短編集

失

ライカ

「お前は優秀だよ。世界中がお前を必要としてる」

『うん！ ありがとうパパ!! 僕を選んでくれて！ 』

「あぁ。 いっておいで」

僕はねこれから、『うちゅう 』ってところに行くんだ!!
なんで僕がいくかっていうとね、お友達といっぱい、くんれんっていうのを受けて僕が1番 出来が良かったんだって！

くんれんっていうのは、とっても苦しいし、痛くて
止めたくなるけど パパや先生に褒められるのが嬉しいから、いっぱい我慢するんだ！

「博士！ 本当にライカを行かせるんですか!?」

この人は先生。僕の大好きな人。
本当に本当に優しくて、いっぱい褒めてくれる。
あ、ちなみに博士っていうのはパパの事。

「あぁ、そうだよ。 ライカは優秀だ」

「本当に帰って来れるんですか？」 

「もちろん。」

「… ライカ、いい子だね。 お前は俺の自慢の子だ」
先生は僕を撫でてくれる。
先生の手は温かくて大好きなんだ。
パパも好きだけど 少し冷たい感じがする…。

「ライカ…ライカ。  愛してるよ」

『僕も大好きだよ先生！ 』

「お前が帰って来たら、沢山おやつをあげよう。
そしたら、もう 訓練なんてしなくていい。
俺のうちに来て、ずっと一緒に暮らそう。」

その後、僕は小さな小さな箱に入れられた。
思ったよりもずっと小さくて、上手く身動きが取れない。
でも頑張るよ。 先生の笑った顔が見たいから。
僕行ってくるよ！

「…イカっ！ ライカ！」
先生大丈夫だから、悲しそうな顔しないで 僕頑張るから。

それから、物凄く大きな音と 揺れが少し続いた。
すごく怖いけど、いっぱい我慢したんだ。
でも、しばらくすると 上手く息が吸えなくなってきた。
いつもなら すぐ終わるのに、ずっと ずっと苦しくて。
僕、こんなに我慢したんだ   また 先生、褒めてくれるよね。



ーーー

「っ…なんでっ!? どうしてだよ!? …帰って来るって 言っただろ!? 大丈夫だって！…」

「最初から、片道切符だったんだよ。 そうでも言わないと、君はライカに行かせないだろ。」

なんで、どうして？ 
帰って来たら、一緒に住むって言ったはずだろ？
片道切符ってなんだよそれ 
ずっと一緒にいるって言ったのに。

こんなに狭い箱の中に。
あぁ。硬い。とっても。どうして？ どうして？

なんで、俺はライカを救えなかった？
なんで？どうして？どうして？どうして？どうして？
どうして？どうして？どうして？どうして？


ーI love the Leica    Me was whether happinessー