女心なんて俺が知るはずないじゃないですか

ep10.お前らっ。

初日

甘い朝を期待するも、嫁に寝起きの悪さを叱られる


２日目

今度こそ甘い朝をと期待するも、髭が痛いと朝チューを断られる


３日目

帰宅後、嫁の飯にマヨネーズをかけ食べようとしたらキレられた


４日目

俺休み、嫁仕事。なので、久々のゲームを堪能してたら嫁帰宅後、
やることやってから遊べと怒られる


５日目

何食べたいと聞かれたので、お茶漬けと答えたら機嫌が悪くなる


６日目

トイレで隠れてゲームしてるのをなぜかバレ、こそこそするなと怒られる


７日目

嫁休み、俺仕事。
寝ている嫁を起こさずに仕事行ったら、嫁がなぜか帰宅後ずっとベッドに引きこもっていた。






以上、俺の甘酸っぱい新婚生活１週間でした。


………。




「俺、俺、嫁のことが分からないっ！！！」



「なっ、落ち着け直人！？リア充のお前が泣くのは良くないっ。」


「そうだぞ、直人。ってか、彼女もいない俺らに夢も希望もないこと言うんじゃないっ！」


「っ！？後原、今お前、ヒムちゃんが彼女じゃないって認めたのか？」

神ちゃんの言葉に後原はハッとし３，５DSを抱きしめる。
「ヒムちゃん、聞かないで。聞かないでーっ。」




いつものやり取り。



「誰に相談すればいい？そう考えたとき、俺にはお前らしかいなかったんだ。」

言葉が漏れる。



２人は黙って俺をみた。


神ちゃんはしばらく考え
「直人、確かにこれはお前だけの問題ではない。
　
　アッチの世界でのスキルしかない俺らのうち一人が結婚できたのは奇跡だ。お前は俺らのストレスであると同時に希望だ。」



後原も３，５DSをそっと閉じる。
「そうだな。この際だからカミングアウトするけど、女よりもゲーム好きキャラじゃないんだ、俺。ただ、本物の女を前にすると心のスイッチがOFFになってゲームに逃げてしまっていただけだった。でも、恋愛ゲーで鍛えたスキル、友の為に使えるなら本望だ。」


「お前ら！」



神谷は細めを更に細める。
「さぁ、直人っ。作戦会議といこうか？」