260 / 528
第2章 氷の王子と消えた託宣
第10話 貴族街の聖女
しおりを挟む
【前回のあらすじ】
オクタヴィアの瞳に合わせた新たなドレスの仮縫いを済ませたリーゼロッテ。
そんな中、エラに別れた恋人の魔の手が襲いかかります。
そのピンチを救ってくれたエーミールに尊敬と感謝の念を抱きつつ、ヨハンの刺繍のハンカチにも心を奪われるエラ。
そんなエラにヨハンは恋してしまうのでした。
「もう、一週間もないのね……」
ゆったりとしたソファに腰かけながら、リーゼロッテは小さく息をついた。
ここは王都にあるダーミッシュ家タウンハウスの一室だ。デビュタントのための舞踏会である白の夜会は、五日後に迫っている。雪がちらつくこれからの季節は、移動時間が読めないことが多いため、リーゼロッテは義母のクリスタと共に早めに王都のタウンハウスへと移動していた。
義父のフーゴは領地の執務で、数日遅れて合流する予定だ。義弟のルカはまだ夜会に出席できる年ではないため、唇を尖らせながら領地で留守番をしている。
「お嬢様……社交界デビューがご不安ですか?」
ミルクたっぷりの紅茶を差し出しながら、エラが気づかわし気な表情で問いかける。リーゼロッテはキリキリ痛む胃をごまかしながら、エラに笑顔を向けた。
「今からこんなふうではダメね。でも、やっぱり落ち着かなくて」
「旦那様がエスコートしてくださいますから、心配はご無用ですよ。お嬢様には公爵様もいらっしゃいますし」
そう言うエラ自身は、緊張しすぎていたせいでデビューの夜会の記憶はほどんど残っていない。なにしろ父親のエデラー男爵もエラに負けず劣らずガチガチだったので、ふたりで支え合いながら、せめて王の前で転ばないようにと、足を交互に繰り出すのが精いっぱいだった。
だが、それはにわか男爵父娘だったからだ。リーゼロッテは生まれながら高貴な令嬢として育ってきた。しかもどこに出しても恥ずかしくない淑女の鏡ともいえる自慢のお嬢様だ。
「最近では、お嬢様はお転びになることもございませんし、普段通りのお嬢さまでいらっしゃればよろしいのですよ」
エスコート役がしっかりしているので何も心配はないだろう。仮に転んだとしても、リーゼロッテは転ぶ姿までもが優雅で美しい。屋敷のありとあらゆる場所でリーゼロッテが転ぶ姿を何度も目にしてきたが、その可憐な姿は残像のように目に焼きついて、いつまでも脳裏を離れない。
その姿は庇護欲をかき立てられ、誰しもが手を差し伸べずにはいられなくなる。もし、転んだリーゼロッテを嘲笑する者がいたとしたら、その人間はよほど心根がゆがんでいるに違いない。
「普段通りにできるかしら……? 同じ側の手と足を同時に出して歩いてしまいそうだわ」
「ご安心ください、お嬢様。過去、緊張のあまりそのようになってしまったご令嬢は、他にもいらっしゃいます。それに、ドレスに隠れて足の動きは案外誤魔化せるものですよ」
安心させるようにエラは力強く言い切った。なにせ、それは自分の経験談だっだから説得力は抜群だ。
「ふふ、エラがそう言うなら心強いわ」
「お任せください。夜会では微力ながらわたしも全身全霊をもってサポートさせていただきます」
「ありがとう。けれど、エラもちゃんと夜会を楽しんでちょうだいね」
「はい、ありがとうございます、お嬢様」
ほのぼのとふたりで微笑みあっていると、廊下から慌ただしい足音が聞こえてくる。その足音が部屋の前で止まったかと思うと、ひとりの使用人が扉のノックもそこそこに部屋の中に飛び込んできた。
「お、お、お、お嬢様!」
息を切らしながらわたわたしている使用人にエラは眉をひそめた。
「落ち着いてください。お嬢様の前ですよ」
「す、すみません。ですが、奥様が今すぐにいらっしゃるようにと……!」
「まあ、何かしら? マダムのドレスは昨日届いていたし……もしかしたら、公爵家からオクタヴィアの瞳が届いたのかもしれないわね」
知らせてくれてありがとうとその使用人に微笑むと、リーゼロッテはクリスタの待つ部屋へと向かった。
「お義母様、参りましたわ」
部屋に入るなり目に飛び込んできたのは、部屋の中央に立つジークヴァルトの姿だった。
「ジークヴァルト様!?」
驚いて思わず声を上げると、ジークヴァルトの後ろからひょっこりとクリスタが顔のぞかせた。
「まあ、リーゼロッテ、きちんとご挨拶しないとダメでしょう?」
「あ……申し訳ございません。ジークヴァルト様、ようこそおいでくださいました」
困惑しつつ淑女の礼を取る。「ああ」と返事をすると、ジークヴァルトはするりとリーゼロッテの髪をなでた。
「あの、今日はどうしてこちらへ……?」
昨日届いた手紙には、そんなことは何も書いてなかった。ジークヴァルトと離れている間は、毎日手紙でやりとりをしている。二人の間ではそれがもう当たり前のことになっていた。
「わたくしが内緒にとお願いしたのよ。ふふ、会えないと思っていた時に、不意に会えるとうれしいものでしょう?」
愛しい方ならなおさらね、とクリスタは夢見る少女のようにうっとりした顔で言った。その言葉に、リーゼロッテの頬が朱に染まる。
(ジークヴァルト様とはそういう仲ではないのに……)
世間的には仲の良い婚約者を演じた方がよいのだろうが、身内にまでそんなふうに言われると、どうしようもなくむずむずしてしまう。だが、うきうき顔の義母の期待を裏切ることもできず、リーゼロッテは隣に立つジークヴァルトの顔を見上げて微笑んだ。
「はい……会いに来てくださってうれしいですわ」
「ああ、例のあれを届けに来た」
「わたくしも先ほどジークヴァルト様に見せていただいたのよ。オクタヴィアの瞳は想像以上に美しいものね」
やはりジークヴァルトはオクタヴィアの瞳を届けに来たようだ。しかし自ら来なくとも使用人に任せればよかったのではないだろうか。
「ダーミッシュ伯爵夫人、こちらの警護に幾人か置いていく。伯爵が不在でご不安もあるだろう」
「お気遣いありがとうございます、ジークヴァルト様。とても心強いですわ」
クリスタは優雅に微笑むと、今度はリーゼロッテにいたずらっぽい笑顔を向けてきた。
「では、リーゼはお着がえね」
「え?」
わけがわからぬまま、リーゼロッテはあてがわれた寝室へと連れていかれ、着ていたドレスから別のものへと大急ぎで着替えさせられたのであった。
オクタヴィアの瞳に合わせた新たなドレスの仮縫いを済ませたリーゼロッテ。
そんな中、エラに別れた恋人の魔の手が襲いかかります。
そのピンチを救ってくれたエーミールに尊敬と感謝の念を抱きつつ、ヨハンの刺繍のハンカチにも心を奪われるエラ。
そんなエラにヨハンは恋してしまうのでした。
「もう、一週間もないのね……」
ゆったりとしたソファに腰かけながら、リーゼロッテは小さく息をついた。
ここは王都にあるダーミッシュ家タウンハウスの一室だ。デビュタントのための舞踏会である白の夜会は、五日後に迫っている。雪がちらつくこれからの季節は、移動時間が読めないことが多いため、リーゼロッテは義母のクリスタと共に早めに王都のタウンハウスへと移動していた。
義父のフーゴは領地の執務で、数日遅れて合流する予定だ。義弟のルカはまだ夜会に出席できる年ではないため、唇を尖らせながら領地で留守番をしている。
「お嬢様……社交界デビューがご不安ですか?」
ミルクたっぷりの紅茶を差し出しながら、エラが気づかわし気な表情で問いかける。リーゼロッテはキリキリ痛む胃をごまかしながら、エラに笑顔を向けた。
「今からこんなふうではダメね。でも、やっぱり落ち着かなくて」
「旦那様がエスコートしてくださいますから、心配はご無用ですよ。お嬢様には公爵様もいらっしゃいますし」
そう言うエラ自身は、緊張しすぎていたせいでデビューの夜会の記憶はほどんど残っていない。なにしろ父親のエデラー男爵もエラに負けず劣らずガチガチだったので、ふたりで支え合いながら、せめて王の前で転ばないようにと、足を交互に繰り出すのが精いっぱいだった。
だが、それはにわか男爵父娘だったからだ。リーゼロッテは生まれながら高貴な令嬢として育ってきた。しかもどこに出しても恥ずかしくない淑女の鏡ともいえる自慢のお嬢様だ。
「最近では、お嬢様はお転びになることもございませんし、普段通りのお嬢さまでいらっしゃればよろしいのですよ」
エスコート役がしっかりしているので何も心配はないだろう。仮に転んだとしても、リーゼロッテは転ぶ姿までもが優雅で美しい。屋敷のありとあらゆる場所でリーゼロッテが転ぶ姿を何度も目にしてきたが、その可憐な姿は残像のように目に焼きついて、いつまでも脳裏を離れない。
その姿は庇護欲をかき立てられ、誰しもが手を差し伸べずにはいられなくなる。もし、転んだリーゼロッテを嘲笑する者がいたとしたら、その人間はよほど心根がゆがんでいるに違いない。
「普段通りにできるかしら……? 同じ側の手と足を同時に出して歩いてしまいそうだわ」
「ご安心ください、お嬢様。過去、緊張のあまりそのようになってしまったご令嬢は、他にもいらっしゃいます。それに、ドレスに隠れて足の動きは案外誤魔化せるものですよ」
安心させるようにエラは力強く言い切った。なにせ、それは自分の経験談だっだから説得力は抜群だ。
「ふふ、エラがそう言うなら心強いわ」
「お任せください。夜会では微力ながらわたしも全身全霊をもってサポートさせていただきます」
「ありがとう。けれど、エラもちゃんと夜会を楽しんでちょうだいね」
「はい、ありがとうございます、お嬢様」
ほのぼのとふたりで微笑みあっていると、廊下から慌ただしい足音が聞こえてくる。その足音が部屋の前で止まったかと思うと、ひとりの使用人が扉のノックもそこそこに部屋の中に飛び込んできた。
「お、お、お、お嬢様!」
息を切らしながらわたわたしている使用人にエラは眉をひそめた。
「落ち着いてください。お嬢様の前ですよ」
「す、すみません。ですが、奥様が今すぐにいらっしゃるようにと……!」
「まあ、何かしら? マダムのドレスは昨日届いていたし……もしかしたら、公爵家からオクタヴィアの瞳が届いたのかもしれないわね」
知らせてくれてありがとうとその使用人に微笑むと、リーゼロッテはクリスタの待つ部屋へと向かった。
「お義母様、参りましたわ」
部屋に入るなり目に飛び込んできたのは、部屋の中央に立つジークヴァルトの姿だった。
「ジークヴァルト様!?」
驚いて思わず声を上げると、ジークヴァルトの後ろからひょっこりとクリスタが顔のぞかせた。
「まあ、リーゼロッテ、きちんとご挨拶しないとダメでしょう?」
「あ……申し訳ございません。ジークヴァルト様、ようこそおいでくださいました」
困惑しつつ淑女の礼を取る。「ああ」と返事をすると、ジークヴァルトはするりとリーゼロッテの髪をなでた。
「あの、今日はどうしてこちらへ……?」
昨日届いた手紙には、そんなことは何も書いてなかった。ジークヴァルトと離れている間は、毎日手紙でやりとりをしている。二人の間ではそれがもう当たり前のことになっていた。
「わたくしが内緒にとお願いしたのよ。ふふ、会えないと思っていた時に、不意に会えるとうれしいものでしょう?」
愛しい方ならなおさらね、とクリスタは夢見る少女のようにうっとりした顔で言った。その言葉に、リーゼロッテの頬が朱に染まる。
(ジークヴァルト様とはそういう仲ではないのに……)
世間的には仲の良い婚約者を演じた方がよいのだろうが、身内にまでそんなふうに言われると、どうしようもなくむずむずしてしまう。だが、うきうき顔の義母の期待を裏切ることもできず、リーゼロッテは隣に立つジークヴァルトの顔を見上げて微笑んだ。
「はい……会いに来てくださってうれしいですわ」
「ああ、例のあれを届けに来た」
「わたくしも先ほどジークヴァルト様に見せていただいたのよ。オクタヴィアの瞳は想像以上に美しいものね」
やはりジークヴァルトはオクタヴィアの瞳を届けに来たようだ。しかし自ら来なくとも使用人に任せればよかったのではないだろうか。
「ダーミッシュ伯爵夫人、こちらの警護に幾人か置いていく。伯爵が不在でご不安もあるだろう」
「お気遣いありがとうございます、ジークヴァルト様。とても心強いですわ」
クリスタは優雅に微笑むと、今度はリーゼロッテにいたずらっぽい笑顔を向けてきた。
「では、リーゼはお着がえね」
「え?」
わけがわからぬまま、リーゼロッテはあてがわれた寝室へと連れていかれ、着ていたドレスから別のものへと大急ぎで着替えさせられたのであった。
0
※小説家になろうグループムーンライトノベルズにて【R18】ふたつ名の令嬢と龍の託宣 不定期投稿中☆
第6章 嘘つきな騎士と破られた託宣 スタートました♡
※アルファポリス版は第1部令嬢編として一度完結としましたが、ムーンでは第6章を継続投稿中です。
こちらはR18ですので、18歳以上(高校生不可)の方のみ閲覧できます。
第6章 嘘つきな騎士と破られた託宣 スタートました♡
※アルファポリス版は第1部令嬢編として一度完結としましたが、ムーンでは第6章を継続投稿中です。
こちらはR18ですので、18歳以上(高校生不可)の方のみ閲覧できます。
お気に入りに追加
272
あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。
112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。
エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。
庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

【完結】「心に決めた人がいる」と旦那様は言った
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
「俺にはずっと心に決めた人がいる。俺が貴方を愛することはない。貴女はその人を迎え入れることさえ許してくれればそれで良いのです。」
そう言われて愛のない結婚をしたスーザン。
彼女にはかつて愛した人との思い出があった・・・
産業革命後のイギリスをモデルにした架空の国が舞台です。貴族制度など独自の設定があります。
----
初めて書いた小説で初めての投稿で沢山の方に読んでいただき驚いています。
終わり方が納得できない!という方が多かったのでエピローグを追加します。
お読みいただきありがとうございます。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
皇帝は虐げられた身代わり妃の瞳に溺れる
えくれあ
恋愛
丞相の娘として生まれながら、蔡 重華は生まれ持った髪の色によりそれを認められず使用人のような扱いを受けて育った。
一方、母違いの妹である蔡 鈴麗は父親の愛情を一身に受け、何不自由なく育った。そんな鈴麗は、破格の待遇での皇帝への輿入れが決まる。
しかし、わがまま放題で育った鈴麗は輿入れ当日、後先を考えることなく逃げ出してしまった。困った父は、こんな時だけ重華を娘扱いし、鈴麗が見つかるまで身代わりを務めるように命じる。
皇帝である李 晧月は、後宮の妃嬪たちに全く興味を示さないことで有名だ。きっと重華にも興味は示さず、身代わりだと気づかれることなくやり過ごせると思っていたのだが……
【完結】断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
古堂 素央
恋愛
【完結】
「なんでわたしを突き落とさないのよ」
学園の廊下で、見知らぬ女生徒に声をかけられた公爵令嬢ハナコ。
階段から転げ落ちたことをきっかけに、ハナコは自分が乙女ゲームの世界に生まれ変わったことを知る。しかもハナコは悪役令嬢のポジションで。
しかしなぜかヒロインそっちのけでぐいぐいハナコに迫ってくる攻略対象の王子。その上、王子は前世でハナコがこっぴどく振った瓶底眼鏡の山田そっくりで。
ギロチンエンドか瓶底眼鏡とゴールインするか。選択を迫られる中、他の攻略対象の好感度まで上がっていって!?
悪役令嬢? 断罪ざまぁ? いいえ、冴えない王子と結ばれるくらいなら、ノシつけてヒロインに押しつけます!
黒ヒロインの陰謀を交わしつつ、無事ハナコは王子の魔の手から逃げ切ることはできるのか!?

侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる