妖刀

ritkun

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筆(強制リバ)

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「はあ。なんだか色々あった一日だったね」
 そう思ってるのは俺だけなのかな。さえは俺が他の人としたことなんて気にしてないのかな。
 疲れたような寂しいような気持ち。もう寝ちゃおう。

〈勉強の成果を見せてもらおうか〉
 パジャマに着替えようとTシャツを脱いでベルトを外したらさえの声が響いて手が止まる。
 勝手なこと言ってっていうモヤモヤと純粋な期待が混ざった気持ちになる。

 ベッドを見たら白衣びゃくえ姿で腰かけているさえが見える。夢なのか現実なのか分からない。
「おいで」
 体が自然と従ってしまう。フラフラとさえの前まで歩いている自分がいる。

 さえが俺のベルトを外して脱がしていってもただ立っていることしかできない。
 俺が完全に裸になるとさえが腰をずらしてベッドの真ん中へ移動する。俺もベッドに膝を乗せてさえの足の間に移動した。

 さえはまだ寝ていなくて、後ろに手をついて上体を起こしている。
葉音はおとはどうしていた?」

 白衣びゃくえの紐をほどいて、もう硬くなってるさえのを両手の指で持つ。傘を舐め上げながらリコーダーを吹くように指を動かした。

 さえの手が優しく俺の頭を撫でてから顎を持ち上げた。
「言っただろう?素直に求める庸平ようへいが見たいと。それだけだ。辻君のような真似をさせたかった訳ではない」

 脇に手を入れて引き寄せられて、自然と足をさえの外側へと移動させた。
葉音はおとをどう思った?」
 かわいいと思ったけど、そういうんじゃなくて。うまく言えない。
「責めているのではない。造作の整い具合で言えば庸平ようへいも同程度。魅力を感じたのは葉音はおとが楽しんでいたからだ。
 乱れることは罪でも恥でもない。好きに動け。」

 俺は自分の手でさえの先端を入り口に当てて体を沈めていった。
「ん、んん」
 さえが見ているのが分かる。俺が挿れやすいように少しずつ体を後ろへ倒していく。全部入った時には完全に背中がベッドについていて、葉音はおとの時と同じように両手を繋いだ。

 上下に動いているうちに、気持ちいい所へ上手く当たる動き方が分かった。このまま続けちゃっていいのかなって思ったのをさえが気付く。
「ためらうな。ここが良いんだろう?」
 さえが一回だけ突き上げる。
「あっっんん」
「自分で続けろ」

 本当は続けたいって思ってた。それを抑えてた気持ちがさえの少し意地悪な視線に貫かれて割れた気がした。
「んっ、んっ、んっ……んぁ、ぁあああっ!」

 葉音はおとがそうしたように倒れ込みたかった。でもさえが腕を完全に伸ばしたままで、まだ硬いのが自分の体重で深く刺さっている。
さえ、やす……休ませて」

「ん?ふふ、そうだな。今日は疲れただろう」
 あ、絶対やめない気だ。
「こんな時でもないと理性が勝ってしまうだろう?」
 やっぱり。





 どれくらいしてたのかもどれくらい眠ったのかも分からない。外が暗くなり始めてるからほぼ一日たったんだ。

 俺は掛け布団の上にうつ伏せに寝ている。上は裸で下はチノパン。ベルトを外したのは憶えてるけどボタンも外したのか。痛いし汚れてるけど息は楽だ。

 とりあえずシャワーを浴びよう。汗と、位置からして涎で湿ってる掛け布団と枕も洗わないと。

 重い体を動かしてなんとかリビングに出る。深雪がいない。
「深雪はまだ一度も帰ってきてないの?」
〈ああ。そろそろ帰ってくるだろう〉

 シャワーを浴びて少ししたら深雪が帰ってきた。
「お帰り。遅かったね」
「これができるの待ってた!」
 深雪は筆っぽいのを俺の目の前に出した。近すぎてよく見えない。受け取ってみると本当に筆だった。

「筆?」
葉音はおとは小豆洗いという生き物だ。尻尾で作る筆は最高級。力を底上げしてくれる。良かったな。気に入られたんじゃないか?〉
 深雪が首を振る。
「ちょっと退屈って言ってた。
 これはムリジー?したお詫びと、素材は良いんだからもう少し頑張ってっていうゲキレイだって」

〈……なんにせよ良かったじゃないか。術師なら喉から手が出る程欲しがる品だぞ〉
 さえのフッと笑う息が聞こえた。
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