魔具師になったら何をつくろう?

アマクニノタスク

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町おこし編

第31話 弟子を指導しよう

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冒険者ギルドでの話し合いが終わり、爺さんから準備金としてお金も工面してもらえた。
家へと一旦帰る道中、サラは満面の笑みでスキップしている。


「師匠、この後はどうするんですか?」

クルリとサラが振り返って聞いてくる。
美少女の笑顔は破壊力が凄い。
町の男連中もサラに見惚れてやがる。


「えっと、家に戻ってから取り敢えずキリカさんの所へゴムを届けないとな。その後はゴム作りを進めないといけないしな。」

「私もゴム作りのお手伝いがしたいです!」

「うん。それよりもサラはどこに住むんだ?宿とか取っているのか?」

「え?取ってないですよ。住み込みでお世話をしない弟子なんていませんから!」

「え?」

「え?」

やっぱり一緒に住むのか・・・
部屋は・・・爺ちゃんの部屋でいいか。
あ、爺ちゃんの部屋はワイン樽を置いていたか。まぁ、しばらくは我慢してもらおう。


家に戻り工房でゴムの乾燥具合をチェックする。
加工しても大丈夫そうだ。
これでゴムシートの在庫は6足分ある。
爺さんとゴードンさんにそれぞれブーツとサンダルの見本を用意しないといけないので4足分は必要だしな。
まぁ、いいや。6足分すべてキリカさんに渡しておこう。実験用か予備に必要だろう。


「あ、そうだ。サラ、爺ちゃんの部屋を自由に使っていいから。案内するよ。」

「え!!ガルバン様のお部屋をですか!?」

「うん。しばらく使ってなかったから掃除してから使ってくれる?」

「はい!お任せください!!」

「あ、それから部屋にワイン樽が置いてあるけど、今度移動させるからしばらくは我慢してね。」

「ワイン樽ですか?師匠はそんなにワインがお好きなんですか?」

「いや、実験中なんだよ。」

「なんと!師匠は飲み物まで研究の対象にしているんですね!凄いです。」


部屋の掃除を任せている間に外出して用事を済ませようとしたが、掃除は別の時間にするので連れて行ってほしいと言ってきた。
この子は言い出したら聞かないからな。
仕方ないのでサラも連れて行く。

まずはキリカさんの所にゴムシートを届けた。
店番をしていたキリサさんがサラを見るなり話し掛け、2人はしばらく話し込んでいた。
スミスさん達からサラの事を聞いていたのだろう。
2人がガールズトークをしている間に仕事の話を済ませておこう。
スミスさんとキリカさんにゴムシートを渡して見本を2セット作ってもらう事と、余分は実験に使ってもらう事を伝える。
そうするとキリカさんから俺のブーツを靴底の滑り止め加工の参考にしたいと申し出があった。
俺のブーツと店で一番良いブーツを交換してほしいとの事だったので、有り難く交換してもらった。

あ、そう言えばリィナにサンダルをプレゼントするって言ってたんだっけ。

キリカさんと滑り止め加工の方法を打ち合わせしながら1つ仕上げてもらった。
それを女子向けの可愛いデザインのサンダルに接着してもらった。
買い取ると言ったのだが、踵の留め具の件もあるのでタダで良いと言われてしまった。

「いや、プレゼントなので支払いますよ。」

「あらぁ、サラちゃんに早速プレゼント?ガルドもやるわねぇ。」

「え?サラじゃなくてリィナにですよ?プレゼントするって約束しちゃったんで。」

「あらあら、まぁまぁ。荒れそうねぇ~。」

「え?何がですか?」

「ふふふ。いいのよ、気にしないで。」

不思議な笑みを浮かべたキリカさんに代金を支払ってから、まだ話し込んでいたサラを呼んで店を後にする。

帰り道に林檎を大量購入したのでサラにも荷物を運んでもらった。
予想外に時間を使ってしまったので、荷物を家に置いたらすぐにゴムの樹液の回収へ行かないと。

サラと2人で木桶を持って回収に行った。
樹液を採取するゴムの木を5本に増やしたので今までよりも多くの樹液が回収できた。
サラは樹液の匂いに顔をしかめていたが、多分そのうち慣れるだろう。

家に戻ると早速、ゴムを作る準備をする。
精製スキルで樹液の不純物を取り除く方法を実践してサラに教える。
魔玉作り以外に精製スキルを使った事が無かったサラはこれにも感動していた。
イメージが大切なので練習していけばサラもできるようになるだろう。

サラにも作業として林檎の果汁絞りをお願いした。
麻袋に林檎を詰めて、タライの上で踏み潰してもらう。
サラがスカートの裾を持って足踏みをするので白い太ももがチラリ、チラリとして目に毒だった。

サラが林檎潰しに夢中になっている間に鉄塊からゴムシートの型を追加で3個作る。
固有スキルは説明が面倒なのでサラにもまだ秘密にしておきたいのだ。

型に樹液を流し入れて果汁を加えてからかき混ぜる。ここは俺の指示に従ってサラに作業をやってもらった。
実際に作業ができたのでサラも満足した様子だった。

作業を終えると時間はすっかり夕食時だ。
折角なのでサラを連れて外食に行こう。
2人だけど歓迎会をしてあげよう。
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