154 / 528
第1章 ふたつ名の令嬢と龍の託宣
4
しおりを挟む
◇
「それで、リーゼロッテ様は旦那様に『何でもするから怒らないでくれ』と、そうおっしゃったのですね?」
確かめるように聞き返すと、リーゼロッテはこくりと頷いた。エマニュエルは大げさにため息をつく。何でもするなど、下心がある男の前では言ってはならない言葉の中でも上位の台詞だ。
(旦那様がお声を荒げるのも無理はないわね)
目の前のリーゼロッテは審判を待つ罪人のごとく、神妙な面持ちをしている。
「わたくしが全て悪いのです。お忙しいヴァルト様に迷惑ばかりおかけしてしまって……」
「リーゼロッテ様。旦那様がお怒りになったのはそこではありません」
エマニュエルはリーゼロッテの危うさに、正直困惑していた。
日常リーゼロッテと接していると、疑問に思うことが多々あった。なぜこの令嬢はこんなにも自己評価が低いのだろうかと。
伯爵家の令嬢ならば、もっと居丈高に振舞ってもおかしくないのだが、リーゼロッテはとにかく腰が低い。我が儘なことは何一つ言わないし、自分さえ我慢すれば丸く収まるだろうと思っている節さえ感じられる。
「リーゼロッテ様、不敬を承知で申し上げます」
エマニュエルの厳しい口調にリーゼロッテは居住まいを正した。
「恐らく旦那様がお咎めになったのは、リーゼロッテ様の“何でもする”などという軽率なお言葉です」
リーゼロッテはエマニュエルの真意がいまいち理解できなかったが、黙ったまま深く頷いた。
「よろしいですか? リーゼロッテ様。何でもするなどと気軽に言って、もしも相手に今この場で服を脱いで裸になれと要求されたらどうなさいますか?」
「え?」
リーゼロッテは驚いたように顔を上げた。その反応にエマニュエルは、危機感がまるでないリーゼロッテに心の中で嘆息した。
「実際に旦那様がそのようなことを言うなどとは申しません」
心の中ではわからないが。エマニュエルはそんなことを思いながらも、神妙な顔のまま言葉を続けた。
「しかし、世の中にはいい人間ばかりではないということです。旦那様が危惧なさったのはまさにそのことでございましょう。安易に軽率なお言葉を口になさるのは避けるべきだと、リーゼロッテ様はお思いになられませんか?」
大事に守られてきた深窓の令嬢だ。今までだったらやさしいお嬢様で済んだだろう。しかし彼女は間もなく社交界デビューを果たす。こんな迂闊な発言をほいほいするようでは、確実に悪い輩の餌食になるのは目に見えている。
思いもよらならなかった叱責を受けて、リーゼロッテは言葉を失っていた。日本にいた頃の事なかれ主義の八方美人な感覚では、貴族としてはやってはいけないのだ。
短慮な発言で言質を取られてしまったら、ダーミッシュ家や公爵家にも迷惑がかかることになるだろう。自分の立場をわきまえて言動に気を配ることは、貴族として当然のことだった。
「エマ様。わたくしが浅慮でしたわ。以後十分に気をつけます……」
しゅんとしてリーゼロッテはうつむいた。年上とはいえ下位の者からこうも厳しく言われて、通常の令嬢ならば怒り狂ってもおかしくはない。しかしリーゼロッテの態度は一貫して平身低頭だった。
「わかっていただけたなら何よりですわ」
「エマ様。わたくしどうしようもないくらい世間知らずなのです。至らないことがあったら、すぐに教えてくださいませ」
お願いいたしますと懇願するように頭を下げる。エマニュエルは慌ててそれを制した。
「リーゼロッテ様。下の立場の者に安易に頭を下げるのはいけませんわ。外では決してなさいませんよう」
「申し訳ありません!」
早速の教育的指導に、リーゼロッテは条件反射のように頭を下げてしまう。筋金入りの腰の低さに、エマニュエルは苦笑するほかなかった。
「ですからそのように謝ってはなりません」
ますます恐縮した様子のリーゼロッテに呆れながらもエマニュエルは、自然と口元に笑みが浮かんでしまった。
「リーゼロッテ様……どうか……旦那様をお嫌いにならないでください……」
ふとこぼれるように言葉が出る。
あれほど取り乱して怒りを露わにするジークヴァルトなど、今まで唯の一度も見たことがない。だが、こんなにも無防備なリーゼロッテに、危機感を覚えたのだろう。それこそ声を荒げてしまうほどに。
どうか、彼の真意を分かってほしい。エマニュエルは懇願するような視線をリーゼロッテに向けた。
「もちろんですわ、エマ様。ジークヴァルト様がおやさしいのは十分にわかっておりますし、今回の件はわたくしが嫌われても仕方ないくらいですもの」
「旦那様がリーゼロッテ様をお嫌いになるなんて、天地がひっくり返ってもあり得ませんわ」
きっぱり言い切るエマニュエルに、リーゼロッテは首をかしげて曖昧な笑みを返した。
どうやったら主人の恋心はリーゼロッテに届くのだろう。リーゼロッテは託宣の相手のはずなのに、龍の怠慢なのではないか。エマニュエルは心の中で再びため息をついた。
そんな時、エラが部屋に戻ってきた。室内に入るなりエラは、口を開くより先にリーゼロッテに駆け寄った。
「お嬢様、何かございましたか!?」
「ええ、わたくしの浅慮からジークヴァルト様にご迷惑をおかけしてしまって……」
(さすがエラ様ね。何を言わずともリーゼロッテ様のご様子ひとつで異変を察知するなんて)
膝をついてリーゼロッテの手を取りながら、エラは事の次第を頷きながら聞いていた。もちろん守護者やカークのことは話題に出さなかったが、リーゼロッテは包み隠さずエラに胸中を打ち明けている。
信頼関係が見て取れるが、エラは大事にするあまり、リーゼロッテに対して過剰に過保護なのだろう。エラに依存したままでは、今後もリーゼロッテに弊害が出るに違いない。公爵家での環境が、ふたりにとって良い方向へ作用するといいのだが。
(それにしても、エラ様のことも放置はできないわね……)
無知なる者であるエラの争奪戦が、使用人たちの間で苛烈を極めている。貴族であることを鼻にもかけないエラは親しみやすく、男女問わず益々モテモテになっていた。
抜け駆け禁止とばかりにお互いがけん制し合っているため、危うくも均衡を保っているが、女性はともかく男性陣からは熱列なラブコールが激化している。
男爵令嬢であるエラに強引に言い寄る使用人はいなかったが、それとなくアプローチする者は大勢いた。それに使用人の中に貴族の子弟がいないわけではない。身分的につり合いが取れる者なら、強引な手口で迫ることもあり得るだろう。
リーゼロッテとは違い、そこのところはエラはそつなく上手にかわしているようだが、何かがあってからでは遅いのだ。
エラはリーゼロッテと共にダーミッシュ家から預かった大事な客人だ。エッカルトやマテアスがうまくやっているだろうとは思うのだが、一抹の不安はぬぐい切れなかった。
リーゼロッテとエラの会話に耳を傾けながら、エマニュエルはそんなことを考えていた。
「それで、リーゼロッテ様は旦那様に『何でもするから怒らないでくれ』と、そうおっしゃったのですね?」
確かめるように聞き返すと、リーゼロッテはこくりと頷いた。エマニュエルは大げさにため息をつく。何でもするなど、下心がある男の前では言ってはならない言葉の中でも上位の台詞だ。
(旦那様がお声を荒げるのも無理はないわね)
目の前のリーゼロッテは審判を待つ罪人のごとく、神妙な面持ちをしている。
「わたくしが全て悪いのです。お忙しいヴァルト様に迷惑ばかりおかけしてしまって……」
「リーゼロッテ様。旦那様がお怒りになったのはそこではありません」
エマニュエルはリーゼロッテの危うさに、正直困惑していた。
日常リーゼロッテと接していると、疑問に思うことが多々あった。なぜこの令嬢はこんなにも自己評価が低いのだろうかと。
伯爵家の令嬢ならば、もっと居丈高に振舞ってもおかしくないのだが、リーゼロッテはとにかく腰が低い。我が儘なことは何一つ言わないし、自分さえ我慢すれば丸く収まるだろうと思っている節さえ感じられる。
「リーゼロッテ様、不敬を承知で申し上げます」
エマニュエルの厳しい口調にリーゼロッテは居住まいを正した。
「恐らく旦那様がお咎めになったのは、リーゼロッテ様の“何でもする”などという軽率なお言葉です」
リーゼロッテはエマニュエルの真意がいまいち理解できなかったが、黙ったまま深く頷いた。
「よろしいですか? リーゼロッテ様。何でもするなどと気軽に言って、もしも相手に今この場で服を脱いで裸になれと要求されたらどうなさいますか?」
「え?」
リーゼロッテは驚いたように顔を上げた。その反応にエマニュエルは、危機感がまるでないリーゼロッテに心の中で嘆息した。
「実際に旦那様がそのようなことを言うなどとは申しません」
心の中ではわからないが。エマニュエルはそんなことを思いながらも、神妙な顔のまま言葉を続けた。
「しかし、世の中にはいい人間ばかりではないということです。旦那様が危惧なさったのはまさにそのことでございましょう。安易に軽率なお言葉を口になさるのは避けるべきだと、リーゼロッテ様はお思いになられませんか?」
大事に守られてきた深窓の令嬢だ。今までだったらやさしいお嬢様で済んだだろう。しかし彼女は間もなく社交界デビューを果たす。こんな迂闊な発言をほいほいするようでは、確実に悪い輩の餌食になるのは目に見えている。
思いもよらならなかった叱責を受けて、リーゼロッテは言葉を失っていた。日本にいた頃の事なかれ主義の八方美人な感覚では、貴族としてはやってはいけないのだ。
短慮な発言で言質を取られてしまったら、ダーミッシュ家や公爵家にも迷惑がかかることになるだろう。自分の立場をわきまえて言動に気を配ることは、貴族として当然のことだった。
「エマ様。わたくしが浅慮でしたわ。以後十分に気をつけます……」
しゅんとしてリーゼロッテはうつむいた。年上とはいえ下位の者からこうも厳しく言われて、通常の令嬢ならば怒り狂ってもおかしくはない。しかしリーゼロッテの態度は一貫して平身低頭だった。
「わかっていただけたなら何よりですわ」
「エマ様。わたくしどうしようもないくらい世間知らずなのです。至らないことがあったら、すぐに教えてくださいませ」
お願いいたしますと懇願するように頭を下げる。エマニュエルは慌ててそれを制した。
「リーゼロッテ様。下の立場の者に安易に頭を下げるのはいけませんわ。外では決してなさいませんよう」
「申し訳ありません!」
早速の教育的指導に、リーゼロッテは条件反射のように頭を下げてしまう。筋金入りの腰の低さに、エマニュエルは苦笑するほかなかった。
「ですからそのように謝ってはなりません」
ますます恐縮した様子のリーゼロッテに呆れながらもエマニュエルは、自然と口元に笑みが浮かんでしまった。
「リーゼロッテ様……どうか……旦那様をお嫌いにならないでください……」
ふとこぼれるように言葉が出る。
あれほど取り乱して怒りを露わにするジークヴァルトなど、今まで唯の一度も見たことがない。だが、こんなにも無防備なリーゼロッテに、危機感を覚えたのだろう。それこそ声を荒げてしまうほどに。
どうか、彼の真意を分かってほしい。エマニュエルは懇願するような視線をリーゼロッテに向けた。
「もちろんですわ、エマ様。ジークヴァルト様がおやさしいのは十分にわかっておりますし、今回の件はわたくしが嫌われても仕方ないくらいですもの」
「旦那様がリーゼロッテ様をお嫌いになるなんて、天地がひっくり返ってもあり得ませんわ」
きっぱり言い切るエマニュエルに、リーゼロッテは首をかしげて曖昧な笑みを返した。
どうやったら主人の恋心はリーゼロッテに届くのだろう。リーゼロッテは託宣の相手のはずなのに、龍の怠慢なのではないか。エマニュエルは心の中で再びため息をついた。
そんな時、エラが部屋に戻ってきた。室内に入るなりエラは、口を開くより先にリーゼロッテに駆け寄った。
「お嬢様、何かございましたか!?」
「ええ、わたくしの浅慮からジークヴァルト様にご迷惑をおかけしてしまって……」
(さすがエラ様ね。何を言わずともリーゼロッテ様のご様子ひとつで異変を察知するなんて)
膝をついてリーゼロッテの手を取りながら、エラは事の次第を頷きながら聞いていた。もちろん守護者やカークのことは話題に出さなかったが、リーゼロッテは包み隠さずエラに胸中を打ち明けている。
信頼関係が見て取れるが、エラは大事にするあまり、リーゼロッテに対して過剰に過保護なのだろう。エラに依存したままでは、今後もリーゼロッテに弊害が出るに違いない。公爵家での環境が、ふたりにとって良い方向へ作用するといいのだが。
(それにしても、エラ様のことも放置はできないわね……)
無知なる者であるエラの争奪戦が、使用人たちの間で苛烈を極めている。貴族であることを鼻にもかけないエラは親しみやすく、男女問わず益々モテモテになっていた。
抜け駆け禁止とばかりにお互いがけん制し合っているため、危うくも均衡を保っているが、女性はともかく男性陣からは熱列なラブコールが激化している。
男爵令嬢であるエラに強引に言い寄る使用人はいなかったが、それとなくアプローチする者は大勢いた。それに使用人の中に貴族の子弟がいないわけではない。身分的につり合いが取れる者なら、強引な手口で迫ることもあり得るだろう。
リーゼロッテとは違い、そこのところはエラはそつなく上手にかわしているようだが、何かがあってからでは遅いのだ。
エラはリーゼロッテと共にダーミッシュ家から預かった大事な客人だ。エッカルトやマテアスがうまくやっているだろうとは思うのだが、一抹の不安はぬぐい切れなかった。
リーゼロッテとエラの会話に耳を傾けながら、エマニュエルはそんなことを考えていた。
0
お気に入りに追加
272
あなたにおすすめの小説

【完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。
112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。
エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。
庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──

【完結】愛してるなんて言うから
空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」
婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。
婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。
――なんだそれ。ふざけてんのか。
わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。
第1部が恋物語。
第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ!
※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。
苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
【完結しました】
王立騎士団団長を務めるランスロットと事務官であるシャーリーの結婚式。
しかしその結婚式で、ランスロットに恨みを持つ賊が襲い掛かり、彼を庇ったシャーリーは階段から落ちて気を失ってしまった。
「君は俺と結婚したんだ」
「『愛している』と、言ってくれないだろうか……」
目を覚ましたシャーリーには、目の前の男と結婚した記憶が無かった。
どうやら、今から二年前までの記憶を失ってしまったらしい――。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる