魔具師になったら何をつくろう?

アマクニノタスク

文字の大きさ
上 下
71 / 106
北の森のダンジョン編

第66話 銀素材

しおりを挟む

「よいしょ。ゲイザーさーん、ここに置いて良いですかー?」

「はーい。そこに置いておいてちょうだーい。」

「師匠これは何ですかぁ?」

「これは頭に装着するライトの魔導具だ。」

「へぇー、便利なんですかね?」

「両手が空くし、目線の先を照らすから便利なんじゃないか?」

「なるほど~。」

納品をしに坑道までやって来たのだが、なかなかに忙しそうだ。
採掘された鉱石がどんどんと運び出されてくる。


「採掘は順調そうだなぁ。」

「そうですね。色んな鉱石がいっぱいありますね!」

「そうだな。たしか銀も出てるんだっけかな?」

素材として銀は使ってみたいな。


「ゲイルさーん!ちょっと良いですかー?」

「は~い。ちょっと待っててねぇ~ん。」

暫し待っていると、ゲイルさんが坑道の奥から出て来た。


「ゲイルさん、忙しいのにすみません。」

「ガルドちゃんの為なら大丈夫よん!それで、何か御用なの?」

「はい。銀を買いたいんですけど、ここで売ってもらえますか?」

「銀鉱石なら売ってあげられるけど、精錬しないと加工出来ないわよ?」

「なるほど。銀素材はどこで買えますかね?」

「鍛治職人が精錬して武具にしたり、町長が買い取って管理しているらしいわ。」

「へぇー、サイモンの爺さんが?なんでだろ?」

「銀や金は通貨として使われているから、偽造や悪用をされないようにらしいわよ。」

「あぁー、なるほど。それなら爺さんに相談してみるか。ありがとうございました。」

「いーえ。ガルドちゃんにはお世話になっているし、また何か便利な魔導具が出来たら教えてねん。」

「はい。ではまた!」

さてと、このまま冒険者ギルドに行ってみようかな。
町まで戻り、冒険者ギルドを訪れた。
今の時間なら空いている、受付ではクラナが仕事をこなしていた。


「やぁ、クラナ。」

「あっ、ガルドさん。丁度良い時に来てくれましたね。」

「どうかしたの?」

「はい。後ほどお知らせに行く予定だったのですが、明日の昼前に会議を行うそうです。」

「そうなのか。って事は例の3人組から何か聞き出せたのかな?」

「はい。その事で話し合いたいそうです。」

「わかった。今日は爺さんはいるの?」

「生憎、今日は出掛けていますね。戻りも遅くなると聞いてます。」

「そうか。なら明日にするか。」

「何か御用でしたか?」

「うん。俺も爺さんに相談があってね。」

「伝言でもお預かりしましょうか?」

「いや、いいよ。直接言ってみるから。」

その後もクラナと世間話をしていると、入り口から大きなキノコ。ではなくて、キノコの笠を被った女性冒険者が入って来た。
依頼掲示板の前で内容を吟味しているようだ。


「クラナ、あの人は?」

「あ、あの方はリポポさんで、最近この町に来られた女性の冒険者なんです。」

「へぇ。珍しい格好をしているね。」

「なんでも帝都よりも北の遠方から旅をされて来たそうで、腕の立つ方なんですよ。」

「へぇー。そうなんだ。」

リポポさんの話をしていると、こちらを向いた。なかなか耳が良いようだ。
こちらへ会釈をされたので、クラナと会釈で返す。
リポポさんは、どことなく日本人っぽい顔の印象で和風美人とでも言うのか、派手さは無いが綺麗に整った美人さんだった。


『解析』


リポポ
狐の獣人の19歳の女性
旅の冒険者
身長158センチ
体重44キログラム
B82 W60 H85 Dカップ


おぉ!スレンダーかと思ったんだけど意外と大きいな!!
それに肌がとっても綺麗でスベスベっぽいなぁ。


「師匠、見惚れすぎですよ!」

「うへぇ!そんな事は無いぞ!!」

「ふふふ。見過ぎです。」

「クラナまで・・・見過ぎたか。」

「はい。気を付けて下さいね!」

だって、仕方ないじゃないかぁ~。
美人さんがいれば見ちゃうし~。
スリーサイズが分かるなら知りたいし~。


「師匠、分かりましたか!?」

「はいはい。」

「返事は1回ですよ!」

「はい。」

「ふふふ。2人は仲が良いですね。」

俺はちょっと不貞腐れながら家へと戻った。
そして、その日の午後も闇の魔力について研究を続けた。
心に若干の闇を抱えた所為なのか、なんだか闇の魔力との親和性が高いように感じた。
これなら考えていた実験も上手くいきそうだ。
この日は夕食を食べるのも忘れて、実験に没頭してしまった。
目覚めた時にはベッドの上で朝だった。
いつの間にか自分でベッドに入ったみたいだが、記憶がないなぁ。
もうちょっとだけ、寝ておこうかな。
俺は再び夢の世界へと旅立った。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

初期ステータスが0!かと思ったら、よく見るとΩ(オメガ)ってなってたんですけどこれは最強ってことでいいんでしょうか?

夜ふかし
ファンタジー
気がついたらよくわからない所でよくわからない死を司る神と対面した須木透(スキトオル)。 1人目は美味しいとの話につられて、ある世界の初転生者となることに。 転生先で期待して初期ステータスを確認すると0! かと思いきや、よく見ると下が開いていたΩ(オメガ)だった。 Ωといえば、なんか強そうな気がする! この世界での冒険の幕が開いた。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

異世界転生漫遊記

しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は 体を壊し亡くなってしまった。 それを哀れんだ神の手によって 主人公は異世界に転生することに 前世の失敗を繰り返さないように 今度は自由に楽しく生きていこうと 決める 主人公が転生した世界は 魔物が闊歩する世界! それを知った主人公は幼い頃から 努力し続け、剣と魔法を習得する! 初めての作品です! よろしくお願いします! 感想よろしくお願いします!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

巻き込まれた薬師の日常

白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。

処理中です...