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琴人の第二章 醜いアヒルの子は遺伝子が優れてる

対照的な生活

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私は、今、ピアノのコンテストに出場している

私は、12歳で絶対音感を身につけた

いろんな人からエールを貰い

《私は、ここに立っている》

ある日、新しく転校した小学校で、
けんばんハーモニカを演奏していたら
先生から提案があった

「小鳥遊さん!すごいわ!初めて聞いた曲をこんなにあっさり演奏しちゃうなんて!」

私は鼻が上がっていた

こんなに、演奏を喜ばれるのは、初めてだったから

いつもは、お母さんに…

「これくらいできて当然でしょ!何喜んでるの?早く!もう一回!」

こんなことを言われるのが、当たり前だと思っていた

どれだけうまくなっても、褒められないものだと思っていた

でも、

「小鳥遊さんすごい!何で才能なんだ!」

クラスメイトからの拍手喝采が

《気持ちいい~》

◆◇◆◇◆◇

このことを、お母さんとお父さんに話した

「そう、できて当然でしょ!私の指導が優秀だからよ」

お母さんはいつも通りだ、いやいつもより機嫌がいい、喜んでくれてるのかな?

お父さんは、

「へぇ~琴人って絶対音感持ってるのか!
そいつはすげぇな!」

こんな感じだ

初対面で会った時はなんか、恐怖を感じたんだけど

少し、話してみると、結構いい人みたいだ

安心した

「ねぇ、」

お父さんが言った

「明日、遊園地に行かないか!」

急な予定だ

「なによ、遊園地って子供じゃないんだから」

お母さんがそういうと

「いいじゃん!僕たちまだ、同居してそんなに日が経ってないんだぞ!」

「そうね……いいわよ!」

あのお母さんが、お出かけを受け入れた

「よし!じゃあ決まりな、次の土曜日で、
ってどうした琴人、ぼーっとして?」

「え!?いや、なんでもないよ、あはは」

突然お出かけに行くことになり、私は唖然していた

この、私が小学1年生で、転校してから
小学生6年生になるまで、どこも出かけたことがないから

友達は沢山で来たけど、家族で遊びに行ったことは一回もなかった

「変な子ね、誰に似たのかしら?」

「お前と、僕の子だよ!」

お母さんの一言にお父さんが反応した

なんだろう?なんか凄く良い

うん!凄く幸せだ



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