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第335話 告げられる真実4
しおりを挟む「「「「「「「いただきます!」」」」」」」
7人で食事を取る。
プライベートだと私史上──最高人数記録だ。
「あら、ミリア、どうしたの? 食べていいのよ?」
2kgのパスタが運ばれてきて、山盛りのペペロンチーノを目の前にミリアが固まっている。
「う、うん、いただきます」
ミリアは恥ずかしがっているのだ。自分が人より沢山の量を食べることを、私やクレハたち以外の誰かに見られるのを、ミリアはかなり恥ずかしがる。
最初は恐る恐るとペペロンチーノを食べ始め、少し経つと「♪」と笑顔になったミリアを見て、エルセムさんが結構大きな声でボソリと呟く。
「量もだが、食べ方までトアそっくりだな。なんつうか、凄い美味そうに食う。俺もパスタ頼もっかなー」
「ひうっ……」
反射的にミリアが怯える。
するとレベッカさんが無言でエルセムさんの頭を叩いた。レベッカさん、凄くナイスだ。ベリーナイス。
昔のこと、今のことを話しながら食事をした。キサラギさんたちもミリアのお父さん達が亡くなってから、色々大変だったらしい。
ミリアは私の過去を知らないので、不思議そうに話を聞いていたが「今度ちゃんと話すわね」と言うと「ううん、無理しなくていいよ」と優しい顔で答えてくれた。
*
「──ダメです! むしろ、ここは私が払います!」
キサラギさん達が私とミリアの分までお会計をしようとしてくれるので、私は必死で止める。
「小さい頃の恩返しです。あの時の私にキサラギさん達の存在が、どれだけ支えになったか。これぐらいは払わせて貰います! 譲りません!」
つっぱる私にキサラギさん達は観念したように、少し長い息を吐き──
「分かったわ。エメレアちゃん、お言葉に甘えさせてもらいます。ご馳走さま!」
「ご馳走さま」
「ご馳走さまー」
「嬢ちゃん、ありがとな」
「依頼主ちゃん、サンキュー」
キサラギさん、レベッカさん、レイトさん、エルバさん、エルセムさんの順番でお礼を言われる。
すると、ちょこんとミリアが「これ、私の分だよ」と銀貨を2枚渡そうとしてくるが「ミリア、今日は私の奢りよ」と、それを片手で優しく制す。
えっと、えっと、と、ミリアはあたふたした後「今度は私が奢るね」と、微笑んできた。抱き締めたい。
お会計はまとめて私が、と、アトラさんに言うと「ひえー、大人ですね」と、驚かれた。
万が一の時に常備している金貨を初めてここで使う時が来た。キサラギさん達に奢れる。変だと思うかもしれないが、今の私にはそれがとても嬉しかった。
〝ハラゴシラエ〟を出ると、キサラギさん達と明日〝ルスサルペの街〟の兄さんの眠る共同墓地へ行く約束をし、私たちは帰宅した。
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