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第2章 氷の王子と消えた託宣
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「ねえ、ルチア。この後、君の行きたいところに案内させてよ」
ルチアが食べ終わる頃を見計らって、カイはルチアに先ほどの提案をもう一度した。
「でも、これ以上あなたに迷惑はかけられないわ」
「もう、乗りかかった舟だよ。それにルチア、ここがどこの通りかもわからないでしょ?」
ぐっと言葉に詰まるルチアに、カイは行儀悪く頬杖をついたまま笑いかけた。
「じゃあ、その紙だけでも見せてよ。ここからの行き方くらい教えてあげるからさ」
躊躇するようにルチアは紙を差し出してきた。カイはそれを受けとると、丁寧にその紙を開く。ルチアは不安げな様子でそれを目で追っている。大事な紙だからこその不安だろう。カイはサンドイッチの皿を押しのけて、ルチアの手の届く場所に広げて置いた。
「あれ? ここって……」
綺麗な文字で書かれた住所は、今日カイが訪ねようとしていた場所だった。
「え? もしかしてその店はもうないの!?」
ルチアが不安げに聞いてくる。その焦りようが、この場所が彼女の最後の命綱なのだと感じさせた。
「いや、今もちゃんとある店だよ。ちょっと入り組んだところにあって、わかりにくい場所にあるんだ」
その紙には「ダンのこんがり亭」と書かれており、その店のある住所も間違ってはいない。しかしなぜ、よりにもよってここなのだ?
「実はオレもここに用事があったんだ。きっと、ルチアとオレは運命で結ばれてるんだよ。だからさ、もう一緒に行こう?」
そう言いながらもカイは探るようにルチアを見た。ほっとした表情をしたのも束の間、ルチアの顔は幾度目かの胡乱なものとなる。
「同じ場所に用事だなんて、まだそんな嘘を言うのね」
「うーん、嘘じゃないんだけどなー」
困ったそぶりで思案した後、カイは店員に向かって銅貨をはじいた。
「ねえ、紙とペン貸してよ」
何の前触れもなく投げ飛ばされたコインを器用にキャッチすると、店員は一度奥に引っ込んで、それからまた顔を出した。テーブルの上に羊皮紙と羽ペンとインク壺を置いてから、無言で去っていく。
「今から契約書作るからさ、ルチアはそれに納得したらサインして」
「え? 何よそれ」
カイは紙を半分に切ると、さらさらと紙にペンを滑らせていく。同じ文面の紙が二枚出来上がると、ルチアにその紙を差し出した。
「はい、これは契約書。オレは今からダンのこんがり亭に行く。ルチアは荷物持ちね。こんがり亭につくまでオレの荷物を持つのがルチアの仕事。どう? 納得したら、二枚ともそこにサインして」
ぽかんとしながらもルチアは紙を手に取って、文字に目を通していく。その途中で小さな唇がむっとへの字に曲がった。
「なによ、この『鬱陶しいほど前髪の長い栗毛のルチア』って」
「うん? だって、ルチアについてオレが知ってるのは目の前にいる君の姿だけだからね。他のルチアって名乗る娘にそれ持ってこられると面倒でしょ?」
カイはこの紙の最後に、フルネームで署名した。どこの誰とも知らない少女にそんな紙を手渡すのは、普通ではあり得ないことだ。
「ね、悪い話じゃないでしょ? 納得したらサインしてよ。荷物持ちしてくれたら、きちんと報酬も支払うからさ」
「でも、カイは荷物なんて何も持ってないじゃない」
「ああ、これこれ。ねえ、これ持って帰るから包んでくれる?」
カイはテーブルの上のサンドイッチを指さした後、遠くにいる店員に再び声をかけた。店員は面倒くさそうにサンドイッチの皿を下げると、すぐに紙袋に入れて戻ってきた。
「これくらい荷物だなんて呼べないわ」
「あー、オレ、いいとこの坊ちゃんだからさ、羽ペンより重いもの持ったことないんだよね」
その言いようにあんぐりと口を開けたルチアは、「いいわよ、サインすればいいんでしょ! でも、この報酬は多すぎるわ。この十分の一にして」と紙をカイに押し戻した。
「え? 遠慮せずもらっといてよ」
「いやよ。理由もなく大金は受け取れないわ」
「理由ならあるよ。オレはルチアに好かれたいんだ。だって運命の女の子に出会ったんだよ?」
「はあ? なによそれ。ばっかじゃないの!」
ルチアは奪うように紙を手に取ると、迷うことなく二枚の紙に自分の名前を書いた。その淀みのないペン先にカイの答えは決まる。
(訳あり、確定か)
正確に文字が読めて書けもする。文面の途中に変な表現を入れたのは、ルチアがきちんと文字が読めるのか確かめるためだ。ルチアは一言一句間違わずに、カイの書いた契約書を読んで見せた。
この国では、浮浪児の一歩手前の少女にはあり得ないことだ。ルチアはきちんとした教育を受けている。それは明らかだった。食事の仕方を見てもそれは疑いようもない。そんな子供が教会に助けを求めれば、容易に里親先がみつかるだろう。
なのにそうしないのは、やはり今も誰か大人のそばにいるからなのだろう。日に向かって生きていけないような、そんな大人と。
だが、カイが一生ルチアの面倒見てやることもできはしない。そうする義理もなければ、そうする気もカイには微塵もなかった。自分と出会ったことなど、少女の日常の中にすぐに埋もれて消えるはずだ。
行く先があそこならば、その後は彼にまかせればいい。文句を言いつつ、面倒見のいい男だ。大方どこかで後ろ暗い人間と知り合って、何かあったら力になると安請け合いでもしたのだろう。その結果、ルチアは今そこに向かっているのだ。
そう結論づけると、カイは紙を片手に立ち上がった。
「一枚はルチアが持っていて。じゃあ、行こっか」
ルチアは頷くと素直に立ち上がった。文句を言うつもりはもうないようだ。サンドイッチが入った紙袋を大事そうに抱えて、カイの後に続く。
「ごちそうさま」
カイはテーブルに銅貨を数枚並べると、慣れた足取りで店を後にした。
「ねえ、今の店、あなた初めてじゃないんでしょう?」
ルチアが冷たい外気に身を震わせながら、胡乱な視線を送ってきた。基本、もうカイの言うことは信用していないようだ。
「うん? 気のせい、気のせい。あ、そうそう、これも持っててほしいんだ」
おもむろに着ていた外套を脱ぐと、カイはそれをルチアの肩にかけた。大きすぎて引きずりそうだが、ぎり大丈夫な感じだ。
「え? そんなことしたらあなたが寒いわ」
「いや、それ重くって肩こっちゃってさ。契約書、サインしたでしょ? 文句言わないでちゃんと仕事して」
ルチアはその口を開きかけて、困ったように口をつぐんだ。肩にかけられた外套は上質で、小さなルチアにとっても至極軽いものだ。カイの温もりもあってか、何よりとても暖かい。
「あなたって、ほんと嘘ばっかり。……でも、ありがとう」
小さく付け足すと、ルチアはそのまま押し黙った。それを見てふっと笑うとカイはルチアと手をとって歩き出した。戸惑うルチアに「はぐれると面倒だからね」とカイはそのまま手を引いていく。
少し入り組んだ裏路地に入ると、ルチアはあからさまに緊張した面持ちになり身をこわばらせた。
「大丈夫、ちゃんと連れて行くから。ルチアに嫌われたら、オレ生きていけないよ」
また適当なことを言ってと思いつつ、ルチアは黙ってカイについていった。嘘ばかりつくカイは信用ならないが、その嘘は誰も傷つけないようなやさしいものばかりだ。
雪がちらつき始めた路地を進み、ほどなくしてふたりは「ダンのこんがり亭」へとたどりついた。
ルチアが食べ終わる頃を見計らって、カイはルチアに先ほどの提案をもう一度した。
「でも、これ以上あなたに迷惑はかけられないわ」
「もう、乗りかかった舟だよ。それにルチア、ここがどこの通りかもわからないでしょ?」
ぐっと言葉に詰まるルチアに、カイは行儀悪く頬杖をついたまま笑いかけた。
「じゃあ、その紙だけでも見せてよ。ここからの行き方くらい教えてあげるからさ」
躊躇するようにルチアは紙を差し出してきた。カイはそれを受けとると、丁寧にその紙を開く。ルチアは不安げな様子でそれを目で追っている。大事な紙だからこその不安だろう。カイはサンドイッチの皿を押しのけて、ルチアの手の届く場所に広げて置いた。
「あれ? ここって……」
綺麗な文字で書かれた住所は、今日カイが訪ねようとしていた場所だった。
「え? もしかしてその店はもうないの!?」
ルチアが不安げに聞いてくる。その焦りようが、この場所が彼女の最後の命綱なのだと感じさせた。
「いや、今もちゃんとある店だよ。ちょっと入り組んだところにあって、わかりにくい場所にあるんだ」
その紙には「ダンのこんがり亭」と書かれており、その店のある住所も間違ってはいない。しかしなぜ、よりにもよってここなのだ?
「実はオレもここに用事があったんだ。きっと、ルチアとオレは運命で結ばれてるんだよ。だからさ、もう一緒に行こう?」
そう言いながらもカイは探るようにルチアを見た。ほっとした表情をしたのも束の間、ルチアの顔は幾度目かの胡乱なものとなる。
「同じ場所に用事だなんて、まだそんな嘘を言うのね」
「うーん、嘘じゃないんだけどなー」
困ったそぶりで思案した後、カイは店員に向かって銅貨をはじいた。
「ねえ、紙とペン貸してよ」
何の前触れもなく投げ飛ばされたコインを器用にキャッチすると、店員は一度奥に引っ込んで、それからまた顔を出した。テーブルの上に羊皮紙と羽ペンとインク壺を置いてから、無言で去っていく。
「今から契約書作るからさ、ルチアはそれに納得したらサインして」
「え? 何よそれ」
カイは紙を半分に切ると、さらさらと紙にペンを滑らせていく。同じ文面の紙が二枚出来上がると、ルチアにその紙を差し出した。
「はい、これは契約書。オレは今からダンのこんがり亭に行く。ルチアは荷物持ちね。こんがり亭につくまでオレの荷物を持つのがルチアの仕事。どう? 納得したら、二枚ともそこにサインして」
ぽかんとしながらもルチアは紙を手に取って、文字に目を通していく。その途中で小さな唇がむっとへの字に曲がった。
「なによ、この『鬱陶しいほど前髪の長い栗毛のルチア』って」
「うん? だって、ルチアについてオレが知ってるのは目の前にいる君の姿だけだからね。他のルチアって名乗る娘にそれ持ってこられると面倒でしょ?」
カイはこの紙の最後に、フルネームで署名した。どこの誰とも知らない少女にそんな紙を手渡すのは、普通ではあり得ないことだ。
「ね、悪い話じゃないでしょ? 納得したらサインしてよ。荷物持ちしてくれたら、きちんと報酬も支払うからさ」
「でも、カイは荷物なんて何も持ってないじゃない」
「ああ、これこれ。ねえ、これ持って帰るから包んでくれる?」
カイはテーブルの上のサンドイッチを指さした後、遠くにいる店員に再び声をかけた。店員は面倒くさそうにサンドイッチの皿を下げると、すぐに紙袋に入れて戻ってきた。
「これくらい荷物だなんて呼べないわ」
「あー、オレ、いいとこの坊ちゃんだからさ、羽ペンより重いもの持ったことないんだよね」
その言いようにあんぐりと口を開けたルチアは、「いいわよ、サインすればいいんでしょ! でも、この報酬は多すぎるわ。この十分の一にして」と紙をカイに押し戻した。
「え? 遠慮せずもらっといてよ」
「いやよ。理由もなく大金は受け取れないわ」
「理由ならあるよ。オレはルチアに好かれたいんだ。だって運命の女の子に出会ったんだよ?」
「はあ? なによそれ。ばっかじゃないの!」
ルチアは奪うように紙を手に取ると、迷うことなく二枚の紙に自分の名前を書いた。その淀みのないペン先にカイの答えは決まる。
(訳あり、確定か)
正確に文字が読めて書けもする。文面の途中に変な表現を入れたのは、ルチアがきちんと文字が読めるのか確かめるためだ。ルチアは一言一句間違わずに、カイの書いた契約書を読んで見せた。
この国では、浮浪児の一歩手前の少女にはあり得ないことだ。ルチアはきちんとした教育を受けている。それは明らかだった。食事の仕方を見てもそれは疑いようもない。そんな子供が教会に助けを求めれば、容易に里親先がみつかるだろう。
なのにそうしないのは、やはり今も誰か大人のそばにいるからなのだろう。日に向かって生きていけないような、そんな大人と。
だが、カイが一生ルチアの面倒見てやることもできはしない。そうする義理もなければ、そうする気もカイには微塵もなかった。自分と出会ったことなど、少女の日常の中にすぐに埋もれて消えるはずだ。
行く先があそこならば、その後は彼にまかせればいい。文句を言いつつ、面倒見のいい男だ。大方どこかで後ろ暗い人間と知り合って、何かあったら力になると安請け合いでもしたのだろう。その結果、ルチアは今そこに向かっているのだ。
そう結論づけると、カイは紙を片手に立ち上がった。
「一枚はルチアが持っていて。じゃあ、行こっか」
ルチアは頷くと素直に立ち上がった。文句を言うつもりはもうないようだ。サンドイッチが入った紙袋を大事そうに抱えて、カイの後に続く。
「ごちそうさま」
カイはテーブルに銅貨を数枚並べると、慣れた足取りで店を後にした。
「ねえ、今の店、あなた初めてじゃないんでしょう?」
ルチアが冷たい外気に身を震わせながら、胡乱な視線を送ってきた。基本、もうカイの言うことは信用していないようだ。
「うん? 気のせい、気のせい。あ、そうそう、これも持っててほしいんだ」
おもむろに着ていた外套を脱ぐと、カイはそれをルチアの肩にかけた。大きすぎて引きずりそうだが、ぎり大丈夫な感じだ。
「え? そんなことしたらあなたが寒いわ」
「いや、それ重くって肩こっちゃってさ。契約書、サインしたでしょ? 文句言わないでちゃんと仕事して」
ルチアはその口を開きかけて、困ったように口をつぐんだ。肩にかけられた外套は上質で、小さなルチアにとっても至極軽いものだ。カイの温もりもあってか、何よりとても暖かい。
「あなたって、ほんと嘘ばっかり。……でも、ありがとう」
小さく付け足すと、ルチアはそのまま押し黙った。それを見てふっと笑うとカイはルチアと手をとって歩き出した。戸惑うルチアに「はぐれると面倒だからね」とカイはそのまま手を引いていく。
少し入り組んだ裏路地に入ると、ルチアはあからさまに緊張した面持ちになり身をこわばらせた。
「大丈夫、ちゃんと連れて行くから。ルチアに嫌われたら、オレ生きていけないよ」
また適当なことを言ってと思いつつ、ルチアは黙ってカイについていった。嘘ばかりつくカイは信用ならないが、その嘘は誰も傷つけないようなやさしいものばかりだ。
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