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うちの子が狙われている
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手招きに嬉しそうに反応する玄樹は相変わらず子犬みたい。子犬は絶対にしないようなじゃれ方を今からすると分かっていても、子犬のような表情で俺に抱きつく。
身長は玄樹の方が10センチくらい高くても筋肉と体幹は俺の方がある。なにより玄樹は俺に抵抗する気が全くない。
俺を押し倒しそうな勢いで抱きついていようがベッドに座らせるのは簡単だった。
隣に座って玄樹のベルトを外す。
俺の腕を手首から肩に向かってゆっくりと撫でながら、従順さと期待の混ざった目で見つめてくる玄樹。
ジーンズを脱がせようとすると、俺の動きに合わせて腰を浮かせながらベッドの中央へと移動した。玄樹の背中を左手で支えながら右手で包むと反応しながら俺の胸に寄りかかってくる。
そして両手で俺のベルトを外し始めた。
「俺はいいんだよ。今日は玄樹を甘やかせるだけだから」
玄樹は手を止めない。
「じゃあ一緒に気持ち良くなりたいってワガママ聞いて?」
そんな目と声、どこで覚えてきたんだ。
玄樹の足を広げて間に入りたくなったけど、なんとか膝の置き場所を腹の外側へと軌道修正。
左右の手首をそれぞれ掴んで肩の横へと押し付けた。
「月曜日は体育があるんだろ?」
「抜き合いくらいいいでしょ?」
言ってる内容と子供がねだるような感じのギャップがたまらない。だめだ落ち着け。今その気になったら最後までしないと終われなくなる。
学校や仕事がある日の前日はしないと決めていて、連休でもなければ金曜日と土曜日しかできない。それなのに今週は土曜日に仕事、日曜日に祖父さんの家に行かなければいけなくて一度もしていない。
正直辛い。溜まってる。でも今は玄樹を癒すためにこうしてるんだ。俺が止まれなくなったら逆に負担になる。ブレーキになるように準備をさせなかった。
今の玄樹は最後までできる状態じゃないと呪文のように心の中で唱えていたら、玄樹が片膝を上げて俺の輪郭を探すようにそっと撫でた。
「っ!ばかっ!
俺がその気になったとして、その後どうするつもりなんだ?」
「口とかでいいじゃん。
なったとしてって、実際なってるよね?」
玄樹が懲りずにあの手この手で俺のを狙ってきて、いつもより格闘や鬼ごっこのようなじゃれ合いが少し続いた。
「こら!本当にダメだって!」
玄樹が俺の胴体に抱きついた。さっきと違う空気なのが分かる。
「本当の血族だって家族にはなれなかったんだよ?甘えてるだけじゃ不安になるよ。
僕で気持ち良くなって。僕から離れられなくなるくらいに」
とっくに離れられなくなってるよ。それが伝わってないことよりも、その発想が悲しかった。
「あの人たちと家族になれなかったのは玄樹が甘えたからじゃないだろ?
それにふざけるなよ。やらせてくれるなら誰でもいいとでも思ってるのか?
だったら大人になるまで律義に待ってない。学校や仕事で困らないようなやり方しかできなくても、俺がそうしたいって思うのは玄樹だからなんだぞ?」
「あ……ごめんなさい」
慌てる玄樹の後頭部と背中に手を当てて抱きしめ返した。
「離れたくないって思うならしっかり甘えてろ」
「うん。
でも僕も本当に一緒に気持ち良くなりたかったし、その気になってるコウちゃんに見つめられて体が動かなくなる瞬間が好き。それが僕の甘え」
本当にどうしてこうもとことん煽ってくるのか。冷静になるために保護者モードを呼び覚ます。
「まったく。うちの子の甘え方は独特ですね」
「こういう時は『俺の玄樹』って言ってよ。もっとワイルドな目で!」
玄樹は不満そうだ。そうそう思い通りになると思うなよ。
スケジュールに恵まれて思いっきりやったことが何度かある。その経験を元に明日学校に行けるギリギリまで責めた。体力よりも精神的にやられた感がでるように顔に掛けたりして工夫しながら。
学生じゃなくなったら憶えとけよ。
身長は玄樹の方が10センチくらい高くても筋肉と体幹は俺の方がある。なにより玄樹は俺に抵抗する気が全くない。
俺を押し倒しそうな勢いで抱きついていようがベッドに座らせるのは簡単だった。
隣に座って玄樹のベルトを外す。
俺の腕を手首から肩に向かってゆっくりと撫でながら、従順さと期待の混ざった目で見つめてくる玄樹。
ジーンズを脱がせようとすると、俺の動きに合わせて腰を浮かせながらベッドの中央へと移動した。玄樹の背中を左手で支えながら右手で包むと反応しながら俺の胸に寄りかかってくる。
そして両手で俺のベルトを外し始めた。
「俺はいいんだよ。今日は玄樹を甘やかせるだけだから」
玄樹は手を止めない。
「じゃあ一緒に気持ち良くなりたいってワガママ聞いて?」
そんな目と声、どこで覚えてきたんだ。
玄樹の足を広げて間に入りたくなったけど、なんとか膝の置き場所を腹の外側へと軌道修正。
左右の手首をそれぞれ掴んで肩の横へと押し付けた。
「月曜日は体育があるんだろ?」
「抜き合いくらいいいでしょ?」
言ってる内容と子供がねだるような感じのギャップがたまらない。だめだ落ち着け。今その気になったら最後までしないと終われなくなる。
学校や仕事がある日の前日はしないと決めていて、連休でもなければ金曜日と土曜日しかできない。それなのに今週は土曜日に仕事、日曜日に祖父さんの家に行かなければいけなくて一度もしていない。
正直辛い。溜まってる。でも今は玄樹を癒すためにこうしてるんだ。俺が止まれなくなったら逆に負担になる。ブレーキになるように準備をさせなかった。
今の玄樹は最後までできる状態じゃないと呪文のように心の中で唱えていたら、玄樹が片膝を上げて俺の輪郭を探すようにそっと撫でた。
「っ!ばかっ!
俺がその気になったとして、その後どうするつもりなんだ?」
「口とかでいいじゃん。
なったとしてって、実際なってるよね?」
玄樹が懲りずにあの手この手で俺のを狙ってきて、いつもより格闘や鬼ごっこのようなじゃれ合いが少し続いた。
「こら!本当にダメだって!」
玄樹が俺の胴体に抱きついた。さっきと違う空気なのが分かる。
「本当の血族だって家族にはなれなかったんだよ?甘えてるだけじゃ不安になるよ。
僕で気持ち良くなって。僕から離れられなくなるくらいに」
とっくに離れられなくなってるよ。それが伝わってないことよりも、その発想が悲しかった。
「あの人たちと家族になれなかったのは玄樹が甘えたからじゃないだろ?
それにふざけるなよ。やらせてくれるなら誰でもいいとでも思ってるのか?
だったら大人になるまで律義に待ってない。学校や仕事で困らないようなやり方しかできなくても、俺がそうしたいって思うのは玄樹だからなんだぞ?」
「あ……ごめんなさい」
慌てる玄樹の後頭部と背中に手を当てて抱きしめ返した。
「離れたくないって思うならしっかり甘えてろ」
「うん。
でも僕も本当に一緒に気持ち良くなりたかったし、その気になってるコウちゃんに見つめられて体が動かなくなる瞬間が好き。それが僕の甘え」
本当にどうしてこうもとことん煽ってくるのか。冷静になるために保護者モードを呼び覚ます。
「まったく。うちの子の甘え方は独特ですね」
「こういう時は『俺の玄樹』って言ってよ。もっとワイルドな目で!」
玄樹は不満そうだ。そうそう思い通りになると思うなよ。
スケジュールに恵まれて思いっきりやったことが何度かある。その経験を元に明日学校に行けるギリギリまで責めた。体力よりも精神的にやられた感がでるように顔に掛けたりして工夫しながら。
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