魔具師になったら何をつくろう?

アマクニノタスク

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町おこし編

第32話 バトル勃発!?

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宿屋の食堂は今日も賑わっていた。

「いらっしゃーい。ガルドとそちらが噂のお弟子さんかい?」

宿屋に入るとリンダさんの威勢の良い声が飛んできた。

「あ、はい。そうですね。この子がサラです。」

紹介するとサラがペコリと頭を下げた。


「まぁ!噂通りの美人さんだねぇー。そこの席をすぐに空けるから、ゆっくりして行きな!」

「じゃあ、今日のオススメを2つお願いします。」

「あいよ。」

リンダさんとリィナは忙しそうに料理を運んでいる。
料理が来るまでサラと雑談を交わす。


「そう言えば、サラのレベルはいくつなんだ?」

「レベルですか?たしか今14だったと思います。」

「え!?意外と高レベルだね。」

「そうですね。小さな頃から父に連れられてレベルを上げさせられたので・・・」

「へぇ~・・・」

話を聞くとサラの父親はマリーゴールド様の実子であり、ハーフエルフなんだと。
真面目で厳しい性格でサラの幼少期から教育には熱心だったそうだ。
エルフの血を継いでいるのでサラには立派な魔術師になってほしいと思っていたらしく、父親の範囲魔法でサラのパワーレベリングを行なっていたそうだ。


「お父さんにはこの町へ行く事は言って来たのか?」

「たぶん・・・大丈夫だと・・・」

「え。それダメなパターンのヤツでしょ!?」

「母には伝えてから来ましたので大丈夫だと思います!」


サラがアハハ~っと笑って誤魔化しているとリィナが料理を運んで来た。

「ガルドさん、こんばんは。今日のオススメのバイソンステーキですよ!」

「やぁ、リィナ。こんばんは。今日はステーキか!美味そうだ。」

「こちらが噂のお弟子さんですか?」

「うん。そんなに噂になってるの?」

「わぁー、噂通り凄く綺麗な方ですね!特に男の人達はこの噂で持ちきりですよぉ。」

「そうなんだ。まぁ、リィナも仲良くしてあげて。」

「はい!サラさん、よろしくね。」

「よろしくお願いします。」

「それじゃあ2人ともゆっくりして行って下さいね。」

リィナはまた忙しそうに仕事へ戻っていった。


「ささやかだけど、今日はサラの歓迎会だ。遠慮なく食べていいから。」

「師匠~。ありがとうございます。」

「せっかくのステーキだ。冷める前に頂こう!」

ステーキを一口食べる。
美味い!バイソンステーキが美味すぎる!!
肉は少し硬めだが、噛むと旨味が溢れてくる!
塩とハーブで上手に臭みを抑えている。

俺とサラは会話も忘れて一心にステーキを食べ尽くした。


「師匠!凄いです。凄く美味しいです!」

「あぁ、俺もこんなご馳走は久しぶりだよ。」

2人ともペロリと平らげてしまった。
せっかくの外食なのでプチ贅沢でデザートにフルーツとお茶を頼んだ。

今日のお客も落ち着いたのか、リィナはお茶とフルーツを運んで来てくれるとそのままサラとおしゃべりをしている。
美少女同士だから絵になるなぁ~なんて考えていたが、リィナにサンダルを持って来ていたのを思い出した。


「リィナ、この前に約束したサンダルを持って来たよ。」

「え!本当ですか!?」

「はい。どうぞ。」

「わぁー!ガルドさん、ありがとう!!」

「約束したしね。」

「あっ!このサンダルすごく可愛い!!」

「本当だ、可愛い!!いいなぁー。」

「ガルドさん、本当にありがとうございます。大切にします!」

「気に入ってもらえたのなら良かったよ。」

「すごく気に入っちゃいました。そうだ!お礼に今度、料理を作らせてください。」

「リィナも料理するんだ?」

「はい!お父さんの手伝いでしますよ。たまにですけどお父さんにも褒められますし。」

自慢気にリィナが胸を張る。
隠れ巨乳がプルンと揺れた。

「うむ、おいしそうだ。」

「ふふ、じゃあ今度ガルドさんのお家に作りに行きますね。」

「え!俺の家で作ってくれるの?」

「はい。出来立てを食べて欲しいですし。」

「いえいえ、リィナちゃん。師匠のお世話は私の仕事ですので大丈夫ですよ!師匠も料理は私に任せて下さい。」

「ん?サラは料理ができるのか?」

「そ、それは頑張るので大丈夫です!」

「ふふ、それなら私はお掃除をしましょうか?お掃除も得意ですよ!」

「そ、掃除なら私が!」

なんだか分からないが、美少女2人が意地の張り合いをしている。
2人にはそれぞれに料理を作ってもらう機会を作ると言うことで納得してもらった。
これはモテ期なのだろうか?
いや、勘違いだったら恥ずかしいな・・・
この事はあんまり考えないでおこう。
前世を含めてモテた経験が一切ない悲しい男の思考回路はこんな物だ。

お会計をしている時、リンダさんがニヤニヤしていた。
よく分からんが気味が悪かった。
サラと家に戻ってから、俺は趣味の時間を楽しみたいので、サラには爺ちゃんの部屋を掃除して終わったらそのまま寝てて良いと伝えた。
俺はどうするのかと聞かれたので、とりあえずもう寝ると嘘をついておいた。
サラにもまだ教えられない事はあるからね。

「師匠。今日は本当にありがとうございました。弟子にして頂き、ご馳走までして頂いて。とても感謝しております。」

「なんだよ、改まって。うん、まぁ。これからよろしくね。」

「はい!頑張りますのでよろしくお願いします。」

「うん。それじゃあ、おやすみ。」

「おやすみなさい。師匠。」
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