生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】

雪乃カナ

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第79話 ミリア湖4

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「──本当に申し訳ありませんでした……」

 エメレアの平謝りである。
 そして土下座である……クレハとミリアに。

「わ、わ、大丈夫だから、か、顔、上げて!」

 焦るミリアと、

「私には謝らなくて大丈夫だから。でも、エメレアちゃん、お家の中では、攻撃魔法も喧嘩もしちゃダメだよ。ここはミリアのなんだからね?」

 ド正論で叱るクレハ。

「う……はい……分かりました……」

 終始敬語でエメレアは反省の色を見せる。

「──私、お茶煎れて来るね。とにかく、ユキマサ君もエメレアちゃんも喧嘩したらダメだからね! あ、ミリア、台所借りるね?」

 台所に行くクレハに俺は「分かった」と返し。エメレアは「……はい」と反省モード継続で返事をする。

 ちなみにチラっと見えたのだが、ミリアの家には何とがあった。何か凄く久しぶりに見た気がする。

(この世界に来てからは、家の中での水は、を含めて──〝魔導具マジックアイテム〟である〝水の結晶アクア・クリュスタル〟しか使ってなかったからな)

 それに、ミリアの家の水道はを利用した、天然の水道みたいだ。外を見れば一目瞭然だが、辺りの森や湖はとても綺麗だから水質も凄く良いのだろう。

 クレハがその水を使って、お茶を煎れて来てくれた所で、俺達は皆でお茶を飲みながら一息つく。

「そーいや、エメレア。前に〝大聖女〟を遠目にだが見た事があって魔力がどうのとか言ってたよな?」

 お茶を飲みながら俺は唐突にエメレアに質問する。

「な、何よ……いきなり……それがどうしたのよ?」

 エメレアは急の質問に戸惑い気味の返事だ。

 ちなみにクレハに叱られたばかりなので、今のエメレアの返事は、普通のトーンで、凄く平和な態度だ。いいな、平和、平和最高だ。

「どんな奴だった? それと髪の色とか分かるか?」
「ど、どんな奴って言われても……見たと言っても本当にチラッと見ただけよ? 普段は〝聖教会〟の〝大聖堂〟から殆ど出てこない方だし、出てきても護衛の数が尋常じゃないから。それに髪の色はよ?」

「銀髪か……」

「な、何でを気にしてるのよ? というか、それは別に、実際に見たこと無くても誰でも知ってる事よ。貴方、本当にそんな事も知らないの?」
「……悪い。知らなかったから聞いた。忘れてくれ」

 俺が何故こんな質問をしたかと言うと──昨日、街でスレ違ったあの白フードの少女がで噂の〝大聖女〟だと考えたからだ。

 何故このタイミングで聞いたのかは、ちょうど目の前に『大聖女を見た事ある』って言ってたエメレアがいたからだ。特に他に深い意味はない。

 白いフードで顔を隠していたが、チラリと見えていたノアの髪はだった。しかもあれは、ヅラや染めた髪とかじゃなく確実に地毛だ。

(もしあの白娘が噂の〝大聖女〟なら、色々と合点がいったんだが、これは振り出しだな)

 後は号外記事にも載っていた〝白獅子〟ってのも気になるが……
 これは今度クレハにでも聞こう。

「なんなのよ……もう……」

 ムスッとするエメレアは、俺をジト目で見ながら、クレハの煎れてくれたお茶をすすっている。

「それと墓参り……場所はここから近いのか?」

 俺はここに来た当初の目的の話に戻す。

「あ、はい。お墓はお家のすぐ横にあります……!」
「そうか。それと本当に今更の質問だが、ミリアの母さんに俺は会った事は無いんだが……よければ俺も花を手向たむけさせて貰ってもいいか?」

 まあ……『ダメです』とは多分言われないだろうが、それでも念の為……俺はミリアに許可を取る。

「は、はい! お父さんとお母さんも喜んでくれると思います。よろしくお願いします……!」

 今の台詞から察すると、ミリアの母親だけでは無く、父親も一緒にそこに眠ってるんだな。

 クレハは『今日はミリアのお母さんのお墓参りなんだ』と言っていたのは、恐らく今日はミリアの母さんのと言う意味だったのだろう。

「ミリアがいいなら私は構わないわ。感謝しなさい」

 そして少し調子が戻って来てしまったエメレア。

「実は私やエメレアちゃんも、ミリアのお母さんにもお父さんにも会った事は無いんだけどね……?」

 と、苦笑いのクレハは何故か疑問系で言う。

「そうなのか?」

 いや、言われてみれば別にあり得ない話では無い。

「ミリアと私やエメレアちゃんが初めて会ったのは4年ぐらい前だから──私が12歳で、エメレアちゃんが13歳で、ミリアが8歳の頃かな? ……というかミリアと出会ってまだ4年なんだね。何だか、もっと前からずっと一緒にいたような気がするよ」

 そしてこの後、俺はこの思いもよらぬタイミングで、クレハやエメレアが如何いかにして、ミリアと出会ったかの話を3人の口から語られるのだった──。
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