機械虫の地平

登美川ステファニイ

文字の大きさ
上 下
18 / 42
碧眼の魔性

第十七話 針の一撃

しおりを挟む
 蜂は一ターフ1.8mの高さで滞空しながら、俺たちの様子を見ているようだった。もし野良のスズメバチなら、気まぐれに方向を変えて飛び去ったかもしれない。しかしこいつは、デスモーグの技術で操られたスズメバチだ。目も真っ赤な攻撃色だ。俺たちを見逃してはくれないだろう。
「アレックス。そのデスモーグの装置を壊せないのか? 虫を操っている信号を止めれば……」
「どうだろうな。しかし、やる価値はあるか」
 アレックスはゆっくりと後ろに下がり、デスモーグの右腕を踏みつけた。ガラスの割れる様な音が響く。だがその音にスズメバチが反応し、ガチガチと牙を鳴らし始めた。
「どうなんだ、アレックス」
 俺はスズメバチに向かってスリングを構える。もういつ襲ってきてもおかしくない。
「破壊した。機能は停止したが、様子は変わらんな」
 変わらないどころか悪化している。少しずつこっちに近づいてきてるじゃねえか。
「蜂は俺も初めて見る。お前は?」
「私もだ。オリバーもそうだろう」
「なら言っておくが、奴はトンボほどじゃないが速い。弩もこの距離なら当たらないはずだ。撃つならもっと引き付けて……二ターフ3.6mだな」
「分かった。私が奴を引き付ける。君もスリングを撃てるようなら撃ってくれ」
 そう言い、アレックスが前に出る。歩きながら弩に新しい矢の束を押し込んでいる。
 スズメバチまで四ターフ7.2m。徐々に距離を詰める。ひょっとしてこのままいけるのか? アレックスは弩をスズメバチに向けて構える。オリバーも少し離れた位置で、交差する横方向から狙いをつけている。
 ――消えた。
 そう思った瞬間、激しい衝突音がしてアレックスが吹っ飛ばされた。スズメバチの体当たり。いや、違う。尻尾から針が飛び出している。あれでアレックスをやりやがった。
 アレックスは無事か? それを確認するより早く、オリバーが連続して弩を放つ。
 矢はほとんど視認できないほどの速度だったが、スズメバチは空中で体を躍らせるように動き、矢をすべて躱した。空中に浮く羽毛のようだ。僅かな動きで危険を回避している。
 まずい。まずいぜ。スズメバチはこんなに速くて、こんなによく動くのかよ。
 オリバーは前進しながら弩を撃ち続ける。しかし全く当たらない。
 俺も攻撃しなければ。そう思いスリングを引き絞る。今ならオリバーに意識が向いているだろう、当たるかもしれない。
 そういうのは往々にして儚い期待に終わる。そして、帯電球を撃った。
 矢よりは遅い速度だが、普通の虫なら避けられない。いけるか? そう思ったが、ほんの一シュターフ30cmの距離で身をわずかに下げ、後退してスリングを避けた。
 虫の視界は広い。死角などなかった。
 そして今ので、スズメバチは俺を殺すことにしたらしい。こっちを向きやがった。
「くっそ……どうしろってんだよ、こんな化け物」
 矢もスリングも当たらない。殴ってどうこうできる相手じゃないし、さっきの体当たりを食らえば生身の俺は簡単に死ぬだろう。そう言やアレックスは倒れたままだ。ひょっとして本当にやられたのか? 白い鎧をつけていてさえ、そのざまなのか?
「こっちに来るんじゃねえ! この蜂野郎!」
 俺はスリングを撃つ。胴体ではなく面積の広い羽根を狙うが、蜂は自分の体の大きさを熟知しているらしく、小さな移動と体のひねりで攻撃を躱していく。投網でもあれば引っかかるかもしれない。しかし、そんなものはここにはない。
 俺はスリングを撃ちながら後ろに下がる。その間もオリバーは弩で打っているが、スリングの球と矢を同時に回避している。
 スズメバチは警戒しているのか、一気に近づくことはしない。俺の後退速度と同じくらいの速さで、ゆっくりと近付いてくる。時折思い出したように牙を鳴らす。本当の蜂は巣に近づく相手に警戒の意味で牙を鳴らすらしいが、こいつは、まるでこっちに恐怖を与えるために鳴らしているかのようだった。
 足が丸いものに当たる。さっきようやく片付けた顎虫だ。その死体が邪魔で、後ろに下がれない。
 俺が足を止めると、スズメバチも進むのを止めた。来る。そう思った。蜂が胸を逸らすように体を後ろにたわめた。
「伏せろ、ウルクス!」
 アレックスの声に反射的に俺は身を伏せる。そして、スズメバチの背後から飛び掛かるアレックスの姿が見えた。弩を両手で持ち、それを思い切り振り下ろす。
 火花が散った。スズメバチは横に一回転しながら距離を取り、アレックスに向き直る。目が更に赤く光る。完全に怒らせたようだ。
 アレックスは弩を槍のように構えていた。その弩の先端からは黒い棒が伸びている。それはあの電磁ブレードという奴だった。ブレードは刀身に細く青白い電光を帯び、今もパチパチと弾けるような音を響かせている。
 スズメバチの羽根の様子がおかしかった。右の羽、上の方から白い煙が出ていた。さっきのかすったよう火花の音。あれはブレードで羽根を叩いた音のようだった。
「来い。私が相手だ」
 アレックスが挑発するように、両腕を上に挙げる。万歳だ。それに反応したのか、スズメバチは恐ろしいほどの速度でアレックスに突進する。洪水の流れのような速さと力だ。
 向かってくるスズメバチに、アレックスは真正面からブレードを突き出す。スズメバチの尾部とブレードが激突、火花が散り、金属のひしゃげる音が聞こえる。アレックスは再び後方に吹っ飛ばされ、木に体を強か打ち付ける。だがすぐに飛び起き、スズメバチの頭めがけて弩をブレードを振り降ろす。
 スズメバチは僅かに後方に下がって躱す。だがアレックスは弩をはね上げ、連続してスズメバチに攻撃を仕掛ける。
 どの攻撃も当たらないが、しかし、スズメバチが守勢に回っている。そこにオリバーの弩が放たれた。
 右胸に直撃。しかし装甲板を僅かにへこませるだけで貫けない。だが、矢が初めて当たった。
 アレックスは攻撃の手を休めない。流石のスズメバチも、このアレックスの猛攻には意識を集中せざるを得ないようだ。勝ち目が見えてきた。
 アレックスが弩ブレードで攻め、同時にオリバーが撃つ。またオリバーが撃った。今度は胴に当たり、装甲板が剥離、姿勢を崩す。そしてアレックスのブレードがスズメバチの胸に突き立てられる。
 電撃が走る。一瞬スズメバチの羽ばたきが止まり、僅かに身を沈める。だがすぐに動き出し、スズメバチは逃げるように後ろに下がり距離を取った。
 アレックスは追うことはせず、その場に留まった。肩で息をしている。無理もない。いくら白い鎧があるとはいえ、数分間全力で攻撃をし続けたのだ。
 スズメバチはこちらの様子を窺うように距離を取って滞空していた。そのまま逃げてくれればいいが、しかし、目は真っ赤なままだ。期待はできなさそうだ。
「アレックス、代われ。今度は俺が仕掛ける」
「…分かった」
 オリバーがアレックスの代わりに前に出る。アレックスは息を整え、弩を構えてスズメバチを狙う。
 俺はずっと蚊帳の外だ。しかし下手にスリングを撃っても二人の邪魔になるだろう。ここは見ているしかない。
 オリバーが速足で一気に距離を詰める。弩ブレードを前に突き出し、そのままスズメバチの胸を狙う。
 スズメバチは嫌がるように飛翔した。ブレードの届かない位置だ。そして下がりながら高度を下げ、また距離を取った。
さっきの電撃に懲りたのか、明らかにブレードを嫌がっている。つまり、効果があるという事だ。当たりさえすれば何とかなる。
 オリバーは再度弩ブレードを構えて前に出る。その足取りには恐れは微塵もない。斜め後方ではアレックスが弩を構え、いつでも撃てる態勢だ。
 一時はどうなることかと思ったが、さすがモーグ族だ。白い鎧を着ているだけのことはある。あの恐ろしいと噂のスズメバチも、二人いれば何とか退治できるわけだ。
 気を抜ける状況ではないが、しかし、俺はいくらか安心して二人の戦いを見ていることができた。
 オリバーのブレードがスズメバチに向かって突き出される。今度こそ、当たってくれ。
 噴射音。そして激しい衝突の音。何だ? スズメバチの尾部から煙が上がり、オリバーが後ろに吹っ飛ばされた。何が起きた。
 スズメバチは倒れ込んだオリバーの上に止まり、顔を下げて覗き込む。アレックスは弩で撃つが、しかし当たらない。
 目を凝らすと、スズメバチの針が無くなっていた。いや、中から……新しい針が出てくる。まさか、針を飛ばしたのか?
 さっきの噴射音、そして煙。あれは針を飛ばしたときのもので、それでオリバーは吹っ飛ばされたのか?
 動かないオリバーに興味を失ったのか、スズメバチはアレックスの方を向いて進み始めた。アレックスは弩を撃つ。しかし、当たらない。さっきと同じ状況だ。ガチガチと牙を鳴らし、スズメバチはゆっくりとアレックスに詰め寄る。
 このままでは勝ち目がないと判断したのか、アレックスは撃つのをやめ、再びブレードでの攻撃に切り替えた。前に飛びながら振り降ろす。そして上下左右に弩ブレードを振り回し、スズメバチを寄せ付けない。
 隙を見てアレックスは突きを入れる。しかし、矢と同様に僅かの動きで回避される。そして、徐々にアレックスの動きが鈍くなる。無理もない、立て続けの激しい動きなのだ。息が切れるはずだ。
 スズメバチが後方に下がる。それを追うようにアレックスは突きを入れる。
 噴射音。そして鎧を撃つ金属音が響き、アレックスの体は二ターフ3.6m程吹っ飛ばされる。針だ。今度は見えた。スズメバチの尻から、あの針が射出された。
 反則だろ、あんなの。本当のスズメバチは、刺すだけで針なんか飛ばさない。あんなもん避けられるかよ。
 そして、アレックスは立ち上がらなかった。オリバーもまだ倒れたままだ。まだ立っているのは俺と、あのスズメバチだけ。一対一さしの勝負かよ。冗談だろ。あんなもん見せられて、俺にどうしろってんだ。
 スズメバチは俺の方を見て、ゆっくりと近づいてきた。
 俺はスリングを構え、そして撃つ。帯電球は躱され、はるか後方の藪の中に落ちる。
 スリングの球は矢より遅い。弩の矢を避ける様な化け物に当たるわけがない。
「ウルクス……逃げろ!」
 アレックスが倒れたまま叫んでいる。逃げていいなら逃げるが、どうやらこのスズメバチは許してくれなさそうだ。今度ばかりは良い手が思いつかねえ。
 帯電球の効果範囲は広い。地面にぶつけて起動すればスズメバチにも当たるかもしれない。しかし一ターフ1.8m以上浮いているから、効果はかなり弱いだろう。
 もし空中で帯電球を起動させることができれば、倒せるかもしれない。しかし固いものに当てないと球は起動しない。何もない空中では、それは望むべくもない。
 だが待てよ……。俺の頭に一つの事が閃いた。あれならいけるかもしれない。宴会芸みたいなもんだが、うまく行けば、このスズメバチを倒せるかもしれない。
 スズメバチは俺に向かってガチガチと牙を鳴らす。そして体を後方にたわめる。突進の予備動作だ! 俺は咄嗟に横に飛んで地面に転がる。
 颶風が駆け抜ける。空気の塊が一気に駆け抜け、地面の細かい石や水を跳ね飛ばす。スズメバチは三ターフ5.4m程進んだところで止まり、素早く俺に向き直った。
 何度も躱せるものじゃないだろう。やるなら今しかない。
 俺は帯電球の球をスズメバチに向かって放り投げた。ゆっくりとだ。スズメバチの頭上からゆっくりと落ちていく。
 その球がスズメバチの頭の高さと同じになるあたりで、俺は狙いをつける。スズメバチじゃない。落下していく球に向かってだ。
 俺はスリングを引き絞り、呼吸を止める。外せば次はないかも知れない。スズメバチに警戒されたら二度はできない。一回きりだ。
 意識を集中する。余計な音も、何もかも、意識の外に追いやる。ただスリングの球だけを見る。撃つべき位置が、その中に見えてくる。……今だ。
 放たれた帯電球はまっすぐに球に向かって飛んでいく。スズメバチは回避しようと動くが、それよりも早く球と球がぶつかり、二つは同時に起動する。
 二つの球から放たれる電撃が幾筋もスズメバチの体を貫く。頭部を、胸を、腹を、全身を焼き尽くすように細い稲妻が空間を駆け抜ける。スズメバチは空中で羽ばたきながら、その電撃に身を焼かれていった。
 一秒ほどして電撃が収まると、スズメバチはふらふらと傾き、羽ばたきも止まり地面に斜めに突っ込んでいった。銀色の装甲はあちこちが黒く焼け焦げ、そこかしこからオイルが漏れ湯気を上げていた。
 目はまだ赤い。消えかけてはいるが、生きている。俺は凍結球を出し、それで頭を撃った。冷却液が噴出し、スズメバチの頭部から胸までが見る間に白い霜でおおわれていく。そして赤い目の光は消え、今度こそ死んだ。
「やった……のか?」
 アレックスが弩を杖のようにしながら歩いてきた。
「ああ。片付けた。宴会芸がうまくいったぜ」
「宴会芸?」
「何でもない。もう虫は来ないようだな……なら、行こうぜ。ここにアクィラはいないんだろ?」
「そうだろうな。しかし、確認したいことがある」
 そう言って、アレックスはデスモーグ族の死体に近づいた。そしてしゃがみ込み、仮面に手を触れる。カチリと音がして、仮面の金具が外れ、アレックスはデスモーグ族の死体から仮面を取り外す。
 そこには子供がいた。金色の髪、白い肌。青い目を見開いたまま、まだ幼さの残る少年が息絶えていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【本格ハードSF】人類は孤独ではなかった――タイタン探査が明らかにした新たな知性との邂逅

シャーロット
SF
土星の謎めいた衛星タイタン。その氷と液体メタンに覆われた湖の底で、独自の知性体「エリディアン」が進化を遂げていた。透き通った体を持つ彼らは、精緻な振動を通じてコミュニケーションを取り、環境を形作ることで「共鳴」という文化を育んできた。しかし、その平穏な世界に、人類の探査機が到着したことで大きな転機が訪れる。 探査機が発するリズミカルな振動はエリディアンたちの関心を引き、慎重なやり取りが始まる。これが、異なる文明同士の架け橋となる最初の一歩だった。「エンデュランスII号」の探査チームはエリディアンの振動信号を解読し、応答を送り返すことで対話を試みる。エリディアンたちは興味を抱きつつも警戒を続けながら、人類との画期的な知識交換を進める。 その後、人類は振動を光のパターンに変換できる「光の道具」をエリディアンに提供する。この装置は、彼らのコミュニケーション方法を再定義し、文化の可能性を飛躍的に拡大させるものだった。エリディアンたちはこの道具を受け入れ、新たな形でネットワークを調和させながら、光と振動の新しい次元を発見していく。 エリディアンがこうした革新を適応し、統合していく中で、人類はその変化を見守り、知識の共有がもたらす可能性の大きさに驚嘆する。同時に、彼らが自然現象を調和させる能力、たとえばタイタン地震を振動によって抑える力は、人類の理解を超えた生物学的・文化的な深みを示している。 この「ファーストコンタクト」の物語は、共存や進化、そして異なる知性体がもたらす無限の可能性を探るものだ。光と振動の共鳴が、2つの文明が未知へ挑む新たな時代の幕開けを象徴し、互いの好奇心と尊敬、希望に満ちた未来を切り開いていく。 -- プロモーション用の動画を作成しました。 オリジナルの画像をオリジナルの音楽で紹介しています。 https://www.youtube.com/watch?v=G_FW_nUXZiQ

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

銀河戦国記ノヴァルナ 第3章:銀河布武

潮崎 晶
SF
最大の宿敵であるスルガルム/トーミ宙域星大名、ギィゲルト・ジヴ=イマーガラを討ち果たしたノヴァルナ・ダン=ウォーダは、いよいよシグシーマ銀河系の覇権獲得へ動き出す。だがその先に待ち受けるは数々の敵対勢力。果たしてノヴァルナの運命は?

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

No One's Glory -もうひとりの物語-

はっくまん2XL
SF
異世界転生も転移もしない異世界物語……(. . `) よろしくお願い申し上げます 男は過眠症で日々の生活に空白を持っていた。 医師の診断では、睡眠無呼吸から来る睡眠障害とのことであったが、男には疑いがあった。 男は常に、同じ世界、同じ人物の夢を見ていたのだ。それも、非常に生々しく…… 手触り感すらあるその世界で、男は別人格として、「採掘師」という仕事を生業としていた。 採掘師とは、遺跡に眠るストレージから、マップや暗号鍵、設計図などの有用な情報を発掘し、マーケットに流す仕事である。 各地に点在する遺跡を巡り、時折マーケットのある都市、集落に訪れる生活の中で、時折感じる自身の中の他者の魂が幻でないと気づいた時、彼らの旅は混迷を増した…… 申し訳ございませんm(_ _)m 不定期投稿になります。 本業多忙のため、しばらく連載休止します。

処理中です...