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第2章 氷の王子と消えた託宣
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◇
「まあっ素晴らしい! 想像以上にお似合いですわ!」
「あら本当。前のドレスより格段に大人びてみえるわね」
その日の午後にマダム・クノスペ一行がやってきて、リーゼロッテは新たにデザインされたドレスに袖を通していた。
「でもお義母様……ちょっと肩と背中が開きすぎではないかしら……」
「いいえ、お嬢様! あのオクタヴィアの瞳をお付けになるからには、このくらいのデザインにしませんと! このマダム・クノスペをお信じください!」
新たなドレスは、オフショルダーの大胆なものだった。初めのフリルが多めだった可愛らしいドレスと比べて、龍のあざが見えない程度に胸元も大きく開いている。
「こういったデザインは、アンネマリーの方が似合うのではないかしら……」
最近育ってきているとはいえ、自分のこの貧弱な胸では、ドレスに着られてしまっているように思えてならない。リーゼロッテは悲し気に首をかしげてみせた。
「そんなことはございません。お胸は少々詰め物をいたしますが、そこはそれ、ほかのご令嬢も多くの方がなさっていること。まったく問題ありません」
「でも……」
「ふふ、そうね。胸が大きいとこういったデザインは下品になりやすいものね。リーゼロッテのような体つきの方が、いろいろなタイプのドレスが楽しめるというものよ」
そう言うクリスタは、アンネマリーの叔母だけあってなかなかのナイスバディの持ち主だ。
「そうなのですか?」
「ええ、そうよ。でもマダム。今のトレンドはフリルが多めよね。このドレスは随分と控えめだけど……」
初めのドレスは白をベースに、リーゼロッテの瞳の色に合わせた緑色のフリルが多くあしらわれていた。デビューを迎える令嬢が着るにふさわしい初々しい可憐なドレスだ。
今回新たにデザインしたものは、同じように白い生地を基調に繊細な刺繍が施されているものの、シフォンのような布が幾重にも重ねられただけのシンプルなものだ。
スカートの下から三分の一が青みを帯びている。淡い青から下にいくにしたがって次第に濃くなるように刺繍されており、それはとても美しいグラデーションを描いていた。
「クリスタ様、トレンドとは作るものですわ。このお嬢様のお姿を見れば、どのご令嬢も今後はこぞってシンプルな路線に走るはずです」
マダムが言うと本当にそうなりそうで、リーゼロッテは「あまり目立ちたくはないのだけれど……」と自信なさげにつぶやいた。
「何をおっしゃいます! あのオクタヴィアの瞳をおつけになる時点で、お嬢様は今期デビューを果たされるご令嬢の中でも一番の注目の的になるのは必至! 正直申し上げまして、前のドレスではオクタヴィアの瞳の美しさに飲まれて、お嬢様のお姿はかすんでしまっていたことでしょう。ですが! この度デザインしなおしたこのドレスならば! オクタヴィアの瞳もお嬢様の引き立て役のひとつとなりましょう! お嬢様のこの肌の上でこそ、オクタヴィアの瞳は最大限に輝けるというものですわ!!!」
瞳孔の開きまくった血走った目で迫られて、リーゼロッテはこくこくと頷くよりほかはなかった。もしかしたらマダムはろくに睡眠をとっていないのかもしれない。
「え、ええ、そうね、マダムが言うならきっと間違いはないわね」
「そうですとも! このマダムの目に狂いはございません!」
「オクタヴィアの瞳はそんなに美しいものなのね……はやくリーゼロッテがつけた姿を見てみたいわ」
「そうなのです、クリスタ様! あのように美しい意匠は、王家に伝わる宝飾以外はそうそう見かけませんわ!」
「オクタヴィアの瞳は、王都のタウンハウスに届けていただけるそうよ。今から本当に楽しみだわ」
タウンハウスとは、貴族が王城の夜会などに参加するときに利用する別宅のようなものだ。領地が王都から離れている貴族のほとんどは、このタウンハウスを王都に所有している。
リーゼロッテはダーミッシュ家のタウンハウスには初めて行くので、密かにちょっと楽しみにしていた。しかし舞踏会など初めての経験だ。庶民の記憶を持つ身としては、気後れして不安ばかりが募っていく。
「どうしましょう……今から緊張してきましたわ……」
不安げに見上げるリーゼロッテを、クリスタはやさしげにみつめた。
「ふふ、エスコートはお父様がしてくださるし、ジークヴァルト様もいらっしゃるから何も心配はいらないわ。それに、ね……」
クリスタが目くばせをすると、マダムは頷いて後ろで控えていたお針子に別のドレスを持ってこさせた。
「これはリーゼロッテからエラへのプレゼントよ」
「え? わたしにですか!?」
急に水を向けられたエラが、戸惑ったような声を上げる。
「ええ、このドレスを着てエラにも白の夜会に参加してほしいの。あなたがいればリーゼロッテも心強いから」
「ですが奥様、わたしは……」
エラはずっと悩んでいた。男爵令嬢として夜会に参加すれば、リーゼロッテの晴れ舞台に立ち会うことができる。だがそれをするには、実家で準備をして夜会に参加しなければならない。そうすると、リーゼロッテのデビューの支度を自分が手伝うことは叶わなくなる。
エラはリーゼロッテの社交界デビューのために、化粧の仕方から髪の結い方まで、侍女としてのさまざまな技能を身に着けてきた。すべてリーゼロッテの輝かしい未来のためにだ。
その初めの一歩といえる大事な白の夜会の準備を、自分以外誰かの手にゆだねるなど、エラには到底許容できなかった。自分は裏方に徹しよう。そう心に決めたエラだった。
「わかっているわ。エラはリーゼロッテのデビューのために、今までたくさん努力をしてきたものね。心配しなくていいわ。エラの夜会の準備もダーミッシュ家のタウンハウスで一緒にしましょう? そうすればエラはリーゼロッテの支度もできるでしょ?」
「ですが奥様、そこまで甘えるわけには……」
エラは自身の社交界デビューも伯爵家にサポートしてもらった。当時、実家が窮地に立たされ経済的に困窮していたエラは、自分のデビューなど考えてもしていなかった。だが、いつか社交界に出るリーゼロッテのために経験を積んでほしいと、伯爵夫妻に説得されたのだ。
それは建前だとはわかっていた。エラがデビューできないことを一番に気に病んでいたのは、ほかでもないリーゼロッテだったのだから。
結局は、ドレスから礼儀作法まで何から何まで面倒を見てもらい、エラは無事に社交界デビューを果たすことができた。
「わがままを言ってごめんなさい……でも、わたくし、エラが一緒に夜会に出てくれたら心強くて……」
リーゼロッテが不安げにエラを見つめている。エラは心が震えて泣きそうになる。
ああ、お嬢様が自分を必要としてくれている……そう思うだけで胸がいっぱいだ。それでも詰まる言葉をなんとか口にした。
「はい、お嬢様のためなら、このエラ、いつ何時でもお嬢様の元へ参ります」
「……ありがとう、エラ」
リーゼロッテはエラの手を取って、うれしそうに微笑んだ。
「まあっ素晴らしい! 想像以上にお似合いですわ!」
「あら本当。前のドレスより格段に大人びてみえるわね」
その日の午後にマダム・クノスペ一行がやってきて、リーゼロッテは新たにデザインされたドレスに袖を通していた。
「でもお義母様……ちょっと肩と背中が開きすぎではないかしら……」
「いいえ、お嬢様! あのオクタヴィアの瞳をお付けになるからには、このくらいのデザインにしませんと! このマダム・クノスペをお信じください!」
新たなドレスは、オフショルダーの大胆なものだった。初めのフリルが多めだった可愛らしいドレスと比べて、龍のあざが見えない程度に胸元も大きく開いている。
「こういったデザインは、アンネマリーの方が似合うのではないかしら……」
最近育ってきているとはいえ、自分のこの貧弱な胸では、ドレスに着られてしまっているように思えてならない。リーゼロッテは悲し気に首をかしげてみせた。
「そんなことはございません。お胸は少々詰め物をいたしますが、そこはそれ、ほかのご令嬢も多くの方がなさっていること。まったく問題ありません」
「でも……」
「ふふ、そうね。胸が大きいとこういったデザインは下品になりやすいものね。リーゼロッテのような体つきの方が、いろいろなタイプのドレスが楽しめるというものよ」
そう言うクリスタは、アンネマリーの叔母だけあってなかなかのナイスバディの持ち主だ。
「そうなのですか?」
「ええ、そうよ。でもマダム。今のトレンドはフリルが多めよね。このドレスは随分と控えめだけど……」
初めのドレスは白をベースに、リーゼロッテの瞳の色に合わせた緑色のフリルが多くあしらわれていた。デビューを迎える令嬢が着るにふさわしい初々しい可憐なドレスだ。
今回新たにデザインしたものは、同じように白い生地を基調に繊細な刺繍が施されているものの、シフォンのような布が幾重にも重ねられただけのシンプルなものだ。
スカートの下から三分の一が青みを帯びている。淡い青から下にいくにしたがって次第に濃くなるように刺繍されており、それはとても美しいグラデーションを描いていた。
「クリスタ様、トレンドとは作るものですわ。このお嬢様のお姿を見れば、どのご令嬢も今後はこぞってシンプルな路線に走るはずです」
マダムが言うと本当にそうなりそうで、リーゼロッテは「あまり目立ちたくはないのだけれど……」と自信なさげにつぶやいた。
「何をおっしゃいます! あのオクタヴィアの瞳をおつけになる時点で、お嬢様は今期デビューを果たされるご令嬢の中でも一番の注目の的になるのは必至! 正直申し上げまして、前のドレスではオクタヴィアの瞳の美しさに飲まれて、お嬢様のお姿はかすんでしまっていたことでしょう。ですが! この度デザインしなおしたこのドレスならば! オクタヴィアの瞳もお嬢様の引き立て役のひとつとなりましょう! お嬢様のこの肌の上でこそ、オクタヴィアの瞳は最大限に輝けるというものですわ!!!」
瞳孔の開きまくった血走った目で迫られて、リーゼロッテはこくこくと頷くよりほかはなかった。もしかしたらマダムはろくに睡眠をとっていないのかもしれない。
「え、ええ、そうね、マダムが言うならきっと間違いはないわね」
「そうですとも! このマダムの目に狂いはございません!」
「オクタヴィアの瞳はそんなに美しいものなのね……はやくリーゼロッテがつけた姿を見てみたいわ」
「そうなのです、クリスタ様! あのように美しい意匠は、王家に伝わる宝飾以外はそうそう見かけませんわ!」
「オクタヴィアの瞳は、王都のタウンハウスに届けていただけるそうよ。今から本当に楽しみだわ」
タウンハウスとは、貴族が王城の夜会などに参加するときに利用する別宅のようなものだ。領地が王都から離れている貴族のほとんどは、このタウンハウスを王都に所有している。
リーゼロッテはダーミッシュ家のタウンハウスには初めて行くので、密かにちょっと楽しみにしていた。しかし舞踏会など初めての経験だ。庶民の記憶を持つ身としては、気後れして不安ばかりが募っていく。
「どうしましょう……今から緊張してきましたわ……」
不安げに見上げるリーゼロッテを、クリスタはやさしげにみつめた。
「ふふ、エスコートはお父様がしてくださるし、ジークヴァルト様もいらっしゃるから何も心配はいらないわ。それに、ね……」
クリスタが目くばせをすると、マダムは頷いて後ろで控えていたお針子に別のドレスを持ってこさせた。
「これはリーゼロッテからエラへのプレゼントよ」
「え? わたしにですか!?」
急に水を向けられたエラが、戸惑ったような声を上げる。
「ええ、このドレスを着てエラにも白の夜会に参加してほしいの。あなたがいればリーゼロッテも心強いから」
「ですが奥様、わたしは……」
エラはずっと悩んでいた。男爵令嬢として夜会に参加すれば、リーゼロッテの晴れ舞台に立ち会うことができる。だがそれをするには、実家で準備をして夜会に参加しなければならない。そうすると、リーゼロッテのデビューの支度を自分が手伝うことは叶わなくなる。
エラはリーゼロッテの社交界デビューのために、化粧の仕方から髪の結い方まで、侍女としてのさまざまな技能を身に着けてきた。すべてリーゼロッテの輝かしい未来のためにだ。
その初めの一歩といえる大事な白の夜会の準備を、自分以外誰かの手にゆだねるなど、エラには到底許容できなかった。自分は裏方に徹しよう。そう心に決めたエラだった。
「わかっているわ。エラはリーゼロッテのデビューのために、今までたくさん努力をしてきたものね。心配しなくていいわ。エラの夜会の準備もダーミッシュ家のタウンハウスで一緒にしましょう? そうすればエラはリーゼロッテの支度もできるでしょ?」
「ですが奥様、そこまで甘えるわけには……」
エラは自身の社交界デビューも伯爵家にサポートしてもらった。当時、実家が窮地に立たされ経済的に困窮していたエラは、自分のデビューなど考えてもしていなかった。だが、いつか社交界に出るリーゼロッテのために経験を積んでほしいと、伯爵夫妻に説得されたのだ。
それは建前だとはわかっていた。エラがデビューできないことを一番に気に病んでいたのは、ほかでもないリーゼロッテだったのだから。
結局は、ドレスから礼儀作法まで何から何まで面倒を見てもらい、エラは無事に社交界デビューを果たすことができた。
「わがままを言ってごめんなさい……でも、わたくし、エラが一緒に夜会に出てくれたら心強くて……」
リーゼロッテが不安げにエラを見つめている。エラは心が震えて泣きそうになる。
ああ、お嬢様が自分を必要としてくれている……そう思うだけで胸がいっぱいだ。それでも詰まる言葉をなんとか口にした。
「はい、お嬢様のためなら、このエラ、いつ何時でもお嬢様の元へ参ります」
「……ありがとう、エラ」
リーゼロッテはエラの手を取って、うれしそうに微笑んだ。
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※小説家になろうグループムーンライトノベルズにて【R18】ふたつ名の令嬢と龍の託宣 不定期投稿中☆
第6章 嘘つきな騎士と破られた託宣 スタートました♡
※アルファポリス版は第1部令嬢編として一度完結としましたが、ムーンでは第6章を継続投稿中です。
こちらはR18ですので、18歳以上(高校生不可)の方のみ閲覧できます。
第6章 嘘つきな騎士と破られた託宣 スタートました♡
※アルファポリス版は第1部令嬢編として一度完結としましたが、ムーンでは第6章を継続投稿中です。
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