【R18】恋を知らない聖剣の乙女は勇者の口づけに甘くほどける。

古堂 素央

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第56話 わたしだけにできること*

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 意識なく横たえているロランは、刻一刻と命の灯が消えかかっている。
 魔物傷を癒すにはとにかく快楽を得なくてはならない。震える手でアメリは服越しに自分の胸を揉みしだいた。
 今まではずっとロランに任せきりだった。しかもこんな瀕死のロランを前にして、上手く快楽など拾えるはずもない。

 脱ぎにくいドレスを無理やり脱いだ。胸元のリボンを引っ張ると、一枚布のようにするりとすべての生地が解けて落ちる。
 下に着ていたベビードールの肩ひもを腕までずらし、アメリは直に胸先をつまみ上げた。

「んっ」

 痛みが走るも、アメリは必死に乳首をこね続けた。
 すぐに硬くなった胸先は、赤く腫れあがるばかりでちっとも気持ちよく感じない。

「落ち着いて、落ち着くのよ」

 言い聞かせるように呟いた。
 ロランの弱い呼吸を確かめながら、ベビードールをまくり上げ今度はショーツに手を滑り込ませる。膝立ちの姿勢で、割ったあわいの奥にぐっと指を差し入れた。

「いたっ」

 カラカラに乾いたそこは、どこを触ろうとも痛いだけだった。
 いつもロランが触れるとき、あんなにも気持ちよくなれるのに。

「どうして……どうしてうまくできないの……」

 アメリの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
 勇者ロランを癒せるのは聖剣の乙女であるアメリだけだ。どうすればいいかも知っている。
 なのになぜそれができないのか。
 泣いていたってどうにもならない。傷が治るどころか、ロランの出血は悪化していく一方だ。

「ろら……ろらん……」

 罰を与えるようにアメリは敏感な場所をこすり続けた。
 そうしていてもいたずらに時間ばかりが過ぎていく。

「こんなんじゃ、わたしいる意味なぁい」

 愛していると口先ばかりで、なんと役立たずな自分だろうか。
 泣きじゃくるほどに指の動きが乱暴になった。
 ロランの痛みはもっと酷いはずだ。ぐちゃぐちゃの感情のまま、アメリは自分の体をいじり続けた。

 ふとロランを見やると、うっすらと目が開いている。ぼんやりとだが、その焦点はアメリへと向けられていた。
 目が合うと、ロランは瞳をやさしげに細めてきた。
 ちゃんと見ている。
 そう言われた気がして、止まっていた指の動きをアメリはゆっくりと再開させた。

「……っん」

 ロランにじっと見つめられている。それを感じるだけで、あんなに乾いていた秘所が潤み始めていた。
 あわいに眠る突起を指の腹で刺激する。少しずつ快感が広がって、アメリは小さく昇り詰めていった。

「あぁん…っ」

 ガクガクと膝が震え、喉元がのけぞった。
 絶頂にはほど遠かったが、半開きの唇でアメリはしばらく快楽の余韻を漂っていた。

「ア……メリ……」
「ロランっ」

 我に返り、慌てて顔を覗き込む。
 先ほどよりもずっとロランの瞳に力が宿っていた。しかしまだまだ体は動かせないようだ。

「ロラン、ロラン……ごめんなさい、わたし上手くできなくて……」
「だい、じょうぶだ。焦ら……なくてもい、い」
「でも」

 途切れ途切れの言葉が、苦しげな呼吸の合間にやっとの思いで紡がれていく。
 もっと上手にやらなくては、到底ロランを癒せない。

「待ってて、ロラン。今もっと楽にしてあげるから」

 顔の前でぺたりと座り、アメリはもう一度ショーツの中に手を差し入れた。
 しかしすでに秘所は乾き始めていて、さっきのように気持ちよくなれない。指に張り付く粘膜の痛みに、思わずアメリは顔を歪ませた。

「駄目だ、アメリ……アメリのそこはものすごくデリケートなんだ……だからもっとやさしく触れて、くれ」

 弱々しい助言に頷いた。
 伏したロランが顔だけをアメリに向けている。その瞳に見つめられながら、アメリはそっと指先をスライドさせた。

「あっ」
「その調子だ……もっとゆっくりと……上の方にふくらみがあるだろう? 指に蜜を絡めて、そこをやさしくなぞってみるんだ」

 言われた通りに動かしてみる。ロランの魔法にかかったように、途端にアメリの奥から蜜が溢れ出てきた。
 それでもなかなか愉悦の波は訪れない。焦るアメリに再びロランが口を開いた。

「アメリ、その手が俺のものだと想像するんだ」
「ロランの……?」
「そうだ、今君に触れているのは俺の指だ。ゆっくりと、そう、円を描くように……」
「あっぁあん」
「上手だアメリ。ほら、片手がさぼっている。俺の手ならそんなことはないはずだぞ?」

 あわいの突起をいじりながら、戸惑いがちにもう片方の手を見つめた。
 揺れる胸を掬い上げとりあえず揉んでみる。

「ふっ、それもいいが……指を口に含ませて、たっぷりと唾液をつけたら耳に触れてみるといい」

 誘導されるままアメリは耳の縁をなぞった。ぬるりと濡れた指先は、まるでロランの舌が這っているかのようだ。
 重ねた夜の記憶を辿って、触れるか触れないかの加減で手を首筋に滑らせる。ゾクゾクする感覚に、たまらずアメリの口から切なげな吐息が漏れた。

「そろそろいいだろう。アメリの乳首が寂しがってる」
「ぁん……そんなこと……」
「こんなにも可愛らしく勃起ち上がっているじゃないか。ほら、二本の指で挟み込んでやさしく摺り上げてみるんだ」

 恥ずかしいのに言われたとおりに指が動いてしまう。
 硬くなった胸先を親指の腹でそっとなぜると、得も言われぬ愉悦が走り抜けた。

「アメリは強くするのも好きだろう?」

 つまんで揺らして、時に爪を立て。
 いつもロランにされているように、ぷっくりとなった乳首をアメリは夢中で弄んだ。

「あ……あん、ふっ、やぁん」

 初めは痛いだけだった行為がこんなにも甘くもどかしい。
 下をいじる指も止められない。くちくちと水音が響き、その淫靡な動きは薄いショーツに浮かび上がってどんどん激しさを増していく。

 ぎゅっと瞼を閉じてアメリは益々快楽にのめり込んでいった。
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