女子。
私は恐怖のあまり、それ以上否定の言葉を放つことができなかった。
言葉の代わりに、私の目から涙が溢れてくる。
「いい歳して泣くんじゃねえよ」
さらに目つきを鋭くし、もう一度暴力を加えようとするリーダー格の女子を、取り巻きの一人の男子が宥める。
「まあまあ。こいつだっていきなり見ず知らずの奴に身体売れって言われても、すぐに『はい』なんて言えねえよ」
そんな男子をも、リーダー格の女子は睨みつける。
「こいつを庇うつもり?」
私は、一縷の望みをかけ、取り巻きの男子の方を見るが、その男子は首を横に振る。
「まさか。見た感じ多分こいつ処女だし、見ず知らずの奴にいきなり売るのはハードルが高いから、最初は知ってるやつでどうかなって話」
取り巻きの男子の発言に、興味を示すリーダー格の女子。
「知ってる奴って?」
取り巻きの男子は私の顔をちらっと見た後、ニヤッと笑う。
「うちのクラスにいるキモオタのデブだよ。あいつ、好きなアニメのキャラに似てるからってこいつのことが気に入ってるみたいでさ。あいつの家金持ちで、かなり甘やかされてるから、こいつの処女やるよって言えば、十万や二十万なら軽く出すんじゃないか?」
取り巻きの男子の提案に、リーダー格の女子は笑みを浮かべる。
「それいいわね。そうと決まれば、そのキモオタと交渉よ」
いやだ。
そんなの絶対にいやだ。
反論しようとする私を、取り巻きの女子の一人がじっと見る。
「ねえねえ。こいつ真面目ちゃんだから先生たちにチクったりしそうじゃない?」
その言葉を聞いたリーダー格の女子も、私の目をじっと見る。
「確かにね。そんなのどうとでもなるけど、めんどいのは間違いないね」
対応を考えるリーダー格の女子に、もう一人の取り巻きの女子が提案する。
「ベタだけど、裸にして写真でも撮っちゃえば?」
「捻りはないけど、それでいいか」
リーダー格の女子が頷くと、取り巻きの男子二人が、二人掛かりで私を押さえる。
叫びたいけど、力の強い高校生の男子二人に無理やり押さえつけられる恐怖のせいで、声すら出ない。
「……なんか興奮するな」
取り巻きの男子の一人が呟く。
「おいおい。ヤってもいいけど、十万払えよ」
リーダー格の女子の言葉に、取り巻きの男子の一人が頭をかく。
「いやいや。こんな女に十万払うなら、街でナンパした方がはえーよ」
「キャハハ。間違いない」
人ごとのように会話を聞きながら、気付くと私は全裸になっていた。
「それじゃあ、二人で足持ち上げて、股開こうか?」
私は二人の男子生徒に脚を抱えられ、カメラへ一番恥ずかしところを向けさせられる。
「うわっ。こいつ毛が生えてねーし。マジ引くわ」
「ホントだ。顔も体型も子供っぽいと思ってたけど、アソコまで子供だなんてウケるんだけど」
恥ずかしさと悔しさで涙が溢れてくる。
だけど私にはどうすることもできない。
隠そうにも脚は全く動かせず、手を使おうにも、すぐに抑えつけられる。
羞恥のポーズをとったまま、泣き続けるしかない。
「顔とセットで写真撮るから、笑ってピースしろ」
ついには、泣くことすら許されず、無理やり笑顔にさせられ、ピースまで強制される。
「これはインスタ映えするわ」
「確かに」
この写真を世間に流されたら、私の人生は終わる。
写真撮影が終わり、手足が自由になった私は、土下座でリーダー格の女子に懇願する。
「お願いですから先ほどの写真のデータは消してください」
そんな私を見たリーダー格の女子は、再度声を上げて笑う。
「裸で土下座とかどんだけなの?」
一通り笑った後、そんな私の頭を土足で踏みつけて、リーダー格の女子は言う。
「私は優しいからね。百万で売ってあげる。ちゃんと稼げるよう、相手も紹介してあげる。それでいいわね?」
全く良くはない。
全く良くはないが、百万円なんて大金、他の手段で用意できるはずはない。
仕方なく私は、頷く。
「……はい」
その答えを聞いたリーダー格の女子は、足を私の頭から離し、満面の笑みを浮かべる。
「はい、交渉成立。ちなみに誰かにチクったりしたら、この写真が世界中に流れることになるから」
そう言って全裸で開脚しながら笑顔でピースする私の写真を見せられる。
……こうして私は、リーダー格の女子の奴隷になった。
早産だった私は、ギリギリ未熟児にならない範囲ではあったものの、かなり小さいサイズだったらしい。
ほとんど家にいないお父さんは大学教授。
そんなお父さんの教え子だったらしいお母さんは、所謂教育ママというやつだった。
幼稚園に入るまでに、私は平仮名の読み書きを教えられ、幼稚園生の頃から、英語と算数を教わっていた。
私も周りの普通の子供たちと同じように遊びたかったが、お母さんを喜ばせるため、勉強に没頭した。
物心ついた頃には、お父さんが仕事ではなく、教え子の女子大生と遊んでいるために、家に寄り付かないようだ、ということが分かってきた。
お母さんは、そんな鬱憤を晴らすかのように、ますます厳しく私の勉強を指導した。
ーー勉強は嫌いじゃないけど、少しは遊んでハメを外したい。
そんな私の思いを口に出すことなんてできなかったが、厳しいお母さんに対して不満を持つこともゼロではなかった。
ーー世間体を気にせず、別れればいいのに。
不満が募るとそう思わないこともない。
大学教授の妻というポジションが譲れないのか、若い女に負けることが嫌なのか、何が理由なのかは分からないが、離婚の決断ができない母。
父と母に、お互い気持ちがないのは明らか。
それなら一緒にいなければいいと思うのは、私が子供だからだろうか。
そんな両親を見て育った私は誓う。
私は両親のような冷え切った夫婦生活を送らないよう、お互いこの人しかいない、と思えるような人と結婚する。
ただ、学校では部活にも入らず、遊びもせず、ひたすら勉強だけをする私。
友達もほとんどできず、結婚どころか、恋の気配すら感じなかった。
そんな生活に不満を持っていたが、普通の暮らしを送れていただけで贅沢だったということを、高校で思い知らされる。
勉強だけをバカみたいにしてきたおかげで、私は全国でも有数の名門高校に、特待生扱いで入学することができた。
この学校に入るには、飛び抜けて勉強か運動ができるか、家柄かお金に恵まれた家庭に生まれるかのどちからが必要だった。
ただ、家柄もしくはお金に恵まれて育った人間は、そうでない人間を見下していた。
医者の息子。
政治家の息子。
どこかの会社の社長の息子。
そういった人たちは、特待生で入ってきた普通の家の生まれの生徒たちをターゲットに、集団でいじめを繰り返していた。
能力が劣っていることに対する、僻みもあったのかもしれない。
……そんなこと、口が裂けても言えないが。
地味なガリ勉女。
それが小学生の頃からの私に対する周囲の評価だ。
私自身、それ以上でもそれ以下でもないと思っている。
通常ならイジメのターゲットになっていてもおかしくないステータスだが、幸い、中学までは特にイジメらしいイジメは受けなかった。
後から聞いたところだと、無口で近寄りがたい雰囲気が、私にはあったらしい。
別段、意識していたつもりはないが、その評価には感謝すべきだったのだろう。
おかげでイジメとは無縁の生活が送れたのだから。
高校に入学してすぐに、これまで私を守ってくれていた近寄りがたい雰囲気という名のバリアが、意味をなさない相手と遭遇する。
「ねえ、お金かしてくれない?」
今まで話したこともない、クラスのリーダー格の女子からそう言われた。
どこかの大手企業の創始者の家系で、お金は私なんかより遥かに持っているはずだった。
男子二人、女子二人の計四人を従えながら迫ってきたリーダー格の女子を前に、私は返答に困った。
私のお母さんは勉強だけでなく、生活習慣にも厳しい。
お金を持つと遊ぶから、ということで、小遣いは一円もなく、緊急時のために最低限のお金を持たされているだけだからだ。
そもそも、私のような一般人からわざわざ巻き上げなくても困らないだけのお金を、この女子は持っているはずだ。
「貸せるようなお金を持っていません」
事実をそのまま伝えたところ、癇に障ったようだった。
「ああっ?」
普通の女子なら絶対使わないような言葉で疑問の声を上げた後、リーダー格の女子は、私の胸ぐらを掴む。
暴力沙汰とは無縁だった私は、恐怖で震え上がる。
「いいから寄越せ!」
リーダー格の女子から怒鳴りつけられた私は、恐ろしさのあまり、「反抗しよう」だとか「逃げよう」という発想すらなく、言われるがままに財布を出す。
私の手からふんだくるように財布を奪い取ったリーダー格の女子は、財布の中身を見て驚きの表情を見せる。
「マジか、お前。今時小学生でももっと持ってるじゃん」
そう言った後、リーダー格の女子は、なぜか私の全身を、上から下まで凝視する。
お金は持ってないのだから、さっさと諦めてよ、という私の思いは、その後の発言で踏みにじられた。
「胸はないけど、顔は悪くないし、小さくて細いっていうのは需要もあるし」
リーダー格の女子は、私の顎に手を当ててこう言った。
「身体売って金稼げよ」
「え?」
リーダー格の女子の言っている意味が分からず、私は思わず聞き返してしまう。
身体を売る?
なぜそんなことをしなければならないのか。
私は今、お金なんか必要ない。
この人たちのことなんて全く知らない。
知らない人たちにお金を提供するために、なぜ私が身体なんて売らなければならないのか。
あまりにも理不尽な要求に、臆病者の私も流石に反論する。
「い、いやです!」
私の言葉を聞いたリーダー格の女子の顔が歪む。
先ほどより強い力で、再度胸ぐらが掴まれる。
ーーパシッーー
音が鳴り響いてからしばらく時間を置いて、左頬がヒリヒリとするのを感じる。
その痛みで、自分の頬が打たれたことを知った。
今まで経験したことのない、暴力。
その衝撃で私の思考は停止する。
「痛い目見たくなかったらいうことを聞けよ」
胸ぐらを掴みながら、私を睨みつけ、そう脅すリーダー格の女子。
私は恐怖のあまり、それ以上否定の言葉を放つことができなかった。
言葉の代わりに、私の目から涙が溢れてくる。
「いい歳して泣くんじゃねえよ」
さらに目つきを鋭くし、もう一度暴力を加えようとするリーダー格の女子を、取り巻きの一人の男子が宥める。
「まあまあ。こいつだっていきなり見ず知らずの奴に身体売れって言われても、すぐに『はい』なんて言えねえよ」
そんな男子をも、リーダー格の女子は睨みつける。
「こいつを庇うつもり?」
私は、一縷の望みをかけ、取り巻きの男子の方を見るが、その男子は首を横に振る。
「まさか。見た感じ多分こいつ処女だし、見ず知らずの奴にいきなり売るのはハードルが高いから、最初は知ってるやつでどうかなって話」
取り巻きの男子の発言に、興味を示すリーダー格の女子。
「知ってる奴って?」
取り巻きの男子は私の顔をちらっと見た後、ニヤッと笑う。
「うちのクラスにいるキモオタのデブだよ。あいつ、好きなアニメのキャラに似てるからってこいつのことが気に入ってるみたいでさ。あいつの家金持ちで、かなり甘やかされてるから、こいつの処女やるよって言えば、十万や二十万なら軽く出すんじゃないか?」
取り巻きの男子の提案に、リーダー格の女子は笑みを浮かべる。
「それいいわね。そうと決まれば、そのキモオタと交渉よ」
いやだ。
そんなの絶対にいやだ。
反論しようとする私を、取り巻きの女子の一人がじっと見る。
「ねえねえ。こいつ真面目ちゃんだから先生たちにチクったりしそうじゃない?」
その言葉を聞いたリーダー格の女子も、私の目をじっと見る。
「確かにね。そんなのどうとでもなるけど、めんどいのは間違いないね」
対応を考えるリーダー格の女子に、もう一人の取り巻きの女子が提案する。
「ベタだけど、裸にして写真でも撮っちゃえば?」
「捻りはないけど、それでいいか」
リーダー格の女子が頷くと、取り巻きの男子二人が、二人掛かりで私を押さえる。
叫びたいけど、力の強い高校生の男子二人に無理やり押さえつけられる恐怖のせいで、声すら出ない。
「……なんか興奮するな」
取り巻きの男子の一人が呟く。
「おいおい。ヤってもいいけど、十万払えよ」
リーダー格の女子の言葉に、取り巻きの男子の一人が頭をかく。
「いやいや。こんな女に十万払うなら、街でナンパした方がはえーよ」
「キャハハ。間違いない」
人ごとのように会話を聞きながら、気付くと私は全裸になっていた。
「それじゃあ、二人で足持ち上げて、股開こうか?」
私は二人の男子生徒に脚を抱えられ、カメラへ一番恥ずかしところを向けさせられる。
「うわっ。こいつ毛が生えてねーし。マジ引くわ」
「ホントだ。顔も体型も子供っぽいと思ってたけど、アソコまで子供だなんてウケるんだけど」
恥ずかしさと悔しさで涙が溢れてくる。
だけど私にはどうすることもできない。
隠そうにも脚は全く動かせず、手を使おうにも、すぐに抑えつけられる。
羞恥のポーズをとったまま、泣き続けるしかない。
「顔とセットで写真撮るから、笑ってピースしろ」
ついには、泣くことすら許されず、無理やり笑顔にさせられ、ピースまで強制される。
「これはインスタ映えするわ」
「確かに」
この写真を世間に流されたら、私の人生は終わる。
写真撮影が終わり、手足が自由になった私は、土下座でリーダー格の女子に懇願する。
「お願いですから先ほどの写真のデータは消してください」
そんな私を見たリーダー格の女子は、再度声を上げて笑う。
「裸で土下座とかどんだけなの?」
一通り笑った後、そんな私の頭を土足で踏みつけて、リーダー格の女子は言う。
「私は優しいからね。百万で売ってあげる。ちゃんと稼げるよう、相手も紹介してあげる。それでいいわね?」
全く良くはない。
全く良くはないが、百万円なんて大金、他の手段で用意できるはずはない。
仕方なく私は、頷く。
「……はい」
その答えを聞いたリーダー格の女子は、足を私の頭から離し、満面の笑みを浮かべる。
「はい、交渉成立。ちなみに誰かにチクったりしたら、この写真が世界中に流れることになるから」
そう言って全裸で開脚しながら笑顔でピースする私の写真を見せられる。
……こうして私は、リーダー格の女子の奴隷になった。
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