2 / 2
とあるネオニートの場合
しおりを挟む「あぁ~よく寝た。」
今日もめっちゃ寝たなぁ。昨日も遅くまでネトゲやってたからなぁ。
「って、ここどこ!?俺の部屋は?パソコンは?」
「やぁ、おはよう!だいぶ寝坊助だけど人間はそんなに寝なくても大丈夫だと思うよ?」
「えっ、誰?」
「僕は創造主だよ。世界を創りし者、とっても偉いんだよ?」
何?俺は寝惚けてるのか?それとも夢?
「夢ではないよ。君の人生は終わったんだよ。不健康な生活だったみたいだね。」
「嘘だ、俺はここにいるし。」
「うん。今の君は魂の状態だよ。閻魔くんの所から預かって来たんだ。」
「へっ?閻魔って閻魔大王?マジで俺は死んだの?」
「うん。寝ている間に脳の血管が詰まったらしいよ。苦しまずに死ねたんだしラッキーだったかもね。」
俺は状況を理解できず固まってしまう。
「君はかなり業が深いね。ずいぶんと好き勝手に生きてきたみたいだね。」
「へ?別に親の遺産で好きに生きるのは俺の自由なんじゃ?」
「まぁ、そうだね。ちなみに業が深い魂は転生するのに不利だよ。たぶん君の来世以降は虫か家畜かな。」
「輪廻転生ってやつ?てか、来世以降ってどういう事!?」
「来世で魂が一定基準まで浄化されていないと人間には転生出来ない決まりだからねぇ。」
「マジかよ・・・俺は何回生まれ変われば人間になれるんだよ。」
「君の行い次第だけど8回くらいじゃない?」
「そんなに・・・あなたは偉い創造主なんですよね?」
「うん、そうだよ。創造さまね!」
「創造主様のお力でなんとかならないですかね?」
創造主様はニヤリと笑う。
「まぁ、出来なくもないよ?」
「マジで!?お願いします。何でもしますから人間に転生させて下さい。」
「う~ん、そこまで言うなら。やってみても良いけど、条件があるよ?」
「はい!何でもします!!」
「あーそう。条件はね、僕の依頼する仕事を1つ達成する事だよ。」
「なんだ、そんなのお安い御用です。どんな仕事ですか?」
創造主様はニヤニヤと笑っている。
「君にはダンジョンマスターをやってもらいます!」
「へっ?ダンジョンってゲームとかラノベとかに出てくるやつ??」
「そだよ。異世界のダンジョンマスターとして頑張ってもらうから。」
創造主様は空中に現れたコンソールパネルの様な物を操作しながら淡々と返事をする。
「えっ、異世界って?」
「君達が大好きな剣と魔法の世界だよ。良かったねぇ。」
「元の日本には転生出来ないんですか?」
「うん。無理だよ。」
「そこをなんとかできませんか?」
「無理、無理!もう転生先も決めちゃったし!」
「そんな勝手なぁ!」
「何でもするって言ったし、日本に転生とは言ってなかったでしょ?ダメだよ、欲張っちゃあ。」
「でも説明も無かったし。」
「大丈夫。ダンジョンマスターの達成報酬に転生券も入れておいたし、音声ガイドも付くから。よし、これで設定はできたっと!」
創造主様がパチっと最後のキーを指で弾く。
「えっ、まさかもう行くんですか?」
「うん、僕も忙しいからね。いくよ~!」
「ちょ、ちょっとまだ心の準備が!」
「それじゃあ、頑張ってきてねー!!」
男の体が光の粒になって消えていく。
「ちょ・・と・・・て・・・」
「あはは、何言ってるかわかんないやー。」
創造主様は和かに笑いながら手を振っている。
「さてと、彼は見てて楽しめる活躍をしてくれるかなぁ?まぁ、最初はつまんないだろうしテレビでも見てよっと!」
創造主様は退屈がお嫌いなのです。
0
お気に入りに追加
11
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

必要なくなったと婚約破棄された聖女は、召喚されて元婚約者たちに仕返ししました
珠宮さくら
ファンタジー
派遣聖女として、ぞんざいに扱われてきたネリネだが、新しい聖女が見つかったとして、婚約者だったスカリ王子から必要ないと追い出されて喜んで帰国しようとした。
だが、ネリネは別の世界に聖女として召喚されてしまう。そこでは今までのぞんざいさの真逆な対応をされて、心が荒んでいた彼女は感激して滅びさせまいと奮闘する。
亀裂の先が、あの国と繋がっていることがわかり、元婚約者たちとぞんざいに扱ってきた国に仕返しをしつつ、ネリネは聖女として力を振るって世界を救うことになる。
※全5話。予約投稿済。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる