魔具師になったら何をつくろう?

アマクニノタスク

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町おこし編

第28話 発破!

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今日はいつもよりも早く起きた。
朝からゲイ兄弟と約束があるのだ。

昨日の夕食は遅かったので朝は軽くパンとチーズで済ませる。
装備を身に付けて爆弾を竹籠で運ぶ。
朝の森を抜けてゲイ兄弟の小屋に着いた。
しかし2人はもう出かけたようだ。
俺も採掘場へ向かう。すると坑道の入り口で2人は待っていた。

「ゲイザーさん、ゲイルさん、おはようございます。」

「ガルドちゃん、おはよぉ。」

「ガルドちゃん、今日はよろしくね。それでこれからどうすればいいの?」


2人にこれからの事を説明する。
坑道の岩を爆弾で爆破するので坑道内の道具は撤収してもらった。その間に俺が爆弾を設置する。切れないように慎重に導火線を伸ばしていき、坑道の外へと出る。
少し離れた場所まで導火線を伸ばせたので3人で避難しておく。
念のため地に伏せてから絶対に良いと言うまで顔を上げないように念を押しておく。
これで準備は完了だ。

「それじゃあ、爆破します。」

「やだぁ、ドキドキするわね。」

「私はワクワクするわ。」

「いきます。3・・・2・・・1・・・発破!」

導火線に魔力を流す。
昨日よりも爆発まで時間がかかっている。
しかしここは我慢だ。

「ねぇ、ガルドちゃん。これって・・・」

「まだです。我慢なんです。」


ドゴォーーーン

坑道から土埃が突風のように噴き出た。
避難しておいて本当に良かった。

「ガ、ガルドちゃんって激しいのね・・・」

「こんなの初めて・・・」

「何言ってるんですか。見に行ってみましょう。」

坑道の様子を見ると崩落しそうな感じではなかった。鉱夫のゲイルさんもだいじそうだと言っているので、中へ進んでみる。
岩盤のあった方へと入っていくと天井が崩れていた。

「あ~、これはちょっとすぐには進めそうにないわねぇ。」

「もう少し先でしたっけ?」

「そうねぇ、でも補強しながら掘っていけば進めると思うわ。」

「そうですか。じゃあ岩がどうなったかはお預けですね。」

「そうね、後は私達に任せておいて。ガルドちゃんが頑張ってくれたから、しっかりと掘ってあげるわぁ。」

「頑張ってくださいね。」

なんかすごく疲れた気がする・・・
その後はゲイ兄弟に先日買った丸太2本分を運んでもらった。
工房まで運んでもらってから別れた。

それから一応サイモンの爺さんに報告へ行った。
爺さんとクラナが待っていてくれて顛末を話すと爺さんは明らかに落胆していた。
爺さんは新しい鉱脈が出るのをかなり期待していたとクラナがこっそりと教えてくれた。
期待させちゃってごめんね、爺さん。
まぁ、これから掘るのでまだまだ期待してて良いと思うけどね。

その後はキリカさんの工房を訪ねた。

「こんにちはー。キリカさんいますか?」

「あらまぁ、ガルド。どうしたの?」

「実はお願いがありまして。まずはこれを見て下さい。」

キリカさんにサンダルを見せると目の色が変わった。

「あら、あら、まぁ、まぁ、まぁ。」

手に取るだけじゃなく、履いちゃった。

「まぁ!まぁ、まぁ、あらー。」

歩いたり跳ねたりしている。その様子を見てキリサさんもスミスさんもこっちへ来た。

「ガルド、これは凄いわね。」

キリサさん、スミスさんも触ったり履いてみたりしている。

「この弾力のある素材は何なの?」

「ゴムと言って、木の樹液を固めた物です。それでお願いと言うのがですね。これでサンダルとブーツを作って欲しいんです。それを今度の市で売ろうと思いまして。」

昨日に作っておいたゴムの靴底と自分のブーツを渡す。

「これを接着すれば良いのね。任せてちょうだい。」

キリカさんが工房へと入っていった。

「ガルド、これは絶対に売れるぞ。大発明になるな。」

「そうね、うちでもぜひ販売したいわ。」

スミスさん、キリサさんにも好評のようだ。

「はい、ゴムは材料としてお渡ししますのでサンダルとブーツの製作をお願いできますか?それと今後の販売もお願いできれば。」

「おいおい、専売すれば大儲けだぞ?」

「いや、俺1人では量も作れませんしこればっかり作るのはつまらないので。」

「そうか。なら町長に相談して町の協力を得るのはどうだ?素材採集から製作、販売まで協力し合えば効率的にたくさん作れるだろう。」

「それはいいですね!明日にでも町長と話に行きましょうか?」

「そうだな。明日の昼にでも行くか。」

キリカさんが工房から出てくる。

「お待たせ、こんな感じでどうかしら?」

ブーツを受け取り履いてみる。
歩いたり跳ねたり、急停止してみたり。
接着の強度も問題無さそうだ。

「いいですね!接着も丈夫そうですし。」

「ええ、膠と溶接で着けてみたわ。」

「あ、このサンダルも接着して貰ってもいいですか?」

「ええ、いいわよ。」

「そうだ、サンダルをこんな感じにしたらどうですかね?」

踵の部分に短い革ベルトを付けて脱げ難くする案を伝えた。これなら働く人でも動き易くなるだろう。

「まぁ!それも良いわね!!」

サンダルは預けて加工してから明日、持って来てもらう事にした。

暗くなる前に樹液を回収して、工房に籠る。
今日は趣味の時間を多めに過ごしてしまった。
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