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第二章:保安部のお仕事
第一話:保安部へ行こう
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「……ちゃん」
「お兄ちゃん。朝だよ」
誰かが俺を呼ぶ声に、ゆっくりと意識が覚醒してくる。
「お兄ちゃん。起きて」
優しく揺すられ、ゆっくりと目を開けた。
「もう、やっと起きた。おはよう、お兄ちゃん」
「ああ、おはよう。サチ」
目をさますと、妹のサチが俺を見下ろして微笑んでいた。
すでに魔法学校の制服に身を包み、身だしなみもバッチリだ。
「昨日は早起きだったのに、今日は遅いね」
「ああ、昨日は寝るの遅くてなぁ」
そう言ったとたん欠伸が出る。
サチはそんな俺を見て呆れ顔だ。
「早く着替えて下りてきてね」
「ああ、分かった」
そう言ってサチは部屋から出ていく。
窓から差す光と、鳥のさえずりが心地よい。気持ちのいい朝だ。
俺はベッドから下りると、両腕を伸ばして軽くストレッチをする。
意識がすっきりしてくると、自然と視線が机の上の箱に注がれた。
「ふふ」
思わず笑みがこぼれる。
俺は箱を開け、中身を取り出した。
それは直径が3cm、長さが20cmほどの円筒形の物体で、筒の中央には小さな穴が開いている。
素材はオリハルコンとミスリルの合金だ。
中空構造になっているので重量はそれほど感じず、俺の手に吸い付くように馴染んでいる。
「俺専用……なんと良い響きか……」
これは昨晩の酒の席で、二人が俺にくれた魔道具だ。
名を『風雷棒』と言う。
普通の人がこれを使っても、穴からエアーが噴き出すだけの魔道具なんだが、我がサエキ一族の固有戦技:雷撃掌を使うと、一変する。
元々の戦技:雷撃掌はその名の通り、手のひらに雷を纏わせ相手に高電圧を浴びせる技だが、風雷棒を持って戦技:雷撃掌を使うと、プラズマ化した空気が穴から噴射され、超高温の刃を形成する凶悪な武器になるのだ。
元々のアイデアは、爺ちゃんがこの世界に召喚された時に持っていた工具で、『プラズマカッター』という鉄板などを溶断する道具らしい。
「仕事での切断用工具としても使えるから、常に持っておけ」
「お前の今の魔力量じゃ長時間は無理だからな。だが練習はしておけよ? 使えば使うだけ魔力量は増えるんだからな」
酒の回った赤ら顔で、二人がそう言っていたのを思い出す。
「勇者伝説の光の剣だぞ♪」
「浪漫武器だ、浪漫武器♪」
二人の酔っぱらいは、そう言って笑っていた。
実演までしてくれたんだ。疑う余地はないんだけど……なんだかなぁ。
「まぁいいや。今日から研修で各課の仕事を見て回るんだ。持って行って損はないよな」
俺は着替えながらそう呟き、風雷棒を持って自室を出た。
俺はリビング手前の廊下で、思わず足を止めると、呆然とその光景を見た。
「「おはようライト」」
「お、おはよう……何してんの?」
朝の挨拶をしてきた二人に挨拶を返すと、当然の疑問を口にした。
昨晩一緒に楽しく飲んだ二人が、並んで廊下に正座しているのだ。
「ライト、早く食べて仕事に行きなさい」
「あ、母さん。この状況は……」
俺はそう尋ねたが、母さんは鋭い目を父さん達にぶつけると、何も言わずにリビングへ行ってしまった。
「あ、婆ちゃん。これ……」
次に来たのは婆ちゃんだったが、婆ちゃんも同様で質問には答えてくれず、リビングに行ってしまう。
昨日はあんなに仲良さそうだったのに、これは一体……
「爺ちゃんたち、なんかしたの?」
「……」
結局二人は沈黙を守り、何も言わなかった。
朝食もあまり味がしないし空気が重い。
俺はさっさと朝食を平らげると、逃げ出す様に家を出た。
「お兄ちゃん待って」
そう言ってサチが追いかけてくる。
サチは何か知ってるかな? そう思い聞いてみたが……
「んーん、知らないよ。私が起きたらもうお父さんたち正座してたし」
「てことは、昨日の夜の件かな……」
「何かあったの?」
「いや、夜に二人がお祝いだって言って飲みに連れて行ってくれたんだよ」
「あ~良いなぁ」
「お前はまだ未成年だろ」
「う~」
「拗ねても駄目だ。で話を戻すけど、俺は仕事があるからって早めに家に戻されてな。その後二人だけでどこか行ったんだけど……色街でも行ったかな」
冗談半分だったのだが、サチを見ると「信じられない」とでも言いそうな顔で俺を見ていた。
「お兄ちゃんも行ったの?」
「行ってないよ、先に帰されたって言ったろ?」
俺だってお年頃の健康な男子だ、興味が無くはないが行った事は無い。
それに……ふっとアルナの顔が浮かぶ。
「行きたいんですか?」
「え?」
「何かそんな顔でした……」
そう言ってサチは鋭い目を俺に向け、尻尾を左右にゆっくりと揺らす。
そんなサチから、不機嫌さがありありと伝わってくる。
「まぁ興味がない事は無いけどな♪ じゃあなサチ、気を付けて行けよ!」
そう言って俺は、サチの肩をポンと叩くと駆け出した。
「もう! お兄ちゃん!」
サチはそう言って手を振り上げたがもう遅い。
最後にもう一度サチに振り返り手を振ると、俺は自身の職場である異世界電気保安協会へと向かった。
俺のこれからの職場。保安部は異世界電気保安協会の2階にあるようだ。
廊下に有った案内図に従って目的地までやってきた。扉には『保安部』の文字がある。
「ここか。しかし、勝手に入っていいのかな?」
扉の前でどうするか考えていたら、その扉から人間族の女性が出てきた。
「あ、どうも。おはようございます」
昔から「挨拶は基本」と教えられてきたせいか、つい普通に挨拶してしまった。
しかし、それが功を奏したようで、女性はにこやかに笑うと挨拶を返してくれた。
「おはようございます。お客様ですか?」
「いえ、今日から四課に配属になった――」
「おお、君が噂の新人君かぁ。私は二課の『クレア・ユンカース』よ。クレアでいいわ」
「よろしくお願いします。ライト・サエキです。ライトと呼んでください」
クレアと名乗った女性は、20代前半くらいの人間族で、身長は俺の肩くらい。
作業服の上からも分かる見事なものをお持ちだった。
「よろしくね。ライト君。奥に部長室があるから、そこへ行って指示を受けるといいわ」
「ありがとうございます、クレア先輩」
「あはは、じゃあね~」
クレア先輩は手をヒラヒラさせながら走って行ってしまった。
「なんか元気な人だな」
作業着姿で走り去る先輩を見送ると、俺は保安部のドアを開けた。
最初に目に飛び込んできたのは、正面に見えた大きめの窓だ。
天井では電灯付ファンがゆっくりと回っている。
保安部全体としては、大きな一つの部屋に規則正しく机が並べられ、四つの島が作られていた。
一つの島で一つの課らしく、天井からはそれぞれの課を表すプレートがぶら下げられている。
「しかし、誰もいないとは予想外だったな」
作業に出ているのか、保安部内には誰もいなかった。
とは言え、クレア先輩が部長に会えと言った以上、部長さんは居るだろう。
そう考えた俺は、部長室を探すついでに保安部内を見て回る事にする。
気になるのはやはり自分の配属先、保安四課だ。
四課の島は直ぐに見つかった。
まぁプレートで表示させてるんだから当然だけど。
「しかしこれは……」
一言で言うと……汚い。
他の課に比べ、机の上が圧倒的に汚いのだ。
書類が山と積まれ、引き出しからも何かがはみ出している。
そしてもう一つ、気になるものがあった。
「これって……血か?……」
一つの机にべっとりと付着した赤い血痕。
それに気を取られ、俺は背後に立つ人物に全く気が付かなかった……
「お兄ちゃん。朝だよ」
誰かが俺を呼ぶ声に、ゆっくりと意識が覚醒してくる。
「お兄ちゃん。起きて」
優しく揺すられ、ゆっくりと目を開けた。
「もう、やっと起きた。おはよう、お兄ちゃん」
「ああ、おはよう。サチ」
目をさますと、妹のサチが俺を見下ろして微笑んでいた。
すでに魔法学校の制服に身を包み、身だしなみもバッチリだ。
「昨日は早起きだったのに、今日は遅いね」
「ああ、昨日は寝るの遅くてなぁ」
そう言ったとたん欠伸が出る。
サチはそんな俺を見て呆れ顔だ。
「早く着替えて下りてきてね」
「ああ、分かった」
そう言ってサチは部屋から出ていく。
窓から差す光と、鳥のさえずりが心地よい。気持ちのいい朝だ。
俺はベッドから下りると、両腕を伸ばして軽くストレッチをする。
意識がすっきりしてくると、自然と視線が机の上の箱に注がれた。
「ふふ」
思わず笑みがこぼれる。
俺は箱を開け、中身を取り出した。
それは直径が3cm、長さが20cmほどの円筒形の物体で、筒の中央には小さな穴が開いている。
素材はオリハルコンとミスリルの合金だ。
中空構造になっているので重量はそれほど感じず、俺の手に吸い付くように馴染んでいる。
「俺専用……なんと良い響きか……」
これは昨晩の酒の席で、二人が俺にくれた魔道具だ。
名を『風雷棒』と言う。
普通の人がこれを使っても、穴からエアーが噴き出すだけの魔道具なんだが、我がサエキ一族の固有戦技:雷撃掌を使うと、一変する。
元々の戦技:雷撃掌はその名の通り、手のひらに雷を纏わせ相手に高電圧を浴びせる技だが、風雷棒を持って戦技:雷撃掌を使うと、プラズマ化した空気が穴から噴射され、超高温の刃を形成する凶悪な武器になるのだ。
元々のアイデアは、爺ちゃんがこの世界に召喚された時に持っていた工具で、『プラズマカッター』という鉄板などを溶断する道具らしい。
「仕事での切断用工具としても使えるから、常に持っておけ」
「お前の今の魔力量じゃ長時間は無理だからな。だが練習はしておけよ? 使えば使うだけ魔力量は増えるんだからな」
酒の回った赤ら顔で、二人がそう言っていたのを思い出す。
「勇者伝説の光の剣だぞ♪」
「浪漫武器だ、浪漫武器♪」
二人の酔っぱらいは、そう言って笑っていた。
実演までしてくれたんだ。疑う余地はないんだけど……なんだかなぁ。
「まぁいいや。今日から研修で各課の仕事を見て回るんだ。持って行って損はないよな」
俺は着替えながらそう呟き、風雷棒を持って自室を出た。
俺はリビング手前の廊下で、思わず足を止めると、呆然とその光景を見た。
「「おはようライト」」
「お、おはよう……何してんの?」
朝の挨拶をしてきた二人に挨拶を返すと、当然の疑問を口にした。
昨晩一緒に楽しく飲んだ二人が、並んで廊下に正座しているのだ。
「ライト、早く食べて仕事に行きなさい」
「あ、母さん。この状況は……」
俺はそう尋ねたが、母さんは鋭い目を父さん達にぶつけると、何も言わずにリビングへ行ってしまった。
「あ、婆ちゃん。これ……」
次に来たのは婆ちゃんだったが、婆ちゃんも同様で質問には答えてくれず、リビングに行ってしまう。
昨日はあんなに仲良さそうだったのに、これは一体……
「爺ちゃんたち、なんかしたの?」
「……」
結局二人は沈黙を守り、何も言わなかった。
朝食もあまり味がしないし空気が重い。
俺はさっさと朝食を平らげると、逃げ出す様に家を出た。
「お兄ちゃん待って」
そう言ってサチが追いかけてくる。
サチは何か知ってるかな? そう思い聞いてみたが……
「んーん、知らないよ。私が起きたらもうお父さんたち正座してたし」
「てことは、昨日の夜の件かな……」
「何かあったの?」
「いや、夜に二人がお祝いだって言って飲みに連れて行ってくれたんだよ」
「あ~良いなぁ」
「お前はまだ未成年だろ」
「う~」
「拗ねても駄目だ。で話を戻すけど、俺は仕事があるからって早めに家に戻されてな。その後二人だけでどこか行ったんだけど……色街でも行ったかな」
冗談半分だったのだが、サチを見ると「信じられない」とでも言いそうな顔で俺を見ていた。
「お兄ちゃんも行ったの?」
「行ってないよ、先に帰されたって言ったろ?」
俺だってお年頃の健康な男子だ、興味が無くはないが行った事は無い。
それに……ふっとアルナの顔が浮かぶ。
「行きたいんですか?」
「え?」
「何かそんな顔でした……」
そう言ってサチは鋭い目を俺に向け、尻尾を左右にゆっくりと揺らす。
そんなサチから、不機嫌さがありありと伝わってくる。
「まぁ興味がない事は無いけどな♪ じゃあなサチ、気を付けて行けよ!」
そう言って俺は、サチの肩をポンと叩くと駆け出した。
「もう! お兄ちゃん!」
サチはそう言って手を振り上げたがもう遅い。
最後にもう一度サチに振り返り手を振ると、俺は自身の職場である異世界電気保安協会へと向かった。
俺のこれからの職場。保安部は異世界電気保安協会の2階にあるようだ。
廊下に有った案内図に従って目的地までやってきた。扉には『保安部』の文字がある。
「ここか。しかし、勝手に入っていいのかな?」
扉の前でどうするか考えていたら、その扉から人間族の女性が出てきた。
「あ、どうも。おはようございます」
昔から「挨拶は基本」と教えられてきたせいか、つい普通に挨拶してしまった。
しかし、それが功を奏したようで、女性はにこやかに笑うと挨拶を返してくれた。
「おはようございます。お客様ですか?」
「いえ、今日から四課に配属になった――」
「おお、君が噂の新人君かぁ。私は二課の『クレア・ユンカース』よ。クレアでいいわ」
「よろしくお願いします。ライト・サエキです。ライトと呼んでください」
クレアと名乗った女性は、20代前半くらいの人間族で、身長は俺の肩くらい。
作業服の上からも分かる見事なものをお持ちだった。
「よろしくね。ライト君。奥に部長室があるから、そこへ行って指示を受けるといいわ」
「ありがとうございます、クレア先輩」
「あはは、じゃあね~」
クレア先輩は手をヒラヒラさせながら走って行ってしまった。
「なんか元気な人だな」
作業着姿で走り去る先輩を見送ると、俺は保安部のドアを開けた。
最初に目に飛び込んできたのは、正面に見えた大きめの窓だ。
天井では電灯付ファンがゆっくりと回っている。
保安部全体としては、大きな一つの部屋に規則正しく机が並べられ、四つの島が作られていた。
一つの島で一つの課らしく、天井からはそれぞれの課を表すプレートがぶら下げられている。
「しかし、誰もいないとは予想外だったな」
作業に出ているのか、保安部内には誰もいなかった。
とは言え、クレア先輩が部長に会えと言った以上、部長さんは居るだろう。
そう考えた俺は、部長室を探すついでに保安部内を見て回る事にする。
気になるのはやはり自分の配属先、保安四課だ。
四課の島は直ぐに見つかった。
まぁプレートで表示させてるんだから当然だけど。
「しかしこれは……」
一言で言うと……汚い。
他の課に比べ、机の上が圧倒的に汚いのだ。
書類が山と積まれ、引き出しからも何かがはみ出している。
そしてもう一つ、気になるものがあった。
「これって……血か?……」
一つの机にべっとりと付着した赤い血痕。
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