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番外編
魔法テレビ2
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「あ~、今日も疲れたわ…」
部屋に戻った私は雑に防具を脱ぎ捨て、ベッドに飛び込んだ。今日の任務は予想以上の激務だった。次から次へと増援がやって来るものだから、その都度斬り捨てるのはしんどかった。来るならいっぺんに来てほしいものだわ。せっかく平原という広い空間だったのだから大剣でまとめてぶった斬りたかった。
「なんかやってるかしら…」
枕のそばにあったリモコンを手に取り、テレビの電源を入れた。
『今日のゲストはファッティしのぶさんでした。ありがとうございました!』
司会の馬男がゲストのオークに挨拶をしていた。
『ありがとうだもん!』
ちょうど何かのコーナーが終わったようだった。どんなコーナーだったのかちょっと気になる。
『続きまして【うっかり!やっちゃったぜ!】のコーナーです。さっそく今日の投稿いってみましょう!』
司会は手元の箱からハガキらしき紙を取り出した。タイトルから察するに視聴者の体験談かな?
『第一強襲部隊所属、ペンネーム【ヴぁーん】さんの投稿です。どうやらこの方は吸血鬼さんのようですね』
ハガキ投稿のコーナーか。
『バニークさん、こんにちは。聞いてください。先日僕は狼男のワー君(仮名)と一緒に人間の砦襲撃の任務に就きました。吸血鬼の僕と狼男のワー君の力を合わせれば砦襲撃なんぞ二人で余裕だと高を括っておりました』
司会のバニークはハガキを読み始めた。
『ところが、襲撃の時間が昼間だったもので吸血鬼の僕は棺桶から出ることができず、ワー君は変身できなくて人間形態のままで突撃しちゃいました。まともに動けない僕達二人はいとも簡単に返り討ちにあってしまいました。今は医療区画で二人仲良く静養中です。トホホ…』
「アホか!」
思わず声が出た。司会のバニークはハガキを読み上げた後、腹を抱えて爆笑していた。
『アッハッハッハ!よくあるよくある!』
ねーよ!
『まぁ、生きて帰ることができただけでも何よりです。これを教訓にして復帰したらまた任務がんばってくださいね』
バニークはカメラ目線で穏やかに励ましの言葉を投げかけた。投稿した奴は見てたら嬉しいだろうね。
『そんなヴぁーんさんには太陽を浴びれば浴びるほど攻撃力がアップするサンシャインバッジをプレゼントいたします』
意味ねー!吸血鬼だっつってたでしょうが!
『投稿をご希望の方はハガキにネタと所属、ペンネーム、種族を記入し、魔王城各地に設置してある魔物ポストへ投函してください。たくさんの投稿お待ちしております!採用されたお方には投稿に応じた景品と私の下着をプレゼントいたします!』
バニークはカメラに手を振りながらお知らせした。下着はいらねーだろ!なんかツッコミに疲れたので私はテレビの電源を切った。
「…というか、棺桶のままでどうやって襲撃に出たのよ…?」
部屋に戻った私は雑に防具を脱ぎ捨て、ベッドに飛び込んだ。今日の任務は予想以上の激務だった。次から次へと増援がやって来るものだから、その都度斬り捨てるのはしんどかった。来るならいっぺんに来てほしいものだわ。せっかく平原という広い空間だったのだから大剣でまとめてぶった斬りたかった。
「なんかやってるかしら…」
枕のそばにあったリモコンを手に取り、テレビの電源を入れた。
『今日のゲストはファッティしのぶさんでした。ありがとうございました!』
司会の馬男がゲストのオークに挨拶をしていた。
『ありがとうだもん!』
ちょうど何かのコーナーが終わったようだった。どんなコーナーだったのかちょっと気になる。
『続きまして【うっかり!やっちゃったぜ!】のコーナーです。さっそく今日の投稿いってみましょう!』
司会は手元の箱からハガキらしき紙を取り出した。タイトルから察するに視聴者の体験談かな?
『第一強襲部隊所属、ペンネーム【ヴぁーん】さんの投稿です。どうやらこの方は吸血鬼さんのようですね』
ハガキ投稿のコーナーか。
『バニークさん、こんにちは。聞いてください。先日僕は狼男のワー君(仮名)と一緒に人間の砦襲撃の任務に就きました。吸血鬼の僕と狼男のワー君の力を合わせれば砦襲撃なんぞ二人で余裕だと高を括っておりました』
司会のバニークはハガキを読み始めた。
『ところが、襲撃の時間が昼間だったもので吸血鬼の僕は棺桶から出ることができず、ワー君は変身できなくて人間形態のままで突撃しちゃいました。まともに動けない僕達二人はいとも簡単に返り討ちにあってしまいました。今は医療区画で二人仲良く静養中です。トホホ…』
「アホか!」
思わず声が出た。司会のバニークはハガキを読み上げた後、腹を抱えて爆笑していた。
『アッハッハッハ!よくあるよくある!』
ねーよ!
『まぁ、生きて帰ることができただけでも何よりです。これを教訓にして復帰したらまた任務がんばってくださいね』
バニークはカメラ目線で穏やかに励ましの言葉を投げかけた。投稿した奴は見てたら嬉しいだろうね。
『そんなヴぁーんさんには太陽を浴びれば浴びるほど攻撃力がアップするサンシャインバッジをプレゼントいたします』
意味ねー!吸血鬼だっつってたでしょうが!
『投稿をご希望の方はハガキにネタと所属、ペンネーム、種族を記入し、魔王城各地に設置してある魔物ポストへ投函してください。たくさんの投稿お待ちしております!採用されたお方には投稿に応じた景品と私の下着をプレゼントいたします!』
バニークはカメラに手を振りながらお知らせした。下着はいらねーだろ!なんかツッコミに疲れたので私はテレビの電源を切った。
「…というか、棺桶のままでどうやって襲撃に出たのよ…?」
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