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第2章 氷の王子と消えた託宣
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◇
ハインリヒの姿を認めると、アンネマリーは心からほっとした。イジドーラには道なりにまっすぐ行けばたどり着くと言われたが、暗闇の中、手探りで恐々と進んできたのだ。
「あの、わたくし、イジドーラ様に言われて……」
目の前のハインリヒは驚いたように固まっている。休んでいるところにいきなりやってきて、迷惑がられているのかもしれない。勢いで来てしまったことに急に後悔がこみあげてきて、アンネマリーは咄嗟に暗く寒い通路へと逆戻りしようとした。
腕を引かれて、アンネマリーは気づくとハインリヒに唇を塞がれていた。一瞬驚いて体をこわばらせるも、すぐに力が抜けていく。
口づけながら、ハインリヒは本を一冊押し込んだ。逃げ道を塞ぐように通路が再び閉ざされていく。本棚がスライドしていく音を聞きながら、角度を変えてアンネマリーに何度も何度も口づけてくる。
「アンネマリー……会いたかった」
「ハインリヒ様……」
熱く見つめられて、アンネマリーも熱に浮かされたようにハインリヒの顔を見上げた。
「ハインリヒ様はこの通路のことをご存じだったのですか?」
いつの間にか閉められた通路を見やって、アンネマリーはハインリヒに問うた。目印の位置を見逃してしまった。それが分からないと、自分で帰ることができなくなってしまう。
「ああ……何度ここをたどって君に会いに行こうと思ったか……」
「でしたらどうして来てくださらなかったのですか? わたくし、いつだってずっとハインリヒ様にお会いしたいって思っているのに……」
拗ねたように言うと、ハインリヒは一瞬大きく目を見開いて、先ほどよりも荒々しく口づけてきた。その口づけはアンネマリーから、言葉も思考も何もかもを奪っていく。
縋りつくようにアンネマリーの体から力が抜けていった。その肩を支えると、ハインリヒは「冷たいな」とつぶやいた。暗くて寒い通路を通ってきたからだろう。羽織っていたショールもどこかに落としてきてしまった。
足元を見ると、つま先が長いガウンのすそ先から覗いていた。片方だけ靴が脱げて、普段は隠れている指先が丸見えとなっている。アンネマリーはそれに気づくと、恥ずかくなってむき出しの足を引っ込めるようにガウンの下に隠そうとした。素足を見られるなど、淑女としてあり得ないことだ。
ハインリヒはすぐさまアンネマリーを抱え上げて、居間のソファへとそっと降ろした。
「少しここで待ってて」
見上げる唇にやさしく口づけると、アンネマリーを残してハインリヒは部屋を出て行ってしまった。
ひとり残されたソファの上で、アンネマリーはしんと静まり返った部屋の中を見回した。星読みの間のような煌びやかさはないが、重厚な調度品がそろえられた王太子に相応しい広く立派な部屋だ。
今座るこのソファも歴史を感じさせるアンティークで、代々大事に受け継がれた来たであろうことが伺える。素足に感じる絨毯の肌触りもまさに一級品だ。そんなものの上に、片足とは言え裸足を乗せていることに、アンネマリーは大きな罪悪感を覚えた。
(ここはハインリヒ様でいっぱいだわ……)
部屋中からハインリヒの気配がする。この部屋でずっとハインリヒは過ごしてきたのだ。そう思うと胸が高鳴った。
しばらくするとハインリヒが隣の部屋から戻ってきた。その手には小さな桶がふたつほど抱えられている。不思議に思っているとハインリヒはそれを絨毯の上に置いて、アンネマリーの座るソファの前に片膝をついた。
「アンネマリー、足を」
「え?」
桶はほかほかと湯気を立てている。足湯にと持ってきてくれたのだろうか。そう思い当たった瞬間、ハインリヒがひょいとアンネマリーの素足をすくい上げた。
「きゃあっ」
驚きとくすぐったさで思わず身をよじる。ハインリヒは桶をひとつ引き寄せて、手に取った足をちゃぷりとその湯に浸けた。
「や、そんな、駄目です、ハインリヒ様っ」
「おとなしくして」
一国の王太子が桶に両手をつっこんで、自分の足を丹念に洗っている。その光景を前に、アンネマリーは動揺のあまり、ソファについた両手をぎゅっと握りしめた。
通路を裸足で歩いてきたせいで、湯はすぐに黒ずんだ。自分の足の汚さを見せつけられたように思えて、耐えきれなくなったアンネマリーはさらに身をよじろうとした。
そのタイミングでハインリヒは足を桶から持ち上げた。そのままタオルで指の間まで丁寧に雫をふき取っていく。そのまなざしは、ハインリヒが公務の時にしているものと全く同じ真剣なものだ。その伏せられたまつ毛の長さに、アンネマリーは思わずぽーっと見とれてしまった。
温まった足が降ろされると、ハインリヒはおもむろに反対の足を手に取った。
「いえ、こちらは汚れておりませんので!」
片方は靴が脱げることなくここまでやってきた。これ以上は無理とばかりに、アンネマリーは自身の足を引き寄せようとする。
「こんなに冷えてしまっているんだ。ほら、足を」
有無を言わさず靴を脱がされる。もう一つの桶を手前に引き寄せると、ハインリヒは同じように足を桶の中で洗い出した。湯の温かさというより、ハインリヒの言動のせいで否応なしに体温が上がっていく。
羞恥とくすぐったさが限界に達したとき、ようやく足が桶から持ち上げられる。同じように濡れた足を丹念に拭くと、ハインリヒは手の平に乗せたまま、アンネマリーの白い足をまじまじと見やった。
「あのハインリヒ様……」
早くその手を離してほしい。動悸が収まらないアンネマリーが足を引こうとした瞬間、いきなりハインリヒがその指先に口づけた。あまりのことにアンネマリーの口から小さく悲鳴が上がる。
「ハインリヒさま……!」
くすぐったくてアンネマリーは大きく身をよじった。侍女が爪を美しく整えてくれてはいるが、足先に口づけるなどあり得ない。
それなのにハインリヒは、桜色に磨かれた小さな爪に、さらに唇を寄せてくる。あまりの光景に動揺して、アンネマリーは盛大に涙目になった。その動きを止めようと腕を伸ばすと、ハインリヒは絡めるように手を握りかえしてきた。
「アンネマリーっ」
急いたように身を乗り出してきたハインリヒに唇を塞がれる。乱暴に舌を差し込まれて、アンネマリーの体は閉じ込められるようにソファの背へと沈んだ。
ハインリヒが膝元にあった桶を邪魔そうに後ろ手に押しのける。反動で中身がちゃぷりと揺れて、波の分だけ桶の外へと溢れ出た。
「んぁ、ハインリヒ様。絨毯に湯が……」
濡れた個所が高級な絨毯に暗い影を作っている。早く拭かないとしみになってしまうかもしれない。アンネマリーがそう訴えるも、ハインリヒはお構いなしに口づけを深めてくる。
「そのうち自然に乾く」
年代物の絨毯をそんなふうに扱っていいものだろうか。しかし、そんな懸念もすぐに溶かされてしまう。
ハインリヒが後頭部に手を差し入れて、アンネマリーの龍のあざを指先で撫でていく。アンネマリーは耐え難い熱に包まれて、それだけで力が入らなくなってしまった。
「んん……ハインリヒ様」
ハインリヒの片手が鎖骨から胸元に滑り落ちた。コンプレックを抱く大きすぎる胸に指がかすって、アンネマリーは思わずハインリヒの両肩を強く押し戻した。
唇が僅かに離れ、紫の瞳と見つめ合う。息を荒げたまま、ハインリヒは苦しそうに顔を歪めた。
かと思うとハインリヒはいきなりアンネマリーの膝裏をすくい上げ、その身を軽々と持ち上げた。驚きでその首筋にしがみつく。
そのまま寝室へ足を踏み入れると、ハインリヒは無言のままアンネマリーを寝台の縁へと座らせた。
「あ……」
ハインリヒが何を望んでいるのかを理解して、アンネマリーは自分の軽率さを今さらながらに後悔した。ハインリヒにただ会いたい一心で、王妃に言われるがままここに来た。夜の時間にガウンひとつ羽織った格好で来たのだ。こんな状況にだってなり得ることくらい、簡単に分かりそうなものだった。
ハインリヒの姿を認めると、アンネマリーは心からほっとした。イジドーラには道なりにまっすぐ行けばたどり着くと言われたが、暗闇の中、手探りで恐々と進んできたのだ。
「あの、わたくし、イジドーラ様に言われて……」
目の前のハインリヒは驚いたように固まっている。休んでいるところにいきなりやってきて、迷惑がられているのかもしれない。勢いで来てしまったことに急に後悔がこみあげてきて、アンネマリーは咄嗟に暗く寒い通路へと逆戻りしようとした。
腕を引かれて、アンネマリーは気づくとハインリヒに唇を塞がれていた。一瞬驚いて体をこわばらせるも、すぐに力が抜けていく。
口づけながら、ハインリヒは本を一冊押し込んだ。逃げ道を塞ぐように通路が再び閉ざされていく。本棚がスライドしていく音を聞きながら、角度を変えてアンネマリーに何度も何度も口づけてくる。
「アンネマリー……会いたかった」
「ハインリヒ様……」
熱く見つめられて、アンネマリーも熱に浮かされたようにハインリヒの顔を見上げた。
「ハインリヒ様はこの通路のことをご存じだったのですか?」
いつの間にか閉められた通路を見やって、アンネマリーはハインリヒに問うた。目印の位置を見逃してしまった。それが分からないと、自分で帰ることができなくなってしまう。
「ああ……何度ここをたどって君に会いに行こうと思ったか……」
「でしたらどうして来てくださらなかったのですか? わたくし、いつだってずっとハインリヒ様にお会いしたいって思っているのに……」
拗ねたように言うと、ハインリヒは一瞬大きく目を見開いて、先ほどよりも荒々しく口づけてきた。その口づけはアンネマリーから、言葉も思考も何もかもを奪っていく。
縋りつくようにアンネマリーの体から力が抜けていった。その肩を支えると、ハインリヒは「冷たいな」とつぶやいた。暗くて寒い通路を通ってきたからだろう。羽織っていたショールもどこかに落としてきてしまった。
足元を見ると、つま先が長いガウンのすそ先から覗いていた。片方だけ靴が脱げて、普段は隠れている指先が丸見えとなっている。アンネマリーはそれに気づくと、恥ずかくなってむき出しの足を引っ込めるようにガウンの下に隠そうとした。素足を見られるなど、淑女としてあり得ないことだ。
ハインリヒはすぐさまアンネマリーを抱え上げて、居間のソファへとそっと降ろした。
「少しここで待ってて」
見上げる唇にやさしく口づけると、アンネマリーを残してハインリヒは部屋を出て行ってしまった。
ひとり残されたソファの上で、アンネマリーはしんと静まり返った部屋の中を見回した。星読みの間のような煌びやかさはないが、重厚な調度品がそろえられた王太子に相応しい広く立派な部屋だ。
今座るこのソファも歴史を感じさせるアンティークで、代々大事に受け継がれた来たであろうことが伺える。素足に感じる絨毯の肌触りもまさに一級品だ。そんなものの上に、片足とは言え裸足を乗せていることに、アンネマリーは大きな罪悪感を覚えた。
(ここはハインリヒ様でいっぱいだわ……)
部屋中からハインリヒの気配がする。この部屋でずっとハインリヒは過ごしてきたのだ。そう思うと胸が高鳴った。
しばらくするとハインリヒが隣の部屋から戻ってきた。その手には小さな桶がふたつほど抱えられている。不思議に思っているとハインリヒはそれを絨毯の上に置いて、アンネマリーの座るソファの前に片膝をついた。
「アンネマリー、足を」
「え?」
桶はほかほかと湯気を立てている。足湯にと持ってきてくれたのだろうか。そう思い当たった瞬間、ハインリヒがひょいとアンネマリーの素足をすくい上げた。
「きゃあっ」
驚きとくすぐったさで思わず身をよじる。ハインリヒは桶をひとつ引き寄せて、手に取った足をちゃぷりとその湯に浸けた。
「や、そんな、駄目です、ハインリヒ様っ」
「おとなしくして」
一国の王太子が桶に両手をつっこんで、自分の足を丹念に洗っている。その光景を前に、アンネマリーは動揺のあまり、ソファについた両手をぎゅっと握りしめた。
通路を裸足で歩いてきたせいで、湯はすぐに黒ずんだ。自分の足の汚さを見せつけられたように思えて、耐えきれなくなったアンネマリーはさらに身をよじろうとした。
そのタイミングでハインリヒは足を桶から持ち上げた。そのままタオルで指の間まで丁寧に雫をふき取っていく。そのまなざしは、ハインリヒが公務の時にしているものと全く同じ真剣なものだ。その伏せられたまつ毛の長さに、アンネマリーは思わずぽーっと見とれてしまった。
温まった足が降ろされると、ハインリヒはおもむろに反対の足を手に取った。
「いえ、こちらは汚れておりませんので!」
片方は靴が脱げることなくここまでやってきた。これ以上は無理とばかりに、アンネマリーは自身の足を引き寄せようとする。
「こんなに冷えてしまっているんだ。ほら、足を」
有無を言わさず靴を脱がされる。もう一つの桶を手前に引き寄せると、ハインリヒは同じように足を桶の中で洗い出した。湯の温かさというより、ハインリヒの言動のせいで否応なしに体温が上がっていく。
羞恥とくすぐったさが限界に達したとき、ようやく足が桶から持ち上げられる。同じように濡れた足を丹念に拭くと、ハインリヒは手の平に乗せたまま、アンネマリーの白い足をまじまじと見やった。
「あのハインリヒ様……」
早くその手を離してほしい。動悸が収まらないアンネマリーが足を引こうとした瞬間、いきなりハインリヒがその指先に口づけた。あまりのことにアンネマリーの口から小さく悲鳴が上がる。
「ハインリヒさま……!」
くすぐったくてアンネマリーは大きく身をよじった。侍女が爪を美しく整えてくれてはいるが、足先に口づけるなどあり得ない。
それなのにハインリヒは、桜色に磨かれた小さな爪に、さらに唇を寄せてくる。あまりの光景に動揺して、アンネマリーは盛大に涙目になった。その動きを止めようと腕を伸ばすと、ハインリヒは絡めるように手を握りかえしてきた。
「アンネマリーっ」
急いたように身を乗り出してきたハインリヒに唇を塞がれる。乱暴に舌を差し込まれて、アンネマリーの体は閉じ込められるようにソファの背へと沈んだ。
ハインリヒが膝元にあった桶を邪魔そうに後ろ手に押しのける。反動で中身がちゃぷりと揺れて、波の分だけ桶の外へと溢れ出た。
「んぁ、ハインリヒ様。絨毯に湯が……」
濡れた個所が高級な絨毯に暗い影を作っている。早く拭かないとしみになってしまうかもしれない。アンネマリーがそう訴えるも、ハインリヒはお構いなしに口づけを深めてくる。
「そのうち自然に乾く」
年代物の絨毯をそんなふうに扱っていいものだろうか。しかし、そんな懸念もすぐに溶かされてしまう。
ハインリヒが後頭部に手を差し入れて、アンネマリーの龍のあざを指先で撫でていく。アンネマリーは耐え難い熱に包まれて、それだけで力が入らなくなってしまった。
「んん……ハインリヒ様」
ハインリヒの片手が鎖骨から胸元に滑り落ちた。コンプレックを抱く大きすぎる胸に指がかすって、アンネマリーは思わずハインリヒの両肩を強く押し戻した。
唇が僅かに離れ、紫の瞳と見つめ合う。息を荒げたまま、ハインリヒは苦しそうに顔を歪めた。
かと思うとハインリヒはいきなりアンネマリーの膝裏をすくい上げ、その身を軽々と持ち上げた。驚きでその首筋にしがみつく。
そのまま寝室へ足を踏み入れると、ハインリヒは無言のままアンネマリーを寝台の縁へと座らせた。
「あ……」
ハインリヒが何を望んでいるのかを理解して、アンネマリーは自分の軽率さを今さらながらに後悔した。ハインリヒにただ会いたい一心で、王妃に言われるがままここに来た。夜の時間にガウンひとつ羽織った格好で来たのだ。こんな状況にだってなり得ることくらい、簡単に分かりそうなものだった。
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