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第一章 全日本魔法剣技大会
第17話 親友同士の決戦 後編
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「鈴ちゃんの気持ちは分かった・・。でも、私もこの試合には負けるわけにいかない。本気で行くよ、鈴ちゃん。」
九條はそう言い、手を前に翳す。
椎名はそれを見て、武装したまま高速で九條へと近づく。
「四重大魔法『グランドファイア』!」
九條は四つの大魔法陣を手の前に出現させ、その手を地面につけた。
すると、九條の足の周りに大きな魔法陣が現れ、魔法が出現する。
四つの魔法陣からは業火が射出され、瞬く間に九條を取り囲み、バリアのようになった。
おそらく、椎名のスピードに対抗するのは厳しいと考え、自身に近づけないようにしたのだろう。
観客席からも、九條の発動した魔法によって彼女の姿は見えなくなった。
そこで、椎名が仕掛ける。
武装している足をつかって、その業火に蹴りを放った。
凄まじい衝撃音と振動が起こるが、『グランドファイア』はびくともしなかった。
すると彼女は、垂直に大ジャンプをしたかと思うと、魔法を発動させた。
「大魔法『メガフロスト』!」
瞬間、グランドファイアを含むあたり一帯が立体的な氷によって凍った。
続いて、また魔法を放つ。
「大魔法『アイスバーン』!」
すると、凍っていたものがすべてはじけ飛び、辺りに散ってしまった。
『グランドファイア』もその例外ではない。しかし、九條の姿はどこにもなかった。
氷とともに弾けた可能性もなくはないが、たぶん違う。
すると、
「やっと完成した!多重大魔法『インフェルノ』!!」
九條がそう言いながら突如椎名の背後に現れ、彼女の作った数多くの魔法陣が瞬く間に椎名の周りを取り囲み、爆音とともに爆発した。
この二人の魔力量にはかなり驚かされるが、多重魔法陣はやはり強力なようで、発動するのに時間がかかるらしい。だがそれを、違う技によって目くらましし、時間を稼いでいたというわけだ。
九條の戦略勝ちといったところだろう。
そんなことを考えていると、爆発による煙の中から、ボロボロの姿の椎名が現れた。
綺麗だった白髪もすすまみれになり、頬も黒くなっているところがあった。
「鈴ちゃん、どうしてそこまで固執するの・・?もう、私の勝ちよ・・。じゃないと鈴ちゃんが、死んでしまう、、。」
「都。情けは無用よ。それだけ私には勝つ意味があるし、よりによって都には絶対に負けるわけにはいかない。私の最大の技でいかせてもらうわ!」
椎名はそう叫んだ。
「合成大魔法『サンダーフローズン』!!!」
「それは洋介の、、。私だって!!ご、五重大魔法『フィフスブレイズ』!!」
椎名の方は合成大魔法、雷と氷を合成したものだ。こんな芸当は、そう簡単にできるものではない。椎名 鈴花は魔法操作技術においてありえないほどの才能を秘めているらしい。
二つの強力な魔法が衝突する。クライストの『グングニル』は規格外として、それでも観客席の一番上の階層まで届くぐらいには衝撃波が巻き起こっていた。
静寂が訪れる。立っていたものが勝者だ。
・・。そこに立っていたのは、綺麗な姿のままの九條 都だった。前には倒れ伏した椎名の姿もある。
「鈴ちゃん、、。魔力の限界だったんだね・・。その魔法が発動されていたら、私はたぶん負けていた・・。」
そう言いながら九條も地面に手と膝をついた。
この試合、親友同士の決戦は九條 都の勝利で幕を閉じた。
九條はそう言い、手を前に翳す。
椎名はそれを見て、武装したまま高速で九條へと近づく。
「四重大魔法『グランドファイア』!」
九條は四つの大魔法陣を手の前に出現させ、その手を地面につけた。
すると、九條の足の周りに大きな魔法陣が現れ、魔法が出現する。
四つの魔法陣からは業火が射出され、瞬く間に九條を取り囲み、バリアのようになった。
おそらく、椎名のスピードに対抗するのは厳しいと考え、自身に近づけないようにしたのだろう。
観客席からも、九條の発動した魔法によって彼女の姿は見えなくなった。
そこで、椎名が仕掛ける。
武装している足をつかって、その業火に蹴りを放った。
凄まじい衝撃音と振動が起こるが、『グランドファイア』はびくともしなかった。
すると彼女は、垂直に大ジャンプをしたかと思うと、魔法を発動させた。
「大魔法『メガフロスト』!」
瞬間、グランドファイアを含むあたり一帯が立体的な氷によって凍った。
続いて、また魔法を放つ。
「大魔法『アイスバーン』!」
すると、凍っていたものがすべてはじけ飛び、辺りに散ってしまった。
『グランドファイア』もその例外ではない。しかし、九條の姿はどこにもなかった。
氷とともに弾けた可能性もなくはないが、たぶん違う。
すると、
「やっと完成した!多重大魔法『インフェルノ』!!」
九條がそう言いながら突如椎名の背後に現れ、彼女の作った数多くの魔法陣が瞬く間に椎名の周りを取り囲み、爆音とともに爆発した。
この二人の魔力量にはかなり驚かされるが、多重魔法陣はやはり強力なようで、発動するのに時間がかかるらしい。だがそれを、違う技によって目くらましし、時間を稼いでいたというわけだ。
九條の戦略勝ちといったところだろう。
そんなことを考えていると、爆発による煙の中から、ボロボロの姿の椎名が現れた。
綺麗だった白髪もすすまみれになり、頬も黒くなっているところがあった。
「鈴ちゃん、どうしてそこまで固執するの・・?もう、私の勝ちよ・・。じゃないと鈴ちゃんが、死んでしまう、、。」
「都。情けは無用よ。それだけ私には勝つ意味があるし、よりによって都には絶対に負けるわけにはいかない。私の最大の技でいかせてもらうわ!」
椎名はそう叫んだ。
「合成大魔法『サンダーフローズン』!!!」
「それは洋介の、、。私だって!!ご、五重大魔法『フィフスブレイズ』!!」
椎名の方は合成大魔法、雷と氷を合成したものだ。こんな芸当は、そう簡単にできるものではない。椎名 鈴花は魔法操作技術においてありえないほどの才能を秘めているらしい。
二つの強力な魔法が衝突する。クライストの『グングニル』は規格外として、それでも観客席の一番上の階層まで届くぐらいには衝撃波が巻き起こっていた。
静寂が訪れる。立っていたものが勝者だ。
・・。そこに立っていたのは、綺麗な姿のままの九條 都だった。前には倒れ伏した椎名の姿もある。
「鈴ちゃん、、。魔力の限界だったんだね・・。その魔法が発動されていたら、私はたぶん負けていた・・。」
そう言いながら九條も地面に手と膝をついた。
この試合、親友同士の決戦は九條 都の勝利で幕を閉じた。
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