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北の森のダンジョン編
第66話 銀素材
しおりを挟む「よいしょ。ゲイザーさーん、ここに置いて良いですかー?」
「はーい。そこに置いておいてちょうだーい。」
「師匠これは何ですかぁ?」
「これは頭に装着するライトの魔導具だ。」
「へぇー、便利なんですかね?」
「両手が空くし、目線の先を照らすから便利なんじゃないか?」
「なるほど~。」
納品をしに坑道までやって来たのだが、なかなかに忙しそうだ。
採掘された鉱石がどんどんと運び出されてくる。
「採掘は順調そうだなぁ。」
「そうですね。色んな鉱石がいっぱいありますね!」
「そうだな。たしか銀も出てるんだっけかな?」
素材として銀は使ってみたいな。
「ゲイルさーん!ちょっと良いですかー?」
「は~い。ちょっと待っててねぇ~ん。」
暫し待っていると、ゲイルさんが坑道の奥から出て来た。
「ゲイルさん、忙しいのにすみません。」
「ガルドちゃんの為なら大丈夫よん!それで、何か御用なの?」
「はい。銀を買いたいんですけど、ここで売ってもらえますか?」
「銀鉱石なら売ってあげられるけど、精錬しないと加工出来ないわよ?」
「なるほど。銀素材はどこで買えますかね?」
「鍛治職人が精錬して武具にしたり、町長が買い取って管理しているらしいわ。」
「へぇー、サイモンの爺さんが?なんでだろ?」
「銀や金は通貨として使われているから、偽造や悪用をされないようにらしいわよ。」
「あぁー、なるほど。それなら爺さんに相談してみるか。ありがとうございました。」
「いーえ。ガルドちゃんにはお世話になっているし、また何か便利な魔導具が出来たら教えてねん。」
「はい。ではまた!」
さてと、このまま冒険者ギルドに行ってみようかな。
町まで戻り、冒険者ギルドを訪れた。
今の時間なら空いている、受付ではクラナが仕事をこなしていた。
「やぁ、クラナ。」
「あっ、ガルドさん。丁度良い時に来てくれましたね。」
「どうかしたの?」
「はい。後ほどお知らせに行く予定だったのですが、明日の昼前に会議を行うそうです。」
「そうなのか。って事は例の3人組から何か聞き出せたのかな?」
「はい。その事で話し合いたいそうです。」
「わかった。今日は爺さんはいるの?」
「生憎、今日は出掛けていますね。戻りも遅くなると聞いてます。」
「そうか。なら明日にするか。」
「何か御用でしたか?」
「うん。俺も爺さんに相談があってね。」
「伝言でもお預かりしましょうか?」
「いや、いいよ。直接言ってみるから。」
その後もクラナと世間話をしていると、入り口から大きなキノコ。ではなくて、キノコの笠を被った女性冒険者が入って来た。
依頼掲示板の前で内容を吟味しているようだ。
「クラナ、あの人は?」
「あ、あの方はリポポさんで、最近この町に来られた女性の冒険者なんです。」
「へぇ。珍しい格好をしているね。」
「なんでも帝都よりも北の遠方から旅をされて来たそうで、腕の立つ方なんですよ。」
「へぇー。そうなんだ。」
リポポさんの話をしていると、こちらを向いた。なかなか耳が良いようだ。
こちらへ会釈をされたので、クラナと会釈で返す。
リポポさんは、どことなく日本人っぽい顔の印象で和風美人とでも言うのか、派手さは無いが綺麗に整った美人さんだった。
『解析』
リポポ
狐の獣人の19歳の女性
旅の冒険者
身長158センチ
体重44キログラム
B82 W60 H85 Dカップ
おぉ!スレンダーかと思ったんだけど意外と大きいな!!
それに肌がとっても綺麗でスベスベっぽいなぁ。
「師匠、見惚れすぎですよ!」
「うへぇ!そんな事は無いぞ!!」
「ふふふ。見過ぎです。」
「クラナまで・・・見過ぎたか。」
「はい。気を付けて下さいね!」
だって、仕方ないじゃないかぁ~。
美人さんがいれば見ちゃうし~。
スリーサイズが分かるなら知りたいし~。
「師匠、分かりましたか!?」
「はいはい。」
「返事は1回ですよ!」
「はい。」
「ふふふ。2人は仲が良いですね。」
俺はちょっと不貞腐れながら家へと戻った。
そして、その日の午後も闇の魔力について研究を続けた。
心に若干の闇を抱えた所為なのか、なんだか闇の魔力との親和性が高いように感じた。
これなら考えていた実験も上手くいきそうだ。
この日は夕食を食べるのも忘れて、実験に没頭してしまった。
目覚めた時にはベッドの上で朝だった。
いつの間にか自分でベッドに入ったみたいだが、記憶がないなぁ。
もうちょっとだけ、寝ておこうかな。
俺は再び夢の世界へと旅立った。
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