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琴人の第二章 醜いアヒルの子は遺伝子が優れてる

コンテストの日

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私は、遊園地の一件を忘れないでいた

何回も何回も思い出してしまう

「琴人!」

「はっ!」

「もう!何してんのよ!コンテストはもう来週まで迫っているのよ!」

そう、ピアノのコンテストに向けて、練習している……

学校のクラスメイトのみんなも応援してくれている

「頑張らないと!」

「琴人~~」

お父さんが茶化すかの如く、話しかけてくる

「ちょっと琴人は今、練習中なのよ!
邪魔しないで!」

「はーい!」

お父さんはお母さんの目を盗んで、
ちょくちょく私に声をかけてくる

「なぁ琴人、外でないか!
 なぁ琴人、休憩しないか!
 なぁ琴人、一緒にテレビ見ないか、」

こんな感じに私の練習を邪魔してくる

「ちょっと、良い加減にしなさい!」

お母さんも流石に怒ってきた

◆◇◆◇◆◇

学校に行き、帰ってきたら
ひたすらピアノを弾く

そして、当日…………


「琴人、次よ、準備しなさい!」

お母さんから声をかけられて
意識がハッキリする

コンテスト会場の裏にいる、私より前に演奏していた人たちはみんな、上手だった……

《自信がない》

「ちゃんと引きなさいよ!琴人!」

こんな時に、
さらにプレッシャーをかけてきた

「それにしても、あの人なんで来てくれないのかしら?
今日が琴人の晴れ舞台なのに!
何考えているのよ!」

お父さんは仕事で来られないようだ

「仕方ないよ、お仕事忙しんでしょ?」

そういえば、
《お父さんのお仕事って何をしてるんだろう?》

パチパチパチパチパチパチ

「はっ!」

前の人の演奏が終了した

会場は、歓喜の空気が漂ってる………

逃げ出したい!

でも、ここに来るまでに学校のクラスメイトから、応援の言葉をたくさん貰ってきた!

勇気を振り絞ろう!

「小鳥遊琴人さん!」

私の番が来た!

私はピアノの前に座り、深呼吸をする

「すぅーーっはぁーー」

鍵盤に指を置く

そして!!奏でる!!



……………………………



演奏が終わった、

無我夢中になっていて周りが見えなくなっていた

しばらく経つと……
観客席からひとつの拍手から5人、10、50、と拍手の感染が広がる……………


長いな……

前の人たちはこんなに拍手をもらっていなかったのに、なんでだろう?

「琴人ー!」

お母さんが喜んだ表情で私に話しかけてくる

「中々良かったわよ!」

「っ‼︎‼︎‼︎」

初めて、初めて、初めて
お母さんに褒めてもらった!


そして、なんと、コンテストの2位になった

やった!嬉しい

なによりも、お母さんが……

感極まって号泣して、私を抱きしめてくれた

それが、《なによりも嬉しい》


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