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第一章 全日本魔法剣技大会

第26話 vs火属性”極”魔法 ②

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とてつもなく広いフィールド。

東京の新宿をモチーフにしたらしいその町並みはまさしく大都会だった。

田舎育ちの俺にとって、昼の・・都会は新鮮に映った。

このフィールドでは相手が最初は見えないようになっているらしい。

九條の動きも、魔法を発動しようとしているのかさえ、本来はわからない設定になっている。

つまりは、ここは魔法師にはうってつけの場所だということだ。

だがそう甘くはない。

(「全視《フル・ビジブル》」)

俺は技を発動する。この技は、遮蔽物を透けてみることはできないが、視界の端に移るもの、本来は不可視のものをすべて感知する。

まだ俺の見える範囲には九條はいないようだ。

仕方なく、俺は近くにあった路地裏から壁をジャンプして、ビルの屋上に到達した。

ここからでも見えないものはあるが、ここならある程度は見回せるはずだ。

しかし、やはりその姿は見えなかった。

その時、

「多重大魔法『インフェルノ』!!」

突如建物近くの建物内から魔法が発動された。

当然俺は全視によって九條が魔法を操作している流れを感じたため、よけることに成功した。

魔法はビルに炸裂し、崩壊が始まる。

俺は崩壊するビルの屋上から側面を走るようにして飛び降り、

「はァ!」

九條のいた小さい建物を両断した。土煙が立ち込める。

「大魔法『イグニション』!!」

その中から火の玉が連続で射出されてきた、俺はその攻撃を、火の玉を斬り落とすことで迎撃した。

静寂が訪れる。

俺と九條はようやく同じ高さに立った。

「流石、新条さん。刀を振るっただけで建物と魔法を両断するなんて・・!」

「まだまだこんなものでは終わらせませんよ。」

「わかってます。だから、、、これならどうですか!?」

俺の足場四方向に魔法陣が出現する。

「四重大魔法『グランドファイア』+大魔法『ブレイズ』!!」

さらに俺の頭上にも魔法陣が出現した。

そのまま魔法陣は発動し、俺の周りが大爆発を起こした。

「-ッ!」

俺は刀を大振りした。その衝撃波が大魔法二つを相殺し、爆風を周囲にまき散らした。

「準決勝までの俺とは違います。ちゃんと勝たせてもらいます。」

俺はそういいながら、九條の方へ刀の切っ先を向けた。

準決勝までは必要なかった任務の本来の目的を思い起こす。

(「お前は前座なんだ。前座は大きければ大きいほど良い」)

その言葉に従ったまで。決勝は圧勝すると決めていた。

「これだけですか?」

俺は九條を挑発した。

「いいえ。まだです。洋介のためにも、こんな簡単に負けるわけにはいきません。」

その言葉を九條が発した瞬間、

俺の周りに大魔法陣とは比にならない魔法陣が形成された。

「こ、これは、!」

「極魔法『アストラルファイア』!!」

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