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第十二章
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「しかし…これがゴーレムですか。初めて実物を見ましたね」
弔いを終えたアヤカはコアを破壊され、動きを止めたゴーレムをまじまじと見つめた。
「ゴーレムとは戦ったことあるけど、このタイプは初めてね」
「そうね。鎧を着たヤツなんて見たことないわ」
ビオラは自分の杖でゴーレムが身に纏う鎧を叩いた。
「頑丈な金属で作られているわね。かなり上質なものみたい」
リエルは自分の得物の一つであるエンハンスソードとゴーレムの鎧を見比べた。
「にしてもすげぇな。このゴーレムを魔法一発で黙らせちまうたぁな」
先程のビオラの攻撃に店長は感心した。
「だろ?胸のまな板っぷりもすげぇぜ」
「アンタも黙ってろ!」
ビオラはしゃしゃり出てきたトニーの横腹に蹴りを入れた。
「たまたま当たりどころが良かっただけよ。相手がとろかったから魔力も集中できたし」
冷静に返したビオラだが、その様子を見たリエルとトニーは目を丸くしていた。
「…何よ?」
「あ、いや…その…意外と謙虚なこと言うから…なんかビオラらしくないなーと思って…」
幼馴染の珍しい一面を見たリエルはあたふたした。
「こりゃ天変地異が起きるなオイ」
「やかましいわ!強いて言うならあの師範のせいよ!」
ハバキリ道場に滞在していた頃、リエル一行は道場主のサリアから厳しい指導を受けていたのだが、特にビオラはずぼらで慢心しやすい性格が災いし、『図に乗るな!』とか『気を緩めるな!』とことあるごとにしばかれていた。その影響にリエルとトニーは驚いたのだ。
「とにかく!まぐれはまぐれ!魔力も結構使っちゃったし、今もう一回やれなんて言われちゃ――」
『もう一回』という言葉に呼応するかのようにもう一体のゴーレムがビオラの背後の壁をぶち破って現れた。
「――へ?」
あまりのタイミングのよさにビオラは間抜けな声を出すしかできなかった。前方の近距離に新手のゴーレム。背後には先程倒したゴーレムが道を塞いでおり、間合いを取ることが出来ない。
「ビオラっ!」
リエルが剣を抜き、代わりに戦おうとしたその瞬間、ゴーレムの頭上から大量の炎が降り注いだ。
「ぬわっ!」
突然火だるまになったゴーレムに驚いたビオラは後ろに飛び退き、リエルの身体にぶつかった。不意の攻撃に驚いたかのようにゴーレムは足を止め、首を上に向けた。
「うおらあぁぁ!」
雄たけびと共に近くの建物の屋根から飛び降りた何者かがゴーレムの両肩に双剣を叩き付けた。ゴーレムの肩の関節に強い衝撃が走り、外れた両腕はそのまま地面に落下した。
「だらあぁっ!」
何者かはゴーレムのうなじから胴体を狙って双剣を突き刺した。双剣の刃は胴体内部のコアに到達し、コアに大きなダメージを受けたゴーレムは動きを止めた。
「あ、あれは…」
黒焦げになったゴーレムが前のめりに倒れ、その背後にいた人物をリエルは知っていた。冒険者ギルドのオウカ支部で揉め事を起こしかけた赤髪の少年――ドランツ・フィーブル。彼がゴーレムを倒したのだ。
弔いを終えたアヤカはコアを破壊され、動きを止めたゴーレムをまじまじと見つめた。
「ゴーレムとは戦ったことあるけど、このタイプは初めてね」
「そうね。鎧を着たヤツなんて見たことないわ」
ビオラは自分の杖でゴーレムが身に纏う鎧を叩いた。
「頑丈な金属で作られているわね。かなり上質なものみたい」
リエルは自分の得物の一つであるエンハンスソードとゴーレムの鎧を見比べた。
「にしてもすげぇな。このゴーレムを魔法一発で黙らせちまうたぁな」
先程のビオラの攻撃に店長は感心した。
「だろ?胸のまな板っぷりもすげぇぜ」
「アンタも黙ってろ!」
ビオラはしゃしゃり出てきたトニーの横腹に蹴りを入れた。
「たまたま当たりどころが良かっただけよ。相手がとろかったから魔力も集中できたし」
冷静に返したビオラだが、その様子を見たリエルとトニーは目を丸くしていた。
「…何よ?」
「あ、いや…その…意外と謙虚なこと言うから…なんかビオラらしくないなーと思って…」
幼馴染の珍しい一面を見たリエルはあたふたした。
「こりゃ天変地異が起きるなオイ」
「やかましいわ!強いて言うならあの師範のせいよ!」
ハバキリ道場に滞在していた頃、リエル一行は道場主のサリアから厳しい指導を受けていたのだが、特にビオラはずぼらで慢心しやすい性格が災いし、『図に乗るな!』とか『気を緩めるな!』とことあるごとにしばかれていた。その影響にリエルとトニーは驚いたのだ。
「とにかく!まぐれはまぐれ!魔力も結構使っちゃったし、今もう一回やれなんて言われちゃ――」
『もう一回』という言葉に呼応するかのようにもう一体のゴーレムがビオラの背後の壁をぶち破って現れた。
「――へ?」
あまりのタイミングのよさにビオラは間抜けな声を出すしかできなかった。前方の近距離に新手のゴーレム。背後には先程倒したゴーレムが道を塞いでおり、間合いを取ることが出来ない。
「ビオラっ!」
リエルが剣を抜き、代わりに戦おうとしたその瞬間、ゴーレムの頭上から大量の炎が降り注いだ。
「ぬわっ!」
突然火だるまになったゴーレムに驚いたビオラは後ろに飛び退き、リエルの身体にぶつかった。不意の攻撃に驚いたかのようにゴーレムは足を止め、首を上に向けた。
「うおらあぁぁ!」
雄たけびと共に近くの建物の屋根から飛び降りた何者かがゴーレムの両肩に双剣を叩き付けた。ゴーレムの肩の関節に強い衝撃が走り、外れた両腕はそのまま地面に落下した。
「だらあぁっ!」
何者かはゴーレムのうなじから胴体を狙って双剣を突き刺した。双剣の刃は胴体内部のコアに到達し、コアに大きなダメージを受けたゴーレムは動きを止めた。
「あ、あれは…」
黒焦げになったゴーレムが前のめりに倒れ、その背後にいた人物をリエルは知っていた。冒険者ギルドのオウカ支部で揉め事を起こしかけた赤髪の少年――ドランツ・フィーブル。彼がゴーレムを倒したのだ。
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