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第2章 氷の王子と消えた託宣
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「ふふ、あなたは綺麗な瞳の色ね。まあ、あなたの髪の色も素敵よ……」
「ふおっ! 何をされているのですか、リーゼロッテ様!?」
「あら、マテアス。どうしたの? そんなに慌てて」
差し伸べた手のひらをそのままに、リーゼロッテはサロンの入口の方を振り返った。息を切らしたマテアスが、青い顔をしてサロンへと入ってくる。入口では数人の使用人たちが、心配そうな顔をのぞかせてこちらの様子を伺っていた。
(これは……通報されたっぽいわね……)
恐らくリーゼロッテの奇行を目撃した使用人が、マテアスに報告をしたのだろう。途中から楽しくなってしまったリーゼロッテは、夢中で異形たちに力を振りまいていた。
ふと我に返って見てみると、おめめきゅるんな小鬼たちが山盛りきゃっきゃと駆け回る光景が、眼前のサロンに広がっていた。
「どうしたのではありません! あれほど旦那様のいない時は、力をお使いになってはなりませんと申し上げておりましたのに!」
マテアスの困り眉がさらにハの字になっている。
「でも、わたくし浄化の力は使っていないわ。ほら、お腹がすいたり力が抜けたりもしていないでしょう?」
内心では汗をかきつつ、ここはもうしらを切るしかないと、にっこりと満面の笑みをマテアスに向けた。目をそらしてはいけない。何もやましいことはしていないのだ。
「……仕方がありませんね。ですが、今日はお終いになさってください。この件は旦那様に報告させていただきます。よろしいですね?」
いつになく厳しい声で、マテアスが順番待ちをしていた小鬼たちをしっしと追い払う。恨みがましそうな雰囲気で、異形たちは蜘蛛の子を散らすように部屋の隅の方へ逃げていった。
「ごめんなさい、マテアス……忙しいのに手をわずらわせてしまって……」
しゅんとしてうつむいた。その目はもう涙目になっている。それを見たマテアスが慌てたように、ソファに座るリーゼロッテの目の前で片膝をついた。
「とんでもございません! わたしこそきつい言い方をしてしまい、リーゼロッテ様に怖い思いをさせるなど……まことに申し訳ございません」
「マテアス……わたくし、わざとやったわけではないの……許してくれる……?」
「もちろんでございます! ああ、初めから怒っているわけではありませんので、許すも許さないもございませんが……」
普段は丁寧な物腰のマテアスがおろおろとしている。
(こういうとき、リーゼロッテって結構あざといわよね……)
自分で自分に突っ込みを入れつつ、「ありがとう、マテアス」とリーゼロッテは潤んだ瞳ではにかんでみせた。
片膝をついたままマテアスは相変わらずの糸目で固まったあと、下を向いて「くっ」と眉間に手を当てた。
「リーゼロッテ様……そのようなお顔は、ぜひとも旦那様に……」
なぜか目の前で身悶えているマテアスに、リーゼロッテは不思議そうにこてんと首を傾けた。
「そうだぞ、マテアス! リーゼロッテ様は力をお使いになどなっていない!」
驚いて振り向くと、入口でヨハンが怖い顔をして立っている。今日の護衛はヨハンだったようだ。
「ずっと見ていたが、リーゼロッテ様はただ小鬼にやさしく語りかけていただけだ! 何も悪いことはされていない!」
「ずっと見ていたのにこれをほっておいたのですか、あなた様は!」
サロンの片隅に集まってこちらを見ているきゅるるん小鬼隊を指さしながら、マテアスは立ち上がって不遜な顔をヨハンに向けた。
「それに護衛は気づかれずに行うよう旦那様に言われておりますでしょう? どうして今、姿を現すのですか?」
逆にマテアスに言いつのられて、ヨハンはうっとひるんだ。
「いや、それは……マテアスがリーゼロッテ様を泣かせていたから……」
「な、泣かせてなどいないでしょう! そんなことをしたらわたしは旦那様に殺されます!」
「いや、ちょっとお泣きになっていたぞ。あれはどう考えてもマテアスが悪い。マテアスからリーゼロッテ様をお守りするのも、立派な護衛の役目だ」
「屁理屈をこねないでください、ヨハン様!」
「あの、ふたりとも……」
「「はいっ!?」」
ぐりんとふたりの男に勢いよく顔を向けられて、リーゼロッテはか細い声で言った。
「喧嘩は……良くないと思うの……」
その瞳はやはり涙目だ。しかも、今にもこぼれ落ちそうな危険水域に達している。
「「……り、リーゼロッテさまぁ!!」」
大の男がふたりしてなんとも情けない顔になる。ヨハンは慌てたようにわちゃわちゃと両手を振り、マテアスもこれまた慌てたようにリーゼロッテの前に再び跪いた。
「ち、違います! 筋肉だるまのヨハン様と喧嘩など、このマテアス、そんな命知らずなことはいたしません!」
「そ、そうですとも! 口のうまい策略家のマテアスと喧嘩するほど、オレも愚かではありません!」
お互いの台詞を聞き、ふたりは再度視線を絡めてばちりとにらみ合った。
「……やっぱり喧嘩してる」
「「いいいいいいえ、そのようなっ」」
もりもりと涙をためるリーゼロッテを前に、ぶんぶんと首を振りまくる。
あわあわしているだけのヨハンをしり目に、マテアスが自分の懐を探りはじめる。愛用の万年筆、鍵の束、何かのメモ書き、スペアの眼鏡、黒い小箱と、あれでもないこれでもないと次から次へとアイテムが出現する。マテアスも相当慌てているようで、出てくる物はなんの役にも立たないものばかりだ。
ようやく白いハンカチが出てくると、マテアスは安堵した表情になる。これはジークヴァルト用にいつも胸に忍ばせてある未使用のハンカチだ。決してマテアスの私物ではない。
あとでそのままジークヴァルトに手渡せば、主のリーゼロッテコレクションが増えるというもの。だからこの自分の体温で温まったハンカチを使っても、なんら問題はないはずだ。
そんな希望的観念を胸中で展開しながら、マテアスは困り眉を下げてハンカチをリーゼロッテに差し出した。
「リーゼロッテ様、再三にわたり怖い思いをさせてしまい申し訳ありません」
リーゼロッテはそれを受け取ると、そっと目元にあててあふれそうな涙をハンカチの縁に吸い込ませた。すんと鼻をすすると、目の前で片膝をつくマテアスを上目遣いでじっと見つめる。
「もう喧嘩はしない?」
「もちろんでございます! ほら、ヨハン様も!」
「あ、はいっ、もちろんです!」
騎士の礼を取り、ヨハンはびしりと背筋を正す。その後ろで壁際のカークが、なぜだか同じ動作をした。
「ふおっ! 何をされているのですか、リーゼロッテ様!?」
「あら、マテアス。どうしたの? そんなに慌てて」
差し伸べた手のひらをそのままに、リーゼロッテはサロンの入口の方を振り返った。息を切らしたマテアスが、青い顔をしてサロンへと入ってくる。入口では数人の使用人たちが、心配そうな顔をのぞかせてこちらの様子を伺っていた。
(これは……通報されたっぽいわね……)
恐らくリーゼロッテの奇行を目撃した使用人が、マテアスに報告をしたのだろう。途中から楽しくなってしまったリーゼロッテは、夢中で異形たちに力を振りまいていた。
ふと我に返って見てみると、おめめきゅるんな小鬼たちが山盛りきゃっきゃと駆け回る光景が、眼前のサロンに広がっていた。
「どうしたのではありません! あれほど旦那様のいない時は、力をお使いになってはなりませんと申し上げておりましたのに!」
マテアスの困り眉がさらにハの字になっている。
「でも、わたくし浄化の力は使っていないわ。ほら、お腹がすいたり力が抜けたりもしていないでしょう?」
内心では汗をかきつつ、ここはもうしらを切るしかないと、にっこりと満面の笑みをマテアスに向けた。目をそらしてはいけない。何もやましいことはしていないのだ。
「……仕方がありませんね。ですが、今日はお終いになさってください。この件は旦那様に報告させていただきます。よろしいですね?」
いつになく厳しい声で、マテアスが順番待ちをしていた小鬼たちをしっしと追い払う。恨みがましそうな雰囲気で、異形たちは蜘蛛の子を散らすように部屋の隅の方へ逃げていった。
「ごめんなさい、マテアス……忙しいのに手をわずらわせてしまって……」
しゅんとしてうつむいた。その目はもう涙目になっている。それを見たマテアスが慌てたように、ソファに座るリーゼロッテの目の前で片膝をついた。
「とんでもございません! わたしこそきつい言い方をしてしまい、リーゼロッテ様に怖い思いをさせるなど……まことに申し訳ございません」
「マテアス……わたくし、わざとやったわけではないの……許してくれる……?」
「もちろんでございます! ああ、初めから怒っているわけではありませんので、許すも許さないもございませんが……」
普段は丁寧な物腰のマテアスがおろおろとしている。
(こういうとき、リーゼロッテって結構あざといわよね……)
自分で自分に突っ込みを入れつつ、「ありがとう、マテアス」とリーゼロッテは潤んだ瞳ではにかんでみせた。
片膝をついたままマテアスは相変わらずの糸目で固まったあと、下を向いて「くっ」と眉間に手を当てた。
「リーゼロッテ様……そのようなお顔は、ぜひとも旦那様に……」
なぜか目の前で身悶えているマテアスに、リーゼロッテは不思議そうにこてんと首を傾けた。
「そうだぞ、マテアス! リーゼロッテ様は力をお使いになどなっていない!」
驚いて振り向くと、入口でヨハンが怖い顔をして立っている。今日の護衛はヨハンだったようだ。
「ずっと見ていたが、リーゼロッテ様はただ小鬼にやさしく語りかけていただけだ! 何も悪いことはされていない!」
「ずっと見ていたのにこれをほっておいたのですか、あなた様は!」
サロンの片隅に集まってこちらを見ているきゅるるん小鬼隊を指さしながら、マテアスは立ち上がって不遜な顔をヨハンに向けた。
「それに護衛は気づかれずに行うよう旦那様に言われておりますでしょう? どうして今、姿を現すのですか?」
逆にマテアスに言いつのられて、ヨハンはうっとひるんだ。
「いや、それは……マテアスがリーゼロッテ様を泣かせていたから……」
「な、泣かせてなどいないでしょう! そんなことをしたらわたしは旦那様に殺されます!」
「いや、ちょっとお泣きになっていたぞ。あれはどう考えてもマテアスが悪い。マテアスからリーゼロッテ様をお守りするのも、立派な護衛の役目だ」
「屁理屈をこねないでください、ヨハン様!」
「あの、ふたりとも……」
「「はいっ!?」」
ぐりんとふたりの男に勢いよく顔を向けられて、リーゼロッテはか細い声で言った。
「喧嘩は……良くないと思うの……」
その瞳はやはり涙目だ。しかも、今にもこぼれ落ちそうな危険水域に達している。
「「……り、リーゼロッテさまぁ!!」」
大の男がふたりしてなんとも情けない顔になる。ヨハンは慌てたようにわちゃわちゃと両手を振り、マテアスもこれまた慌てたようにリーゼロッテの前に再び跪いた。
「ち、違います! 筋肉だるまのヨハン様と喧嘩など、このマテアス、そんな命知らずなことはいたしません!」
「そ、そうですとも! 口のうまい策略家のマテアスと喧嘩するほど、オレも愚かではありません!」
お互いの台詞を聞き、ふたりは再度視線を絡めてばちりとにらみ合った。
「……やっぱり喧嘩してる」
「「いいいいいいえ、そのようなっ」」
もりもりと涙をためるリーゼロッテを前に、ぶんぶんと首を振りまくる。
あわあわしているだけのヨハンをしり目に、マテアスが自分の懐を探りはじめる。愛用の万年筆、鍵の束、何かのメモ書き、スペアの眼鏡、黒い小箱と、あれでもないこれでもないと次から次へとアイテムが出現する。マテアスも相当慌てているようで、出てくる物はなんの役にも立たないものばかりだ。
ようやく白いハンカチが出てくると、マテアスは安堵した表情になる。これはジークヴァルト用にいつも胸に忍ばせてある未使用のハンカチだ。決してマテアスの私物ではない。
あとでそのままジークヴァルトに手渡せば、主のリーゼロッテコレクションが増えるというもの。だからこの自分の体温で温まったハンカチを使っても、なんら問題はないはずだ。
そんな希望的観念を胸中で展開しながら、マテアスは困り眉を下げてハンカチをリーゼロッテに差し出した。
「リーゼロッテ様、再三にわたり怖い思いをさせてしまい申し訳ありません」
リーゼロッテはそれを受け取ると、そっと目元にあててあふれそうな涙をハンカチの縁に吸い込ませた。すんと鼻をすすると、目の前で片膝をつくマテアスを上目遣いでじっと見つめる。
「もう喧嘩はしない?」
「もちろんでございます! ほら、ヨハン様も!」
「あ、はいっ、もちろんです!」
騎士の礼を取り、ヨハンはびしりと背筋を正す。その後ろで壁際のカークが、なぜだか同じ動作をした。
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